佐倉市の西田三十五市長が、7月の参院選に出馬を表明していた自民党候補の応援のため、宗教団体「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の地域支部で行われた集会に出席していたことが4日、関係者への取材で分かった。出席は政治家としての政務ではなく、市民を代表する市長としての公務扱いだったという。初当選した2019年の市長選で、支援者に同団体の信者がいたことも判明した。西田市長は集会出席や市長選での支援を認め、今後は同団体と関係は持たないとした。
関係者によると、集会は参院選比例代表に同党公認で立候補表明していた井上義行氏の応援を目的に6月17日、京成臼井駅前にある同団体地域支部の佐倉家庭教会で開催。井上候補は当時、同団体の賛同会員として支援を受けたとされ、その後再選を果たしている。
西田市長は集会に出席した上、紹介を受けてあいさつ。井上氏が銃撃事件で死亡した安倍晋三元首相の首席秘書官を務めていたことから「(当選後は)佐倉市の発展のために力添えを」などと、井上氏が国と市のパイプ役になることを期待する発言をしたとされる。出席は市の業務に関連していることを理由に公務として扱われた。
千葉日報社の取材に、西田市長は集会への出席は参院選候補者の支援者から要請があったためとし「旧統一教会の施設とは認識していなかった」などと釈明。また、19年の市長選を巡り、同団体の信者の紹介で施設を訪問するなど選挙運動で手伝いを受けていたことを認め「(安倍元首相の事件があるまで)旧統一教会の信者とは知らなかった」と説明した。
今後については「集会への出席は主催者に問題がないか十分にチェックするなど適切に対応する。信者とは距離を置く」と述べた。
西田市長と同団体との関係を巡っては、21年8月に関連団体が開催した自転車イベント「ピースロード2021 in Japan 南千葉」に市を通じて要望を受けて出席し、あいさつしたことも明らかになっている。