天南星は青年の星です。天南星の特徴である躍動力や推進力等の溢れる力の原因は、肉体は大人になっていながら精神の発達が伴っていないことにあります。精神の制御のない肉体は、馭者を失った馬車と同じです。そのため行動力は最も激しく、それは特徴であると同時に欠点でもあります。欠点とならないためには、社会が認める目的意識を持つことです。躍動性が性格となれば一本気で直情となり、思想となれば過激で急進的なものとなり、外部に対しては自分の考えを他人に押し付ける傾向となり、善悪は別として自分の考えに合わないものを批判し攻撃します。思想は独創的なものとなり、批判力は手厳しいです。上下の区別なく批判するので、その強引さが敵を作ります。敵ができれば闘争心を奮い立たせ、攻撃のための攻撃となりやすく、まるで理性を失った人のように見えます。敵が多くなればなるほど精神は強剛となっていきます。この強剛さは意志と頑固の塊のようになります。しかし目的観のない攻撃の場合は、強剛さの内側が豆腐のようになっていて、いったん強剛が敗れると脆く一気に崩れます。天南星が挫折すると立ち上がれない理由はここにあります。完成を目的とするのは良いですが、完成することにこだわってはいけません。もし完成することがあれば、新しい目的を見出さないと逆に破滅に向かうことになります。未完成の交際が特徴なので、そのような関係は少ないので交際関係は限られ狭くなります。天南星の激しい性情は前進を必要とする社会にあっては役に立ちますが、安定した社会では破滅の役目になります。だから、いくつもの目的を持つと散漫になって、どの目的も達成できなくなります。直情径行の質は人生のあらゆる面に姿を現し、家庭と仕事の場合でもどちらかを犠牲にすることになり、財と名誉でもどちらかに片寄って一方づいてしまいます。どちらを取った方が良いかではなく、一方づくのは天南星独特の性情からくるものです。家庭を持っていて異性問題を起こせば家庭崩壊か否かとなってしまいます。それだけに、融通の効かない余裕のない人生となりますが、本人にしてみれば、それが真正直でさわやかな人生なのです。天南星は個性が強い星なので、力を出すべき時に力を出し、力を出す必要がない時は力を抑えることができるようになれる訓練が必要です。そのためには若年期に、目的意識を持つことと、出処進退を弁えることを身に着けることが大切です。天南星の直情を建設的な面に向ければ見事な力となり、方向を誤れば、本人は勿論のこと家族や友人兄弟にまで禍が及びます。反省することもなければ、禍の根は深くなり、禍根は末代にまで及びます。たとえ本人が道を誤ったと思っても引き返すことができず、手足に傷を負って治療を必要としても休むことができないことになります。どれだけつらくても、どんなに苦しくても、進むことしかできない星、それが天南星です。