ホテル・シャドウレスで朝日を迎えて
これはCR7の〈冒険者〉を対象とした『LHZ』のシナリオである。あなたがGMならば、このシナリオを使うことですぐに『LHZ』を遊ぶことができる。あなたがプレイヤーとしてこのシナリオを遊ぶつもりならば、これを読むのはセッションが終わるまで待ってほしい。このシナリオのガイダンスは以下の通りである。
このシナリオには戦闘シーン1回、ミッションシーン(探索表を利用)1回が含まれる。
オンラインでのセッションは特に時間がかかる場合もあるため、予備時間を確保して遊ぶことをお勧めする。
GM向け情報
シナリオ概要(ネタバレ注意)
大災害以降、[人型]エネミーたちの活動が各地で活性化。主要都市から離れた場所では、〈冒険者〉たちの混乱期にエネミーたちが縄張りを広げる結果となった。〈大地人〉の治める領地への被害を食い止め、また主要な街道や冒険拠点となる施設を復旧するため、〈円卓会議〉は領地奪還クエストを発行。依頼を受けたPCたちは、モンスターを討伐しながらひとまずの休息地点兼拠点となる「ホテル・シャドウレス」までたどり着く。しかし、かつて〈冒険者〉や〈大地人〉たちの憩いの場であったこの館は無人の廃墟となっていた。
館の入り口で、PCたちは〈ウィル〉という不思議な雰囲気の少年に声をかけられる。およそ一年前、ここで何があったのか。行方不明の妹はどこへ行ったのか。〈冒険者〉たちに調べてほしいと言った少年の姿は、君たちが館に目を向けた一瞬のうちに忽然と消失していた。
館の探索をするうちに、〈冒険者〉たちは館内を占領している〈吸血鬼〉ヴァンパイア以外の不穏な気配を感じ取る。各所に残された資料等から、大災害より以前からこの館には邪悪な"何か"が封じられている。〈冒険者〉たちが上手く立ち回るならば、そのことに関する証拠を随所で見つけることができるかもしれない。
館内のエネミーを排除しつつ、〈冒険者〉たちは「稽古場」に陣取るヴァンパイアたちの親玉〈ふくよかな吸血鬼〉ヴァンパイア・ファットマンと対峙する。しかし、戦闘するうちに、PC・エネミーの双方が奇妙な気配、そして敵意を察知する。何故か自分たちがその敵意の対象ではないことに安堵した吸血鬼たちは、これを好機とみて君たちを始末しようとするだろう。
また、PCたちが鏡を注視するなら、鏡の奥に映る部屋に恐ろしい怪物が存在するのが見える。これを見つけた場合、PCたちは鏡像越しに見えざる敵を撃破することとなる。
怪物を撃破することにより、古くよりの行方不明事件や館の奪還は解決をみるだろう。すべてを終えた〈冒険者〉たちの前に現れたウィルは、真実をつきとめて館に真の朝日をもたらしたPCたちに礼を述べ、消滅する。PCたちは朝日を背に、〈アキバの街〉へと帰還する。
PC番号およびシーンプレイヤーの扱い
このシナリオでは、PC番号を使用せず、またシーンプレイヤーも指定しない。GMは必要であれば任意にシーンプレイヤーを指定してもよい。
プリプレイ
レギュレーション
このシナリオは以下の環境で遊ぶことを想定して作成されている。GMの決定した難易度によって【因果力】が増減するため忘れず反映すること。
使用ルール
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『ログ・ホライズンTRPGルールブック』
-
『ログ・ホライズンTRPG拡張ルールブック』
GMが許可するのであれば「ログホラ・ウェンズデイ」や「セルデシア・ガゼット」の追加データを使用してもよい。
推奨キャラクター
このシナリオはCR7のキャラクター4人を対象に遊ぶことを想定している。すでにいくつかの冒険を経験したプレイヤーがCRを上昇させた環境を念頭に置いているが、新たに「ハイコンストラクション」でキャラクターを作成してもよいだろう。4種類の「アーキ職業」のキャラクターが全て揃うようにすることを強く推奨する。プレイヤーの人数が少ないときは、「戦士職」と「回復職」のキャラクターを優先すること。
おすすめサブ職業
このシナリオにはミッションが存在する。このミッションにおいてボーナスを得られるサブ職業は以下の通りだ。
状況の解説
PCの立場
PCたちは〈アキバの街〉でパーティを組んでクエストを受注し、「ホテル・シャドウレス」の拠点機能回復を目指す。
クエストによって得られる報酬は450Gとなる。PCが希望するならば、コネクション、ユニオンを取得してもよい。
使用するEXパワー
このシナリオでは以下の専用EXパワーを合計で1回まで利用することができる。
セッション難易度
以下の難易度から1つ選択する。そのとき『ログ・ホライズンTRPG』未経験者がプレイヤーに含まれているのであれば「難易度:イージー」を選ぶこと。
因果力の増強
GMが許可するなら、プレイヤーは次のどちらかを行ってもよい。
-
手持ちの「因果力チケット」を消費して追加の【因果力】を最大1点まで得る。
-
PCの所持金から50Gを消費して「温泉」を使用し、追加の【因果力】を最大1点まで得る。
オープニングフェイズ
GMはメインプレイとオープニングフェイズの開始を宣言し、次のシーンのシーン予告をすること。
インタールード
シーン予告の内容は、次のシーンのシーン定義を目的から順番に読み上げるとよい。プレイヤーからのシーン要望が無ければ、そのまま次のシーンを開始する。
シーン予告とシーン要望の確認は以降のインタールードでも毎回行なうこと。また、このシナリオでは、基本的にすべてのシーンにPC全員が登場する。GMはこれもプレイヤーに伝えよう。
OP1:【山間に沈んだ館】
シーンが始まったら「オーバーチュア」を読み上げ、シーン開始時の様子を描写しよう。以降のシーンも、開始したらまず「オーバーチュア」を読み上げること。
「モンタージュ」には、シーンが変化した描写とそれを読み上げるべきタイミングが記載されている。これは厳密なものではないので、GMはPCたちの反応を見つつ、ロールプレイが一段落したなどの区切りの良い場面で「モンタージュ」による変化の描写を行うとよい。
森に続く消えかかった道を抜けた先に、「ホテル・シャドウレス」は佇んでいた。
建屋が風化し、植物に覆われている点は〈アキバの街〉と同じだ。しかし、久しく立ち寄る者がいなかった影響か、元は白かっただろうその建物は、君たちにはひどく孤独な歳月を重ねたように小さく見えたかもしれない。
君たちは〈アキバの街〉からやってきた〈冒険者〉である。君たちの身に降りかかった大災害と呼ばれる異変からもうすぐ1年が経過しようとする頃、君たちは〈円卓会議〉の発行するこのクエストを受注したのだ。
【喪失した探索拠点を復旧せよ】。これがクエストの目的となる。大災害以降、様々なことに追われた〈冒険者〉たちは、各地で定期的に発生する討伐クエストを十分に遂行することができなかった。そのため、一部地域ではモンスターたちの勢力図が拡大し、人類の拠点とよぶべき一部のエリアが制圧されてしまったのだ。
この「ホテル・シャドウレス」もそのひとつ。以前は〈大地人〉も滞在しており、キャラクターを使って演奏や演劇を行うプレイヤー達が有志のイベントを行う場所としても賑わいを見せていた、小劇場付きの洋館である。
今は、君たち以外誰もここにはいない――。
場面:正門前
物語はPC達が「ホテル・シャドウレス」にたどり着くところから始まる。ゲーム時代に〈ホテル・シャドウレス〉を訪れた経験のあるPCは、その荒廃ぶりに驚くことだろう。メニュー画面からエリア情報を読み取ろうとしたなら、この場所が戦闘可能な「エネミーの存在する」エリアだということに気がつく。これは、大災害後にこの地域がモンスターに占領されてしまったことを意味している。ひととおり状況に対して反応を終えたら、〈ウィル〉を登場させてPCとの会話を作り出そう。
モンタージュ:館の状況に反応した
「危ないよ。こんなところで」――気づくと、君たちの背後に一人の少年が立っていた。
ぴんと張った背筋や落ち着き払った態度から、君たちはここに来るまでに出会った〈大地人〉たちとはどこか違う雰囲気を感じ取るだろう。
PCたちの気づかない間に、背後に一人の〈大地人〉の少年が立っており、君たちに話しかけてくる。彼は「ウィル」と名乗り、君たちがどこから来たのかを訪ねる。必要ならば、ここで自己紹介の時間をとってもよいだろう。ウィルは以下の情報をPCに伝える。
・大災害前後、ここに出入りしていた〈大地人〉たちが突然行方不明となっている。いったい何があったのか真実を突き止めてほしい。
・その事件では、妹のナタリーも行方不明になっている。せめてなにか遺品だけでも見つけることはできないか。
・誰もいなくなった館には現在〈吸血鬼〉が住み着き、着実に力を蓄えようとしている。
ウイルが自身について訊かれた場合、「近くで家族と暮らしている」「自分の安全については心配いらない」とだけ答える。
シーン終了
一通りの会話を終えたら、以下のカットインを挿入してシーンを終了しよう。
「今までも何人か〈冒険者〉さんがこの中に入っていったけど、朝になっても帰ってくることはなかった……。気を付けて。」
「この館には、何かいる気がするんだ。ほら、あの窓の部分——。」
そういってウィルは館の二階部分を指さす。
開け放たれたままの窓はカーテンが揺れており……次に君達が振り返ると、ウィルの姿はどこにも見当たらなかった。
ミドルフェイズ
インタールード
ここからはミドルフェイズとなる。GMはミドルフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
オープニングフェイズが終了したので、各PCには【因果力】1点づつを配布しよう。
MD1:【忘れられた宿場の中で】
館内に入ると、暗闇に包まれたエントランスが君たちを出迎えた。壁に大きく設置されている館内マップによれば、この館は大きく4つのエリアに分かれているらしい。さて、どこから探索を始めようか……。
場面:エントランス
GMは以下のシナリオ動作を提示し、それぞれPCにどの場所を探索するかを選んでもらう。
選択が終わったら、ラウンド進行に準じる形で行動を実行していこう。
出目 | アイテム |
---|---|
37 |
なにもなし。 |
38 |
判定を行ったPCは「良質な楽器[破損]:LHZB2-139」を1つ手に入れる。 |
39 |
判定を行ったPCは[光輝]タグを得ても良い。この効果はOSとして扱い、シナリオ終了時まで持続する。 |
40 |
判定を行ったPCの【攻撃力】に+2する。この効果はOSとして扱い、シナリオ終了時まで持続する。 |
41 |
判定を行ったPCは自身の[疲労]の強度を-10する。 |
42 |
判定を行ったPCは「灯火の巻物(初級):LHZB1-220」を1つ手に入れる。 |
43 |
判定を行ったPCは自身の[疲労]の強度を-15する。 |
44 |
判定を行ったPCの【物理防御力】に+2する。この効果はOSとして扱い、シナリオ終了時まで持続する。 |
45 |
判定を行ったPCの【魔法防御力】に+2する。この効果はOSとして扱い、シナリオ終了時まで持続する。 |
46 |
判定を行ったPCは「難易度:11」の[知識判定]を行い、成功すれば【因果力】を1点得る。 |
47 |
判定を行ったPCは「見破りの巻物(初級):LHZB1-221」を1つ手に入れる。 |
48以上 |
代表者1名は装備している一般アイテムの武器を1つ選び、シナリオ終了時まで選んだアイテムに「一撃の:LHZB2-164参照」効果を与えてもよい。 |
出目 | アイテム |
---|---|
37 |
PC全員は1D6を振り、最も低い出目を出したPC全員は【因果力】を1点失う。 |
38 |
PCは全員「物品消耗表」を出目に+1して1回適用する。 |
39 |
判定を行ったPCは特技喪失を1回適用する。 |
40 |
PCは全員「精神消耗表」を1回適用する。 |
41 |
PC全員は4D6を振り、各自出目の合計に等しい強度の[疲労]を受ける。 |
42 |
判定を行ったPCは[疲労:50]を受ける。 |
43 |
判定を行ったPCは4D6を振り、出目の合計に等しい強度の[疲労]を受ける。 |
44 |
判定を行ったPCは[圧迫:2]を受ける。 |
45 |
PCは全員「体力消耗表」を1回適用する。 |
46 |
判定を行ったPCは4D6を振り、出目の合計に等しい強度の[疲労]を受ける。 |
47 |
判定を行ったPCは「体力消耗表」を1回適用する。 |
48以上 |
判定を行ったPCは「難易度:12」の[解除判定]を行い、成功すれば【因果力】を1点得る。 |
公開される情報
- 客室を探索する
-
部屋ごとに特に特徴的だったのは、1つずつ設置されていた鏡だ。いくつかの部屋では鏡が徹底的に破壊されていた。1年程度の風化で起こるような破壊とは考えにくいが……。
〔判定成功〕鏡の割れた部屋には、大きな何かが争ったような跡がみられる。まるで、大型の獣のような……。 - 通路を探索する
-
時折現れる〈吸血鬼の従僕〉を撃破しつつ、君たちは親玉の所在を絞り込んでいく。基本的に〈吸血鬼〉自体は清潔に整えられた場所にいることが多いようだ。流石はモンスターの貴族といった所か。
〔判定成功〕隠し扉を発見した。地下通路に足を踏み入れると、壁面にびっしりと符による封印が施されていた!一体、これは何を目的としたものなのか……。 - 劇場を探索する
-
劇場は比較的大がかりのもので、裏手にはいくつかの楽屋や稽古場があるようだ。ほかの場所に比べ、この辺りはきれいに片付けられているように思えるが……。
〔判定成功〕劇作家のものと思われるノートを発見した。「この館には、いくつかの怪談が残っている。例えば、とある部屋で夜を過ごすと、何処かへ連れ去られて二度と帰ってこられないらしい。実際、大地人の行方不明者が過去に複数出ているそうだ……。」 - ショップを探索する
-
〈吸血鬼の従僕〉とショウケースの前で戦った時、「吸血鬼は鏡に映らない」ことを学ぶ。曲がり角には気を付けて探索しよう。
〔判定成功〕大勢の人が逃げ出した足跡があるように見える。ショウケースの鏡は、暗闇の中君達だけを映し出す。
シーン終了
全員が判定を終えたら、次のシーンへ移る。
MD2:【暗闇に潜む者たち】
エントランスに戻ってきた君たちは、集めた情報をもとに敵の居所を整理する。色々と不審な点もあったが、やはり怪しいのは……。
場面:エントランス
GMはPCたちに情報の整理の機会を与えよう。前シーンの判定に成功しているのであれば、この館が恐るべき何者かを封じた形跡に気づいているだろう。一通りの議論が終わったら、以下のカットインを挿入してシーンを終了すること。
君たちが話をしていると、不意に背後に気配を感じる。
振り返った君たちが目にしたたのは……ぼやりと仄かな光を放つする、半透明の、少女。
少女は何も言葉を発することなく、館内マップの一部分を指さし……そして消えた。
彼女の示したのは、君たちが候補として挙げていた部屋の一つ、舞台裏にある稽古部屋だ。
クライマックスフェイズ
インタールード
ここからクライマックスフェイズとなる。GMは、クライマックスフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
CL1:【シーンタイトルCL1】
戦闘準備
【戦闘前の注意点等があればここに記述する】
次の戦闘シーンは、ミドルフェイズでの戦闘に比べて手ごたえのあるものになる。[準備]タグの特技やアイテムの使用をうながし、万全の状態で戦闘に挑めるようにしよう。
[偵察]タグを持つ行動に成功したPCがいたなら、以下のカットインを読み上げること。
シーン終了
戦闘の準備が整ったら、シーン終了となる。
インタールード
次はいよいよ戦闘シーンとなる。使用するエンカウントシートやマーカーなどを用意しよう。
CL2:【シーンタイトルCL2】
【シーン開始時に読み上げる内容をここに記述】
【CL2-1】
【戦闘時のエネミーの動き、プロップの動作などをここに記述】
エンカウントシート(シート名)
A | B | C | D | E | F | G | H | |
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1 | ||||||||
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8 |
シーン終了
戦闘に勝利したら、シーン終了となる。倒したエネミーのドロップ品を入手するのを忘れないようにしよう。
また、冒険者たちは、「財宝表」のいずれかの欄(PC人数×1)回ぶんの財宝を見つける。財宝表ロールを行うこと。魔法素材、換金アイテムのどちらで振るかはプレイヤーが自由に選択してよい。
エンディングフェイズ
インタールード
ここからはエンディングフェイズとなる。GMは、エンディングフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
エンディングは、すべてのフェイズの中でも比較的変更が容易な部分である。エンディングの目的は物語を終わらせ、プレイヤーに満足をしてもらうことだからだ。
E1:【シーンタイトルE1】
【E1オーバーチュアテキスト】
【E1-1】
【E1-1シーンテキスト】
シーン終了
PCたちのロールプレイが一段落したら、このシナリオは終了となる。
【報酬配分に関して追記事項がある場合はここに記述】
エンディングフェイズが終わったら、メインプレイを終了し、アフタープレイに移ること。
アフタープレイ
「アフタープレイ」にしたがってアフタープレイを行なう。
このシナリオで配布するログチケットは以下のとおり。
上記にくわえて、セッションに最後まで参加したプレイヤーとGMには「因果力ゲット」が1枚ずつ配布される。さらに、活躍したPCのプレイヤーには「因果力ゲット」を追加で1枚配布しよう。
この「因果力ゲット」配布は優れたプレイヤーを見つけ出すための措置ではない。その日のプレイを振り返って互いの健闘をたたえるためのものである。ぜひ全員の好プレイを思い出して、チケットを配布しよう。
セッションの終了
すべての処理が終わればセッションは終了となる。これにて今回の冒険は幕を閉じた。次なる冒険のためにいまは一時の休息としよう。お疲れ様でした!
データセクション
エネミーデータ
シナリオに登場するオリジナルのエネミーデータを記載する。ディベロッパーはこのエネミーデータを他のシナリオに使用してもよい。
プロップデータ
シナリオに登場するオリジナルのプロップデータを記載する。ディベロッパーはこのデータを他のシナリオに使用してもよい。
- シナリオ作成
-
baton
powerd by LhzDev