英国は今も金融面で大きく関与するが・・・

 筆者は、その場合は世界経済を揺るがす事態になるのではと危惧しています。

 ポイントは2つあって、1点目は、外銀による香港向け投融資の5割が英国からのもので、その残高は英GDPの約2割にもなります(図5)。2点目は香港ドルの発行主体は世界で唯一、民間銀行であり、その民間銀行3行(香港上海銀行、スタンダード・チャータード銀行、中国銀行)のうち2行が英国籍だということです。

【図5】出所:国際決済銀行(BIS)
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 要は、主権がない英国の金融面での関与が過大なのです。香港で金融危機が起きても英国は救済できません。強権発動で「金の卵を産むガチョウ=香港」を殺めてしまった中国も結果的に深手を負うことになるでしょう。

※本稿は筆者個人の見解です。実際の投資に関しては、ご自身の判断と責任において行われますようお願い申し上げます。