沖縄市宮里の路上で今年1月、バイクで走行中の男子高校生(17)=当時=と、沖縄署に勤務していた男性巡査(30)が接触し、高校生に右目失明などの重傷を負わせたとして、巡査が特別公務員暴行陵虐致傷容疑で書類送検された事件で、高校生の代理人弁護士、金高望、川津知大の両弁護士が10日、県庁で記者会見を開き、「(事件に関する)県警の説明にはショックを受けている」と高校生側のコメントを発表した。県警は1日に高校生や家族らに謝罪をしたが、高校生側は現況の県警の説明ならば「謝罪は受けなかった」と話していることなどを明らかにした。
▶警官「とっさだった」 高校生失明事件 つかみかかり、警棒接触
県警は2日、記者説明会で男性巡査が職務質問のため、バイクで走行中の高校生に停止を求めたと話した。一方、少年側は、接触前に警察官が停止を求める行為はなかったとした。
巡査は事件発生当初、接触した高校生がけがを負った認識はなかったと説明した。会見で弁護士らは、高校生は「骨折するほどの傷害を負っており、そのような弁解は信じがたい」と指摘し、高校生は一貫して「突然物陰から出てきた加害警察官に声をかけられることもなく、棒のようなもので殴られた」と主張していると強調した。高校生はヘルメットを着用し、路地を「普通に」走行していたとして「そもそも職務質問が必要な状況だったのか」と疑義を呈した。また、インターネット上で、高校生に対する誹謗(ひぼう)中傷が収まらない現状があると説明した。
高校生の母親は弁護士を通じて「今後の捜査では、先入観に縛られることなく、息子の言っていることに誠実に目を向けてほしい」とコメントした。
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