カプコンはエフェクトセクションの公式Twitterアカウントを開設した。これからエフェクトの仕事内容、制作の裏話、リクルート活動などの情報を発信していくという。
攻撃がヒットする瞬間の効果、キャラクターのパワーアップ、ボスの登場……ゲームのさまざまな場所でプレイヤーの気持ちを盛り上げてくれるエフェクト。派手な演出効果を狙うだけではなく、ユーザビリティを高めたり、ゲームの面白さに直結する重要な仕事だ。
しかしエフェクト制作が具体的にどのような工程で作られ、どのような仕事をしているのかは、あまり知られていないのではないだろうか。カプコンエフェクトセクションの公式Twitterアカウントでは、そういったエフェクト制作にまつわる仕事内容や裏話を今後、披露していくという。
公式Twitterアカウントからは、2018年10月に発売された『ロックマン11 運命の歯車!!』のエフェクト制作に関する動画もあらためて紹介された。こちらは2018年7月に「『ロックマン11 』ゲームのつくりかた。#04〜ボス&エフェクト〜」と題してYouTubeで公開されたもので、エフェクトデザイナーの山田篤氏が登場してエフェクトの裏話を披露している。
その中で山田氏は、エフェクトとは遊ぶために必要な記号としての要素と説明。たとえば攻撃すれば敵に対してダメージがある、逆に敵が無敵なので攻撃が効かないという情報をプレイヤーに伝えるためにも、エフェクトは必要な効果となっている。また攻撃してプレイヤーが気持ちよくなるなど、エモーショナルな部分にも繋がっている。
『ロックマン11』では攻撃だけではなく、「GAME START」という文字を押して光ったりする部分や、ボスが爆発したときにその爆発の中でボスがシルエットとして表示される部分も、エフェクトの担当となる。後者の爆発中のシルエットではモデルもモーションも使用されておらず、こういったシーンをエフェクトが担当する例はほかにもあるそうだ。
エフェクトをたくさん制作して会心の出来だっとしても、ボスの仕様の変化によって没になることは日常茶飯事。また、いくつか作ったあとに一番最初に作ったエフェクトを見直すと地味のように感じることもあるという。それを手直しすると、今度は「盛りすぎてないか」と指摘される。やりすぎてしまうと、プレイヤーを隠してしまうほどのエフェクトになったり、攻撃のタイミングがわからなかったり、ゲーム性が変わってしまうほどのエフェクトになりかねない。
開発終盤になるとオーダーが増えてきて、忙しくなる時期になるという。その場合、別の部門と報告がおろそかになる場合がある。エフェクトは特にアニメーション部門とサウンド部門に関係しており、アニメーターが動きを報告せずにいじると、エフェクトがズレが生じてくる。逆にエフェクトを勝手にいじってしまうと、今度は音がつけられないとサウンド部門からクレームがつく。アニメーターが良いアニメーションを作れたとしても、エフェクトで動くが見えなくなるなど苦労しているという。
エフェクトはゲームを少年漫画のように盛り上げ、プレイヤーにゲームの仕組みを体感させて伝える大事な仕事。ゲームのエフェクトに興味がある人は、定期的にカプコンのエフェクトセクションの公式Twitterアカウントをチェックしておこう。
ライター/福山幸司