同時配信
見逃し配信はこちら

    トピックス

    2022.08.26暢子とバディのような関係になれたら

    #ちむどんインタビュー

    沖縄・やんばる地域で生まれ育った四兄妹きょうだいの、1972年の本土復帰からの歩みを描く、笑って泣ける家族の物語「ちむどんどん」。
    今回は、矢作知洋 役・井之脇 海さんへのインタビューをお届けします。「アッラ・フォンターナ」を辞めて落ちぶれていたところ、暢子(黒島結菜)と再会して一緒にお店をやることになった矢作。そんな矢作を、井之脇さんはどのような思いで演じているのでしょうか。

    ――「ごちそうさん」(2013年度後期)、「ひよっこ」(2017年度前期)に続いて3度目の朝ドラ出演は、いかがですか?

    朝ドラは、出演するたびに一番反響をいただきますね。親戚からもたくさん連絡がきましたし、離れて暮らしている祖母が「毎朝『ちむどんどん』を見るのが楽しみ」と言ってくれて。多くの方にお届けできるドラマだと改めて実感しました。

    ――今回は料理人という役柄ですが、どのように撮影に臨まれましたか?

    クランクインの前に、食材を切ったり、鍋を振ったりという料理の基礎を学び、家でひたすら反復練習をしました。「イタリア料理の練習にはカルパッチョがいいよ」と言われたので、去年の年末は毎日カルパッチョを作って食べていました(笑)。実際に料理を一生懸命やっていると、それだけで矢作に近づいている感覚もあって、役作りとしてもおもしろいなと感じました。

    ――演じる矢作は、井之脇さんから見てどんな人物ですか?

    思考回路がちょっとねじれている人物です。本当は素直に言いたいところを、あえてきつい言い方をしてしまう。でも、矢作が一番好きな料理に対しては、すんなり言葉が出てくるんです。例えば、第6週で暢子が作った沖縄そばには「うめぇ」と素直に言っていて。そういう素直で純粋な部分もちゃんと持ち合わせているところが、彼のおもしろいところですね。料理に対してのまっすぐな姿勢と、人と向き合う時のちょっと気難しい感じをうまくお芝居で表現できたら、より魅力的な人物になるんじゃないかなと思って演じました。

    ――フォンターナを辞めた矢作は、物語の後半で再登場しました。どのような思いで演じられましたか?

    矢作はフォンターナを辞めて、自分の店を持つ。でもうまくいかず、お金もなくなり、どんどん落ちぶれて挫折を味わうんです。ただ、それを実際にお芝居で表現するわけではないので、矢作がどんな人生を歩んできたのかを想像し、現場で話し合って緻密にストーリーを作り上げていきました。これはほかのドラマではなかなかないことなので、貴重な経験でした。

    物理的にも撮影期間が2か月くらい空いたんですよ。その間に暢子が成長していたり、和彦(宮沢氷魚)と結婚していたりしたので、どう現場にいればいいのか最初は戸惑う部分もありました。でもそれと同時に、暢子と再会した矢作自身もきっと同じような気持ちだっただろうな、と。そこはリンクさせて、生かしたいと思って演じました。前半と後半で同じ人物ではありますが、後半の矢作はいろんな経験をして成長もしている。それをお芝居で表現するのは、とても楽しいです。

    ――第20週のラストで、暢子とお店をやっていくと決めた矢作。矢作にとって、暢子はどのような存在なのでしょうか?

    自分にはないセンスや才能を持つ暢子に、憧れがあるんだと思います。嫉妬もあったんじゃないかな。でもフォンターナで成長していく暢子をそばで見ていて、どこか認める気持ちもあったはず。ただ矢作は素直じゃないので、認めていることを自分で認めたくなかったんだと思いますが(笑)。暢子と再会して、まさか一緒にお店をやろうなんて言ってもらえるとは思っていなかったでしょうし、たぶん矢作はものすごくうれしかったと思うんです。

    今後「ちむどんどん」というお店で、暢子からいろいろ吸収しつつ、自分が培ってきた技術を暢子に教える。そんなバディのような関係になれたらいいなと思っています。

    ――矢作として、今後の見どころを教えてください。

    フォンターナにいたころの気難しい感じとはまた違う、矢作の成長を感じてもらえたらうれしいです。一回挫折を味わった男が、一歩一歩進んでいく姿に注目して見ていただきたいです。そして暢子がどう悩み、どう成長していくのか。波乱万丈な暢子の人生がどこに着地するのか。ぜひ楽しみにしていただけたらなと思います。