2023年新卒採用情報

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• 山田 雄介（電気）

志望動機

私が鉄道建設に興味を持ったのは、北陸新幹線（長野・金沢間）が開業した高校時代。生まれ育った富山のまちに高架橋が建設され、駅が生まれ変わっていく様子や、完成に近づいていく駅前広場を見ながら漠然と考えていたのは、鉄道が建設されると新駅を中心にまちが変わり、発展していくのだろうということ。鉄道ファンではなかったので、わがまちを走る新幹線を見たい、いつか乗ってみたいという気持ちよりも、まちの発展そのものへの興味が強かったですね。新幹線の建設は民間の鉄道事業者（JR各社等）ではなく、鉄道・運輸機構という公的機関が担っていることも開業時に知りました。
就職活動を開始したのは大学3年生の秋です。仕事のおもしろさや企業の本当の姿は入ってみないと分からないと思っていたのでインターンシップは見送り、建設会社やメーカーを中心に説明会へ参加しました。最終的に機構を志望したのは、高校時代に芽生えた鉄道建設に対する興味がさらに大きくなっていたからです。面接ではざっくばらんに話をしたという記憶しかないのですが、信号や電車線といった鉄道特有の電気よりも、まちの顔となる駅舎や鉄道施設などに電気を供給したいという想いはハッキリと伝えました。

仕事内容

入社2年目の春に諫早鉄道電気建設所へ着任。以来、九州新幹線西九州ルート（武雄温泉・長崎間）の大村車両基地と長崎駅の、電灯電力設備（照明・発車標・配電設備など）の施工監理を担当しています。車両基地は、いわば新幹線専用の車検場。この基地に設置される機械設備は車体自動塗装装置、台車交換装置など100種類以上。そのすべての装置に命を吹き込むため、電力を供給するのが私の仕事です。
現在は主に土木・建築工事が行われている段階ですが、週に3日は現場へ入り、建築担当の職員と建物内の配線工事に関する協議を重ねています。あらゆる機器に電力を供給する電灯電力部門は他系統との連携を必要とする場面がきわめて多く、土木・建築・軌道・機械工事のわずかな設計・施工の変更にも対応する必要があるので、自ずと協議の機会も増えていきます。話し合いで落としどころを見つけ、優先順位をつけた上で協議をまとめ、電灯電力部門の施工会社に指示するのは想像していた以上に難しいですが、車両基地と駅舎を同時に担当できるのは幸運なこと。電灯電力設備工事が本格的に始まる今春からは協議や調整がさらに多く複雑になりますが、相手が誰であっても相手と同じ目線で話をして、揺るぎない信頼関係を築いていこうと思っています。
その一方、完成後の車両基地を管理・運用する鉄道事業者との協議も並行して進めています。こちらは安全で使い勝手の良い車両基地にするための議論が中心です。現在では、急速に浸透しつつあるwebミーティングを、状況に応じて使い分けて協議を進めています。

仕事の進め方

機構の電気技術者として常に意識しているのは、公的資金にて建設していることを念頭に置き、すべての利用者にとってやさしく便利な電灯電力設備を実現するということです。例えば、私が電灯電力設備の施工監理を担当している長崎駅に関して言えば、発着ホームの照明の位置や角度、明るさについての協議が1年以上続いています。
長崎駅は、九州新幹線西九州ルート（武雄温泉・長崎間）に誕生する5つの新駅のなかでも、地元が大きな期待を寄せている駅。地元住民の期待を背負う自治体（県・市）は、力を結集して『長崎らしさ』を追求し、駅舎と駅前広場の基本計画を作り上げてきました。そして現在の設計では、在来線と新幹線のホームを繋ぐ屋根には構造体を美しく見せるための工夫を施す予定になっています。
しかし、それがいかに素晴らしく魅力的なものであっても、予算を超えるプランでは工事を進めることはできません。私自身、生まれ育ったまちが新幹線の開業によって大きく変わっていったのを知っており、地元の皆さんの新駅にかける想いは痛いほどわかりますが、限られた予算と時間のなかで最善を尽くすのが機構の技術者。これからも明確な数字とデータに基づいて議論を重ね、地元住民の皆さんと一緒に完成の喜びを分かち合える照明設備にしたいと思っています。