準難民創設の入管法改正案「速やかに提出」 葉梨康弘法相
霊感商法救済「まず現行法活用」
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葉梨康弘法相は31日、日本経済新聞などのインタビューで紛争地から逃れた人を「準難民」として日本で受け入れる出入国管理法改正に意欲を示した。難民条約上の「難民」に該当しない避難民らを「補完的保護対象者」として入国を認める。「法案を速やかに提出したい」と説明した。
ロシアによるウクライナ侵攻後、各国は補完的保護の枠組み活用などで避難民を受け入れた。日本は「難民」としての条件が厳しく法的な規定がない立場で受け入れていた。
法務省は2021年の通常国会で同様の改正案を提出したものの、不法滞在者への対応を厳しくする措置に野党が反発し廃案となった。葉梨氏は「様々な指摘を踏まえ検討している」と述べた。
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題にも言及した。霊感商法などの被害者の救済に関して「現行の法制度の活用をまず考えていく」と言明した。法務省として弁護士や成年後見制度の紹介に努めると表明した。
親の信仰により生活に苦しむ「2世信者」について虐待や親権に問題が及ぶことを強調した。「厚生労働省などにも声をかけて幅広く相談に応じなければならない」と主張した。
法務省は技能実習制度の改正に向け年内にも有識者会議を設置する調整を進めている。葉梨氏は「技能実習を労働力として安易に使っているといった問題点が指摘されている」と問題提起した。