商業不動産の価格に経済発展の余録

 中国は2001年末にWTOに加盟したことをきっかけに貿易額を急伸させました。中国について「世界の工場」と言われるようになり、飛躍的な発展を遂げたのです。

 香港はその恩恵をフルに享受しました。片や香港ドル、片や日本円と通貨は違いますが、ハンセン指数の水準は日経平均を常に上回り、2018年1月には3万3000ポイントまで上昇しています。

 株価以上に中国経済発展の余禄にあずかったのは商業不動産の価格でした。こちらは2003年1月から2018年11月にかけて7.3倍にもなっているのです(図2)。

【図2】出所:国際決済銀行(BIS)、Investing.com
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 しかしこうした勢いも、あるきっかけで失われます。

 中国による香港の民主化潰しの動きです。