sick_vaccine
久しぶりの更新。ハンJ速報の方をよく手伝っているがこちらではネタがなかなか思いつかなかったが、やっとできそうだったので投稿である。

皆さま、コロナワクチンはもう接種できただろうか。自分はまだである。早く欲しいものだが。
しかしそんなワクチンにも、ある陰謀論が出回っている。
「コロナワクチンを接種すると、体内にマイクロチップを埋め込まれ政府に都合が良いように行動や記憶などを操作されてしまう」といった感じのものだ。

世界中で問題になっているこれ、一体だれが言い出したのだろうか?
調べてみると、何とコロナ以前からこの陰謀論はそんざいしていたのである。

時は2009年。この時世界では「豚インフルエンザ」が拡大していた。
そんな中で、ある陰謀論を紹介するものがいたのだ。

危険なのはインフルエンザではなく…ワクチンだ

これを書いたのは「デイヴッド・アイク」という、イギリス出身の陰謀論者だ。その筋では有名なようで、wikipediaにも彼についての項目が存在する。
それでは、このサイトではどのようなことが語られているのか、引用してみよう。

豚インフルエンザワクチンが地球上すべての人々に強制されようとしている今ほど重要な時はない。豚インフルエンザウイルスは、全ての人類にワクチンを強制するために大規模パニックを引き起こすよう、研究室で人工的に作られたものだ。

豚インフルエンザにかかった人々の症状が軽いものにもかかわらず、計画的ワクチン接種実施の規模とスピードは尋常ではない。ロスチャイルドの息のかかった英国医学協会(British Medical Association)は、豚インフルエンザはまだ重大な疾病を引き起こしてはいないが、大規模ワクチン接種を優先順位の高い者から始める、としている。何だって? 公衆衛生にも健康にも、まるきり関係ない話だ。

「WHO、国連、そしてバクスターやノヴァルティスのようなワクチンメーカーは、中心的犯罪集団の支配下にあるシステムの一部である。この犯罪集団が戦略を主導し、人工的ウイルス開発、製造、バラ撒きに資金を出した。生物兵器そのもののウイルスによる大規模ワクチン接種を正当化し、米国の民衆を抹殺、北米の資産や資源を握るためである」

・・・改めて言っておくがこれは、コロナウイルスについて語られたものではない。2009年の豚インフルエンザについての物である。にも拘わらず、現在使用されている「ウイルス人工説」「ただの風邪」「人口削減目的」といった言説に非常によく似ている。
要するに、こういった論調は、何らかの病気が流行するたびに出てくる定型文みたいな物なのだろう。

そして、「マイクロチップ」について語られた部分はこうだ。


イルミナティの世界計画は、大規模な人口削減とともに、すべての人間にマイクロチップを埋め込むというものだ。もちろん、女性や子供もだ。マイクロチップはあらゆる人間を一日二十四時間追跡し、さらにそれ以上のことが計画されている。

マイクロチップを使ったコミュニケーション技術は、人々を精神的、感情的、肉体的に操作するものだ。彼ら(イルミナティ)は、マイクロチップの発信-受信信号を使って大衆を、あるいは個人を操ることができる。もし遠方から誰かを消そうとするなら、造作もないことだ。

私がこれを書くのは、私の本の読者はご存じだろうが、一九九七年、あるCIAの科学者が政府と軍から発注された研究プロジェクトの中でマイクロチップが開発された、と語ってくれたからだ。マイクロチップは既にワクチン接種の皮下注射で注入可能なほど極小化されている。つまり誰にも知られないように、ナノテクノロジーを使ってだ。


と、こんな感じだ。この記事を書いた時点ですら10年以上前に書かれたものが、現在もほぼそのままの形で使われている。進歩がないというか、なんというか…。
彼の陰謀論が本当であるなら、10年以上前からそういったことが行われているならば、今頃とっくにイルミナリティなどによる陰謀は達成されててもおかしくないようなはずだが、今なお似たようなことを言い続けているというのは、この説が信じるに値しないということなのだろう。



しかし皆さま、こういう時代遅れの言説が今なお広まっている現状を見ても「人類は愚か」などと言ってはいけないのである。
「モルカー」なるものが流行してから、なぜだか「人類は愚か」なる言葉がよく使われるようになったが、僕はこういった言説に大いに異を唱えたい。
確かに人類は過ちを犯すこともあるだろう。しかしそれを反省しそれを乗り越えることができるのもまた人類である。それに人類すべてが陰謀論を信じるといった愚行をするわけではない。こういったものを信じない人だっているのである。
また、動物全体に目を向けてみれば、例えば他の群れを乗っ取っては子供の個体を殺してボスの座を奪い取るライオン、仲間同士での抗争が哺乳類の中では最も多いとされるミーアキャット、巣を引っ越す際に幼虫などを捨ててしまう蜂…といった風に「愚か」と言えるような行為を行う動物は数えきれない。人類の方が、そういった行動を理性で抑えることができる分高尚なものであると言えるだろう。
大体、アニメやフィクションになぞらえて生物の種について語るといった行為はどうなんだろうか。これではまるで、余命三年時事日記とかいう妄想ブログを見て「韓国人や中国人たちは、そして日本政府はこうなっているのか!」と真に受けていた奴らのような物だ。
モルカー好きと余命信者には何か通づるものがあるのだろうか? まあ僕はモルカー見たことないんだけど、こういった理由で敬遠してるのだ。

この辺のさらに踏み入った主張などは、過去にここに書いていたりするので興味あったらこちらも読んでいただきたい。


・・・おおっと、あまり関係のない話題を長々と話してしまいがちなのは僕の悪い癖だ。だけど、普段であれば見向きもされないような言説も、こうして他の話題と共に「抱き合わせ販売」のように話してみたいという感じなのである。

まあともかくだ、これでみんなが、少しでも安心してワクチンをうてるようになってほしいと願うばかりだ。