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 バレエをやっていて、ほっそりして物静かな子でした。小学校低学年のころ、左頬にアザを作って登校したことがありました。“どうしたの?”って聞いたら“ぶつけた”って。しばらくしたら、また顔にアザを作ってきて、今度は“わからない”って。だから誰かをかばっているのかなって思っていました。お父さんかお母さんか……」



 娘の再婚相手に、孫娘を殺されてしまったいぶきさんの祖父は、週刊女性の電話取材に、



「ごめんなさい、お話できることはありません……」



 と弱々しく声を絞り出す。



 人前で恥ずかしげもなく手をつなぐ43歳の父と18歳の娘……。父が残した「2人で死のうと思う」という走り書きの真意は? 当事者が命を絶ってしまった今、残された手がかりから警察は謎の解明に迫るしかない。