登録日:2012/06/13(水) 02:59:47
更新日:2022/09/23 Fri 22:01:52
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會川昇(は
日本の脚本家。本名&旧名義は
会川(昇(。東京都出身。
読みが同じなのでよく間違えられるが、決してVシネの帝王ではない。
OVA全盛期だった90年代、様々なOVAで脚本を担当していたため、その印象が強いという人もいるだろう。
経歴
『亜空大作戦スラングル』でデビュー。それ以前は雑誌の編集者をやっていたらしい。
いずれにせよ、10代後半というかなり早熟なデビューということになる。
作風
一言で言うならばドSである。
登場人物の大半は設定の段階で何かしらのしがらみや悩み、
トラウマを抱えている事が多い。
ただでさえ日々それらに悩まされまくっているのに、ストーリー開始と同時に更なる災難に襲われてしまうのである。
その災難が話を進める毎に苛烈になっていき、見てる方が気の毒になってしまう事も。
そういった積み重ねの末に雰囲気が陰鬱になり、情勢の整理がつかなくなるため内容についていけず、視聴を切る者も多い。
しかし、登場人物それぞれの境遇への向き合い方が非常に人間くさく、
そんな境遇でも自分なりの生き方を貫こうとする姿勢を描いていくストーリーを評価する層は少なくない。
他に、キャラの複雑な心情をセリフで説明しようとして、かなり長々と要領を得ない
説明台詞をキャラが喋る事が時々ある。
原作からの乖離
「アニメにはアニメなりの演出があるんだから、そのままアニメ化して面白くなる訳が無い」
という考えの持ち主であり、彼が担当した原作付きアニメは世界観や作風が意図的に改変されている。
『大江戸ロケット』や『
UN-GO』のように根幹から変えてる物もあれば、『ラブひな』『
鋼の錬金術師』や『
屍姫』のように表面上の設定はそのままだったりとニュアンスは異なるが、
原作からかけ離れた物が出来上がるので、
原作レイプと騒がれる事も少なくない。
この事もあってか彼が担当した作品の原作ファンからはかなり警戒されており、辛辣な目で見られている。
降板
実はかなり我が強い人物で有名。
前述のような苛烈な展開が行きすぎて咎められるなど、他のスタッフと衝突する事が多く、
結果的に事態が収束せずに會川がそのまま降りたとされる番組がそれなりの数に上る。
アニメ制作以外の現場でも衝突が多いのか、担当作品のノベライズを執筆した際にもリリース直前になって発売中止になったケースが多い。
近年では『
仮面ライダーディケイド』での降板が話題に出やすいが、彼の全盛期を知るアニヲタからすれば「いつもの事」だったらしい。
もしかしたら降板しない方が珍しい脚本家なのかもしれない。
途中降板したとされる作品
第1話を担当。普通ならそのままメインを担当するはずだったが、第4話を書いて降板。
OVA。第1期の脚本を担当するも、新章は第1話で降板。
3人いた脚本家の一人だったが、第二部以降に唯一参加せず。
全45話中40話を担当したが、ラスト5話を藤間晴夜が担当。
2クール目から参入。
深見ゴウ関連の話を主に執筆するも、3クール目以降には参加せず。
(「
中島かずきにゴウ関連の話を書かせたから」だとチラホラ)
メインライターだったが、1クールで降板。本人曰く「不幸な事があった」が詳細は不明。よっぽど急な降板だったらしく、會川は一時期無職に。
ちなみにこの後に特撮関連の仕事からしばらく離れるが、2013年3月31日に逝去した長石多可男監督を偲ぶ会にて
宇都宮孝明Pに声をかけられ、
彼の担当作品『
仮面ライダーウィザード』の
第52話と最終話で4年と半年ぶりに復帰した。
その他にも降板した疑惑のある番組が幾つかあるが、真偽は不明。
総評
これらの要因が重なってか、彼やその担当作品に関する情報量とその見方で評価が大きく変わる脚本家である。
原作や會川が関わってない前作がある作品を担当した場合、それらの知識があるファンの大半から批判の声が上がるのは避けられない。
しかし、誤解してはならないが、
彼が改変した世界観は非常に完成度が高く、伏線もちゃんと回収する。
ストーリー終盤において解釈の難しい展開が起こる事もあるが、そのストーリーを組み立てる手腕から、前知識のない新規視聴者からの評価は高くなりやすい。
ちなみに90年代にラジオでパーソナリティを担当しており、その時に放った様々な慇懃無礼な発言の記憶から彼を嫌う者も居る。
交友関係
10代の頃のライター・エディター時代に取材を通して知り合った
井上敏樹とは30年来の付き合い。
一緒に飲みに行った際のエピソードを會川が雑誌に載せる事が多く、その際の「『
電王』には参加する」「東映の用心棒」といった発言は井上のアンチが活発になる原因になる事が……。
ホントに仲良いの?この2人。
また、『
疾風!アイアンリーガー』では、腕相撲で骨折した井上の代わりに會川が脚本を担当したというエピソードがある。
『語ろう!555剣響鬼』においては、両氏のエピソードがいくつか紹介されている。
井上「最初は仲が悪かったんだよ。あいつ生意気じゃない?いつもドヤ顔してるしな(笑)。まあ腐れ縁で今でもたまに飲むね、メシ食ったりね」
一方で會川は、井上の手掛けた作品の中で『
劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』を非常に高く評価しており、「あの劇場版の先にはもっと可能性がある」とも絶賛している。
ただし、同映画のラストシーンについて「(真理が
オルフェノクの
巧を受け入れた証として)真理はオルフェノクの姿の巧と手をつないでなきゃダメだ」と井上本人に言い、「バカ、お前はなんにもわかってない!(笑)」と返されたという。
井上「それだとホンが分かりやすすぎる」「あいつ(※會川)ってちょっと頭で考えるヤツだから」とのこと。
ちなみに會川が『ディケイド』で描いた『
ファイズの世界』では、ラストシーンで尾上タクミと友田由里が手をつないでいる。
井上も「あいつはハマれば、いい仕事するんだよ」と會川を高く評価しており、「(『
仮面ライダー剣』で)會川は頑張ったよね。あのときの會川はよかったんじゃない?」「『ハガレン』もよかったよな」と評している。
『ウルトラマンG』で組んだ
小中千昭とはウマが合った様子で、一緒に映画を見に行くなどかなり仲が良かった模様。
近年は疎遠だったそうだが、『ヒーロー、ヒロインはこうして生まれる』の対談で再会した。
(因みにその際、會川の余りにもディープなヲタトークに小中すら付いて行けず、いつしか聞き手に徹してしまうという始末だった)
担当作品
途中降板したとしても追記・修正をお願いします。
- ウィザードの最終三話の脚本書いたのでかなり楽しみ -- 名無しさん (2013-08-23 20:23:38)
- ウィザードの最終三話の脚本書いた>なん…だと……? -- 名無しさん (2013-08-24 01:19:30)
- 書いたのは特番扱いの52、53話だよ。歴代ライダーの振り返りとガイムの番宣みたいな内容らしい -- 名無しさん (2013-08-24 01:45:46)
- 古本屋に置いてあった80年代の頃のアニメ誌で、「なんと、この若さで脚本家デビューするという青年が現れたぞ!(意訳)」と写真付きで紹介されてるのを見たことがあるけど、人相がすげぇ悪かったんで顔は出さないほうが良かったと思うw
作品そのもののクオリティを度外視すれば、平野俊弘(俊樹)さんと一緒に仕事してたときがいちばん輝いてたような気がするなぁ。 -- 名無しさん (2013-09-22 23:46:51)
- DCDを降りたのはヒーローが潰しあう展開が嫌いだからなのかな?この人の担当回見るとそう感じる -- 名無しさん (2013-10-08 01:36:16)
- ↑だったら企画段階でコンセプト変えるだろ。必要性があったらどんなキャラでもどん底に落とす人だよ會川は -- 名無しさん (2013-10-28 14:20:51)
- 商売っ気が先行しすぎな白倉との意見の相違だと思うけどな。東映からすると一区切りして次に繋げるのが役割で実際それは果たしたけど、本気で再構築して総括する気はなかったと思う。 -- 名無しさん (2013-12-13 06:06:48)
- 個人的な意見だけど剣の脚本後半から担当して序盤の伏線を回収したのはすごいと思う -- 名無しさん (2014-01-02 14:35:41)
- なんだかんだでこの人の書くディケイドが一番面白い -- 名無しさん (2014-02-02 15:59:53)
- ボウケンは一時降板したけど最終三話書いて、ゴーオンにも参加したのを見るに日笠Pとはお互いの妥協点を見出せてたんだろうな・・・白倉の誘いにさえ乗らなければ -- 名無しさん (2014-03-26 20:49:30)
- ↑塚田とも決別してるし、妥協できる人自体が稀なんだろう。アニメも手広くやってる割に同じ人とばかり仕事してるし -- 名無しさん (2014-03-26 23:19:27)
- トッキュウジャー15・16話で、実に6年ぶりに戦隊の脚本に復帰と聞いて -- 名無しさん (2014-05-16 08:46:22)
- ピッチャーでいうストッパー向き -- 名無しさん (2014-05-16 09:26:03)
- ↑2 ウィザードに続き、宇都宮P作品か。これから宇Pとの関係がどう転がっていくか? -- 名無しさん (2014-05-25 15:30:53)
- 剣を綺麗に終わらせたのは凄いと思うがなあ -- 名無しさん (2014-07-25 17:04:04)
- 自分ウルトラマングレートと十二国記大好き -- 名無しさん (2014-07-25 19:41:08)
- ↑2 例年通りだとドライブの次のライダーのPが宇都宮Pになるからもしかしたら・・・ -- 名無しさん (2014-07-28 19:12:11)
- 剣は最初からこの人だったらどうなってたかかなり気になる。 -- 名無しさん (2014-07-29 11:51:55)
- ↑×5 一応宇都宮Pは剣やボウケンジャーのサブで携わっていたから、ウィザード特別編以前からこの人と面識あったりする -- 名無しさん (2014-07-29 14:25:06)
- 「グランヒストリア」も手掛けてる。この人ありきで企画されたと、ユーズド・ゲームズの制作者インタビューで語られてる。 -- 名無しさん (2014-09-07 09:12:48)
- こうやって見ると會川さんと特に諍いもなく作品仕上げられる水島監督って凄く貴重な存在なんだな。 -- 名無しさん (2014-09-07 11:31:42)
- 降板したことばかり書くのも不公平な気がするけど、特にブレイドを後半参入ながらうまいこと綺麗にまとめたことは評価点に加えてもいいと思うんだけど -- 名無しさん (2014-09-29 17:48:16)
- トッキュウ脚本やってたらしいと聞いて調べたらハンマーシャドーの二話分だったのね -- 名無し (2014-09-29 17:57:05)
- ↑2いやブレイドの部分だけピックアップしても「単なるマグレ」みたいな印象になるぞ、知らん人からしたら。そんなもん評価点にならないだろ -- 名無しさん (2014-10-01 16:37:20)
- 剣の後半はまじで神がかってたよ、ただ個人的に原作ありのはちょっとて気がするんだよな、あくまで個人的にだけど。 -- 名無しさん (2014-10-08 22:25:05)
- ドラマ・戦艦大和のカレイライスの脚本書いてたな、やっぱこの人実写作品のが輝く気がする -- 名無しさん (2014-11-11 23:52:41)
- ぶっちゃけ1クール目のディケイドが面白かった。 -- 名無しさん (2014-11-18 16:02:51)
- 原作破壊とリスペクトが同時にできる稀有な人 -- 名無しさん (2014-11-18 19:18:44)
- グレートで1話2話6話12話13話の原案を担当、こう見るとゴーデスとの決着と二大伝説怪獣との決戦だったりする -- 名無しさん (2014-11-19 10:28:58)
- ↑3 演出とかで多少冷めても話の筋が元になったライダーの要素で構成されてるから楽しんで見れたのは確か。アギトの世界でユウスケがG3-Xで通したのも話のテーマを踏まえればこそだし。 -- 名無しさん (2015-01-05 20:49:11)
- ディケイドはずっとこの人がやっていればいい作品になったかもしれない。 -- 名無しさん (2015-01-09 12:21:38)
- ディケイドは脚本というよりコンセプトがイミフになったのがあかん -- 名無しさん (2015-02-09 10:57:16)
- コメントが脚本家ってディケイドへの愚痴になってないか? -- 名無しさん (2015-02-09 11:05:30)
- ボウケンジャーの時は丸くなったなあと思った。 -- 名無しさん (2015-04-04 02:19:36)
- >こうやって見ると會川さんと特に諍いもなく作品仕上げられる水島監督って まあハガレンでは二人共原作ファンとの諍いは起こしたがな(あれを容認した竹PやTBSも悪いんだが) -- 名無しさん (2015-05-15 23:07:03)
- トッキュウのVシネでは本編で小林がやや自重した分暴れてたな。まさか小林ブラックホールとタイムスリップを合わせるとはw -- 名無しさん (2015-06-06 20:25:04)
- 10月から放送のボンズオリジナルアニメの脚本を担当する模様。監督は水島さんだとか、本当に仲良いな -- 名無しさん (2015-08-25 06:48:10)
- 漫画とかにいる典型的な天才型タイプ(本人が努力してないとかでなく)腕は立つが我が強すぎる感。内容はアレな所もあるけど周りの意見取り入れて書く米村とは良くも悪くも対照的な感じだなあと思う。 -- 名無しさん (2015-09-22 20:54:20)
- あと日笠Pと上手くいったって上にあるけどあの人基本放任主義だから上手くいかないことの方が少ない気が…w -- 名無しさん (2015-09-22 20:57:14)
- コンレボ面白いわ -- 名無しさん (2016-01-07 10:51:11)
- コンクリート・レボルティオは久しぶりにすげえと思ったアニメ -- 名無しさん (2016-01-17 21:50:20)
- ガルキーバの第16話は本当に會川らしい話だと感じたよ。鬼丸大伍の最後の異空間に消えてしまう所は「永遠の切り札」に似ていると感じた。 -- 太田真一郎 (2016-02-21 11:31:59)
- 今週のコンレボ、良い意味で會川節が炸裂してて良かった。 -- 名無しさん (2016-06-06 01:45:32)
- コンレポくっそ面白かったんでどんな人か見てみたら…やっぱクリエイターとかって尖ってる人多いんかね -- 名無しさん (2016-06-24 12:52:39)
- ↑×5 剣の後半のときは會川脚本の展開を「今までの平成ライダーとは違うんですけど」と難色を示すスタッフもいたが、日笠Pが理解を示してくれたと語れ555剣響鬼に書かれている。 結構上手くいってたんじゃないかな -- 名無しさん (2016-06-24 18:15:43)
- 視聴者が偉そうになっちゃね… -- 名無しさん (2016-10-02 01:56:23)
- まぁていうか、結局この人には自分の作った世界観でやってもらうのが一番だってこったね。 -- 名無しさん (2016-10-02 22:59:43)
- ガイファードも第一話しか書いてない。共同で書いてる石井博士とトラブルでもあったんかな。 -- 名無しさん (2019-08-08 16:41:52)
- 葉月九ロウ名義のラブひなもメチャメチャに改変してたけど、小説版だと結構原作風に仕上げてくれたんだよなあ -- 名無しさん (2020-03-23 14:46:27)
- ↑3 コンレボにしても時代を作った作品のオマージュ全開だから味が出たようなものだし、「會川昇がメタもパロも抜きに自分で作った世界観」の作品ってあんまりないような(天才的アレンジャーではあっても) -- 名無しさん (2021-07-26 17:44:33)
- 會川氏は何かしらの下地がある作品に強い気がする。十二国記もハガレンも面白かった。 -- 名無しさん (2021-08-01 15:31:44)
- ハガレンは当時は原作ストック尽きたら、中断して何期にも渡る形式が整ってない時代だったから、やむなくオリジナル突入せざるを得なかった現実もあるんだよね。そこを苦肉の策でなんとか仕上げた手腕は評価出来るが、原作が綺麗な完結した後でもそれより上だとか言ってる論外のおかしい輩を産んでしまってるのは功罪の罪ではあるなあ -- 名無しさん (2022-05-06 05:12:22)
- 世界観・ストーリー構成を一人でやり切ったグランヒストリアは全編内容が一貫していた。アレは話良かったなぁ。 -- 名無しさん (2022-06-17 19:23:34)
- ↑↑まぁ感想は個人の自由だし、論外のおかしい輩~とまでは言わなくても良いと思う。ただ、「俺は昔のアニメの方が好き」で良いのにね。 -- 名無しさん (2022-06-17 21:10:34)
- ロゼが軍にまわされ孕むとか大佐がウィンリィ両親殺害犯とか「この作品は一体何?」は原作者に軽くチェック入れる体制でもあれば防げたのにな -- 名無しさん (2022-06-17 21:47:33)
最終更新:2022年09月23日 22:01