天禄星は壮年の星です。物事の決定には諸般の様々な事情を考慮し、最も安全と思われる選択を選びます。観察力が鋭く、慎重で用心深いです。常に安定を先に考え、危険と思われることはどれだけ利益を生むとしても避けて通ります。攻撃を受けても、攻撃を返すことはしないで、忍耐強く辛抱するか、経験を生かして説得に回ります。体験からくる知恵と用心深さは、力強くたくましく感じ、安定したゆとりさえ見せます。安定したゆとりは、事なかれ主義でマイペースに見られます。その意味で、利己主義者の質を持っています。また気が小さく小心者に見られる場合もあります。全体的な観察をして個々の問題に対応できるので、間違った判断をすることは少ないです。天禄星は、経験の積み重ねからの判断をするので、極端に常識から外れることはありません。経験を他の事柄に応用する能力は独特のものがあります。天禄星は同じ失敗を繰り返さず、失敗を糧とします。経験から出てくる理性は、事務的となりやすいので、薄情に見えます。

天禄星の経験は、未経験の部分にも適応されます。例えば、痛さというものは身体で覚えるもので、いくら口で説明しても未経験の人には分からない筈です。痛みは身体ばかりではなく仕事にも家庭にもあります。身体と仕事と家庭は別のものなのに、「痛み」という共通性から判断して対応します。だから、経験を生かして専門外の事柄に対応できます。天禄星は、土台を揺るがす事態を嫌うので、動乱期より平和期を好み、平和に強いです。その平和的現象は様々な分野に及び、身体の平和は健康であるので、健康を保持する分野、医学、薬学に才能を発揮します。政界なら多数安定政権に傾き、思想ならその国の安定思想に傾きやすいです。どの世界に入っても、主流を好み主流を歩もうとします。経験を主とすることは、過去の道をなぞらえるので、先達となりにくく、トップになりにくく、補佐役に向いていることになります。経験は事実から生まれるので、夢や空想を求めず、現実的タイプです。幸福とか精神上の事柄も現実に即した考え方になり、物質優先になりやすいです。そのため幸福とは健康でありお金であり、不幸とは物質(健康とお金)の欠如だ、と考えます。したがって精神的なことがおろそかになりがちです。経験主義の天禄星は、人間関係では上下の縦関係を大切に考えます。それも、利害得失の現実性が主です。横関係がおろそかになりますので、真の友情や信頼で結ばれる友人ができにくいです。物質優先の天禄星は、精神性に欠点を見せるので、仕事で成功しても家庭において精神的な満足を味わうことのできない面が出ます。成功の度合いが大きければ大きいほど、精神的な面の欠陥が大きくなり、何のために成功したのかという疑問にぶつかることがあります。その疑問にぶつかったときから、物質優先の天禄星が精神性に入る玄関に達したことになります。