【注意】このインタビューは、漫画『ゴールデンカムイ』の完全なネタバレを含みます。ご了承いただける方はお読みください。
『ゴールデンカムイ』最終巻ラストの真相…野田サトル1万字インタビュー#1
圧倒的な人気を博して連載終了した漫画『ゴールデンカムイ』。長期連載を終えた野田サトル氏に連載を終えた今の心境を語っていただいた。(全4回の第1回)
野田サトル1万字インタビュー#1
アイヌ文化を現代に残した甚大な努力
――ということは、残り半分の金塊を放棄しようというのは、かなり以前から決まっていたことなのでしょうか?
はい。初期から絶対に変更がない事柄として決まっていました。物語の最後は「現実と同じ状態に着地するべきだ」と担当編集の大熊さんとは初期から話し合っていました。
アイヌの権利書と金塊によって、「土地が返還された」とか、「北海道にアイヌの自治区が出来た」とか、「残り半分の金塊が有効活用されて、アイヌとしての権利を現実よりも少しでも獲得していた」などという結末には、すべきではないと考えました。
そう描いてしまえば、「アイヌに努力が足りなかったから、現実ではこのような歴史にならなかったのだ」という間違ったメッセージを伝えてしまうと思ったからです。
原作の最終回がそうであったように、現代にアイヌ文化がいまだに残っている背景には多くの人たちの努力がありました。
「アシㇼパがその助けになっていたかもしれないね」という落とし所が正解だったと信じています。
だから、今もアシㇼパが守った北海道の国立公園には野生動物の繁殖地があって、カムイが残っていることでアイヌの文化が残される手助けの一つになったというオチにしたんです。
――確かに、古代文明のいくつかは森林資源の枯渇で滅んだという説もありますからね。
はい。すでにエゾオオカミやエゾカワウソは絶滅したといわれています。ラッコだって昔はたくさんいた。エトピリカも絶滅寸前です。
公園による保護がなければ、儀礼のなかで最高位に位置づけられる「イオマンテ」(アイヌの宗教的儀礼)で送るシマフクロウやエゾヒグマも絶滅していたかもしれない。
アシㇼパの手に入れた権利書が、カムイたちの絶滅を現代まで食い止めたのかもしれないというのが、この作品に出来る最善の落とし所だと信じています。
ゴールデンカムイ
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