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「町長からわいせつ」訴えた元草津町議が「虚偽告訴罪」で起訴 町長が激白「朝10時に性交渉できる場所ではない」

NEWSポストセブン / 2022年11月5日 11時15分

 今回の検察による新井元町議への在宅起訴は、黒岩町長の訴えを受けたものだ。この起訴が注目されているのは虚偽告訴罪という罪名。今回のように当事者間の主張が食い違っていると、検察は嫌疑不十分の処分を下すのが一般的だ。そのため、検察側はわいせつ行為がなかったことを立証する決定的な証拠を入手したと見られている。虚偽告訴罪は非常に重く、最高10年の懲役となる。

 仮に虚偽告訴が認められるとすると、なぜ新井元町議がそんな主張をしたのかという疑問が残る。これについて黒岩町長は「草津で行なわれてきた『時間湯』が関係している」という。江戸末期から明治初期にかけて成立した伝統的な湯治療法である時間湯は48℃ほどの高温泉に3分間、1日3~4回入ることで、アトピー性皮膚炎など慢性皮膚疾患に効果があるとされている。この時間湯での湯治を指導する人を「湯長」と呼ぶ。黒岩町長と新井元町議はこの慣習をめぐって対立する立場にあったという。

「時間湯は医療が発達する前のものであり、今の時代に48℃の温泉に入れることは、医師の立場からも強い反対があります。また、湯長が医師のように問診し、裸を見るケースもあるということを認めてしまっています。今の時代に何の資格もない人が、医師のような診療や、女性の裸を見るようなことがあってはなりません。草津町から直接ではありませんが、第3セクターを経由して、湯長にお金も出ていました。年度によって差はありますが、約520万円も支払っていた年もあった。そこで町長として改革に着手しましたが、新井はその時間湯、湯長制度を守る側のメンバーだったんです。それで逆恨みしたのが、そもそもの発端だと思います」

 新井元町議が「黒岩町長から性被害を受けた」と主張する2015年1月8日については、新井元町議が町長室を訪れたのは事実だが、目的はこの時間湯、湯長制度への再考を訴えるものだったという。

「4月に町議選挙が控えていたんですが、(新井元町議は)『時間湯のメンバーが応援してくれないと当選できない』と頼みに来たんですよ。私は『嫌だ』と、はっきりと断りました。そこで逆恨みしたんでしょう。

 ほかにも新井は裁判でいろいろ主張してきました。同じ温泉街の湯布院に研修に行った際に、『私(新井元町議)が食べていたソフトクリームを黒岩町長が“食べる”と言ってきた』と言ったとか……長崎市内を視察で歩いたときに、『私が腰に手を回してきた』とも主張しましたが、そんな事実もない。覚えているのはグラバー園(観光地)で『町長、写真をお願いします』と言われて応じたところ、新井が後ろから腰に手を回してきたくらいです。周囲の人間も見ています」

 対する新井元町議はどう語るのか。自宅を訪ねたが応答はなかった。携帯電話も通じず、ショートメッセージに送った連絡にも返信はない。近隣住民からも新井元町議を見かけたという声は聞こえてこなかった。新井元町議を支援する町議からも返答はなく、この町議が代表を務める「新井祥子元草津町議を支援する会」のTwitterも昨年12月以降更新が止まっている。

 2021年12月13日、新井元町議が黒岩市長を強制わいせつ容疑で前橋地検に告訴した際の記者会見では「町ぐるみで嘘や偽証、隠蔽が続いている。来年(2022年)1月に強制わいせつ罪の公訴時効を迎える前に事実をはっきりさせたい」と説明していた。騒動は今後、どんな経過を辿るのか。

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