テンプルサイド・フォーリンラヴ
これはCR2の〈冒険者〉を対象とした『LHZ』のシナリオである。あなたがGMならば、このシナリオを使うことですぐに『LHZ』を遊ぶことができる。あなたがプレイヤーとしてこのシナリオを遊ぶつもりならば、これを読むのはセッションが終わるまで待ってほしい。このシナリオのガイダンスは以下の通りである。
GM向け情報
シナリオ背景
時期は<大災害>1年目の2月、バレンタインシーズン。
PCたちは<テンプルサイド>を拠点とするギルド<太陽の軌跡(サン・ロード)>のメンバー"ヤエザクラ"から依頼を受けて、テンプルサイドを訪れる。
依頼内容は「親友でありギルドマスターの"櫛八玉(くしやたま)"が、最近オトコの影があるようで浮かれている。気にはなるけど、直接訊くとかなんかヤダからそれとなく調査をしてほしい」というものだ。(しょうもない!)
しかし、話を聞いてみれば渦中の男性はもうじき街から発ってしまうそうだ。
何も知らされていなかった櫛八玉と共に、PCたちは街中を巡り男性を探す。
街中でも大人気のその男性の正体は、<結婚の典災カマイサル>であった。
PCたちはカマイサルと交戦し、撃退された典災は逃亡する。(のちに春頃、アキバで<西風の旅団>に討伐される前日譚なのである)
カマイサルに魅了させられていた櫛八玉は落胆するのであった。
PC番号およびシーンプレイヤーの扱い
このシナリオでは、PC番号を使用せず、またシーンプレイヤーも指定しない。GMは必要であれば任意にシーンプレイヤーを指定してもよい。
プリプレイ
レギュレーション
このシナリオは以下の環境で遊ぶことを想定して作成されている。GMの決定した難易度によって【因果力】が増減するため忘れず反映すること。
使用ルール
-
『ログ・ホライズンTRPGルールブック』
-
『ログ・ホライズンTRPG拡張ルールブック』
GMが許可するのであれば「ログホラ・ウェンズデイ」や「セルデシア・ガゼット」の追加データを使用してもよい。
推奨キャラクター
このシナリオはCR2のキャラクター3人から5人を対象に遊ぶことを想定している。すでにいくつかの冒険を経験したプレイヤーがCRを上昇させた環境を念頭に置いているが、新たに「ハイコンストラクション」でキャラクターを作成してもよいだろう。4種類の「アーキ職業」のキャラクターが全て揃うようにすることを強く推奨する。プレイヤーの人数が少ないときは、「戦士職」と「回復職」のキャラクターを優先すること。
おすすめサブ職業
【シナリオにミッションがある場合などには以下を編集して使用する】
このシナリオにはミッションが存在する。このミッションにおいてボーナスを得られるサブ職業は以下の通りだ。
状況の解説
君たちは既に依頼を受けた状態にあり、目的地の〈テンプルサイド〉に到着している。
依頼内容は「私の親友にオトコの影がある。気になるけど直接訊くとか絶対ヤダからそれとなく調べてほしい」
というものだ。(しょうもない!)
時期としては1年目の2月頃(バレンタイン頃)を想定している。
アキバの街はちょっとソワソワしている気がする。
PCの立場
シナリオ開始時、PC同士がすでに知り合いであるかどうかは問わない。
基本的に物語は〈テンプルサイド〉に到着したところから始まるため、初見同士であればアキバから馬車移動1時間程度の交流があったものとする。
PC同士、またPCとシナリオ中登場するNPCが知り合いということにしても構わない。
また、シナリオ中にキャラクター間でコネクションを取得しても構わない。
【同じギルドに所属している、ギルドホールの冒険斡旋所に偶然居合わせた等、シナリオ開始時のPCの立場を記述する】
セッション難易度
以下の難易度から1つ選択する。そのとき『ログ・ホライズンTRPG』未経験者がプレイヤーに含まれているのであれば「難易度:イージー」を選ぶこと。
オープニングフェイズ
GMはメインプレイとオープニングフェイズの開始を宣言し、次のシーンのシーン予告をすること。
インタールード
シーン予告の内容は、次のシーンのシーン定義を目的から順番に読み上げるとよい。プレイヤーからのシーン要望が無ければ、そのまま次のシーンを開始する。
シーン予告とシーン要望の確認は以降のインタールードでも毎回行なうこと。また、このシナリオでは、基本的にすべてのシーンにPC全員が登場する。GMはこれもプレイヤーに伝えよう。
OP1:【Love Destiny】
シーンが始まったら「オーバーチュア」を読み上げ、シーン開始時の様子を描写しよう。以降のシーンも、開始したらまず「オーバーチュア」を読み上げること。
「モンタージュ」には、シーンが変化した描写とそれを読み上げるべきタイミングが記載されている。これは厳密なものではないので、GMはPCたちの反応を見つつ、ロールプレイが一段落したなどの区切りの良い場面で「モンタージュ」による変化の描写を行うとよい。
【OP】
場面
この場面では、現状とともに依頼内容の説明を受けることとなる。
ヤエザクラからの依頼内容を聞いたのち、ギルドマスターの<櫛八玉>が現れる。
彼女からや周囲の人間からも話を聞いて、調査に向かうこと。
『彼』について詳しく訊かれたら
話の流れで、PCたちから彼の背格好・名前などを尋ねられることがあるかもしれない。
・商人である
・街のはずれのお屋敷に住んでいる
・最近街に住み始めたが、すぐに解けこんで人気者となっている
・名前はカミュという。(これはミッションで出る情報なので、できれば言わない)
・イケメン
といった情報についてはNPCから話しても構わない。
原作知識やメタ読みに優れたPLはこの時点で事の真相に辿り着くかもしれないし、正解を求められたら認めてもよい。
ただし、PC目線ではこの時期〈典災〉はまだロクに知られていないことなどを踏まえ、RPをしてもらおう。
シーン終了
PCたちが櫛八玉・ヤエザクラ両名の頼みを聞き入れ、噂の彼?を探すことを決めたらシーン終了とする。
ミドルフェイズ
インタールード
ここからはミドルフェイズとなる。GMはミドルフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
オープニングフェイズが終了したので、各PCには【因果力】1点づつを配布しよう。
MD1:愛しの彼はいずこに
ミッション「テンプルサイドの探索!」
このミッションでは、テンプルサイドの街を櫛八玉とともに探索し、ターゲットを探すこととなる。
エンカウントシート『テンプルサイドの探索!』を確認しよう。
情報描写一覧
①商人のお屋敷
https://i.imgur.com/LUYVfXZ.png
[情報1]
君たちは、慎重に商人の屋敷に忍び込んだ。
「いやいや、不法侵入はまずいだろ……」
「それにしてもはぁン、彼の匂いがする~」
背徳感に悶絶する櫛八玉を横目にする君たちだが、ふと違和感を覚える。
調度品の並び、空気の感じ。
いくら最近越してきたからとはいえ、屋敷内は生活感が無さ過ぎる。
本当に"彼"は、ここで生活しているのだろうか?
あまり長居するのもよくないだろう。最低限の調査をしたら出た方が良い。
ともあれ、こっそりこの屋敷に忍び込めることはわかった。
[情報2]
君たちは戸棚に残してあった地図を見つけた!
綺麗なものだが、いくつかに赤い〇印が付けられている。
「んんー?…ここと、ここかぁ。このあたりのデートスポットじゃん」
「彼ってば、事前に情報収集も欠かさずしてくれてるのねー」
②〈太陽の軌跡〉のギルドホーム
https://i.imgur.com/u7Ht1br.png
[情報3]
広い屋敷の中で、従業員であろう執事さんとメイドさんを見つけた。現在屋敷にいるのはこの2人のようだ。
突然の来客に少し驚いたようだが、櫛八玉の姿を認めると執事のバルトが丁寧に応対してくれる。
バルト
「えぇ、その御仁であれば存じ上げておりますが…現在どちらにいらっしゃるか、まではさすがに」
「何度かこの邸宅にもいらっしゃったことがございますので」
ユーリ
「……かっこいい、人だとは、思う」
キミたちからの問いが終わると、執事バルトの方からも櫛八玉へ話があったようだ。
バルト
「……クシ様、人探しの途中ということでしたら、お耳に入れておいてほしいことが」
「朝のうちにリーネを買い出しに出したのですが、なかなか戻ってこないのです」
櫛八玉
「リーネちゃんが?」
バルト
「さすがにここまで時間が掛かるような用ではない、はずなのですが」
「見かけるようなことがあれば、きちんと屋敷に戻るようにお伝えください。私の方から叱っておきますので」
櫛八玉
「ん、まぁ、ほどほどにね」
〈バルト〉
櫛八玉が、テンプルサイドの街で購入した屋敷の管理のため、雇用したナイスミドルな執事。
有能かつ冷静沈着。さらに、街の〈大地人〉コミュニティでは顔役的存在で、櫛八玉の頼れる名執事。
〈リーネ〉
櫛八玉の屋敷のメイド。十五歳。 街から馬車で一日ほどの所にある農家の六番目の子ども。
真面目で一生懸命だけど、あわてんぼう。
〈ユーリ〉
櫛八玉の屋敷のメイド。リーネより年下。喋りがたどたどしい。
事故で両親を亡くし、バルトの世話でメイドとして働くことになった。
[情報4]
広場で出会ったのは〈太陽の軌跡〉の一員、アマネとアキオミの夫婦。
アマネ
「あー…その人、なんて名前だったっけ?」
アキオミ
「"カミュ"さんでしょう、たしか」
〈アマネとアキオ〉
〈太陽の軌跡〉のメンバーの二人。リアル夫婦である。
アマネは猫人族の女性で陽気な性格。アキオミは狼牙族の施療神官で、物腰が丁寧でおとなしい印象の人物。
[情報5]
アマネ
「はぇー、デートスポットまで抑えてくれて、ねぇ…うちのも見習ってくれないかねぇ」
アキオミ
「無茶を言わないでくれよ……」
ミヅホ
「あら、皆さんこんにちは」
アマネ
「おーミヅホじゃーん。どったのー?」
ミヅホ
「西の街はずれで少し楽器の練習でも、と思いまして」
アマネ
「んんん…?あれ?そういえば」
「西の外れといえば!デートスポットだかになってる〈堕ちた天空の寺院〉で見たよその…えーとカミュさん!」
「ごっめん!今思い出したよ!」
キミたちが〈堕ちた天空の寺院〉へ向かうと……
見つけた!
小さな女の子を連れている男がその"彼"だろうか?!
櫛八玉
「ダーリーン、なんでそんなちっちゃい子連れて遊んでるのよーっ!」
……飛び掛かった櫛八玉の拳が、勢いよく"ダーリン"の顔面へと叩き込まれた。
〈ミヅホ〉
〈太陽の軌跡〉のメンバー。ヒューマン/吟遊詩人/狩人。
浅黒い肌に目鼻立ちのはっきりした容貌の女性。旧世界では沖縄出身の大学生。
〈セルデシア〉でも、故郷の楽器『三線』《さんしん》を愛用している。
中小ギルド〈グランデール〉のメンバーだったが、許可を取って〈太陽の軌跡〉へ移籍した。
[情報6]
「いらっしゃーい!今日の日替わりメニューは鶏のから揚げだよ」
「魚も、マイハマからいいのを仕入れてきたところだよ」
駅前の大衆食堂は、お昼時ということもあってかなりの盛況だ。
お腹が空くようなら、何か食べて空腹を解消するとよいだろう。
[情報7]
ダルタス
「ボス!お疲れ様っス!」
食べながらも元気な呼びかけをしてきたのは、〈太陽の軌跡〉所属のダルタスだ。
櫛八玉
「ボスっつーのやめんか。ダル太は休憩?あっそうだ、リーネちゃんとか見てない?」
ダルタス
「ん?見たっスよ、あの…なんでしたっけ、ボスのスイートの商人さんと一緒にいましたね。」
櫛八玉
「はぁっ?!何それ、いつ、どっちに行った?!」
ダルタス
「し、ししし知らないっスよそこまでは!ちょっと前にですけど、ボスのための買い物かなーとか思って」
「あーでも、リーネちゃんはちょっとぼーっとしていたような…?」
[情報8]
頭に ??? を浮かべて混乱している櫛八玉に聞こえないよう、ダルタスがこっそり君たちに話しかけてくる。
「あの商人、なーんかいけ好かないんスよね。いきなり街にやってきて人気者気取りなのが鼻持ちならない?みたいな?」
「……へぇ、ヤエの姉御からそんな依頼を?ボスには悪いっスけど、あの商人に痛い目見せてくれたら俺からもちょっぴりお礼するっス」
「なに、ちょっとぎゃふんと言わせてやるだけでオッケーっス!すっきり代ってことで」
〈ダルタス〉
テンプルサイドの街で〈大災害〉に巻き込まれたプレイヤーの一人で、〈D.D.D〉に所属したばかりの初心者。ヒューマン/守護戦士/木工職人。
紆余曲折の後、〈大災害〉後に作成されたギルド〈太陽の軌跡〉へと移籍する。愛称はダル太。
頭が悪くお調子者ではあるが決して悪人ではなく、仲間を守るための鍛錬を怠らない努力家でもある。
現実世界では男子高2年生で、先輩に褒められるのがとても嬉しいお年頃。櫛八玉を"ボス"、ヤエザクラを"姉御"と呼ぶ体育会系。
[情報9]
集会所に集っていた、〈太陽の軌跡〉メンバーのグループに話を聞くことができた。
ヒギー
スイレン
「ああ」
ヒギー
「あの〈大地人〉の商人さんですね~」
ミダリー
「イケメンですね!」
百目
「と、この通り街の女性陣から大人気でして…」
スイレン
「あらあら、そんなつもりは…」
ミダリー
「クシのお姉さんはいい物件捕まえましたねー」
ヒギー
「まぁ正直、庶民派のヒギー達にはいささか高級食材でした」
ミダリー
「あれあれ?百目のお兄さんは妬いてるですか?」
百目
「羨ましいとか思ってるわけじゃないですよ?!」
〈百目〉
〈太陽の軌跡〉のメンバー。大学の講義とバイトの合間に〈エルダー・テイル〉をプレイするライトゲーマー。ヒューマン/武士/筆者師。
姉が二人いる家庭で育ったのと、吹奏楽部という女子が大半という環境を経験しているため、女性慣れはしているものの、むしろ慣れすぎて異性に夢が持てず一歩引いた目で見てしまうという、ある意味不幸な境遇にある草食系男子。
幸か不幸か〈大災害〉後も女性ばかりのパーティーのリーダーをすることとなり、メンバーにふりまわされる日々を送っている。
〈スイレン〉
〈太陽の軌跡〉のメンバー。〈大災害〉直後、テンプルサイドの街に滞在していた〈冒険者〉で、狐尾族/森呪遣い。
ちょっとたれ目で柔らかい印象のおっとり美人さん。 天然気味で、対人の距離感に無頓着なため、誤解されやすいタイプ。
〈ヒギー〉
〈太陽の軌跡〉のメンバー。ハーフアルヴ/暗殺者。女子中学生で、ミダリーとは双子。
ミダリー、百目、スイレンと行動を共にすることが多く、よく百目をからかって遊んでいる。
〈ミダリー〉
〈太陽の軌跡〉のメンバー。ハーフアルヴ/召喚術師。女子中学生で、ヒギーとは双子。
〈胞子の海〉で契約した〈平翅蟲〉《ドラゴン・ボードフライ》に『ゾゾ』と命名し、〈従者召喚〉して乗り回している。
[情報10]
ミダリー
「そーいえば、知ってるです?」
ヒギー
「池の方に、『クシ先輩…クシ先輩…』ってつぶやきながらうろついている人がいるそうですよ?」
櫛八玉
「ひぇぇ……なんで私……?カレシがいるっていうのにストーカー……?」
ミダリー
「クシのお姉さんにモテ期到来ですかー?」
櫛八玉
「えー、困っちゃうよぅ」
[情報11]
百目
「その人ですけど……すごいですよね」
「いえ、すごいというか、なんといいますか」
「気付いたら街の外れに屋敷ができていて、来たばかりなのに街の人たちとも自然に馴染んでて」
「そういうところは見習えたらな、と」
「西の方から来たって言ってましたけど、僕も知っているのはそれくらいですね……」
⑥スカファの水源
https://i.imgur.com/zkNMrHy.png
[情報12]
水源地に来てみると、隅っこの方で木に隠れながら街の方向を覗いている人影が。
怪しい。
周囲の察気を怠っていないようで、誰かが近づこうとするとササっとポジションを変えてしまう。
怪しい。
[情報13]
櫛八玉
「おーい!そこのあなた、ずっと人の名前ブツブツ呟いてなんなのさー!」
高山三佐
(ビクゥ
「はっ、この声は…クシ先輩でしたか」
「いえ、ここ最近クシ先輩が男に誑かされているという噂を聞きまして、いてもたってもいられず様子を見に来たのです」
櫛八玉
「完全に怪しい人になってたよ、山ちゃん」
高山三佐
「怪しいとは失礼な…私なんかよりも怪しい二人組を近くで見たところですよ」
「このあたりをうろうろしていたようですが…」
「まぁ、元気そうなので安心しました。私も仕事がありますので、これにて失礼します」
そこまで言うと、『ミサお姉さんのテーマ』をBGMに三佐さんは帰っていく。
⑦堕ちた天空の寺院(フォーリンテンプル)
https://i.imgur.com/ihsBj60.png
[情報14]
街の近くとはいえ、このあたりはモンスターの出現するスポットだ!
戦闘になった君たちは軽度の疲労を受ける。
[情報15]
見つけた!
話に聞いていたメイドのリーネと一緒にいる男がその"彼"だろうか?!
櫛八玉
「ダーリーン、なんでリーネちゃん連れて遊んでるのよーっ!」
……飛び掛かった櫛八玉の拳が、勢いよく"ダーリン"の顔面へと叩き込まれた。
シーン終了
ミッションが終了したらシーン終了となる。
[消耗表]の処理を済ませ、次のシーンへと進もう。
ミッションシート:テンプルサイドの探索!
(GMへの情報)
このミッションは公式サプリ『セルデシアガゼット12』に掲載されているサンプルミッション「行方不明の書類を見つけ出せ!」から、描写と一部要求判定科目を焼き直したものである。
やり方がいまいちよくわからない、という場合はそちらを見てみるとよいだろう。
●このミッションのプレイ方法
ミッション「テンプルサイドの探索!」はラウンド進行ルールを利用して行うミッションである。
このミッションの目的は、櫛八玉が追い求めてやまない"彼"の[情報]を手に入れる事にある。
PCたちはエンカウントシート記載のシナリオ動作を繰り返し、さまざまな[情報]や手がかり(キーワード)を手にしながら書類の行方を追う。
PCたちが何らかの[情報]を手に入れた場合その内容や処理はシナリオ側に記載されている。
GMはふさわしいものを読み上げて処理すること。このミッションにおける1ラウンドは2時間程度とする。
状況については、『ミッションマップ』を参考にするとよいだろう。
●このミッションで役に立ちそうなサブ職
〈占い師〉〈怪盗〉〈家政婦〉〈狩人〉
〈貴族〉〈交易商人〉〈交渉人〉〈食闘士〉
〈探検家〉〈追跡者〉〈辺境巡視〉〈見習い徒弟〉
〈無法者〉〈メイド〉
●勝利条件と敗北条件
勝利条件
3ラウンド以内に指定の[情報]を入手する。
PCはそれぞれ[消耗表:疲労]で1回ロールし、ブリーフィングシーンに移行する。
敗北条件
3ラウンド終了時点で勝利していない。
PCは[消耗表:疲労]と[消耗表:気力]で1回ずつロールし、ブリーフィングシーンに移行する。
また、ミッション終了時に所持している情報の量や種類に応じて、クライマックス戦闘における戦闘のデータに変化が生じる。
☆終了時に「キーワードを4つ以上所持」
→???
☆終了時に「情報4」もしくは「情報11」を所持
→???
「情報4」「情報11」の両方を所持
→???
●ミッションマップ
数字抜きのマップ
https://i.imgur.com/Ym6oq5j.png
●シナリオ動作
①商人のお屋敷
忍び込む(運動/9)
▼効果
疑惑の商人が住まいとしている屋敷に忍び込んで手がかりを得る。[情報1]を手に入れる。
〔達成値13〕[情報2]を手に入れる。
〔サブ職:怪盗、無法者〕この行動の判定に+2。
②太陽の軌跡のギルドホーム
聞き込み(交渉or解析/9)
▼効果
櫛八玉たちのギルドホームで、何か有益な情報を持っている人はいないかと探す。
屋敷は意外とかなりでかい。人は見つかるかな…?
この行動はメインプロセスを消費して手助けする仲間一人につき+1Dを得てもよい。[情報3]を手に入れる。
〔サブ職:交易商人、会計士〕この行動の判定に+2。
③駅前広場
足を使って手がかり探し(耐久/7)
▼効果
駅前の広場なら、誰か情報を持っている人がいるかもしれないので探す。[情報4]を手に入れる。
〔[デートスポット]所持〕[情報5]を得る。
〔サブ職:占い師、交易商人〕この行動の判定に+2。
④食堂
休息を取りつつ情報収集(操作or交渉/5)
▼効果
駅前の大衆食堂で食事を摂りつつ、聞き込み調査をする。[情報6]を得る。
〔[メイドの少女]所持〕[情報7]を得る。
〔[いけすかないヤツ]所持〕[情報8]を得る。
〔サブ職:食闘士、家政婦〕この行動の判定に+2。
⑤集会所
話を引き出す(操作or交渉/6)
▼効果
街の有力者が集まりクエストの受注所でもある集会所で情報を得る。[情報9]を得る。
〔[怪しい人]所持〕[情報10]を得る。
〔[いけすかないヤツ]所持〕[情報11]を得る。
〔サブ職:交渉人、見習い徒弟〕この行動の判定に+2。
⑥スカファの水源
フィールドにいる人から情報収集(交渉or知識/9)
▼効果
街の近くのフィールドに来た。何か情報は得られないか。[情報12]を得る。
〔「怪しい人」所持〕[情報13]を得る。
〔サブ職:追跡者、探検家〕この行動の判定に+2。
⑦堕ちた天空の寺院(フォーリンテンプル)
付近を捜索する(知覚/6)
テンプルサイド付近のフィールドマップの中心まで来た。一般の商人がこんなところまでは…?
この行動はメインプロセスを消費して手助けする仲間一人につき+1Dを得てもよい。[情報14]を手に入れる。
〔[ふわふわ]所持&達成値:9〕[情報15]を手に入れる。
〔サブ職:辺境巡視、狩人〕この行動の判定に+2。
●情報
[情報1]生活感が無さ過ぎる。次に忍び込むときの判定に+1D
[情報2]印が付けてある近隣の地図を見つけた。キーワード「デートスポット」を手に入れる。
[情報3]〈太陽の軌跡〉のメイド、リーネが買い物に行ったまま戻らないらしい。キーワード「メイドの少女」を得る。
[情報4]件の商人は"カミュ"という名前らしい。
[情報5]ミッションは成功する。
[情報6]PCはそれぞれ5G払うことで[疲労]が10点回復する。
[情報7]リーネが件の商人と一緒にぼーっとしながら歩いていたらしい。キーワード「ふわふわ」を得る。
[情報8]シナリオ終了報酬に、それぞれ+10Gされる。ダル太の小さな反抗。
[情報9]あの商人、実はなんだか……。キーワード「いけすかないヤツ」を得る。
[情報10]森のあたりにいた人、「クシ先輩…クシ先輩…」とか呟いていたらしい。アブナイ。
[情報11]君たちが調べてみると、件の商人はいつの間にか街に浸透していたけど詳しいことはほとんどわからない。
[情報12]水源地で街の方を眺める怪しい人影が。キーワード[怪しい人]を得る。
[情報13]怪しいといえば怪しい二人組を近くで見ましたよ。キーワード「ふわふわ」を得る。
[情報14]モンスターに遭遇した。[疲労:10]を得る。
[情報15]ミッションは成功する。
クライマックスフェイズ
インタールード
ここからクライマックスフェイズとなる。GMは、クライマックスフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
CL1:ボクの可愛いお嫁さんになってよ
戦闘準備
PCたちへ[準備]タグの特技やアイテムの使用をうながし、万全の状態で戦闘に挑めるようにしよう。
[偵察]タグを持つ行動に成功したPCがいたなら、以下のカットインを読み上げること。
GMは、戦闘中以下のEXパワーを使用することができる。
シーン終了
戦闘の準備が整ったら、シーン終了となる。
インタールード
次はいよいよ戦闘シーンとなる。使用するエンカウントシートやマーカーなどを用意しよう。
CL2:対決!結婚の典災
マップ
クライマックス戦闘
▼運用(公式引用)
カマイサルは、配下を持たず単独で戦うタイプのボスだが(モンスターを「お嫁さん」にするのは彼の美意識に反するのだ)、自身はまともな攻撃手段を持っていない。そのため、登場と同時に《魅惑のプロポーズ》でPCを[魅了]し《可愛いお嫁さんの鉄槌》による同士討ちを狙うのが基本の戦法になる。
[魅了]されたPCが3人以上になると《ハーレムと災厄》の効果によって修羅場が発生してしまうため、わざと[魅了]するPCを2人までに留め[魅了]が解除されないように他のPCを攻撃させる、というのが戦術上は正解だが、カマイサルはコメディタッチの戦闘を意識してデザインされているエネミーだ。カップル(いるならだが)の片割れを狙って《魅惑のプロポーズ》の追加効果を発動させたり、《ハーレムと災厄》による修羅場によってPC同士を仲違いさせたりしてロールプレイを引き出すといいだろう。
データ上《魅惑のプロポーズ》は男性にも効果を発揮する。彼らを積極的に狙うのも一手だろう。この戦闘はみんなで大笑いできればGMの目標達成だ。
エネミーデータに記載してある特技裁定と併せて、面白い感じに戦闘ができればそれでOKだ。
攻防偏ったバランスのPCがいる場合はうっかり倒せることもあるかもしれない。
あとは気休めに茂みに隠れてみたりするとよいだろう。
●戦闘の終了
ボスエネミーを倒したら戦闘終了となる。
報酬のドロップと財宝表ロールを行い、エンディングフェイズへと移行しよう。
●識別前データ(名称・ランク・タグ・行動力)
〈結婚のカマイサル〉
ランク:2 タグ:[ボス][精霊][典災] 【行動力】6
●識別済状態(物理防御力差異・ヘイト倍率・特技データ)
〈結婚のカマイサル〉
ランク:2 タグ:[ボス][精霊][典災]
【ヘイト倍率】×4 物理防御<魔法防御 【行動力】6
▼特技
《結婚の典災》_常時_このエネミーは常に[軽減(精神):10]を持ち、[放心]にならない。
また、[光輝]ダメージを受ける時、防御力を0として計算する。またシーン登場時、即座に《魅惑のプロポーズ》を1回使用してよい。
《再行動》_本文_ラウンド1回_このエネミーが[行動済]になった時に使用する。
このエネミーは即座に[未行動]となり、その後ラウンド終了時まで【行動力】が0となる。
《鋭い鉤爪》_マイナー_単体_4Sq_対象に[追撃:8]を与える。〔因果力1〕[追撃]の強度に+4。
《魅惑のプロポーズ》_[特殊攻撃][精神]_メジャー_対決(8+2D/抵抗)_単体_20Sq_対象は[魅了]状態となる。
[魅了]状態となった対象はこのエネミーに攻撃を行うことができなくなる。[魅了]状態はBSとして扱うが、対象自身は【因果力】使用を含めたあらゆる手段で解除できない。
ただし対象が1点でもHPダメージを受けると即座に解除される。〔因果力1〕対象は[魅了]状態のあいだこのエネミーを「ダーリン」と呼ばなければならない。
《可愛いお嫁さんの鉄槌》_[特殊攻撃]_メジャー_自動成功_単体_6Sq_[魅了]状態のキャラクターのみ対象にできる。
対象は即座に「タイミング:メジャー」の[武器攻撃][魔法攻撃][特殊攻撃]タグを持つ行動を行う。行動内容の選択は対象決定も含めてこのエネミーがおこなう。
《ハーレムと災厄》_クリンナップ_自動成功_このエネミーはBS1つを解除してもよい。
もしこのシーンに[魅了]状態のキャラクターが3人以上いる場合、修羅場が発生し[魅了]状態はヘイトが一番低い1名(同値の場合はGMが選択)を除いて解除される。
●GMチャットパレット用データ
〈結婚のカマイサル〉
ランク:2 タグ:[ボス][精霊][典災] 【行動力】6 識別難易度:13
【STR】2 【DEX】1 【POW】3 【INT】1
【回避】1+2D 【抵抗】3+2D 【物理防御力】6 【魔法防御力】8
【最大HP】150 【ヘイト倍率】×4 【移動力】2 【因果力】5
▼判定
2LH+1 回避値
2LH+3 抵抗値
▼特技
《結婚の典災》_常時_このエネミーは常に[軽減(精神):10]を持ち、[放心]にならない。また、[光輝]ダメージを受ける時、防御力を0として計算する。またシーン登場時、即座に《魅惑のプロポーズ》を1回使用してよい。
《再行動》_本文_ラウンド1回_このエネミーが[行動済]になった時に使用する。このエネミーは即座に[未行動]となり、その後ラウンド終了時まで【行動力】が0となる。
《鋭い鉤爪》_マイナー_単体_4Sq_対象に[追撃:8]を与える。〔因果力1〕[追撃]の強度に+4。
《魅惑のプロポーズ》_[特殊攻撃][精神]_メジャー_対決(8+2D/抵抗)_単体_20Sq_対象は[魅了]状態となる。[魅了]状態となった対象はこのエネミーに攻撃を行うことができなくなる。[魅了]状態はBSとして扱うが、対象自身は【因果力】使用を含めたあらゆる手段で解除できない。ただし対象が1点でもHPダメージを受けると即座に解除される。〔因果力1〕対象は[魅了]状態のあいだこのエネミーを「ダーリン」と呼ばなければならない。
8+2D 命中/抵抗 魅惑のプロポーズ
《可愛いお嫁さんの鉄槌》_[特殊攻撃]_メジャー_自動成功_単体_6Sq_[魅了]状態のキャラクターのみ対象にできる。対象は即座に「タイミング:メジャー」の[武器攻撃][魔法攻撃][特殊攻撃]タグを持つ行動を行う。行動内容の選択は対象決定も含めてこのエネミーがおこなう。
《ハーレムと災厄》_クリンナップ_自動成功_このエネミーはBS1つを解除してもよい。もしこのシーンに[魅了]状態のキャラクターが3人以上いる場合、修羅場が発生し[魅了]状態はヘイトが一番低い1名(同値の場合はGMが選択)を除いて解除される。
※製作者の《魅惑のプロポーズ》《可愛いお嫁さんの鉄槌》の裁定
公式データだが解釈の割れる部分があるため、GMはこれらをPLへ公開した上で戦闘を行うことが好ましい。
GMはこれらを変更して運用してもよい。
・《魅惑のプロポーズ》は平然とHUを狙うときがある。
→戦術上および雰囲気を考慮した上で行う。場合によってはPLと相談しよう
・攻撃特技を撃った側のヘイトは上がらない。
→エネミー側から攻撃をコントロールしてるので、敵愾心が上がったりはしないだろうという判断
・攻撃を被弾したPCのヘイトは下がる。HUの回避ボーナス、HTのHD(カマイサル準拠)もあり。
→エネミー側からの攻撃扱い。
・シーン制限、およびシナリオ制限回数のある特技は"PC側と同じ回数分だけ使用できる"。
→シナリオ1回なら1回だけ使う。PCの使用回数を減らすことはしない
・攻撃の起点は、攻撃を行うPCからとする。
→カマイサルから見えていない位置にも、起点からの射線が通っていれば攻撃できる。
逆に、カマイサルから見えていても、起点のPCから射線が通っていなければ攻撃できない。
▼ドロップ品
1~4 : 甘言蜜[魔触媒3](25G)×4
5~6 : 紫菫の鱗片(140G)
固定 : 恋紅の邪眼[コア素材](40G)
▼解説
5番目に目覚める〈典災〉のひとりで、両極端の結婚を支配する〈結婚の典災〉。闇や精神を操る精霊亜人のモンスター〈夢魔〉に受肉している。
均整のとれた肉体を誇示し、菫色の肌を惜しげもなく晒す夢魔。精神攻撃を得意としており、〈大地人〉であろうと〈冒険者〉だろうと、魅了して自分の手駒に変えてしまう。
軽薄で女好きの性格をしており呼吸をするように女性を口説く。口癖は「ボクの可愛いお嫁さんになってよ」。
83レベルのパーティランクモンスター。
エンディングフェイズ
インタールード
ここからはエンディングフェイズとなる。GMは、エンディングフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
エンディングは、すべてのフェイズの中でも比較的変更が容易な部分である。エンディングの目的は物語を終わらせ、プレイヤーに満足をしてもらうことだからだ。
ED:気持ちに整理を
ヤエザクラ
「ひー、ひー…… ……まぁ、そうね」
「被害者はクシだけじゃないでしょ、きっと」
「街の女の子たち、かなりの数振り回されてたかもしれない」
「あなたたちもお疲れ様!頼んでおいてなんだけど、災難だったわねー」
「一応そのモンスターについては、私から〈円卓会議〉に報告しておくね」
「逃げた方向、来た状況から考えると、次はアキバに行く可能性もありそうだし?」
櫛八玉
「あー、せっかく作ったこれ、無駄になっちゃったな……」
「そうだ。よかったらコレ、もらってくれない?たくさんあるからさ」
「あッ……べ、別にヘンな意味は無いからな!余ったから。余ったからデス、えぇ」
PC全員は『櫛八玉のココニアパイ』(季節の野菜ポトフ相当)を得る。
シーン終了
PCたちのロールプレイが一段落したら、このシナリオは終了となる。
エンディングフェイズが終わったら、メインプレイを終了し、アフタープレイに移ること。
アフタープレイ
「アフタープレイ」にしたがってアフタープレイを行なう。
このシナリオで配布するログチケットは以下のとおり。
上記にくわえて、セッションに最後まで参加したプレイヤーとGMには「因果力ゲット」が1枚ずつ配布される。さらに、活躍したPCのプレイヤーには「因果力ゲット」を追加で1枚配布しよう。
この「因果力ゲット」配布は優れたプレイヤーを見つけ出すための措置ではない。その日のプレイを振り返って互いの健闘をたたえるためのものである。ぜひ全員の好プレイを思い出して、チケットを配布しよう。
今回の報酬は
・依頼報酬ひとり60G
・クライマックス戦闘のドロップロール
・クライマックス戦闘後の、[財宝表:換金アイテム]1回、[財宝表:魔法素材か金銭]1回
・櫛八玉のココニアパイ(季節の野菜ポトフ相当)
・ほか、シナリオ中に入手したもの
となるはずだ。
セッションの終了
すべての処理が終わればセッションは終了となる。これにて今回の冒険は幕を閉じた。次なる冒険のためにいまは一時の休息としよう。お疲れ様でした!
データセクション
エネミーデータ
シナリオに登場するオリジナルのエネミーデータを記載する。ディベロッパーはこのエネミーデータを他のシナリオに使用してもよい。
※製作者の《魅惑のプロポーズ》《可愛いお嫁さんの鉄槌》の裁定
公式データだが解釈の割れる部分があるため、GMはこれらをPLへ公開した上で戦闘を行うことが好ましい。
GMはこれらを変更して運用してもよい。
・《魅惑のプロポーズ》は平然とHUを狙うときがある。
→戦術上および雰囲気を考慮した上で行う。場合によってはPLと相談しよう
・攻撃特技を撃った側のヘイトは上がらない。
→エネミー側から攻撃をコントロールしてるので、敵愾心が上がったりはしないだろうという判断
・攻撃を被弾したPCのヘイトは下がる。HUの回避ボーナス、HTのHD(カマイサル準拠)もあり。
→エネミー側からの攻撃扱い。
・シーン制限、およびシナリオ制限回数のある特技は"PC側と同じ回数分だけ使用できる"。
→シナリオ1回なら1回だけ使う。PCの使用回数を減らすことはしない
・攻撃の起点は、攻撃を行うPCからとする。
→カマイサルから見えていない位置にも、起点からの射線が通っていれば攻撃できる。
逆に、カマイサルから見えていても、起点のPCから射線が通っていなければ攻撃できない。
プロップデータ
シナリオに登場するオリジナルのプロップデータを記載する。ディベロッパーはこのデータを他のシナリオに使用してもよい。