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ポイントを与え合う相互クラスターを良しとする書き逃げエッセイくんを斬る-なろう革命記part.3-
作者:カスマ

寛大にも(二次元用語で)全ての責任は取るから全力で行けと後押しをしてくれた、ひだまりの……ぬこ、いえねこ先生に感謝を。

私、ひだまりの……ぬこには想い人がいるのにゃあ。

いま私は想い人のいる街へとやってきている。

あの人がいるのは間違いない。

私のあの人を求める嗅覚がそう告げているのだから。


曲がり角の先にいたにゃあ!

ニコ(男)さん私の想いを受け止めてください。

私の愛よあの人の胸に届け。



「ぶほぉー」

いやぁーん。鳩尾にクリーンヒットしちゃったにゃあ。


白目を剥いてるニコ(男)さんもス・テ・キ。

ほんのちょっとなら味見してもいいかにゃあ。

鼻を胸元に寄せて匂いを堪能してると、まぶたがピクピクしてる!

にゃにぃ、もうニコ(男)さんの目が覚めるのね。



「田舎だとトラクターに衝突されるのは日常茶飯事だから慣れてるのよ」


そういってドジっ娘の私に微笑むニコ(男)さんはなんて優しいのかしら。

もう二、三回なら全力突撃しても許してくれそうだにゃあ。



「あら曲がってるわよ、今直してあげるわね」


曲がってるって何のことかしら?

ねこを被ってる性格以外には曲がってるところはないわよね。

考え事をしてる私をよそに、ニコ(男)さんの手が伸びた先にあるのは……にゃめてー。


「あっ……そこは敏感なの、らめぇー」


「おばちゃんの見間違えかしら。これって尻尾のように見えるんだけど?」


想い人に大事なところを触られて興奮しちゃったけど、私のことを知って貰うチャンスだにゃあ。



「私はひだまりの……ぬこ。

ねこの星にある、ねこの国のお姫様なのにゃあ」


「ねこの星ってコリン星みたいなものかしらね?」


「そうなのにゃ。女の子はいつでも夢が詰まった、心の中の世界があるのにゃあ」


「おばちゃんには若い子のすることは理解できないけどステキな妄想ね」


「照れるのにゃ!周りにあの子は中二病を拗らせてるよね。って陰口を叩かれながらも5歳の頃から設定を積み重ねてきた甲斐があったのにゃあ」


「あら?設定なんて言っちゃっていいのかしら」


「ニコ(男)さん考えてみてください、私は二十歳を越えてるんですよ。

それなのに可愛らしい動物なのにゃあ!なんて語尾を付けるの辛いに決まってます」


「そんなに辛いならやめてもいいのよ」


「それはできないにゃ。ねこを被ってキャラ付けしないと背景と同化してしまうにゃあ」


「そんなことないわ、あなたの作家生活二年目の苦労を綴ったエッセイ面白かったわよ。

それにしても作家名のねこと、ぬこはどちらが正しいのかしら?」



「本名は飛騨鞠野 ぬこだにゃあ!」



***



「ぎゅるるるぅー」


あっ……乙女として鳴ってはならない腹の音が響いたにゃあ。


「お腹が減ってしまったのね。私のおやつでよければ食べてね」


差し出されたのは田舎の定番のおやつのきゅうり。

ではなく……なんでナスなのよぉー。


「私はナスが好きすぎて常に食べてないと禁断症状が起きてしまうのよ。

昨日もうっかり外出するのに持ち歩くのを忘れてしまったらね……」


「いいにゃ!その先は聞きたくないにゃあ」


「そう?ここからがおばちゃんの腕の見せ所なんだけどね」



さすがは田舎クオリティ。

芋虫片手に野原を駆け回った私の想像を越えてくるのにゃあ。


このままニコ(男)さんのペースに巻き込まれたらマズイわ。

なんとかして主導権を握るのよ。



「ニコ(男)さんに私の想いを受け止めて欲しいのにゃあ!」


あぁ私のバカ。いくらなんでも直球すぎるでしょう。


「なにかしらね?私に受け止められるといいんだけど」


簡単に受け入れられるのね……。

やっぱりねこキャラの愛らしさにメロメロなのね。

5歳の頃からねこ被りしていた甲斐があったわ。


「それなら一つお願いなのですけど、ニコ(男)さんの胸に抱かせてくださいにゃあ」


「えっ……ぬこちゃん、急に鼻息が荒くなったけど具合でも悪いのかしら」


「もう辛抱たまらん。

美味しく頂かせて貰うにゃあ!」


「ぬこちゃんダメよ。私には愛する夫と娘がいるのよ」


「ステキな匂いのするニコ(男)さんが悪いのよ。

大丈夫だにゃ、きっちり三等分して愛するにゃあ」


「ダメよ!やめてぇぇぇ……くすぐったいわ」


「はぁ!いい匂いがするにゃ。

かつお節の香りに間違いないにゃあ」


「家では毎日かつお節を削るけどそのせいかしらね?」


「いい香りだにゃ……もうスパゲッティをバリバリする食生活は嫌なのにゃあ」


「スパゲッティを生のまま食べてるのね」


「後はメダカを食べるしかないのにゃ。

飲むだけで痩せますなんて謳い文句に騙されて散財したにゃあ」


「……おばちゃんの家で夕飯を食べる?

今日は夫がサンマを買ってきてくれるのよ」


「ぜひお願いしたいのにゃ。

魚を食べるのなんていつ以来かにゃあ」



くくくっ作戦は成功だにゃ。

事前にニコ(男)さんの家でサンマパーティーするのはリサーチ済みなのにゃあ。

日向ぼっこしてたら偶然きこえたきたんだにゃ。

隣町まで追いかけて来て良かったのにゃあ。



***



「さあ着いたわよ。

ニコ家へようこそ可愛いらしいお客さま」


「ちょっと待ってにゃ、玄関の扉に挟まったにゃあ」


「ママだぁれ?そこにいる巨漢の女の人は初めて見るんだけど」


「ダメよ。そこはポッチャリと言ってあげなさい」


「私は太ってなんかいないわ。

体重だって五十キロほどだにゃ。

……三桁の数値は見ないことにしてるからにゃあ」



「騒がしいけど何かあったのかい?」


「パパお帰りなさい。」


「お帰りなさいあなた。お仕事お疲れ様です」


「お帰りなさいだにゃ、サンマ楽しみにしてたのにゃあ」


「そうね、もう遅くなってきたから早く夕飯の支度をしなくちゃね」


「そのことなんだが見てくれ、旨そうな牛肉が安く手に入ったんだ!」


「えっ……今日の夕飯はサンマじゃないにゃあ?」


「あなた私もサンマを買ってくると聞いていたのですが」


「それが投稿サイトを見ていたら美味しそうなすき焼きうどんの話を見つけてしまってね。

君の期待を裏切ってしまったかな?」


「私はあなたのやることに不満はないわ。

だって夫婦は共に支え合っていくものですからね」


「なに勝手にいい話にしてるにゃ。

私は焼き魚を食べたかったにゃあ!」


「今夜は我慢してね。

その代わりかつお節のたくさん使った味噌汁を作ってあげるわよ」


「ホントかにゃ!

それなら今日はお肉で我慢するにゃあ」



この日、ニコさんと出会ったことで私の人生は一変するのだけど、それはまた別の機会にするのにゃあ。

今回で更に詰んでる君らとの直接対決なんて、無駄なことに付き合うわけないだろ。


ポイントを与え合ってるコミュニティがあれば、作家通しの繋がりがまっさらな新人には不利にしかならない。

それなのに新人のためになるって発言は、コミュニティ入りしろとの教唆になるって理解してよね。


言い訳は運営にしなよ。

せっかく君が作ってくれたチャンスを無駄にせず通報しといたからさ。

運営もバカじゃないんだし、君らを見逃せばなろう全体の不信感に繋がるって理解してるだろうからね。


もし動く気配が無いなら運営があちら側の頼みには積極的に動いたのに、今回は静観するのにはどんな理由があるのか気になってしまいそうだ。



熱いメッセージちゃんと届いたかな、担当:macさん。

今回もまたこちらの要望だけを取り下げるなら、あなたというなろうを語るに欠かせない人物のことを、世に広める手助けをしちゃいますよ。

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