月が上る夜に
これはCR1の〈冒険者〉を対象とした『LHZ』のシナリオである。あなたがGMならば、このシナリオを使うことですぐに『LHZ』を遊ぶことができる。あなたがプレイヤーとしてこのシナリオを遊ぶつもりならば、これを読むのはセッションが終わるまで待ってほしい。このシナリオのガイダンスは以下の通りである。
チュートリアル戦闘×1回
ミッション×1回
クライマックス戦闘×1回
オンラインでのセッションの場合は、通して遊ぶと時間がかかる場合もあるため、イベントごとにひと区切りし、2から3回に分割して遊ぶ事を検討しよう。
GM向け情報
シナリオ背景
このシナリオは円卓会議から事件の依頼を受ける所から始まる。
なるべくPCとNPCは友好的な関係であることが望ましい。
このシナリオのクリア条件は黒幕(大地人)を追い詰めることである。
成功すれば情報と円卓会議からの報奨金、100Gが入手出来る。
==== PC番号およびシーンプレイヤーの扱い
このシナリオでは、PC番号を使用せず、またシーンプレイヤーも指定しない。GMは必要であれば任意にシーンプレイヤーを指定してもよい。
プリプレイ
レギュレーション
このシナリオは以下の環境で遊ぶことを想定して作成されている。GMの決定した難易度によって【因果力】が増減するため忘れず反映すること。
使用ルール
-
『ログ・ホライズンTRPGルールブック』
-
『ログ・ホライズンTRPG拡張ルールブック』
GMが許可するのであれば「ログホラ・ウェンズデイ」や「セルデシア・ガゼット」の追加データを使用してもよい。
推奨キャラクター
このシナリオはCR1のキャラクター3人から5人を対象に遊ぶことを想定している。4種類の「アーキ職業」のキャラクターが全て揃うようにすることを強く推奨する。プレイヤーの人数が少ないときは、「戦士職」と「回復職」のキャラクターを優先すること。
おすすめサブ職業
このシナリオにはミッションが存在する。このミッションにおいてボーナスを得られるサブ職業は以下の通りだ。
状況の解説
PCの立場
PC達は同じギルドに所属している。
ユニオンの結成
このシナリオではPCたちは同じギルドに所属し、パーティーを組んで冒険している。話し合って、ギルドの名前やギルドマスターを決めること。決まったら、キャラクターシートのユニオンの欄に「ギルド名」を記入しよう。
PCが希望するならば、コネクション、ユニオンを取得してもよい。
セッション難易度
以下の難易度から1つ選択する。そのとき『ログ・ホライズンTRPG』未経験者がプレイヤーに含まれているのであれば「難易度:イージー」を選ぶこと。
オープニングフェイズ
GMはメインプレイとオープニングフェイズの開始を宣言し、次のシーンのシーン予告をすること。
インタールード
シーン予告の内容は、次のシーンのシーン定義を目的から順番に読み上げるとよい。プレイヤーからのシーン要望が無ければ、そのまま次のシーンを開始する。
シーン予告とシーン要望の確認は以降のインタールードでも毎回行なうこと。また、このシナリオでは、基本的にすべてのシーンにPC全員が登場する。GMはこれもプレイヤーに伝えよう。
OP1:依頼の受注
シーンが始まったら「オーバーチュア」を読み上げ、シーン開始時の様子を描写しよう。以降のシーンも、開始したらまず「オーバーチュア」を読み上げること。
「モンタージュ」には、シーンが変化した描写とそれを読み上げるべきタイミングが記載されている。これは厳密なものではないので、GMはPCたちの反応を見つつ、ロールプレイが一段落したなどの区切りの良い場面で「モンタージュ」による変化の描写を行うとよい。
【ギルドマスターであるPCの元に円卓会議に所属している『アイザック/シロエ/にゃん太』から〈念話〉が届く。
簡潔に纏めると、
・今アキバで奇妙なモンスター騒ぎが起きている。
知識値をロールする。6で成功。事件について知っている。
・どこのギルドも人手不足で対応できない。
・交流のある君たちにぜひ頼みたい、円卓会議へ来て欲しい。
とのことだ。(ここでコネクション:『アイザック/シロエ/にゃん太』を取得しても良い)】
【OP1-1】
PC達が〈念話〉に応じ、円卓会議へと向かうと、アイザック、シロエ、にゃん太達が出迎えてくれる。
シロエ『すみません、お忙しい中来ていただいて…』
アイザック『D.D.D.や俺らの所は姫さんの護衛で忙しいし』
にゃん太『他のギルドも何かしら理由をつけて断られてしまったのですにゃ』
シロエ『円卓会議から正式に依頼として報酬も用意します。
どうか協力して頂けませんか?』
(念話後にコネクションを取得していない場合、ここで3人のうち誰かから依頼を受けた事にしてここでコネクションを取得する。)
ギルドマスターであるPCがコネクションを取得した場面で、それに応じたEXパワーを配布する。
尚、順番が前後しても構わない(GMの裁量でEXパワーの配布→コネクション取得でも良い)。
シーン終了
【円卓会議からの依頼、『アキバのモンスター騒ぎ』を受注した時点でシーンを終了する。】
ミドルフェイズ
インタールード
ここからはミドルフェイズとなる。GMはミドルフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
オープニングフェイズが終了したので、各PCには【因果力】1点づつを配布しよう。
MD1:不審な影
PC達がモンスターの影が出没しているというポイントへ向かうと、奇遇にも視界の隅に明らかにモンスターのものと思われる影が映り込む。
【MD1-1】
影を追いかけると徐々に人気は少なくなり、やがて薄暗い森の入口へとたどり着く。
どうやらモンスターはこの中へと入っていったらしい。
シーン終了
森の入口へと向かう。
MD2:森林前での作戦会議
戦闘準備
特技の発動忘れが無いように気を付けること。
[偵察]タグを持つ行動に成功したPCがいたなら、以下のカットインを読み上げること。
シーン終了
戦闘の準備が整ったら、シーン終了となる。ブリーフィングシーンもシーンの一種なので、【ヘイト】はリセットされることに注意しよう。
インタールード
次はいよいよ戦闘シーンとなる。使用するエンカウントシートやマーカーなどを用意しよう。プレイ時間に不安があるなら「消耗表」による処理も可能である。
MD3:ゴブリンとの戦闘
PC達が森へ乗り込むと、ゴブリン達は冒険者を挟み、挑戦的な笑みを浮かべている。
さあ、戦闘開始だ!
【MD3-1】
フィールドに特にギミックは存在しない。
ゴブリン達は離れつつヘイトトップへと接近していくだろう。
エンカウントシート(ゴブリンとの戦闘)
A | B | C | D | E | F | G | H | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||||
2 | ||||||||
3 | ゴ | ゴ | ||||||
4 | 初 | 初 | ||||||
5 | ゴ | ゴ | ||||||
6 | ||||||||
7 | ||||||||
8 |
消耗表での戦闘スキップ
このの戦闘は消耗表を用いることでカットすることもできる。もしも戦闘をカットする場合は【「消耗表:体力」、「消耗表:気力」または両方】をそれぞれ1回ずつロールすること。
シーン終了
戦闘に勝利したら、シーン終了となる。倒したエネミーのドロップ品を入手するのを忘れないようにしよう。
インタールード
ゴブリンを難なく全滅させたPC達は森の中へ足を進めていく…。
MD4:森林探索
森の中に足を進めると、木々が生い茂り、至る所にツタが生えていた。
まるで外から入ってくる何かを阻むようだ。
【MD4-1】
冒険者達は森林を探索する。
「S」が開始地点、「G」が今回の目的地だ。
GMはマスを自由に編集して構わないが、開始地点、目的地は変えないこと。
[駆け抜ける!]に因果力を使用する場合、それぞれの判定に+1dしてもよい。
【クリア条件】目的地への到達。
【失敗条件】4ラウンドの経過。消耗表(体力)、消耗表(気力)をそれぞれロールする。(※軽減されない)
注意、マスを踏んだ冒険者が基本的に判定を行う。また、全員がダイスを振る(1ラウンド経過する)間、ダイスを振る順番はイニシアティブ順でなくても構わない。
「黄緑1~3」森の入口。特に何もない。
「黄緑3」はぐれゴブリンとの遭遇。全員:[疲労]20を受ける。
<騎士>、<狂戦士>が居るなら[疲労]を半減する。(全員)
「茶4~7」踏み荒らされた獣道。
「茶4」全員が解析値ロールを行う。11で成功。1人でも成功すれば隠された道、濃緑「5」を発見する(進むかどうかは任意)。<追跡者>判定に+2のボーナス。
「茶6」奇抜なキノコを発見する。知識値10で成功。どうやら毒キノコのようだ。<狩人>判定に+2のボーナス。
食べた場合、[疲労]10が付与される。
「茶7」足元がぬかるんでいる![進む]の目標値に+2。
「濃緑5」そこは巧妙に隠された森の奥へと続く道。
まるで冒険者たちを深い森の奥へと誘っているようだ…。
「青6~8」冒険者達の膝下辺りまでの深さの川が流れている。[進む]の目標値に+1。
「茶9」焚火の跡がある。
「黄☆」大きい宝箱を見つけた!中身は人数分あるようだ。 全員財宝表(金銭)+[CR×5]ロールする。
「青7」知覚/解析値ロールを行う。10で成功。右手側に隠された道を見つける。<追跡者>、<狩人>判定値に+2のボーナス
「茶9」焚火の跡に釣られたゴブリンと鉢合わせしてしてしまった![疲労]10を受ける。<騎士><狂戦士>[疲労]を半減する(全員)。
シーン終了
目的地への到達、4ラウンド経過して消耗表をロールした。
目的地に到達出来た場合、財宝表(換金)+(襲撃回数)でロールする。
ミドルフェイズの終了にともない、PC全員に【因果力】を1点ずつ配布すること。
次はいよいよクライマックスフェイズである。ここでプレイに休憩を挟むと良いだろう。
クライマックスフェイズ
インタールード
ここからクライマックスフェイズとなる。GMは、クライマックスフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
CL1:黒幕
戦闘準備
次の戦闘シーンは、ミドルフェイズでの戦闘に比べて手ごたえのあるものになる。[準備]タグの特技やアイテムの使用をうながし、万全の状態で戦闘に挑めるようにしよう。
[偵察]タグを持つ行動に成功したPCがいたなら、以下のカットインを読み上げること。
シーン終了
戦闘の準備が整ったら、シーン終了となる。
インタールード
次はいよいよ戦闘シーンとなる。使用するエンカウントシートやマーカーなどを用意しよう。
CL2:黒幕を追い詰めろ
「クソッ!もう嗅ぎ付けて来やがったか…ゴブリンども、行けぇぇ!」
人影はそう吠えると杖を構える。さあ、戦闘開始だ!
【CL2-1】
ゴブリンはまるで黒幕を庇うように行動する。また、ゴブリンが残り一体以下になると黒幕は再召喚を始める。
「杖を構えて呪文を唱え始めた」とカットインを入れるのも良いだろう。
エンカウントシート(黒幕を追い詰めろ)
A | B | C | D | E | F | G | H | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||||
2 | 黒 | |||||||
3 | ||||||||
4 | ゴ | (ゴ) | ゴ | |||||
5 | ||||||||
6 | 泥 | 泥 | ||||||
7 | ||||||||
8 | 初 | 初 |
この戦闘は森の奥、さらに夜ということもあり、全体にプロップ、[夜の闇]が発動している。
黒幕は状況により降伏させても構わない。
シーン終了
戦闘に勝利したら、シーン終了となる。倒したエネミーのドロップ品を入手するのを忘れないようにしよう。
また、冒険者たちは、「財宝表」のいずれかの欄(PC人数×1)回ぶんの財宝を見つける。財宝表ロールを行うこと。魔法素材、換金アイテムのどちらで振るかはプレイヤーが自由に選択してよい。
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エンディングフェイズ
インタールード
ここからはエンディングフェイズとなる。GMは、エンディングフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
エンディングは、すべてのフェイズの中でも比較的変更が容易な部分である。エンディングの目的は物語を終わらせ、プレイヤーに満足をしてもらうことだからだ。
E1:黒幕を倒した!
(黒幕の戦闘不能)どうやら黒幕の正体は大地人だったようだ。詳しく聞き出すと、
「偉そうな冒険者共に一泡吹かせないかって怪しい男に誘われたんだ…もう反省している、この通りだ!命だけは…どうか!」
と懇願してくる。円卓会議に突き出すかどうかは冒険者達の自由だ。
(黒幕の死亡)どうやら黒幕の正体は大地人だったようだ。彼の居ない今、モンスター騒ぎは一先ず収束しただろう。
【E1-1】
円卓会議に戻り、報告を行うと、彼らが君たちの健闘を讃えてくれるだろう。
依頼達成の報酬金100G×人数分を渡してくれる。
シーン終了
PCたちのロールプレイが一段落したら、このシナリオは終了となる。
【報酬配分に関して追記事項がある場合はここに記述】
エンディングフェイズが終わったら、メインプレイを終了し、アフタープレイに移ること。
アフタープレイ
「アフタープレイ」にしたがってアフタープレイを行なう。
このシナリオで配布するログチケットは以下のとおり。
上記にくわえて、セッションに最後まで参加したプレイヤーとGMには「因果力ゲット」が1枚ずつ配布される。さらに、活躍したPCのプレイヤーには「因果力ゲット」を追加で1枚配布しよう。
この「因果力ゲット」配布は優れたプレイヤーを見つけ出すための措置ではない。その日のプレイを振り返って互いの健闘をたたえるためのものである。ぜひ全員の好プレイを思い出して、チケットを配布しよう。
セッションの終了
すべての処理が終わればセッションは終了となる。これにて今回の冒険は幕を閉じた。次なる冒険のためにいまは一時の休息としよう。お疲れ様でした!
データセクション
エネミーデータ
シナリオに登場するオリジナルのエネミーデータを記載する。ディベロッパーはこのエネミーデータを他のシナリオに使用してもよい。
プロップデータ
シナリオに登場するオリジナルのプロップデータを記載する。ディベロッパーはこのデータを他のシナリオに使用してもよい。