STREAM in the STORM

GMが許可するのであれば「ログホラ・ウェンズデイ」や「セルデシア・ガゼット」の追加データを使用してもよい。

【シナリオにミッションがある場合などには以下を編集して使用する】
このシナリオにはミッションが存在する。このミッションにおいてボーナスを得られるサブ職業は以下の通りだ。

君たちは同じ依頼を受けた冒険者だ。半日ほど馬車に乗り合わせ、港町ヨコハマに降り立ったところからシナリオ開始となる。

PCが希望するならば、コネクション、ユニオンを取得してもよい。

「〈猫の手組合〉のアリシアだよ！
依頼したいのは、うちの輸送船”黒猫号”の護衛。船旅になるね。
ヨコハマを出港して、キヨス近くの港町までの往復。合計で一週間位になるかな。
この辺りの航路に近頃、オークの乗った海賊船が出ていてね。よく船が被害にあってるんだ。
冒険者の護衛があれば安心だ。腕利きを待ってるよ！」

報酬　３４０Ｇ
依頼人　〈猫の手組合〉　”黒猫号の”アリシア

「どんな場所でも即参上！困った時は『猫の手』を！」
〈猫の手組合〉はヨコハマを拠点とし、ヤマト全土に広がった猫人族による運送屋の互助組織である。
以前は大地人の貿易商人向けの活動が中心だったが、
現在は冒険者向けを主としたサービスも積極的に展開している。
旅先で持ちきれなくなったアイテムを回収し、倉庫に預かってくれる「ネコノカゴ」や、
猫人族だけが知っている裏道を比較的安全に通過できる
「ネコノヌケミチ」といったサービスが評判となりつつある。
―イントゥ・ザ・セルデシア：ヤマトに生きる隣人たち（３）

以上の情報を提示したら、シーンを終了する。共有メモに貼り出しても良い。

町の大通りを突っ切り、君たちは依頼人との待ち合わせ場所、波止場に到着した。
桟橋には大小いくつもの船が並び、屈強な男達が荷物の上げ下ろしをしている。
人を探す君達の様子を見て、一人の猫人族・・・若い女性が近付いてきた。

「依頼を受けてくれた冒険者さん達だね！？待ってたよ！」快活そうに
「アタシが依頼したアリシア、黒猫号の船長だよ、よろしく！」

アリシアはちゃきちゃきと依頼内容の確認を始めた。
「早速依頼の話にしようか。依頼書で出した通り、往復で１週間くらい、船旅の護衛で報酬は３４０Ｇだ！」
「明日の朝から出航で、何もなければそれで良し。１週間船に乗ってて貰って依頼達成になるね。でもねぇ･･･」
「･･･使う航路に最近、”海賊船”が出るんだよ。オークが操ってる海賊船」憂鬱そうな表情
「この港を出る〈猫の手組合〉の船も何隻か襲われててねぇ･･･。荷物を根こそぎ奪われるか、さもなきゃ沈められてる」
「とてもアタシたちだけでは船を出せなくてねぇ。それで冒険者さんたちに依頼を出したって訳」

「海賊船については。町の仲間に詳しい奴がいるかもしれないね。詳しい話が聞けるんじゃないかな？」

「後は、もう一個心配事があってねぇ･･･嵐が近付いてるらしいんだ」げんなりした表情で
「占いだと、何日かしたら海が荒れるらしい。多分アタシたちは船の上だろうねぇ」

「んーまぁ、こればっかりは仕方がないね･･･港にいる〈風呼び〉に、天気が良くなるよう祈って貰う位かね」冷や汗

「こんな所かね。じゃあ明日、日の出にここで。１週間、よろしく頼むよ冒険者さん！」

明日の約束をすると、アリシアは仕事に戻っていった。
明日早朝から、１週間の船旅になる。
それまで君たちは、アイテムの買出しをしてもいいし、町中で海賊船とやらの情報を集めてもいい。
〈風呼び〉とやらを探し、天気の占い・祈祷をしてもいい。
残暑の空気の中、海鳥がミャアミャア鳴きながらゆったりと飛んでいる。港町はいつもと変わらないであろう活気に溢れている。
しかし･･･嵐が近付きつつあった。

シーンを終了する。
オープニングフェイス終了となるので、全員に因果力１点を配布する。

１人１回ずつ、２つのシナリオ動作のどちらかを選んで行う。また、行動権の消費無しで買い物をすることも出来る。

1.
「･･･当たり前っちゃあ当たり前の話だがな？オークは大して泳げないんだよ。水に落ちた奴にわざわざ飛び込んで追い討ちかけるってことはねぇだろうな」

2.
「そういえば、海賊船と戦ったとかいう冒険者が言ってたなぁ。船上の戦いだから水中対策とか飛べるアイテム使ってたら、エラく痛い反撃を食らったってよ」

3.
「何とか逃げ切った商船に乗ってたんだが･･･奴らの海賊船、なんと大砲積んでやがるんだよ」
「戦うつもりなら、相手の船に飛び移ったほうがいいな。元々の狙いは船だ、ぐずぐずしてると船ごと沈められちまう」
「逆に、敵の船に乗り込めばそっちを先に仕留めようとするだろうな」

「ようこそ･･･あら、冒険者の方ですか」
落ち着いた雰囲気の、猫人族の女性が出迎えた。彼女、ステアがこの町の風呼びであるらしい。

ステアは、君たちから嵐のことと、明日の朝出航することを聞いた。
「･･･天気とは、移ろい行く大きな大気のうねり」
「〈風呼び〉として天気を読むことやちょっとしたまじないは出来ますが、大きな嵐を反らすことなどはとても出来ません」
「･･･ですが、出来るだけのことはしてみましょう」

「あなたがた、そしてアリシアのご無事をお祈りしております。・・・良き航海を」

全員がシナリオ動作を行った後、シーンを終了する。

航海探索表 を３回振ったら、レストタイムの後シーンを終了する。
ミドルフェイズ終了となるので、全員に因果力１点を配布する。

「！！･･････海賊船だーーー！！」
船に乗った全員で嵐と格闘する最中･･･見張りを担当していた船員が声を張り上げた。
マスト上の見張り台がこの嵐で使えず、発見が遅れた。気がつけば君たちからもはっきり見える距離に、一隻の船が近付いていた。
黒いぼろ布のような旗がはためく船の大きさは、君たちの乗る黒猫号より一回り大きい。帆は全て降ろされているが、側面から多数の櫂が伸びており、逆風にも関わらずひと掻きごとに着実に、君たちに迫ってくる。
アリシアも血相を変え、何やら船員たちに指示をする。
それから十数分。船は何度か向きを変え海賊船を振り切ろうとしたが、逆風の中ゆっくりと海賊船は君たちに迫っていた。
ﾋｭﾙﾙﾙﾙﾙ･･･
風を切る音が長く聞こえ･･･黒猫号のすぐ側の海面から水柱が上がった。
「大砲！？奴らあんなものまで持ってるのかい？･･････まずいよ、追いつかれる」
海賊船から、鼓動のように規則正しく太鼓の音が響くのが聞こえる。もはや相手の船に乗る船員の姿まではっきりと見える。･･･青白い肌をした、オークの海賊団だ。
「船をコワセ！！」
「BOOO!BOOO!」得物を甲板や柱にガンガンと打ちつけ、威嚇する兵士達
「積荷をウバエ！！」
「ヒャッハーーー！！」海賊船の近く、小型の戦闘艇が軽やかに波を飛ぶ。船を操るオークが何やら叫び声を上げる
「食らえるモノは何でもクラエ！！」
「イモーターン！」手を頭上で組む、謎の儀式をする兵士達
「コワセ！ウバエ！クラエ！・・・野郎ども、かかれェ！！」

次の戦闘シーンは、ミドルフェイズでの戦闘に比べて手ごたえのあるものになる。［準備］タグの特技やアイテムの使用をうながし、万全の状態で戦闘に挑めるようにしよう。
［偵察］タグを持つ行動に成功したPCがいたなら、以下のカットインを読み上げること。

戦闘の準備が整ったら、シーン終了となる。

次はいよいよ戦闘シーンとなる。使用するエンカウントシートやマーカーなどを用意しよう。

基本的に、〈醜豚鬼の漁艇兵〉以外は［水棲］タグを持たないので、船の上で行動する。〈醜豚鬼の不死身船長〉は［水棲］タグを持っている場合は海中に移動しても良い。攻撃の優先度は、１．海賊船に乗り込んできたＰＣ、２．黒猫号＋巻き込めるＰＣ、３．海上のＰＣの順になるがヘイトトップの位置も考慮する。

〈醜豚鬼の不死身船長〉、〈醜豚鬼の軍楽隊〉は基本的に海賊船から出ない。海賊船の上にPCがいない場合はプロップ〈大砲〉を使用し、黒猫号および巻き込めるPCを攻撃する。海賊船の上にPCがいる場合、ヘイトトップでなくてもそちらを攻撃する。

〈醜豚鬼の槍跳び兵〉は、海賊船の上にPCがいない場合は黒猫号に飛び移り、黒猫号および巻き込めるPCを攻撃する。海賊船の上にPCがいる場合、ヘイトトップでなくてもそちらを攻撃する。

〈醜豚鬼の漁艇兵〉は、相手が〔対象：飛行または接触：海中〕の場合ダメージが大きいので、そちらを攻撃しても良い。

戦闘に勝利したら、シーン終了となる。倒したエネミーのドロップ品を入手するのを忘れないようにしよう。

操船にも一息ついたのか、アリシアが船に戻った君たちのほうに駆け寄った。
「さっすが冒険者さんたちだ！良い腕してるねぇ！」
「・・・さっき嵐を抜けたよ！船の方も修理は要るけど、もう大丈夫だ！」
「本当に助かったよ。冒険者さん、・・・ありがとう！」
「・・・さぁ、目的地までもう少しだ！みんな、もうひと頑張りだよっ！」
アリシアが威勢の良い声を船員達にかけると、黒猫号に再び帆が張られた。
嵐の後の海風を受けて、黒猫号は力強く海を進む。

PCたちのロールプレイが一段落したら、このシナリオは終了となる。
無事旅路を守り通したPC達には、依頼報酬の　３４０Ｇが支払われる。
エンディングフェイズが終わったら、メインプレイを終了し、アフタープレイに移ること。