2021年 12月 13日
性暴力を告発して解職された草津元議員、町長を告訴
12月13日(月)、群馬県草津町議会の新井祥子前議員は、黒岩信忠町長を強制わいせつ罪で告訴した。1月7日時効を迎えるが、「このままではあまりに悔しい」と刑事告訴にいたった。その理由を、群馬県庁の記者会見でこう述べた。
「町長スケジュール記録から『2015年1月8日 新井祥子議員来庁』の箇所がぬけているため、文書改ざんの有無を議会が調査した(いわゆる100条委員会)。この12月議会で、その調査によって『改ざんはなかった』と結論づけられた。実際は、町長に逆らえない人ばかり何人かを調査したものであり、あまりにひどい嘘です」
さらに、事件を公にしたのは反省してくれるとの期待があったからだが反省どころかどんどん強権的になっていること、彼女を支援する議員や支援者にまで圧力的言動がエスカレートしていること、議会で彼女を『枕営業をしている』などと侮辱したこと、も理由にあげた。
新井議員(当時)は、群馬県草津町の町長室で、町長から性被害を受けたことを、2019年11月、電子雑誌で告発した。それを「議会の品位を汚した」とされて、彼女は除名された。その後、県による審決の結果、彼女は復職した。ところが、町長主導のリコール運動が起こって、またしても彼女は解職された。
そもそもの事件は2015年1月8日に起きた。新井議員は、町内での困りごとを町長に相談するため、あらかじめ10時にアポをとって、約束の時間の少し前に町長室に入室した。町長は彼女に「自分の言う事を聞く知人にことをおさめてもらう」という趣旨のことを言って喜ばせた。そのあと性暴力に及んだーーーというのが、2年ほど前、新井議員が私に語った核心だった。
ところが黒岩町長は、メディアなどで、告発した新井議員を嘘つきよばわりしてきた。「その日、新井議員は副町長に会うためにやってきて、その後10時15分ごろ副町長といっしょに入ってきた」と言って、身の潔白を主張してきた。さらに町長は名誉棄損で刑事・民事で新井議員を訴えている。
今回、新井前議員は証拠として、当日の録音とその文字おこしした文書を出した。
その録音で明確になったのは10時にウイストミンスターチャイムが鳴っていることだ。その10時のチャイム以前に、新井議員と町長の会話も録音されており、新井議員が10時前に町長室にいたことを証明していた。さらに、副町長と一緒に入室したような形跡はない。これらは、町長の発言が虚偽だったことを裏付けていた。
町長の提訴した裁判のなかで、副町長は、あたかも新井議員と10時にアポをとったかのような文書を証拠に出しているという。町長による虚偽発言もそうだが、副町長も証拠を捏造したことになるのではないか。
【写真:2021年12月13日、群馬県庁における記者会見のLive動画のキャプチャー。上記報告は動画を視聴して記載した】
【更新:2021.12.14】
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■速報:性被害を告発した草津町議員の2次被害、3次被害 : FEM-NEWS (exblog.jp)
■町長の圧力による女性議員の排除(リコール)を防ぎ、日本の湯・草津町に本当の民主主義を!! (changeによる署名運動。英訳付)