夢魔の棲む村
これはCR5の〈冒険者〉を対象とした『LHZ』のシナリオである。あなたがGMならば、このシナリオを使うことですぐに『LHZ』を遊ぶことができる。あなたがプレイヤーとしてこのシナリオを遊ぶつもりならば、これを読むのはセッションが終わるまで待ってほしい。このシナリオのガイダンスは以下の通りである。
【戦闘、ミッションの数などをここに記述】
オンラインでのセッションの場合は、通して遊ぶと時間がかかる場合もあるため、イベントごとにひと区切りし、2から3回に分割して遊ぶ事を検討しよう。
GM向け情報
このシナリオは資金無制限のため、雑に強化されているPCに対抗するため、エネミーの基礎力がCR7相当となっている。
そのためPC側にそれなりに戦力があることが望ましい。
ハイコンで遊ぶ場合、CR7のシナリオとして遊ぶと良いだろう。その場合はミドルミッションの達成度をすべて+2すること。
どどんとふ用データとエネミー・NPC画像詰め合わせ
シナリオ背景
夢魔の王が代替わりし、新しく王についた夢魔がこの事件の原因である。
彼女の食事に選ばれた大地人たちが変死体となっている。
新たな犠牲者として選ばれた大地人の一人が助けを求めて依頼を出し、PCたちはその依頼を受けることとなる。
なお、依頼主はシナリオ開始の時点にすでに死亡している。
夢魔について
セルデシアガゼット23より。
>特に人が死の間際に見るとされている「走馬灯」を主食にしている個体などが人里近くに現れた場合、〈大地人〉にとっては殺人鬼と大差ない危険極まりない存在といえるだろう。
この走馬燈を主食にしている個体が今回のボスです。
夢魔の詳しい生態についてはセルデシアガゼット23を読んでください。おもしろいよ。
NPCのスタンス
村長:最近村で変死が多いと思っている。しかし突然の変死は昔からあることなので傍観。依頼の邪魔はしないよ
依頼人:夢魔に憑りつかれる。死ぬ間際に依頼を出す。シナリオ開始時すでに死亡済。依頼金は先払いで支払い済。
アイビィ:墓場で逢える。死者を悼む思いや喪失感が好物。最近死者が増えているため半透明ではあるが認識できる程度にエネルギーを蓄えた。王の代替わりを教えてくれる。新しい王の食事量は少々目に余るものの、その恩恵を自分も受けているためPCを積極的に手助けすることはない。
マルメロ:集会所で逢える。楽しいこと嬉しいことが好物。感受性の高い子供に認識できる程度にエネルギーを蓄えている。ゲートの場所を教えてくれる。新しい王に好き勝手されると好物の感情が減ってしまうため、あまり快く思っていない。PCに対しては基本的に好意的。
ニゲラ:今回のボス。夢魔の国の新王。実態として認識できるまでエネルギーを蓄えた。走馬燈を主食としているため、一人ひとりじっくり時間をかけて精神面から嬲り殺す。冒険者おいしそう。
アスター・ディゴ:新王さま好き好きー。おこぼれに預かる。
参加PL/PCについて
このシナリオは親しい人に化けたエネミーを「お前はあの人じゃねえ!!」とRPしながら殴るのを楽しむ卓であるため、基本的に身内卓で回すことを前提としている。
いわゆる野良卓で回すのは推奨しない。
GMや参加PLのPCとコネクションのあるPCで参加することが望ましい。
プリプレイ
レギュレーション
このシナリオは以下の環境で遊ぶことを想定して作成されている。GMの決定した難易度によって【因果力】が増減するため忘れず反映すること。
使用ルール
-
『ログ・ホライズンTRPGルールブック』
-
『ログ・ホライズンTRPG拡張ルールブック』
GMが許可するのであれば「ログホラ・ウェンズデイ」や「セルデシア・ガゼット」の追加データを使用してもよい。
推奨キャラクター
このシナリオはCR5のキャラクター4人を対象に遊ぶことを想定している。すでにいくつかの冒険を経験したプレイヤーがCRを上昇させた環境を念頭に置いている。
4種類の「アーキ職業」のキャラクターが全て揃うようにすることを推奨する。
状況の解説
PCの立場
PCは同じ依頼を受けた仲間だ。
依頼の受注後、詳しい話を受付嬢から聞く所から物語は始まる。
セッション難易度
以下の難易度から1つ選択する。そのとき『ログ・ホライズンTRPG』未経験者がプレイヤーに含まれているのであれば「難易度:イージー」を選ぶこと。
また、難易度とは別に、4点の因果力をボスエネミーにさらに付与する。ただしここで得た因果力は特定のスキルにしか使用することができない。
オープニングフェイズ
GMはメインプレイとオープニングフェイズの開始を宣言し、次のシーンのシーン予告をすること。
インタールード
シーン予告の内容は、次のシーンのシーン定義を目的から順番に読み上げるとよい。プレイヤーからのシーン要望が無ければ、そのまま次のシーンを開始する。
シーン予告とシーン要望の確認は以降のインタールードでも毎回行なうこと。また、このシナリオでは、基本的にすべてのシーンにPC全員が登場する。GMはこれもプレイヤーに伝えよう。
OP1:斡旋所にて
シーンが始まったら「オーバーチュア」を読み上げ、シーン開始時の様子を描写しよう。以降のシーンも、開始したらまず「オーバーチュア」を読み上げること。
「モンタージュ」には、シーンが変化した描写とそれを読み上げるべきタイミングが記載されている。これは厳密なものではないので、GMはPCたちの反応を見つつ、ロールプレイが一段落したなどの区切りの良い場面で「モンタージュ」による変化の描写を行うとよい。
【OP1-1】
係員が説明に来るまで、もう少し時間があるでしょう。この時間を利用して顔合わせをするのもいいかもしれません。
というわけで自己紹介
皆が揃って自己紹介などをし終わったら、受付嬢から依頼についての説明を
「改めてご説明させていただきますね。依頼はソンジュ村の住人の方からの依頼です。」
その方からの依頼の手紙曰く、
『最近、村人の幾人かが奇妙な死に方をしてしまう事件が起こっているのです。外傷もなく、争った形跡もないままにいつの間にか息を引き取っている。自警団に聞いてもこれでは対応できない、と匙を投げられてしまいました。どうか……お助けを』
「特に接点のない村ですので、村についての詳しい情報はありません」
「何故か依頼金を先払いで納入しているのですよね・・・信頼が厚いのか切羽詰まっているのか」
「改めて、この依頼を受けていただけますか?」
「ありがとうございます、では準備ができましたら馬車を用意していますのでご利用ください」
特に何もなければ村に移動します。
シーン終了
依頼を受けて村に向かったらシーン終了となる。
ミドルフェイズ
インタールード
ここからはミドルフェイズとなる。GMはミドルフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
オープニングフェイズが終了したので、各PCには【因果力】1点づつを配布しよう。
MD1:事件の内容を調査せよ
ミドルミッション
制限時間は3ラウンド
このミッションは以下のシナリオ動作を用いて行う。
いくつかの調査箇所において、動作を行いカウンターを集め事件の深層を究明する。
得られた情報によって、調査可能な場所が増えることがある。
また、場所によっては追加判定が可能な箇所もある
(追加判定では必須情報は出ないので失敗しても大きなデメリットはない)
行動する人がどの場所で情報収集/探索をするのか指定
GMが場所の簡単な描写を行ったあと、判定を行う
行動はイニシアチブ順に行うものとする
成功:体力消耗表と気力消耗表を1回ずつ振る
失敗:それに加え、更に気力消耗表を1回振り、ブリーフィングが存在しなくなる
さらにPLの行動回数によって時間が経過し、全体のPLの行動回数が
7回以下:昼間
8~9回: 黄昏時
10~11回:夜
12回以上:深夜
となる。
シナリオ動作
以下のシナリオ動作を使用する。
得意な能力を使用して情報を集めよう。
ミッションマップ
イベント一覧
調査で得られる情報は以下の通り。
村長の家:①
住居:①
墓所:①
中央広場:①②
??:①②
【GM用注釈】
情報を得る順番によっては、ボスの目的より先にボスの居場所を知ってしまうことがあるかもしれない。
その場合はマルメロとアイビィから得られる情報を逆にすれば混乱が少ないだろう。
シーン終了
ミドルミッションをクリアすれば終了となる。
消耗表を忘れないようにしよう。
クライマックスフェイズ
インタールード
ここからクライマックスフェイズとなる。GMは、クライマックスフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
CL1:石碑からの声
戦闘準備
次の戦闘シーンは、ミドルフェイズでの戦闘に比べて手ごたえのあるものになる。[準備]タグの特技やアイテムの使用をうながし、万全の状態で戦闘に挑めるようにしよう。
[偵察]タグを持つ行動に成功したPCがいたなら、以下のカットインを読み上げること。
シーン終了
戦闘の準備が整ったら、シーン終了となる。
インタールード
次はいよいよ戦闘シーンとなる。使用するエンカウントシートやマーカーなどを用意しよう。
ボスエネミーは防御力が非常に低く設定されている。EXパワーの夢で逢えたらを使用し、積極的に軽減を取りに動くと良いだろう。
CL2:夢からの侵略者
エネミー用EXパワー
ボスは確定でこのEXパワーを使用する。
ボスの特技である《泡沫の夢》を併用し、参加PCと親しいPCに化けて軽減を得るとともに、
いい笑顔でRPを要求しよう。
戦闘マップ
エンディングフェイズ
インタールード
ここからはエンディングフェイズとなる。GMは、エンディングフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
エンディングは、すべてのフェイズの中でも比較的変更が容易な部分である。エンディングの目的は物語を終わらせ、プレイヤーに満足をしてもらうことだからだ。
E1:夢魔の棲む村
【E1-1】
夢魔の王は討ち倒された。しかし、この村の裏側にある夢魔の国が亡ぶことはないだろう。
また新たな夢魔が王となり、その趣向に沿って国はその色を変えてゆく。
しかし、少なくとも、今この時代の村は確かに守られたのだ。
少し離れた木に寄り掛かるようにマルメロがあなた達を眺めている。
「女王は討ち倒されましたか」
「・・・・しかし、夢魔の国が滅ぶようなことはありません。また新たな夢魔が王となり、その趣向に沿って国はその色を変えていきます。あなた方がなさったことはまあ……自己防衛みたいなものですわね。」
「いいえ、ですが。あの村を救っていただけたことを、お礼申し上げますわ。ありがとうございました」
その言葉を最後に、マルメロはその姿を消していってしまう。
残ったのは石碑と、木々の騒めきだけ。
・村に行った場合
村に戻ってみると、村人達はそれぞれ身を起こしながらも、今起こった出来事がなんなのかを口々に話している。
するとそこへ、あなた達を見つけた村長が心配そうに寄ってきた。
「冒険者の皆様、ご無事でしたか!一体何が起こったか分かりません、村のみんなが次々と意識を失っていた所までは覚えておりますが……」
ここで、冒険者に事情を聞けたならば
「おお……なんと。そのような事態が……」
「このことは……村民には私から伝えさせてくださいませ。調べていただいた事を正直に伝え、これから村がどうなるかは皆で決めてもらいたい」
「今回は、様々な手間を取らせてしまい申し訳ありません。そして、この村を救っていただき本当にありがとうございます……」
村長はお礼と共に、皆さんを宿に案内してささやかながら、宿とお祝いの手配もしてくれる。後は円卓へ戻って報酬を貰うだけだが……もう少し村でゆっくりしていってもよいだろう。あなた達は見事、この村を救ったのだから
シーン終了
PCたちのロールプレイが一段落したら、このシナリオは終了となる。
エンディングフェイズが終わったら、メインプレイを終了し、アフタープレイに移ること。
アフタープレイ
「アフタープレイ」にしたがってアフタープレイを行なう。
このシナリオで配布するログチケットは以下のとおり。
上記にくわえて、セッションに最後まで参加したプレイヤーとGMには「因果力ゲット」が1枚ずつ配布される。さらに、活躍したPCのプレイヤーには「因果力ゲット」を追加で1枚配布しよう。
この「因果力ゲット」配布は優れたプレイヤーを見つけ出すための措置ではない。その日のプレイを振り返って互いの健闘をたたえるためのものである。ぜひ全員の好プレイを思い出して、チケットを配布しよう。
セッションの終了
すべての処理が終わればセッションは終了となる。これにて今回の冒険は幕を閉じた。次なる冒険のためにいまは一時の休息としよう。お疲れ様でした!
データセクション
エネミーデータ
シナリオに登場するオリジナルのエネミーデータを記載する。ディベロッパーはこのエネミーデータを他のシナリオに使用してもよい。
プロップデータ
シナリオに登場するオリジナルのプロップデータを記載する。ディベロッパーはこのデータを他のシナリオに使用してもよい。
- シナリオ作成
-
凪
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