『部外者の立場からColaboデマを検証する:追加編その1』からの続きです。少し日が空いてしまいました。

 今回も順番にやっていくわけですが、今回取り上げる内容はデマというよりはいちゃもんに近いものなので、あまり検証というにふさわしくないかもしれません。しかし、そのいちゃもんの内容から、メインデマゴーグたる暇空茜の内心が見て取れる興味深いものになっているでしょう。

 結論から言うと、彼や彼のデマに賛同する人々は、税金の使い方も家出少女の安否もどうでもよく、ただColaboを叩きたいだけです。税金の使い方や少女の保護に本当に興味があるならあり得ないいちゃもんをつけていることから、このことがよくわかります。

引用の仕方を知らない

 彼の内面に迫るクローズアップ現代をする前に、まずは技術的な話を片付けましょう。これは彼のnoteをずっと読んでわかったことですが、彼は基本的な引用の作法すら理解できていません。
空「どうも共産党と強いつながりがあるColabo代表仁藤夢乃さんは都条例に違反してるような気がするんだよね」
な「ええっ?!共産党と強いつながりがあるColabo代表仁藤夢乃さんは東京都の若年被害女性等支援事業を受託してるんですよね?それなのに東京都の条例に違反してるかもしれないってことですか」
空「ナイス説明セリフ。まずはこれを見てほしい。Colaboのバスカフェ事業は新宿区役所前で22時~26時に行われている」
スクリーンショット (92)

空「そしてこちらが東京都の青少年育成に関する条例だ。”何人も、保護者の同意なく、又は正当な理由なく、深夜に青少年を連れ出し、同伴し、とどめてはいけません。"とある。完全にアウトだね」
スクリーンショット (93)

 Colaboと仁藤夢乃さんの都条例違反について調べてみました
 代表例はここです。ここで、暇空はColaboの告知画像および東京都の条例を「引用」していますが、このような引用方法はいただけません。

 細かい作法はさておき、正しい引用の要点は2つに絞れます。まず、過不足なく引用すること。そして、原典を明示することです(捏造しないとかは当然なので割愛)。ブログやnoteで論文並みの硬さの引用が必要だとは思いませんが、少なくともこの2点はどのような媒体であっても守る必要があるでしょう。そうしなければ、引用の目的を達成できません。

 さて、引用にこの2つのルールが必要な理由は共通しています。引用というのは、自身の主張の根拠とするために他者の主張を引き合いに出す作業です。ここで重要なのは、引き合いに出した文章について、自分の解釈が妥当であることを保障することです。

 紙幅の都合からいっても著作権の問題からも、文章のすべてを引用することはできません。そのため、引用の際には必ず、文章の一部分だけが引き合いに出されることとなります。このとき、読者――とりわけ筆者の主張に懐疑的な読者の頭の中には、その引用が本当に正しいのか、曲解や都合のいいところだけを抜き出したものではないか、極端なことを言えばそもそもそのような原典は存在するのか、と言った疑念が産まれることになります。

 そうした疑念に対し、いや私は正しく引用した、疑問があるなら原典を見よ、と筆者は堂々胸を張る必要があります。そのためには、引用の際に過不足なく抜き出すこと、そして原典を明らかにすることは重要です。

 この点、暇空は不徹底極まりないと評価せざるを得ません。とくにあらゆる記事において原典の明示が出来ていません。先ほど挙げた例では、Colaboの告知画像らしきものを引用していますが、これがどこから持ってきたものなのか不明です。同様に、東京都のサイトのどこかしらを切り抜いているらしいスクショもどのページなのか不明です。

 このような状態では、例えばColaboの告知画像らしきものが、実は暇空が捏造したもので実在しないものではないか、と疑われてもやむを得ません。いや捏造ではない、と主張するための材料が存在しないからです。このような疑いを回避するためには、予め原典を明示しておくべきですが、出来ないのはそれをすると都合の悪い事情があるためでしょうか。という疑念も抱かせます。

 同様に、前回の記事から例を挙げると、『Colaboと仁藤夢乃さんのバスカフェ切り裂き被害を検証してみる』で彼は、Colaboのバスにつけられた傷が2021年11月の段階で存在したと主張しますが、その写真の出典も明示されていません。ですから、実はその傷が2021年11月のものではなく、もっと古いもので傷はいったん直されていたとか、実はもっと最近のもので少なくとも傷つけられたのがデマ攻撃以降であることは確実なのだ、という反駁に対抗することは彼には出来ません。その写真が確かに2021年11月にアップされたものであると彼は示せていないからです。

 こうした疑念に対し、暇空や彼を信奉する人々は無理筋ないちゃもんだと思うかもしれません。確かに、原典を明示出来ていないだけで画像の捏造だと断定することは不可能でしょう。しかし、自身は団体側の書類の不備(と少なくとも自分では考えているところ)から団体の不正を主張するにもかかわらず、自分は根拠となる画像の原典が明示できていないという明らかな不備から不正を主張されるのは気に入らないとすれば、あまりにも身勝手な二重規範と言わざるを得ません。他者に疑念を向けるなら、最低でも同水準の論証を自身も行うべきでしょう。

 なお、上に引用した記事において、彼が条例を引用しているかと思いますが、この引用は暇空の論証技術の欠如の極北として象徴的な事例であることを最後に指摘しておきます。彼はColaboが『東京都の青少年育成に関する条例』に違反していると主張しますが、実は同記事内で条例の正式名称も条文の正式な文言も引用できていません。

 彼が引用したかった条例は、正式には『東京都青少年の健全な育成に関する条例』といい、夜間外出に関する条文は以下の通りです。
(深夜外出の制限)
第十五条の四 保護者は、通勤又は通学その他正当な理由がある場合を除き、深夜(午後十一時から翌日午前四時までの時間をいう。以下同じ。)に青少年を外出させないように努めなければならない。
2 何人も、保護者の委託を受け、又は同意を得た場合その他正当な理由がある場合を除き、深夜に青少年を連れ出し、同伴し、又はとどめてはならない。
3 何人も、深夜に外出している青少年に対しては、その保護及び善導に努めなければならない。ただし、青少年が保護者から深夜外出の承諾を得ていることが明らかである場合は、この限りでない。
4 深夜に営業を営む事業者及びその代理人、使用人その他の従業者は、当該時間帯に、当該営業に係る施設内及び敷地内にいる青少年に対し、帰宅を促すように努めなければならない。
 東京都青少年の健全な育成に関する条例
 もちろん、論証の過程で、問題を明らかにするためにわかりやすい説明を引用することはあるでしょう。しかし、条例違反を主張するのであれば、第一にあたるべきは条例の原典です。条例の正式名称すら提示せずに条例違反を主張するのは、「具体邸にどの条例にどう違反しているか知らないが、ともかく違反なんだい!」と駄々をこねているのと変わりありません。

 そして、原典に当たらず、文章を丁寧読まないことが彼のいちゃもんに繋がっています。

アホか?

 引用の技術的な議論を片付けたので、次は内容に移りましょう。彼の主張する「Colaboが青少年の健全な育成に関する条例に違反している」という主張ですが……アホの主張だとしか言えません。少し上を見てください。節の名前に困っちゃって「アホか?」としか書けなくなりました。

 まず、上で引用した条例の原典を見てください。そこには『何人も、保護者の委託を受け、又は同意を得た場合その他正当な理由がある場合を除き、深夜に青少年を連れ出し、同伴し、又はとどめてはならない』とあります。裏を返せば、正当な理由さえあれば、深夜に青少年を連れ出したりとどめたりしてもいいわけです。当然ですね。

 そして、Colaboの活動である少女の支援は、明らかにこの『正当な理由』にあたります。これも当然です。というか、そうでなければ都が委託するわけありません。条例違反にお金を出すことになってしまいますからね。

 こんなアホないちゃもんをつけてしまうのは、彼が原典に当たらないから……というわけでもなさそうです。というのも、彼自身が「引用()」している画像にも、正当な理由云々の文言はしっかり入っているからです。暇空に限らないのですが、自由戦士・ミソジニスト界隈は自分で引用した文章をちゃんと読んでいないことがよくありますね。

 そして、このいちゃもんは引用がどうとか、文章がどうとかいう以前の問題を抱えています。

 もし本当に家出少女の安否や保護に関心があるのなら、こんないちゃもんは出てきようがありません。仮にColaboの活動が条例違反であれば、それは条例がおかしいと考えるべきであり、Colaboが条例違反だぞと騒ぐことにはならないからです。少女の保護活動が条例の名のもとに規制され、行き場を失った未成年が風俗のスカウトや性犯罪者の元に行ってしまう、などという状況はどう考えても不合理であり、もし本当に少女の心身の安全を気にしているならそんなことを是とする考えに至るわけがありません。もし本当にColaboの活動が条例違反なら、少女の安全に関心がある人は真っ先に東京都を批判するでしょう。でも、暇空達はそうしませんでした。

 このいちゃもんからはっきりとわかるのは、暇空やその信奉者は未成年児童の安全などどうでもよく、Colaboをバッシングする数多くの道具のひとつとして条例を持ち出したに過ぎないことです。彼らの「批判」には正義など何もないことがわかろうというものです。

それはもう団体の方針としか

 しかし、いちゃもんにも限界があるようです。まぁ当然ですね。Colaboは本来何の不正も行っていない団体でしょうから、頑張って探してもせいぜいがちょっとした書類の不備とか間違いくらいしか見つからないわけで、火のないところに煙を立てる作業にも限りがあります。

 そういうわけで、暇空のケチも内容がだいぶ薄まってきました。シンパはそんな薄い水加減を間違えたおかゆみたいな「疑惑」でも騒ぐので「バスの傷は元からついてた」みたいなものでもバズってしまうわけですが、にしても限界があり、ここから先はもはや「お気持ち」というほかない内容が続きます。
空「数と日時がわかってるなら40個2万円も出せば豪華な弁当買えるのに、必要なのにケチってタダで募集・・・ってコト?ワ、ワァ・・・」
(中略)
空「バスカフェで配ってるレトルト食品やインスタント食品も寄付募集、今は秋冬服(新品のみ)も募集してるし、携帯電話端末もiPhone限定で寄付募集して、生活保護ガールに貸し出してる疑惑が濃いしさ、まじで税金事業でこんなことしてんな、ふざけんなよって思うよ。ムカつく」
な「一体何に4600万円が消えてるんでしょうね?それにこれまでの寄付金とかが2.5億円余ってますよね、なんか生活保護アパートスタッフ雇用金名目で積立られてますけど」
 【年間4600万円】税金事業でタダ飯を募集する仁藤夢乃さん・・・
 まずはこれ。都から資金を受けながら食料の寄付を求めるのがおかしいとのことですがそんなものは団体の方針でしょう。法律的にも倫理的にも、都との契約的にもなんら瑕疵はありません。『携帯電話端末もiPhone限定で寄付募集』も団体の方針の範疇ですし、寄付をするかどうかは個人が好き好きで決めるだけのことです。
スクリーンショット (94)

空「自分から助けを求めてくる知能がある子は対象じゃなくて、夜の街で過ごしている助けを求めてないような女の子じゃないと助けたくないから深夜0時~朝5時の普通の子はこれない時間に変更したんだって」
な「・・・・・・・・えっ?」
空「自分から助けてください相談に乗ってくださいって言ってくる女の子は助けたくない、夜中の0時~5時に歌舞伎町をウロウロするような女の子だけ相手にしたい、ってさ」
な「それって(検閲)な女の子を手駒にしたい・・・ってコト?ワ、ワァ!!」
 Colaboと仁藤夢乃さんの不平等支援疑惑を調べてみました
 次はこれ。Colaboが支援対象をえり好みしているかのように書いていますが、当初の目的が達成しにくくなったため活動時間を変えた程度のことしか読み取れませんし、それもやはり団体の方針の範疇です。もちろん、ひとつの団体があらゆる困窮者を支援することは不可能ですから、文句があるならセーフティーネットを用意できない都に言うべきです。にもかかわらず、限界はありつつも支援を続けているColaboへのいちゃもんが優先されてしまうあたり、やはり彼らは未成年の困窮者などどうでもいいでしょう。

 なお、『それって(検閲)な女の子を手駒にしたい・・・ってコト?』という主張の証拠はマジでどこにもなく、暇空の憶測にすぎません。ここだけで名誉毀損いけるのではないかというレベルですね。『ワ、ワァ!!』などと舐めた口を利いていますが、ちいかわ側も損害賠償求めてもいいのではないかという気すらします。自意識がデカくてキモいのになぜちいかわの振りをしたがるのか。

家出少女も見下す

 最後に、暇空とその信奉者がColaboだけではなく、家出少女や困窮する未成年全般を見下し、差別的に扱っていることを指摘して終わりましょう。

 先ほど引用した部分ですが、そもそも『それって(検閲)な女の子を手駒にしたい・・・ってコト?』云々というのは、『夜の街で過ごしている助けを求めてないような女の子』は知能が低く、簡単に言うことを聞かせられるという差別的な前提があります。もちろんそうとは限りませんので、このような理解は彼らの偏見に過ぎません。
空「認知プロファイリングするね。もうすぐ4年の"付き合い"ってことはちょくちょく会う"付き合い"を4年続けてるってこと」
な「沖縄基地座り込みとか韓国慰安婦デモに一緒に行く仲ですかね?」
空「で、共産党と強いつながりがあるColabo代表仁藤夢乃さんと知り合って4年も支援してもらって、未だに自立できずに持ちきれないほどの食料貰いに来るってこれバスカフェ意味あるの?」
な「ただ食べる魚を与えるんじゃなくて、魚の取り方を教えてあげるのが本当の自立支援って話を思い出しますね」
空「生活保護をつけて政治活動に連れ回してるだけだから4年経っても6-7袋コジコジしにくるんじゃないの?」
 【ツイ消し】Colaboバスカフェ利用者の実例【四年目大量持ち帰り】
 そして、彼の偏見と蔑視が存分に現れているのがこの記事です。

 『認知プロファイリングするね』と言いながら誰でも言えることしか指摘できない無様さが笑えるところですが、そこから先は笑えません。

 『仁藤夢乃さんと知り合って4年も支援してもらって、未だに自立できず』という文章には、彼の貧困問題への理解のなさが見て取れます。動画編集する前に本の1冊でも読むべきでしょう。そんな簡単に貧困から脱することが出来るなら誰も苦労しません。ましてや、Colaboの中心的な支援対象である若年女性は就職できても収入が低いことは往々にしてあるでしょうし、貧困からの脱出は個人の努力では難しい側面もあります。また、『4年も』とありますが、Colaboの支援対象を考えれば4年前高校生や中学生だった可能性も高く、であれば現在は社会人になったとしても数年目でしょうし、『4年』という期間が殊更長いわけでもありません。現在も未成年で高校生という可能性だってあるわけです。この程度も思いつかないのは基礎的な想像力の欠如でしょう。

 そして、フードバンク利用を『コジコジ』などと表現するに至っては、あらゆる語彙を用いて最大級の非難をさせてもらいます。ここで書くとよくない言葉も使って。こうした支援の利用を侮辱するような人間が存在するから、生活保護の捕捉率は低いし世界第三位の経済大国なのに餓死する人間が出るのです。

 事ここに至っては、もはやColaboに対する「疑惑」の妥当性とか、そういうレベルの問題ですらないでしょう。実績ある支援団体と、口を開けば困窮者への侮辱が出てくる人間のどちらを信じるかという、常識と良心の問題になりつつあります。どちらを選べばいいかは明白でしょう。そうでないなら、せめて口は閉じたほうが賢明です。