Qアノンにはまった人
Qアノンとはいったいどんな活動をするのかと訊くと、スパルディングはこう話してくれた。
「Qアノンって、何か答えを提示するところではないのよ。“プレイング・メディック”という主宰者が、いろいろな質問を発するの。たとえば、ビル・クリントンとアル・ゴアの名前が入った南部の連邦旗に1992年の文字が入った写真を提示して、これを調べよ、とか、ジョン・F・ケネディの息子(1999年に飛行機事故で死亡)が、まだ生きていると思うか、っていうお題もあったわね。ほかには? ナンシー・ペロシ(カリフォルニア州 民主党下院議長)が、なぜ新型コロナが発生する直前に、中国の武漢市を訪問したかについて深く調べよ、とかね。それぞれがネット上で情報を探して、それぞれの正解にたどり着くの。信者に向けた掲示板には、こうした投稿がこれまでに5000回近くあったわ」

お笑い番組によくある大喜利のお題みたいだな、とも思えるが、陰謀論であることに変わりはない。
しかし、スパルディングは反論する。
「陰謀論ではないのよ。主宰者は、写真や記事を提示して、こうした課題を自分で深く調べよって指示するだけなんだから。それぞれの個人が、主宰者とネット上でつながっているだけで、Qアノンとしての集会があるわけでは、ないわね」
3人の息子を持つ母親であるスパルディングは専業主婦であり、子育てに加え、PTA活動や、生活困窮者のために食糧を配給するフードバンクでのボランティア活動などをこなす。