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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

江戸時代の鼻捻 Arms of the Edo era=Hananeji

江戸時代の鼻捻

江戸時代は戦乱のない平穏な生活が長く続いた。

甲冑・銃砲・槍・薙刀などの武器・武具類は無用の長物と化した。

武術の稽古で使うことはあっても、実戦で使う機会がないまま一生を終えた武士も多かった。

しかし、平和な世に犯罪や悪事は珍しくない。

庶民の喧嘩などは日常茶飯事である。

そこでは柔術や捕縄術の方が剣よりも役に立つ。

そのため、捕縛のためのさまざまな道具が柔術の流儀でいろいろ研究開発された。

鼻捻はその代表的な道具の一つである。

江戸時代の鼻捻 Arms of the Edo era=Hananeji_b0287744_18474028.jpg


十手や鉄扇、小太刀などの代用として鼻捻はたいへん重宝された。

現在も柔術の中に伝承されている短棒術や警察の警棒術の原形がこの鼻捻である。

まず、敵や被疑者の攻撃をしても致命傷に到らない安全な箇所を打って戦闘力を殺ぎ、素早く捕縛する。

鼻捻はそのための道具である。

ヨーロッパで講習会をすると、この短棒術はたいへんな好評を博す。

筆者は学生時代に浅山一伝流の短棒(捕手)術を二人の師範から学んだ。

これはわが協会の柔術制定形の中に組み入れてある。
by japanbujutsu | 2013-08-26 19:51 | 武具の部屋 Arms