9月1日 オンエア
地下で起きた奇妙なミステリー
 
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今から25年前の9月、東京都江東区の地下28メートルの地点で摩訶不思議な現象が発生していた。 地下のパイプ、その奥に広がる暗闇の底からこの世のものとは思えない奇妙な声が響き渡っていたのである。 だがそれは、世にも恐ろしい出来事の発端に過ぎなかった。

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初めに異変を感じたのは、点検を行なっていた作業員たちだった。 奇妙な声が聞こえてきたのだ。
実は、少し前にパイプ内に入っていった2人の作業員がいた。 だが、作業中の人間のがこんな声を出すとは思えなかった。 悲鳴のようでもあり、笑い声や泣き声のようにも聞こえる、この世のものとは思えない奇妙な声。 果たしてその正体とは!?

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仲間が全く戻らないことを不安に思い、3人は恐る恐るパイプの中に入ることにした。 すると、3人のうち2人が突然 錯乱し、そのままパイプの奥へと姿を消した。 身の危険を感じ、1人引き返した作業員は消防に通報。 数分後、消防隊が現場に到着した。

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異変が起こったマンホールの内部は、深さ28メートル。 大雨の際に一時的な貯水をする施設で、最深部にあるパイプ管の中に計4名の作業員が消えたのである。 作業員達が異常な行動をとったこともあり、救助隊員は万が一に備え、ガスマスクや空気ボンベを身につけ、完全着装で降りていった。

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すると、姿を消していた作業員の1人が現れ、「他の3人もそこまで連れてきた。助けてくれ」と言った。
男性は憔悴しきっており話を聞ける状態ではなかった。 その後、作業員を救急隊に託し、すぐ近くにいるという3名を探しに、救助隊員はパイプに入っていった。

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すぐ近くにいると思われた要救助者3人の姿はどこにもなく、状況が掴めないまま、隊員たちは必死に奥へと進んだ。 さらに、パイプ内は想像以上に過酷な環境だった。 直径はわずか1.2メートル、その中をしゃがんだ状態のまま11キロもの重装備を身につけ、進まなければならなかった。

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そんな隊員たちに予想を遥かに超えた恐怖が襲い掛かる。 パイプ内に可燃性の有毒ガスが充満していたのだ。 しかも、わずかなきっかけでも発火してしまうほどの濃度。 隊員同士で装備が接触し、少しでも火花が起これば、爆発する恐れがあった。

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隊員たちは、爆発の恐怖と戦いながらパイプの奥へと進んでいった。 すると、隊員たちは確かに耳にした…真っ暗なパイプの向こうから聞こえてくる、奇妙な声を。

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そのとき、空気ボンベの残量が少なくなっていることを表す警告音が鳴り響いた。 厳しい体勢を強いられ重装備を背負いながら慎重に進んでいたため、酸素消費量が大幅に増えたことが原因だった。
酸素も体力も限界。 これ以上進んでも、3人を救助して戻ることは不可能。 撤退を余儀なくされてしまった。

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地上に戻った3人の救助隊員は、極度の脱水状態に陥っており、あれ以上進んでも救助は不可能だったことは明らかだった。 報告を聞いた救助指揮本部は窮地に立たされた。
パイプ内には可燃性の有毒ガスが充満、このままでは作業員たちが命を落とすのは時間の問題だった。 しかし、ガスの危険性を考慮すると、再び同じ作戦で向かうことはできない。

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穴を掘る作戦も検討されたが、パイプまで掘り進めるには時間がかかりすぎるため、現実的ではなかった。 そんな中、現場付近の地下施設などが書かれた見取り図が届いた。 それにより、1.5キロ先にもう一つ縦穴があることが判明。 この縦穴の存在に、救助指揮本部は光明を見出すことになる。

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救助指揮本部はCXを出動させることを決断。 CXとは東京消防庁が所有している特殊車両。 地下トンネルなど消火が困難な場所で火災が発生した際、直径1メートルのダクトホースから消火用の泡を送り込む事で火災を鎮火する。 だが今回は、火を消すのではなく、有毒ガスを消すためにCXのある機能を使おうと考えたのだ。

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消火用の泡を送り出すための巨大な扇風機が搭載されているため、泡を出さなければ風のみをダクトに送る事が出来る。 その風速は秒速約20メートル、小型の台風なみの風を起こすことが可能なのだ。 1.5キロ先にある竪穴のマンホールの蓋を開け、こちら側のマンホールから風を送り込む。 特殊車両の機能を応用し、パイプ内に充満しているガスを一気に排出する作戦だった。

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パイプ内に強力な風が送り込まれる…作戦は見事に成功。 有毒ガスはほぼ排出され人体に影響がない濃度に!
パイプ内の安全が確認され、重装備を解かれた救助隊により、入口から450メートル地点で倒れている3人が発見された。 救助隊は作業員たちを地上へと救出。 一人は命に関わる重症だったものの、全員の無事を確認。 通報から約4時間、救助は見事成功した。

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だが、まだ疑問は残る。 あの闇の奥から聞こえてきた、奇妙な声の正体は一体なんだったのか? 実は、パイプ内に充満していた有毒ガスの正体は、つなぎ目や破損箇所の修復に使用される溶剤に含まれたトルエンが気化したもの。
シンナーなどにも使われるトルエン、扱い方を注意して使用すれば危険はないが…専門家はこう話してくれた。
「トルエンを吸うことによって精神に興奮状態を与え、錯乱状態になってしまう。本人が何も認識してなくて、大きな声を出したり、異常行動を示したり、見えているものをそれだと認識できないので幻覚を見る状態になったり、聞こえている音も異常な音として耳に入ってくる。通常の精神状態からはちょっと考えられないような異常な状態に陥ってしまいます。」

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そう全ては…トルエンによる中毒症状だった。
実は事故の数週間前、別の業者が換気をしながらパイプの破損箇所を修復。 その後、何かしらの影響で修復した場所から、トルエンが気化しパイプ内に充満。 そして、作業員達はそのことに気づかず、点検作業だけだったのでマスクもしていなかった。 結果、トルエンを吸い込み、中毒症状を起こしてしまったのだ。
救助された作業員は、かなりの重症だったが、その後 無事回復。 まさに、一刻の猶予もない状況。 尊い命を救ったのは、前例のない大作戦だった。

放送内容

次回 | 11月24日(木) 20:00~21:00 放送

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仰天映像の連続、人との絆、再現ドラマのリアル感

世界から、集められたハラハラドキドキする映像火災現場の、他人どうしの連携の素晴らしさを見せつけられました。再現ドラマもかなりのレベルによるものでした
(ゆきんぼう・男・その他の職業・50's)2022/11/03 23:44

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