【注意】このインタビューは、漫画『ゴールデンカムイ』の完全なネタバレを含みます。ご了承いただける方はお読みください。
『ゴールデンカムイ』を描いた信念につながる1通の手紙…野田サトル1万字インタビュー#2
アイヌの人々の姿を真正面から描き、大ヒットとなった冒険活劇漫画『ゴールデンカムイ』。作中、アイヌ文化を描く上で作者の野田サトル氏の信念となっていたもの、そして最終回に込めた思いとは…。(全4回の第2回)
野田サトル1万字インタビュー#2
博物館が『ゴールデンカムイ』にもたらした功績
――アイヌに関連する博物館が貢献した役目についても最終回で言及されていましたね。
はい。キラウシやチカパシのマキリを作って頂いた浦川太八さんという御年80歳以上の猟師兼、工芸家の方がいらっしゃいます。
浦川さんとは今でも交流があるのですが、若い頃、工芸を始めたときは博物館へ通って収蔵品から技術を学んだそうです。
「自分が作ったものを見れば、後のアイヌが真似して作ってくれるから」と、博物館にもたくさん作品を納品されています。
他のアイヌ工芸家さんも、皆さん博物館へ足を運んで刺激を受けているそうです。博物館は、アイヌ文化の保護に非常に重要な役目があるという一つの事例ですね。他にも例えば、アシㇼパの夏の靴。ブドウ蔓で作ったストゥケㇾですが、これはもう作れる人がほとんどいないんです。
なので、大阪の国立民族博物館にお願いしてアイヌ文化の研究者である齋藤玲子先生と北海道大学准教授の北原次郎太先生の立ち会いのもと、ぺったんこに収蔵されていた靴をマネキンに履かせて立体的にして撮影しました。
北原先生もこのような形で観察するのは初めてとのことで、熱心に記録されていました。博物館がなければ出来なかったことですよね。
日本中の博物館の学芸員さんたちには沢山のご協力をいただきました。
さらに付け加えますと齋藤先生は和人であり北原先生はアイヌをルーツに持つ先生です。最終回のナレーションの「アイヌと和人の協力によって後世に伝えられている」とは、まさにこういったことなのです。
ゴールデンカムイ
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