GIMP講座「ブラウン管テレビ風加工」
講師:玉五郎さん

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写真をブラウン管のテレビ画面のように加工します。

★ 加工のポイント ★

とくに難しい箇所や特別なテクニックはありません。基本的には走査線をつけて青っぽい色調にすればそれなりに見えます。
なお、この作例では操作にフェードを多用してます。コピーレイヤーを作成して作業するという手間が省けるので、スピーディーで効率的な作業ができます。(玉五郎)


1. 下処理
まず下処理として画像の解像感を低下させます。ソフトな画像の場合はこの工程は省略してください。
1.画像をぼかす

画像を軽くぼかして細部のディテールをつぶします。


画像を開いて ”フィルター → ぼかし → ガウスぼかし” をクリックしてください。

ぼかし半径を1.0にして「OK」をクリックしてください。
2.画像をシャープにする

これだけではただのぼけた画像になってしまうので、画像をシャープにします。


”フィルター → 強調 → シャープ” をクリックしてください。

明瞭度を20~30にして「OK」をクリックしてください。
3.ぼかしてシャープにした画像

画像をぼかしてシャープにすることで、元画像と見た目は一見同じようでも細部のディテールは消滅してます。

これで下処理の完了です。



2. プリズム
ブラウン管特有のプリズム的な色ずれをつけます。
1.チャンネル操作

レイヤーのチャンネルタブを開き、赤チャンネルだけをアクティブにしてください。
2.横方向にぼかす

赤チャンネルだけに横方向のぼかしをかけます。


”フィルター → ぼかし → モーションぼかし” をクリックしてください。

パラメータの設定を以下のようにして「OK」をクリックしてください。

ぼかしの種類:線形
長さ:10
角度:0

※プレビューでは通常の画像のように表示されますが、赤チャンネルだけにぼかしがかかります。
3.ぼかした画像

赤チャンネルだけにぼかしをかけた画像です。プリズム的な色ずれが発生してます。
4.チャンネルを通常の状態に戻す

チャンネルを通常の状態に戻し、レイヤータブに戻ってください。



3. 波紋
波紋をつけます。
1.波紋フィルター

波紋フィルターを適用します。

”フィルター → 変形 → 波紋” をクリックしてください。

左の画像の設定で「OK」をクリックしてください。
2.波紋の不透明度を調整

波紋の効果が強すぎるのでフェードで効果の度合いを調整します。

”編集 → 波紋をフェード” をクリックしてください。

不透明度を50%前後で調整して効果を弱めてください。
3.波紋を適用した画像

波紋を適用した画像です。適度なギザギザ感が出てます。



4. 走査線
走査線をつけます。
1.ビデオフィルター

”フィルター → 変形 → ビデオ” をクリックしてください。

ビデオパターンは縞を選択し、付加的のチェックをはずして「OK」をクリックしてください。

※素材画像が暗めの場合は、付加的のチェックを入れてください。
2.ビデオ効果の不透明度を調整

ビデオの効果が強すぎるのでフェードで効果の度合いを調整します。

”編集 → ビデオをフェード” をクリックしてください。

不透明度を20%前後で調整して効果を弱めてください。


「元画像との比較」(マウスオーバーで画像が切り替わります。)




5. ゴースト
アナログ放送特有のゴーストをつけます。
1.レイヤーを複製

メニューの ”レイヤー → レイヤーを複製” をクリックしてください。 レイヤーウインドウに「背景コピー」というレイヤーが作成されます。
2.オフセット調整

「背景コピー」を右側に移動させます。

”レイヤー → 変形 → オフセット” をクリックしてください。

Xの値を10にして「OK」をクリックしてください。
3.レイヤーモードの変更

「背景コピー」のレイヤーモードを”比較(明)”にし、不透明度を20にしてください。
4.統合

「背景コピー」を「背景」に統合して1枚の画像にします。

メニューの ”レイヤー → 下のレイヤーと統合” をクリックしてください。
5.ゴーストをつけた画像

ゴーストをつけた画像です。




6. 画像の変形
画像をブラウン管画面の形に変形させます。
1.レンズ補正

レンズ補正フィルターを適用します。

再び ”フィルター → 変形 → レンズ補正” をクリックしてください。
パラメータの設定を以下のようにして「OK」をクリックしてください。

周辺部:40
明るさ:30

※明るさの値を増やすほど周囲が透明になっていきます。
2.レンズ補正を適用した画像

レンズ補正適用後の画像の状態です。

画像の周囲が透明&半透明になっているので、ここを黒で埋める処理をします。
3.アルファチャンネルの削除

ツールボックスの背景色を黒に設定してから ”レイヤー → 透明部分 → アルファチャンネルの削除” をクリックしてください。 画像の透明や半透明の部分が背景色の黒で埋められます。
3.レンズ補正が完了した画像

レンズ補正処理が完了した画像です。



7. 仕上げ
1.ソフトフォーカス処理 1

画像にソフトフォーカスをかけます。


”フィルター → ぼかし → ガウスぼかし” をクリックしてください。

ぼかし半径を10にして「OK」をクリックしてください。
2.ソフトフォーカス処理 2

続いて ”編集 → ガウスぼかしをフェード” をクリックしてください。

モードをオーバーレイに設定し、不透明度を50前後で調整してください。(画像に応じて調整してください。)

※暗めの画像を加工する場合はモードをスクリーンにしてください。
3.ソフトフォーカス処理 3

ソフトフォーカス処理が完了した画像です。
4.中央発光処理 1

画面中央を明るくしてブラウン管の発光感をつけます。


ツールボックスのブレンドツールを選択し、描画色を白に設定してください。

続いてツールオプションを以下のように設定してください。

・モード:オーバーレイ
・グラデーション:描画色から透明
・形状:放射状
5.中央発光処理 2

画像の中央から右端までドラッグしてください。

※効果が強いときはフェードで調整してください。
 効果が足りない場合は2回繰り返してください。
 (画像に応じて調整してください。)
6.中央発光処理 3

中央発光処理が完了した画像です。中央部が発光してるように明るくなってます。
7.色調処理 1

テレビ特有の青みがかった色調にします。


描画色を ”R0 G128 B255(カラーコード #0080ff)” に設定し、”編集→描画色で塗り潰す” をクリックしてください。
7.色調処理 2

この様に画像全体が描画色のシアンで塗り潰されます。
7.色調処理 3

続いて ”編集 → 描画色で塗り潰すをフェード” をクリックしてください。

モードをオーバーレイに設定し、不透明度を90前後で調整してください。(画像に応じて調整してください。)
8.アンシャープマスク

最後に軽く画像をシャープにします。

”フィルター → 強調 → アンシャープマスク” をクリックしてください。

半径を5、量を0.10~0.20にして「OK」をクリックしてください。
9.完成!

これで完成です。お疲れ様でした。。。( ̄ー ̄)v



「ブラウン管テレビスクリプト」
ここまでの工程を自動処理するスクリプトです。
メニュー位置は ”Script-Fu → 写真加工 → ブラウン管テレビ” です。


ブラウン管テレビ風加工  ビフォーアフター

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2015.12.19 作成


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