不動産価格は株価に遅れて下落
それは株価にも表れています、台湾での殺人事件が明らかになった2018年2月の直前が香港株のピークでした。その後、2021年2月に戻り高値をつけますが、翌月には議会の骨抜きが完了し、下落基調が続いています。
つまり株価は香港の政治情勢の変化を敏感に察知していたのです。そして、その後の1年7カ月で半値になった株価は、自由都市・香港の終焉を全世界に告知したと言えるでしょう。
だが本当の問題は株価より不動産のほうでしょう。不動産価格が下落すると銀行の不動産担保融資が不良債権化し、金融危機となる可能性があるからです。
図2で示したように、不動産価格は半値に沈んだ株価とは異なり、横ばい基調にあります。一見すると問題なさそうですが、不動産価格の下落は株価に半年~1年ほど遅れて始まることが多いのです。日本のバブルが崩壊したときも、株価の下落→不動産価格の下落、という順で起きました。
先日、発表された香港の2022年7~9月期の国内総生産(GDP)は前年比4.5%減と3四半期連続のマイナスと、予想以上に経済が落ち込んでいる様子が明らかになりました。