企業の競争力が落ちている
10月16日公開の「日本のカイシャは、もうダメだ! 世界ランキング劣後の情けない理由」で述べたように、スイスのIMD(国際経営開発研究所)が作成する「世界競争力のランキング2022年版でも、上で見たのと同じ傾向がみられる。日本の順位は、対象63カ国・地域のうちで第34位だ。
そして、アベノミクス以前はもっと高かったということも同じだ(2010年から2018年までは、20位台だった)。
細目分類での順位を見ると、「ビジネス効率性」分野での下落が、日本の順位低下の主要な原因となっている(2015年の20位から、22年の55位に低下)。
日本企業は、円安に安住して、技術開発の努力を怠ったのだ。円安は、このような意味では、日本の地位低下に大きな影響を与えた。
それに対して、台湾や韓国では、ハイテク企業が成長した。台湾の半導体メーカーTSMCは、この業界で世界のトップだ。韓国のサムスン以外は、追随できない。
時価総額はアジアのトップ(世界第16位)で、トヨタ自動車の約1.8倍だ。
台湾の躍進は、このように強い技術力をもった企業に裏付けられている。