司禄星は魅力本能があり、その魅力は内面に蓄積されていきます。愛情や奉仕や財があなたの内面に蓄積されるようになります。家庭は愛情や奉仕が蓄積されたものとして考えます。蓄財や資本は財が蓄積されたものとして考えます。蓄積するということは長い年月(40年くらい)を必要とします。毎日の生活の蓄積から、そこに現れる性格は真面目、落ち着き、地味という性質です。家庭を支えるのは女性であり、その役目は妻が果たします。そのため、司禄星には妻や女性の意味があります。家庭、蓄財、信頼等は一朝にして出来上がるものではありません。また簡単には崩れるものでもありません。そのため、司禄星は不運が起きても切り抜けることができます。

司禄星は禄存星と同じく、現実面に強い星であるだけに精神面を理解することが難しいです。階段を一段ずつ踏みしめて上がっていく星なので、どんなにつらくても辛抱強く努力して克服できる強さを持っていて、決めたことは着実に実行していきます。辛抱強さや永続性や堅実性は見事です。現実面に強いが精神面には弱いので、精神面で動揺したときには、対処する手段を失いただおろおろするだけです。普段が堅実で地味であるだけに狼狽ぶりは目立ちます。狼狽ぶりは、周囲の人を困らせるとか、迷惑を振りまきます。この時の司禄星はわがままで自分勝手に見えます。しかし冷静さを失っていないので、迷惑を振りまいていることを承知して行っています。愛情表現は実にこまやかです。愛情の範囲は、特定の人物や物に対して向けられるので、愛情の枠は自身が設定してその枠からはみ出すことはできません。そのため、多種多様に仕事の範囲を広げることは不得手で、広げるとうまくいきません。仕事の範囲を限定すれば、時間の経過とともに見事な成果を上げることができます。一定の枠を超えることができないので、枠以外の立場を理解することができにくく、時には薄情者に見られ、「冷たい人」と非難を浴びることがあります。

司禄星の思考法は経験の積み重ねを基礎としています。そのため、試行錯誤に陥ることが少なく、身に着いたものは着実な思考力を作り上げます。経験思考とも言えるもので、経験にない思考を必要とするときは、勝手に取捨し判断することで誤りとなることが多くなります。思考の範囲を全体に広げることが難しく、新しい思考を必要とするときは、それまでの経験との関連を念頭に描いてしまいます。だから宗教や空想などの現実性に乏しいものは理解しにくいです。複雑な問題でも、現実的な内容のものは理解が速いです。思考のパターンを変更することが難しいので保守的思考となります。ゆえに、急激な変化に対応する場合は、失敗の行動になる傾向があります。