業者の質や検査の中身にしても、国や自治体は明確な基準を設けていないから、コストをかけない『悪質な』業者ほど儲かる構造になっているのが実態です。極端な話、顧客の唾液をその場で捨てて陰性通知をメールで送るだけの業者がいても、誰にも気付かれないでしょう。顧客は結果が知りたいだけだからクレームも来ない。陽性になると会社に行けないから面倒だ、という人も少なくないですからね。
流石にうちは違いますが、これだけ審査が杜撰ならモラルの全くない業者なんてごまんといると見ていい。私も以前、自分に陽性反応が出た時によその業者にも受検しに行ったんですが、陰性反応が出た業者が結構多かった。
真面目な業者にとってはバカみたいな話だけど、それだけ無料PCR検査の『質』は当てにならないと考えたほうがいいですよ。横浜ですでに潰れた病院の名前で申請が通っていた事例が報じられていましたが、あそこも検体を分析せず捨てていたそうですし、審査のザルさは明らかです」
無料検査センターを訪れた人に、検査の見返りに商品券を配る業者がいたとして批判されるケースもあった。
「いわゆる保険診療詐欺と同じような仕組みです。PCR検査に実際にかかる費用が3000円だとして、1万円が税金から支払われるわけだから、7000円も利幅がある。そこから500円〜1000円を顧客への『PR費用』としてバックする業者がいても全く不思議ではありません。業者も顧客も困らず、困るのは国や自治体側だし、法的にも問題ないと踏んだんでしょう」(前出の業者)