キャラバン
これはCR1の〈冒険者〉を対象とした『LHZ』のシナリオである。あなたがGMならば、このシナリオを使うことですぐに『LHZ』を遊ぶことができる。あなたがプレイヤーとしてこのシナリオを遊ぶつもりならば、これを読むのはセッションが終わるまで待ってほしい。このシナリオのガイダンスは以下の通りである。
戦闘は1回発生する。
オンラインでのセッションの場合は、通して遊ぶと時間がかかる場合もあるため、イベントごとにひと区切りし、2から3回に分割して遊ぶ事を検討しよう。
GM向け情報
シナリオ背景
このシナリオでは、<大災害>以前には簡単だったミッションが、<大災害>の影響によって大幅に難易度が変わった、という状況を遊ぶ。
元々のシナリオは以下のようなシナリオだった。
・クエストの依頼をするのは商人のジョナといい、下働き2名を含めてすべてモブキャラクターである。
・途中、商人のジョナと下働きの一人が親子関係であることが分かるイベントが発生する。
・バンブーブリッジの掘縁(ほりぶち)という水辺を移動する。このとき水辺に近づくと、水棲モンスターであるサファギンからの襲撃を受ける。初めてのキャラクターたちは多くの場合ここで一度敗北し、不用意に水辺に行くべきでない事、やられても神殿にリスポーンされることを学ぶはずである。
・ボスバトルではコボルドの集団が襲ってくる中、ジョナが馬車に取り残された下働きを助けるために戻ってくる。戦闘をする上で、同時に大地人であるジョナをも守らねばならない、という特殊戦闘が発生する。
しかし、<大災害>の結果、モンスターの配置が変わっしまう。
その結果、このシナリオは大幅に難易度の上がったものになってしまっている。シナリオの難易度が大幅に変わっていることを依頼主に報告できれば、このシナリオは終了する。
PC番号およびシーンプレイヤーの扱い
このシナリオでは、PC番号を使用せず、またシーンプレイヤーも指定しない。GMは必要であれば任意にシーンプレイヤーを指定してもよい。
プリプレイ
レギュレーション
このシナリオは以下の環境で遊ぶことを想定して作成されている。GMの決定した難易度によって【因果力】が増減するため忘れず反映すること。
使用ルール
-
『ログ・ホライズンTRPGルールブック』
GMが許可するのであれば「ログ・ホライズンTRPG拡張ルールブック」、「ログホラ・ウェンズデイ」や「セルデシア・ガゼット」の追加データを使用してもよい。
推奨キャラクター
このシナリオはCR1のキャラクター3人から5人を対象に遊ぶことを想定している。4種類の「アーキ職業」のキャラクターが全て揃うようにすることを強く推奨する。プレイヤーの人数が少ないときは、「戦士職」と「回復職」のキャラクターを優先すること。
また、モブ即死特技を持つ「武士」「暗殺者」「妖術師」のサンプルキャラクターをキャラクターに含めることを強く推奨する。
状況の解説
PCの立場
PCは同じギルドに所属している。
ユニオンの結成
このシナリオではPCたちは同じギルドに所属し、パーティーを組んで冒険している。話し合って、ギルドの名前やギルドマスターを決めること。決まったら、キャラクターシートのユニオンの欄に「ギルド名」を記入しよう。
PCが希望するならば、コネクション、ユニオンを取得してもよい。
使用するEXパワー
このシナリオではPCには専用EXパワーは存在しない。
セッション難易度
以下の難易度から1つ選択する。そのとき『ログ・ホライズンTRPG』未経験者がプレイヤーに含まれているのであれば「難易度:イージー」を選ぶこと。
オープニングフェイズ
GMはメインプレイとオープニングフェイズの開始を宣言し、次のシーンのシーン予告をすること。
インタールード
シーン予告の内容は、次のシーンのシーン定義を目的から順番に読み上げるとよい。プレイヤーからのシーン要望が無ければ、そのまま次のシーンを開始する。
シーン予告とシーン要望の確認は以降のインタールードでも毎回行なうこと。また、このシナリオでは、基本的にすべてのシーンにPC全員が登場する。GMはこれもプレイヤーに伝えよう。
OP1:依頼を受ける
シーンが始まったら「オーバーチュア」を読み上げ、シーン開始時の様子を描写しよう。以降のシーンも、開始したらまず「オーバーチュア」を読み上げること。
「モンタージュ」には、シーンが変化した描写とそれを読み上げるべきタイミングが記載されている。これは厳密なものではないので、GMはPCたちの反応を見つつ、ロールプレイが一段落したなどの区切りの良い場面で「モンタージュ」による変化の描写を行うとよい。
<大災害>による影響を調査することになった。
既読スキップが使えないことにいら立ちを覚えながら、
キャラバン隊頭である商人のジョナのところへ向かう。
<大災害>以前では、彼に話しかけることがクエスト開始のフラグだったはずだ……。】
依頼を受ける
クエストを受けると前金10GPを受け取れる。
プレイヤーの記憶では前金は20GPだったはずだが、ジョナは「うちも景気が悪くてね。」と言って取り合おうとしない。
また、ジョナは積み荷の積み込みを手伝わせる。PCらは、こんなイベントは無かったはずと分かる。
ジョナはネイサンという下働きの子供を紹介し、作業を手伝わせる。
積み荷は衣類や生活雑貨類が主で、特にシナリオ達成上の問題になるようなものはない。
シーン終了
以下の条件を満たしたとき、シーンは終了する。
・「キャラバン」シナリオのクエストを受ける
・商人ジョナ、下働きのネイサンと交流する
NPCデータ
商人のジョナ [大地人][男][商人]
下働きのネイサン [大地人][男][子供]
下働きのボンジン [大地人][男][無口]
ミドルフェイズ
インタールード
ここからはミドルフェイズとなる。GMはミドルフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
オープニングフェイズが終了したので、各PCには【因果力】1点づつを配布しよう。
MD1:十字路
街道を進むキャラバンは十字路に差し掛かった。
が、荷物が解けて馬車から落ちてしまう。汚れてしまった衣類はそのままでは、商品にならない。
ジョナは荷造りを担当したネイサンをこっぴどく叱り、平手を振り上げかける。
十字路
街道を進むキャラバンは十字路に差し掛かった。ここで荷物が解けて馬車から落ちてしまう。汚れてしまった衣類はそのままでは、商品にならない。
ジョナは荷造りを担当したネイサンをこっぴどく叱り、平手を振り上げかける。が、ネイサンを見ると殴るのをやめ、ジョナは積み荷を戻すよう冒険者とネイサンに指示する。
ネイサンは、ジョナが実父である事を冒険者に告げ、ジョナを許してやって欲しいと言う。
シーン終了
以下の処理をする事でシーンは終了条件を満たす。
・商人ジョナが下働きのネイサンに特に厳しく当たる様子を見かける
・プレイヤーキャラクターが、商人ジョナと下働きのネイサンが親子関係である事を理解する
MD2:バンブーブリッジの堀縁
キャラバン隊は(初心者冒険者にとっての)難所の一つ、バンブーブリッジの堀縁にやってきた。
<大災害>以前の通りであれば、ここからは水辺からモンスターが発生する危険があった。新米冒険者はここで、むやみに水辺には近づくべきでないことを知ることになるはずだったのだが……
バンブーブリッジの堀縁
キャラバン隊は(初心者冒険者にとっての)難所の一つ、バンブーブリッジの堀縁にやってきた。
<大災害>以前の通りであれば、ここからは水辺からモンスターが発生する危険があった。新米冒険者はここで、むやみに水辺には近づくべきでないことを知ることになるはずだった。というのも、水棲モンスターの強さは最低でもCR3、つまり、ある程度育った<冒険者>でないと掃討が難しいのだ。
しかし、ここで冒険者は、ここでは登場しないはずのコボルドたちが、器用にも魚取りの罠を作っている様子を見かける。
コボルドと戦う事は可能だが、その情景を描くことは本シナリオの本義ではないので、「消耗表:体力」を+1修正にて適用することで簡易的に処理する。
コボルドと戦うと、何者かと戦った結果傷だらけになっている事が分かる。
コボルドは倒されると光となって消える。
シーン終了
以下の処理をする事でシーンは終了条件を満たす。
・ここでは登場しないはずのコボルドたちの存在を確認する
・コボルドたちモンスターが罠を自作している事を目撃する
クライマックスフェイズ
インタールード
ここからクライマックスフェイズとなる。GMは、クライマックスフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
CL1:戦闘準備
戦闘準備
次の戦闘シーンは、通常の「ログ・ホライズン」シナリオに比べて、それなりに手ごたえのあるものになる。[準備]タグの特技やアイテムの使用をうながし、万全の状態で戦闘に挑めるようにしよう。
[偵察]タグを持つ行動に成功したPCがいたなら、以下のカットインを読み上げること。
シーン終了
戦闘の準備が整ったら、シーン終了となる。
インタールード
次はいよいよ戦闘シーンとなる。使用するエンカウントシートやマーカーなどを用意しよう。
CL2:罠
バンブーブリッジの堀縁からブルーマウント峠を抜けてシブヤに入るには、ヒガシグチ渓谷を通る必要がある。
ヒガシグチ渓谷は、オーバーハングした崖に蔦の絡まった吊り橋が何本も架かっている。
シナリオ通りであれば、シナリオボスであるコボルドたちはここヒガシグチ渓谷にて待ち伏せ攻撃をしてくるはずだ。
そうしてヒガシグチ渓谷に入ったところ、馬車の車輪が落とし穴の罠にかかる。ここまでは想定したシナリオ通りの展開だ。ここのシナリオボスはコボルドだったはずなので、楽勝だろう。あとは商人ジョナをうまく守ればシナリオクリア、のはずだ。
しかし上空の吊り橋から蔦で降下してきたのはなんとサファギンが3体! そのCRは6と、かなりの強敵だ。行動力7による速攻はCR1パーティを一匹でも全滅させかねない。
サファギン3体は大地人を含めた一行を全滅させ、積荷を奪うつもりだ。このシナリオは危険だ! この情報を持ち帰らねば!
一行の悪戦苦闘が始まる!
エンカウントシート(罠)
A | B | C | D | E | F | G | H | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||||
2 | ||||||||
3 | サ① | サ② | ||||||
4 | 馬 | |||||||
5 | 馭者台 | 馭者台 | 馭者台 | |||||
6 | 車輪 | 台 | 穴 | |||||
7 | 車輪 | 台 | 車輪 | |||||
8 | サ③ |
罠
馬車はF6の穴に車輪を取られて動けなくなっている。
マップ上空にはオーバーハングした崖に蔦の絡まった吊り橋が何本も架かっている。
サファギン3体はここから蔦を下ろして降りてくる。サファギンはロープ降下の影響でバッドステータス[硬直][惑乱]を得ている。
このバッドステータスは1ターン目で解除される。
・NPC配置
D5~F7に馬車、馬車内にネイサン、馬車外にジョナとボンジンが配置される。
ネイサンは馬車を守ろうとし、ジョナとボンジンは戦闘領域から行1の方向に脱出を図る。
ネイサンはPCが馬車内に入って説得(【因果力】を1点消費する)しない限り、移動しようとしない。
ジョナは2ターン目から、ネイサンを救出するために馬車に戻ろうとする。ジョナはネイサンの父親なのだ。なお、ジョナ、ボンジン、ネイサンはサファギンの攻撃を受けた場合、死亡する。
・PC配置
D5~F7の周囲マス以内に配置すること。
・エネミー配置
B3、H3、B8にサファギンを1体ずつ配置する。なお、B3のサファギン①のみ、[モブ] タグがない。
それぞれのサファギンはバッドステータス[硬直][惑乱]を得ている。
●戦闘の終了
NPCを全員、行1の部分より盤外に脱出させた上で、<冒険者>が一人でも生き残る事で、戦闘は終了する。
もちろん、エネミーを全滅させても良い。
エンディングフェイズ
インタールード
ここからはエンディングフェイズとなる。GMは、エンディングフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
エンディングは、すべてのフェイズの中でも比較的変更が容易な部分である。エンディングの目的は物語を終わらせ、プレイヤーに満足をしてもらうことだからだ。
E1:ヒトマルクの台(うてな)
さあ、積み荷の納品先、ヒトマルクの台(うてな)はもう目の前だ。
だが、どうやら<大災害>は、想像以上にゲーム内世界を改変させているようだ。
このシナリオはもはや初心者向けではない。依頼主への報告は長いものになりそうだ……。
ヒトマルクの台(うてな)
積み荷の衣類と雑貨類を納めるのはシブヤの中心地、ヒトマルクの台(うてな)である。
ジョナが無事に品物を納品できていれば、ジョナは冒険者に30GPを支払う。
積み荷をなくしている場合、ジョナともども冒険者は泣き寝入りだ。が、ネイサンが小遣いからひとり1GPずつ払う。
なお、アキバの街に帰還し、調査結果を報告する事で、冒険者は50GPを得る。
依頼主は頭を抱え、初心者向けシナリオ、という概念がもはや幻想に過ぎないことを悟るのだった。
シーン終了
PCたちのロールプレイが一段落したら、このシナリオは終了となる。
エンディングフェイズが終わったら、メインプレイを終了し、アフタープレイに移ること。
アフタープレイ
「アフタープレイ」にしたがってアフタープレイを行なう。
このシナリオで配布するログチケットは以下のとおり。
上記にくわえて、セッションに最後まで参加したプレイヤーとGMには「因果力ゲット」が1枚ずつ配布される。さらに、活躍したPCのプレイヤーには「因果力ゲット」を追加で1枚配布しよう。
この「因果力ゲット」配布は優れたプレイヤーを見つけ出すための措置ではない。その日のプレイを振り返って互いの健闘をたたえるためのものである。ぜひ全員の好プレイを思い出して、チケットを配布しよう。
セッションの終了
すべての処理が終わればセッションは終了となる。これにて今回の冒険は幕を閉じた。次なる冒険のためにいまは一時の休息としよう。お疲れ様でした!
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