※この記事は2021年4月に公開し、以後本誌の展開等に合わせ随時更新しています
2022.5.4 最終話までの内容に合わせて更新しました 最終話までの軽いシーン説明があります
北海道の開拓の村と並ぶ金カム聖地の宝庫といえば、愛知県は犬山市にある博物館 明治村ですね!
2020年秋にはコラボイベントが開催されたので、その際行かれた方も多いのではないでしょうか。コミックス24巻からは巻末の取材協力にも名前が載っています。北海道内の聖地が多い金カムですが、本土の民にも比較的行きやすいのが有難いです
主に明治時代の国内や一部日本人移民として渡っていった先の海外の建築物が移設されていて、庶民の民家というよりは、明治時代を代表する帝国ホテル、文豪や政治家など著名人が暮らした家、役所や学校などの公共施設、教会、シライシがそのまま出てきそうな監獄エリア、実際に走るSLや京都市電など、多様な建築物や乗り物などが集められているのが特徴かなと思います。おかげでゴールデンカムイ全編通して、色んなシーンで色んな建物が使われています!
そしてもちろん聖地も良いのですが、貴重なレトロ建築と四季折々のステキな景観という魅力と、近代日本について学べる場所ということで、聖地巡礼を軸に明治村自体の魅力もお伝え出来たらなと思います。
ではでは、ご紹介して参りますね!
*丁目、番地(番号)は明治村マップ準拠
*コロナ禍で制限がある中でのご紹介となります
【1丁目】
7)学習院長官舎
・25巻250話
・25巻250話
・26巻257話
上エ地圭二の家の外観と内装
上エ地圭二の家の外観と内装
表↓から見ると別の建物のようですが、裏↑から見ると上エ地さんのお家の構図になります。
257話の父親が椅子に座ってるコマは↓の反転と思われます(窓の向こうの建物的に)イスのひじ掛けが特徴的ですよね。コロナの都合でまだ中に入れたことがないのですが、窓から覗けますw
元々は乃木希典陸軍大将が学習院の長官だった時代に住んでいたお家。乃木大将と言えば日露戦争で第3軍司令官として指揮された方なので、コラボの時は、鶴見さんとかどんな気持ちなんだろうなぁ~…と思ったりもしましたw(後の時代の創作物等の影響で乃木大将がイマイチだったイメージが世間にありますが、わたし的にはお人柄も良く指揮官としての能力も高かったのではと思っています)
8)西郷従道邸
・20巻198話
・20巻198話
鯉登少尉の函館の実家外観と書斎
・26巻257話
上エ地家の居間
・28巻275~278話
帝国ホテル食堂、個室
金子家居室、寝室
元は鯉登さんと同郷の西郷さんの弟、従道さんのお家。陸軍大将や海軍大将(初代)を歴任された方です。
自宅は和風建築で別にあり、こちらは来客のため(個人所有の迎賓館のような目的)の洋館で、文明開化で海外のお客様に見せても渡り合えるようにとのことだったようです。東京は目黒から移築されました。
作中であまりにも多用されすぎて、「鯉登さんのお家」と呼んでいいのか怪しくなってきましたがw、外観が「鯉登邸」と明記されているアドバンテージは大きいハズ…っ!
1階は自由見学、2階は決まった時間の建物ガイドにて見学可能です。ガイドでは建物や家具の見どころを教えていただけるのですが、従道邸に置かれている家具は迎賓館だ~鹿鳴館だ~明治宮殿だ~で使われていたものばかり…!鯉登さん、マジモンのバルチョーナクですよ。
▼鯉登邸として使われているところ
・外観
・書斎
↓鶴見さんが部屋に入って来たコマ
↓パパが椅子に座ってるコマ
↓ママが心配してるコマ
従道邸的に言うと、1階玄関入ってすぐ右手にある書斎。入ってすぐ「ここだ…!」ってなるので感動もひとしおです
この鶴見さん、しっくり来すぎ…!
▼上エ地家の居間として使われているところ
↓2階暖炉
ガイド中なので構図を作中と合わせられなかったのですが、暖炉の上に鏡があって、上エ地さんが自分の家の中でふいに鏡に映った自分を見るってシーンなので、この暖炉が使われたのかなと思います。
鯉登邸はベランダからの眺めがステキなのですが(外観は鯉登邸だからベランダは鯉登家のもの…!)
明治村的には鯉登さんと上エ地さんはお隣同士でして、上エ地さんの家(暖炉のある部屋)からベランダに出ると上エ地さんの家(外観)が見えるってゆーちょっと不思議な現象が起きますw
▼帝国ホテルとして使われているところ
以降、明治村にはホンモノの帝国ホテルもあるので、区別するためにゴールデンカムイ作中での帝国ホテルは「作中帝国ホテル」と呼びますね。本物の帝国ホテルも後でご紹介します。
・1階食堂
↓275話 作中帝国ホテル外観の下のコマ↓276話 「もうダメかも!!」のコマ
食器はすべてノリタケ~~万が一壊しても弁償できないんですけど…
↓276話 5ページ、278話 「俺がいる場所じゃない」(転載)
↓277話 8ページ上のコマ
↓こぼれたビーフスチウ(写真の角度が合ってないのはご容赦)
↓「あちゃ~」
本来この部屋の天井は↓プレーンなタイプなのですが…
作中では隣の部屋↓の装飾的な天井を移植してますね。帝国ホテルのゴージャス感マシマシです。ちなみに玄関の天井も同じ装飾がされています。
・2階の部屋
↓277話 「全部ズドンと!!」
例によってガイド中なので構図が合わせられなかったのですが、作中では写真左手のソファ2脚が撤去され、ホテルの個室らしくベッドが入れられていますね。
↓278話 杉元が割った花瓶と持ち上げた台
・2階の廊下
↓278話 3ページ、7ページ
コチラもガイド中なので構図合わせきれてないですが、作中だと壁の下方に板張りのアレンジがされています。作中帝国ホテル2階廊下は従道邸ともうひとつ別のモデルが合体されているようなのですが、詳しくは5丁目59)内閣文庫の項目でご説明しますね。
▼金子家として使われているところ
・居室
↓276話 カエコさんと女中が話すコマ
↓276話 いご草ちゃん後ろ姿のコマ
従道邸的に言うと、1階の作中帝国ホテル食堂の部屋の隣(前室みたいな役割かな?)にあります。
↓276話 カエコさんの寝室
1階の奥の方の個室で、女の子らしくてとてもかわいいです
9)森鷗外・夏目漱石住宅
・314話
榎本武揚の家
日本を代表するかつての文豪の家が残ってるってゆーのも凄いけど、それがゴールデンカムイの最後の最後に聖地として登場してくれるのも胸アツですね…!
↓「一か月前 東京 墨田区」のコマ
↓和室で3人話してるコマ
畳の端にある物体は「吾輩は猫である」の猫ちゃんの置物(ん猫ちゃん 猫ちゃん!!)
↓杉元位置からアシリパさん
↓「私はもう長くない」のコマ
人が多くて完全一致の場所では撮れなかったのでやや雰囲気です
縁側から見える景色はこんな感じ。立派な塀と池のあるコマはココの景色ではないです。
漱石さんの書斎の再現なども
ちなみに会話の中に出てきた「西園寺公望」公が晩年を過ごした家も、明治村にありますね。めちゃくちゃ立派な風情のある邸宅で、建物ガイドで中を見学出来ます。
12)鉄道局新橋工場
・313話
暴走列車の行きついた先(函館駅車両置き場)
実質的に【金塊戦争終焉の地】と呼べると思うので…突然重要度の高い聖地が出たなという感じ…!
作中でもそうですが、正面から見ると屋根のちょっと高く盛り上がってる部分が見えないのですが、ちょっと引いて見るとお分かりいただけるかと。
作中だと左右両方の扉が閉まっていて、列車は向かって左側に突っ込みます。
↓突っ込む扉のコマ(実際は左側の開いてるほうの扉が聖地です)
↓暴走機関車のコマ
場所が場所だけに…なんとも…しんみりします…
↓機関車が突き抜けた向こう側
中に展示されている車両は明治天皇御料車と昭憲皇太后御料車で、内装も外装もやべー豪華です(見学は車両の外からのみ)。写真だとすごさが伝わらないんですけど、肉眼だと螺鈿のキラキラさとかもっと分かります!
【2丁目】
16)東山梨郡役所
・13巻124話
鶴見中尉の根室の拠点(宇佐美のホクロが走り出した所)
コチラの2階の一室が!テーブルや椅子がそのままで!師団ごっこが出来ると聞いていたのですが…!
コロナのせいで机で埋められて入れませんでした
(その後元に戻されたみたいですね、追加取材に行けてなくて申し訳ないです)
外観や他のところは↓こんな感じ。
17)清水医院
・14巻138話
網走の病院の内装
家永さんが座ってた部屋そのままなのですが、コロナで立ち入り制限などもあって、残念ながら構図を合わせた写真が撮れていないです。
壁に貼ってある視覚検査(色覚検査?)の紙が「かの」だっていう不思議…。
外観や他のところは↓こんな感じ。
17)東松家住宅
・11巻104〜106話
稲妻強盗編の賭場だった油問屋
外観、中とも、素晴らしい再現度で御座います。
↓106話扉
↓稲妻強盗がグッ ドバッした欄間
↓鶴見中尉がズパアァした暖簾
↓鯉登少尉がきええええッした階段
明治村のオンライン講座的なのに参加した際伺ったのですが、この階段、実際に引き出しになってるそうです
↓二階堂が賭博してた部屋
↓諸々の背景に描かれてる油樽
現在は事前予約制の建物ガイドで上の階にも行けるみたい?
※状況により変更される可能性があるので最新の情報をご確認ください
ここはお正月飾りとか、季節によって展示が変わることがありますね。
21)札幌電話交換局
・10巻97話、20巻199話など
作中に出てくる電話や電話交換機
鯉登さん過去編で出てきた「函館電信局」とは異なりますが(アレは当時の写真見るとそのままですね)似た雰囲気の建物ではありますね。
コロナの影響で2階の見学が出来なかったのですけど、久しぶりに行ったら再開されていました!わーい!
↓普通100回線磁石式単式交換機(旧型)
「144番です!!」のシーンでこうゆうパタパタするやつありましたよね~
↓デルビル磁石式壁掛け電話機(旧型)
↓デルビル磁石式甲号卓上電話機(旧型)
金カム絡み以外にも、電話の変遷が展示されていて面白い!最近の子供は固定電話すら何か分からない子が増えてるって聞くし、明治時代の人から見たら、ケータイやスマホなんて、ほんとポカーンでしょうね。
1階はパネル展示が主ですが、「札幌電話交換局」だけあって電話絡みの札幌の歴史などを紹介してくれているので、金カムの民ならそちらも楽しんでいただけるかと~。
【3丁目】
26)幸田露伴住宅「蝸牛庵」
・11巻103話
花沢中将の家の外観
尾形が建物から出てきたコマのみ。内装は開拓の村の旧青山家漁家住宅。外観の他のコマはたてもの園にあります。なかなかのアオリの構図なのでお手持ちのカメラの形状によっては撮るのちょっと大変かもw
29)品川灯台、30)菅島灯台附属官舎
・17巻168話
樺太の燈台
ガチ聖地ではないですが、月島さんがキュッキュッしていた灯台のようなものが見れます(あそこまで大きくないので等級は異なるかと)
灯台の中には入れないのですが、菅島灯台附属官舎で実際に回ってるところも見れるので、前をうろちょろして光を遮りましょう。
【4丁目】
34)第四高等学校武術道場「無声堂」
・23巻225〜227話
宇佐美と鶴見中尉の聖地
聖地の中の聖地…篤四郎さんとトキシゲの通っていた道場。作中では向かって左半分はカットされているので、出っ張った玄関が左端のように描かれています。
この建屋は柔道場と剣道場がセットになっています。神棚や竹刀棚は撤去されてますが、床はこのままのシーンが多いです。
↓225話の篤四郎さんと先生が話してるコマ(ここは作中では全面畳になってますね)
↓トキシゲと智春くんが篤四郎さんを取り合ったコマ
↓智春くんが足を抱えてうずくまってたコマ
トキシゲ達は剣道もやってたのかな?
作中ではカットされてる左側の建屋は弓道場になっています。
お正月にはこんな感じに
35)日本赤十字社中央病院病棟
・10巻94話、23巻222話、25巻243話他
小樽の病院
細かく説明しますと、
①10巻の二階堂が入院して足をもらった病院の外観と内装
②23巻で鯉登少尉や二階堂が入院してた病院の内装
③25巻で尾形が入院して宇佐美に罵られた病院の内装
がコチラです。②と③の外観は同じなのですが、今のところモデルを見つけられていません。
↓223話扉の二階堂が走ってる廊下
まず10巻二階堂入院時から…
↓月島さんとモルヒネを取り合うコマ
↓有坂中将が来た時のコマ
↓散髪銃でブチ抜かれたドア
(このドア、似てるだけかもだけど、旭川の連隊兵舎の応接室のドアとかにも使われてる気がする…)
↓アニメ3期でも出た二階堂のごはん(この時の病院は網走のほう)
↓二階堂持ってくの忘れたのでリベンジしたいです…
10巻二階堂は屋外側の真ん中ベッド確定なのですが…
23巻の鯉登少尉のベッドはコマによって違うと言わざるを得なく…
現代の感覚ではちょっと不思議なんですけど、この建物は廊下側にも屋外側の窓と同じ形状の窓がついてるんですよね(窓の外は廊下)なので廊下側のベッド越しに窓を見ると、部屋の窓の向こうに廊下の窓が重なることになるのです。鯉登さんの入院時は窓の開閉と向こう側の描写がコマによって入り混じっていたり、ベッドやベッドサイドの細かい描写が完全にしっくりくる結論が出せないという無念。
とゆーことで位置関係は無視で、23巻鯉登少尉達の入院時…
↓キエ〜イ‼︎してたコマ
↓二階堂が義手を探してるコマ
↓鯉登ニシパの方角から強く感じるコマ
イメージは屋外側3つ並んだ左端なんだけど、実際の背景や小物が廊下側の2つ並んだ左端なんですよね。おふとんの赤十字のマークは、鯉登さんの入院してる時のおふとんにも入ってます。
同じく25巻で入院してる尾形さんのベッドも背景的に屋外側だったり廊下側だったりしてますが、イメージ的には屋外側の3つ並んだ真ん中のベッドですね。コチラも位置関係は無視で再現しますと…(このシーン単行本化の加筆訂正が多かったイメージなのですが単行本準拠です)
↓「鶴見中尉のなにが不満だ?」
↓「まさか…あのことか?」
↓「僕もおまえも月島軍曹殿や勇作殿や鯉登のボンボンと同じ『駒』なんだよ!!」
↓尾形が去り、宇佐美倒れる
↓「オマルで殴られた」ムクリ
こんな感じですかね。
あと別の部屋にかつて顔パンパンになった初期尾形が運ばれてたっぽい担架などもありますが(完全一致という感じではない)、担架なんて令和になっても大して変わってない…ですよねきっと?
↓夜の病院
↓春の病院
36)歩兵第六聯隊兵舎
雰囲気、聯隊の暮らしぶり、三八式歩兵銃など作中に出てくる旭川の連隊兵舎のモデルは開拓の村の旧札幌農学校寄宿舎なので外観・内装とも似て非なる感じなのですが、三八式歩兵銃や当時の歩兵さんのいろんなことが展示されています。
当時の軍服も!(入れ替えがある可能性があります)
階級による材質の違いやディテールの差の付け方など見比べられます。
↓陸軍少将正装揃
↓陸軍歩兵少佐正衣
↓近衛二聯隊歩兵服
↓騎兵服
久しぶりに行ったら陸軍歩兵少佐正衣、近衛二聯隊歩兵服が入れ替わってました!(2022年5月時点)
↓陸軍主計少佐正衣
このブースはなんとか反射の対策を取っていただきたい…!資料的価値めちゃくちゃあるのに映り込みがひどくてアップしづらい
↓ここの立ち入り禁止も早く解除されるといいな…(望遠で無理くり撮る…)
↓杉元の飯盒と弾薬盒ぶら下がってるし…
↓横になってるから気付いたの通って何回目かの時だったけど、みんながいつも背負ってる背嚢じゃんコレ…!
常時弓での的当てをやってるのでアシリパさん気分でチャレンジ出来ます。コラボ期間中はコチラでコルク銃での尾形さんの射的チャレンジをやってましたね。これ以上ないチョイスですw
↓秋の歩兵連隊兵舎
↓夜の歩兵連隊兵舎
↓春の歩兵連隊兵舎
36)名古屋衛戍病院
・14巻132-136話
網走監獄の屋外シーン
↓鶴見中尉達が看守とドンパチしてるコマ
↓「前進して蹴散らせッ」のコマ
↓走るアシリパさんのコマ
↓杉元が二階堂と戦ってるコマ
↓師団の誰かが来て倒れてる二階堂を見つけたコマ
↓左足負傷の杉元が床下を這ってるコマ
↓杉元が床下からズルッズルッと這い出てくるコマ(建物の繋がり方からこの位置の反転と思われます)
47)本郷喜之床
・12巻118話
・24~25巻切り裂きジャック編他
石川啄木
2階の窓に啄木さんがいますw(たまに窓開いてない時もあるみたい)
一説によると茨戸編の山本理髪店の内装はコッチという話も聞くのですが、わたしが見る限り山本理髪店は山本理髪店な気がします。中に入れないので、見れないところに別のシーンの部屋があったのかもしれませんが…?
↓コチラが開拓の村の山本理髪店
比較するとよく似てます、当時の理髪店の造りはそっくりだったんですねw
余談ですが、啄木さんて「ぢっと手を見る」のイメージしかなかったから、さぞ質素で慎ましく生きた方なのだろうと長年思っていたのですが、アニメの「啄木鳥探偵處」見て「あれっ?」ってなって、金カム見て完全に崩壊しましたよねそのイメージはw
47)呉服座(くれはざ)
・21巻206話
豊原の芝居小屋の内装
鯉登少尉が貸し切ってシネマトグラフを上映したところ。
構図を合わせて撮影出来ていないのですが、ガイドやお芝居の公演で中に入れます。
ガイドだと中に入って升席に座れます!あの!杉元一行も座った升席に!
お芝居の時は整理番号で指定席でした。番号によってですが、升席や桟敷席に座って見られますよ。
【5丁目】
↓分かりやすいように一部番地(番号)を前後入れ替えて記載しています
52)金沢監獄正門
・9巻85話
シライシ監獄シリーズ①
もう!コレは!そのまま見覚えがあるのではないでしょうか!特筆することは!ありません!w
↑違和感は仕事しなさいw
61)前橋監獄雑居房
・9巻85話
シライシ監獄シリーズ②
↓前橋監獄雑居房ひとコマめ
↓雑居房の中でズテェンするシライシのコマ
↓外の床下のアレのコマ
そうです、ココは雑居房に入れます!シライシごっこが出来ます!が、危険なので隙間から足を出すのはやめましょう(ガチでかなり狭いです)
62)金沢監獄中央看守所・監房
・9巻85話
シライシ監獄シリーズ③他
作中の構図は建物の造りや繋がりを考えて、裏から見たもの↑じゃないかな~と思います。
表側はこんな感じ↓。ほとんど違わないんだけどw
金沢監獄も五翼放射状平屋舎房で網走監獄と似た造りで、明治村には中央部と第五舎房のみ移築され、且つ中央見張り所は(なぜか)網走監獄のもの…なんだそうです。
なので網走監獄とは多少異なりますが、網走まで行けない本土の民はコチラで雰囲気を味わうのもよろしいかと。
↓割とイケメン
↓熊岸長安がシスターを描いた書信室は見張り所の目の前です
↓天窓はいつも閉じてますが開閉可能な網走監獄と同じような造りになっているかと
↓上の鉄格子の窓から逃げたシライシ
63)宮津裁判所法廷
・9巻85話
シライシ監獄シリーズ④
シライシがクーン…してた裁判所。お人形の皆さんまで再現!完成度高けーなオイ!
シライシ監獄シリーズは以上です!
55)隅田川新大橋
・314話
3人が干し柿食べてた橋
正直言うとコレ聖地でもなんでもなくてですねw単に、雰囲気の似たコレをきっかけにして実際の聖地の話をしたいだけの、TIPSなのですが。
原作と見比べていただくと、似たような欄干の橋ではあるものの、コチラの方が装飾的でハイソな感じがしますよね。当時の東京には似たような欄干の橋がいくつかあったんですけど、聖地として描かれているのは吾妻橋です。現存はしていないので写真を見て描かれたものと思います。
吾妻橋も同じ隅田川にかかる橋なのですが、片端が浅草一丁目にかかっておりまして、つまり3人がいたのは浅草ということで。他方、シライシが入っていった例の入り口は、皆さんご存じ「吉原遊郭」です(わたしは鬼滅のアニメ遊郭編をアホほど見返してたらいつの間にか覚えてましたw)
明治時代の吉原は浅草寺の裏辺りにあったので(すぐ裏・隣接ではなく、エリア的にあの辺って感じです)シライシがすぐいなくなった…メタ的に言うとシライシが吉原に行く都合上、あのシーンは浅草にしたかった、ということですね。
金カムの聖地巡礼オタクをしていると思うのは、「すごく、ちゃんと聖地」ってコトで。似たような現存の建造物がある中で、でもそれを使わず当時の写真から描き起こして、且つ読者が気づく気づかないとは別に、実は情報が忍ばせてある…てゆうこの感じですよ。これがね、最終話まで仕込んであるのは金カムの醍醐味だな!って。多分野田先生も、金カムの読者ならこの辺の特定はするだろうと思ってやってくれてると思うんですけどwそんなわけで、このTIPSは敢えて入れさせていただきました~。
59)内閣文庫
・28巻277話
帝国ホテルの階段
・同277・278話
帝国ホテル2階廊下?※可能性の域です
前述の通り、作中帝国ホテルの内装の大部分は鯉登さんのお家西郷従道邸なのですが、階段は同じ明治村のコチラの内閣文庫のものです。
↓従道邸の階段は螺旋階段なので作画が大変かな?
内閣文庫についてはもう少しお話せねばならないことがありまして…
同じ作中帝国ホテルの、2階廊下のモデルが2か所ありまして、1つは前述の西郷従道邸。もう1つがこの内閣文庫ではないか…と思っているのですが、100%の確信はないので「信じるか信じないかはアナタ次第です!」くらいに聞いてください。
原作をご用意の上、見比べていただきたいのですが…
↓277話 13ページ「陸士の候補生と~」のコマ
↓同「どうしてふたりきりで~」
↓278話 8ページ勇作さんの背景
▼一致している点
・柱のアーチの形状(床側の板張りについては後述)
・天井に額縁のような二重の枠ががありカーブで繋がっている
・廊下の幅と高さ、窓の高さや縦横の比率など、現場に立った感覚的によく似ている
▼異なる点
・柱及び壁の床側の板張り
・窓枠の形
・電灯の形
▼検証
・柱及び壁の床側の板張りについて
前述の通り、作中帝国ホテル2階廊下は西郷従道邸と別のモデルを合体しており、本来このような板張りは従道邸にはなく、アレンジされたものです。じゃあ何故そんなアレンジをする必要があったかということですが、①もう一方のモデルに板張りがある②別々の建物を繋げたため一体感を出したかった③作画上の余白を埋める(帝国ホテルの豪華さを演出する)ため 辺りの理由かなと。①の可能性が捨てきれないので断言が出来ないのですが、②や③の可能性の方が高いんじゃないかな~と思います、感覚ですが。
金カム聖地巡礼が高じてレトロ建築オタクに片足つっこみつつあるわたしの感覚的に、アーチの美しい洋風の白壁…にこんな和風な板張りするかな?って思って…作画上のアレンジのような気がするんですよね、なんとなく。
・窓枠の形について
パッと見から似てるんですけど細かく見ると窓枠の区切り方が違うんですよね。この窓、作中帝国ホテルの浴室の窓と同じなのですが(浴室内からのコマは見切れてますが、外から見たコマで描かれています)浴室自体は戦艦三笠の浴室がモデルと思われ、戦艦の壁をそのまま描けないので壁と窓はアレンジされています。戦艦三笠は、日露戦争の際、旗艦としてバルチック艦隊を破り日本を勝利に導いた軍艦で、現在も記念艦三笠として神奈川県横須賀市で一般公開されています
戦艦三笠とその聖地についてはコチラの記事をご参照ください↓
じゃあこの窓は何をモデルに?というと、作中帝国ホテルは当時の帝国ホテルの建物を元にした外観図が登場していて、2階の両端(アーチ状の柱のあるベランダ?がない部分)の窓と同じ形状で描かれています。この浴室の窓と2階廊下の窓の形が同じということは、内閣文庫の窓枠を作中帝国ホテルの外観に合わせたデザインにアレンジしている可能性がある、ということです。ここもハッキリそうです!って言えないところなんですけど…
・電灯の形
内閣文庫の電灯は吊り下げ式ですが、作中帝国ホテルでは天井に固定されたタイプですよね。ただ、明治時代の今ほど明るくない電灯が、洋風建築の高い天井に固定されていると、足元とかすごく暗くなっちゃうと思うんですよね。電球の付け替えの不便さとかもあるし、建築としてこれは違うんじゃないかなぁって素人は思ってるんですけど…作画として「人が廊下に立っている」図を描く時に、吊り下げ式だとコードは見えるけど電灯本体(傘)が隠れて、勇作さんの頭から1本謎の線が出ているみたいになっちゃったりして不都合があるので、固定式に変更されているんじゃないのかな~・・・って思うんですよね。
説明が長くなってしまいましたが、わかんないです!わかんないです、結論ありきな説明をしているだけのような気もしますしただ階段に内閣文庫を使ってるのは確実なので、わざわざ第三のモデル地を使う必要もないんじゃないかな~とも思うし。どうでしょう?「いやいや、コレはココだよ」って情報をご存じの方がいらしたら是非教えてください、一刻も早く修正したいので
65)高田小熊写真館
・18巻177,178話
長谷川さんの写真館
新潟の越前高田にあった小熊さんの写真館が長谷川さんの写真館のモデル。繋がりを感じますね!
作中ではロシアのウラジオストクにある建物ということで、丸太造りにアレンジされています。外観も、建物の角の造りが違ってますね。ちなみにお名前の「小熊」は「こぐま」ちゃんではなく「おぐま」さんですw
2階のスタジオは正にそのもの、あの3人が見えてくるようです…!
1階は普通の和洋室で、ロシア式の長谷川さんのお家とは異なります。
小熊さんは陸軍第十三師団の写真も多く撮っていらしたそうで、その辺も長谷川さんの写真館が小熊写真館だった理由なのかなぁと思ったり。明治44年(1911)、当時のオーストリア・ハンガリー帝国の軍人レルヒ少佐が上越市(高田)で日本人にスキーを教えたのが日本のスキーの始まりだそうですが、その際陸軍十三師団の人達と一緒にスキーをしているレルヒ少佐の写真を撮ったのが、この小熊写真館の小熊さんだったということだそうです。
↓春の長谷川写真館(ウラジオストクにも春が来たよ)
長谷川さん型ではないですが、ここに鶴見さんが居るのを見ると切なくなります…
67)帝国ホテル中央玄関
・28巻275~278話
東京過去編の帝国ホテル
ゴールデンカムイ作中に帝国ホテルが出て参りましたが、明治村にある帝国ホテルとは全然違うと思われた方もいらっしゃるかもしれません。明治村にあるフランク・ロイド・ライトが設計した帝国ホテルは、実は大正12年に完成したもので、明治期の帝国ホテルはゴールデンカムイ作中でも描かれている↑の写真の建物(明治23年創業)でした。
なのでライトの帝国ホテルは聖地とは違うんですけど、明治村の象徴とも言える建物なので、是非ご覧になっていっていただきたいなと思います!(大正時代なんですけどねw)
ちなみにご存じの通り、帝国ホテルは今もあります!
帝国ホテル東京として、日比谷駅の近くにありますので、東京聖地巡礼も出来ますね。立派なホテル過ぎてビビっちゃって中に入れませんでした…。
↑ガラスの金箔のような幾何学的な模様とか
帝国ホテル含めた東京聖地巡礼の詳細は↓
はい、明治村の金カム聖地のご紹介は以上です!
最終2話までアレコレ登場する大盤振る舞いで、ストーリーは元より聖地巡礼オタクとしても大変な胸アツ展開でした…!野田先生ありがとうございます!わたしが明治村でお伝えできるすべてをこの記事に込めました。抜け、漏れ、勘違いなどもあるかもしれませんが、楽しんでいただけたり、現地に行かれる際の参考にしていただけていたら嬉しいです。
最後にゴールデンカムイコラボしてた時の写真を載せておきますね。またやって欲しいなぁ~。
◆園内フラッグ
◆スタンプラリー
明治村を象徴する帝国ホテルが背景なのですが、位置ガタガタですがな…
◆謎解きゲームは2種類
フツーに難しくてひとりじゃ絶対終わらなかった…
結構一般のファミリー層とかも参加してくれてたけど色々大丈夫だったのかな…?w
◆尾形さんの射的
小さいほうのクマさんは全く当たらなかったですね◆コラボメニュー
食べられなかったものも何種類かあります
コラボイベントはこんな感じでした~。
コラボフードは元々園内で営業されてるレストランや露店で用意してくださってるので、フツーに美味しいものが多かったです
以上、明治村聖地レポートでした!長々とお付き合いくださりありがとうございましたー!
1. GOLD
明治村に聖地巡礼する際にはいつもこちらのブログを教科書にさせて頂いております。最終2話にも聖地が増えているなんて!!近いうちにまた行くので本当に情報ありがたいです🙏 感謝しております。
3. まり
素晴らしいブログをありがとうございます!✨
なんとなくこの辺かな〜とはわかっても、ここまで仔細に、完璧な考察はとてもできません…!
このブログを拝見して、いてもたってもいられなくなり一人で行って参りました(笑)
一人でも丸一日、大満喫できました♪
本当に掛け値なしで聖地巡礼の教科書です!
次回は印刷して、同行者全員に旅のしおり(教科書)として配布したいくらいです…✨
別のブログも拝見して、聖地巡礼しようと思っております!
素晴らしいブログをありがとうございました!