天胡星は病人の星です。肉体は病み衰えるが心は歳を取りません。肉体の現実と心の精神との間に大きな開きができて、弱の現実と強の精神となります。肉体が衰えれば精神を支えきれず、精神は自由に駆け巡りますが、精神は肉体から離れていないので限界ができます。強い精神が弱い現実に縛られて、精神性に生きようとしても果たせず、現実性も充分ではなくなります。そこに苦悩が生まれます。その状態は現実に即した夢を実現化させようとします。そういう意味での芸術、宗教、政治、芸能、経済等の様々な分野にわたり精神性を確立しようとします。病人の精神力はかなり強いもので、病む肉体を見つめる力にもなり、痛みに鋭敏になり、痛みが神経に集中します。神経は鋭く研ぎ澄まされたようになり、その状態は霊感ではなく強い感受性、鋭い直観力となり、独特の世界を作り上げます。それはロマンや美的感覚の追求、死への憧れ、死の美化等へと広がっていきます。死の美化となれば、動乱期にあれば国のために、平和期ならば芸術や思想や文学等のために、生命を殉じ最高の演出を試みます。したがって人生の究極に追い込まれると、死を美化し実行しようとします。

肉体が弱く精神が強いことは、精神に肉体に傷められることにもなり、肉体的欠陥を作りやすいです。それは現実的欠陥でもあり、政治、経済、家庭等の現実性を必要とする分野に欠陥を見せますが、その反面、医学、薬学、宇宙学、遺伝学、教育学、思想、哲学、学問等の精神性を必要とする分野で素晴らしい才能になります。理想主義が極端になると、理想の社会やユートピアの建設等の設計等になり、宇宙旅行には最適な星となります。理想主義であるので、机上の空論や空想、又は幻想や夢のように思われ、第三者の誤解を受けます。理解者が亥兄と自虐性があるため、片腕を切り落としても実行しようとする気概を見せます。その意味で自己顕示欲が強いです。自己顕示欲は社会生活の中では、演技力となり発表力や表現力となり、服装や装飾に現れます。お洒落や高級品志向となる場合もあれば、特殊で奇抜な品物を好むことにもなります。常に、他人と比較して風変わりなことを求める性情にもなります。そのため、変人、異端者、理想主義者、演技屋、きざな人に見られます。天胡星は困難に遭遇したとき、身体を張って説得すれば相当な強さを発揮します。理想主義は完全主義でもあるので、欠点があることが許せなくなり、自分はもとより共同生活者の欠点も許せなくなり、欠点を破壊してでも理想を打ち立てようとします。こうなると完全か破壊かの二者択一となり、ほとんどの場合、破壊となります。破壊にならないためには、現実性の錬磨を必要とします。