「誰に幽霊令嬢はキスをした?」
これはCR8の〈冒険者〉を対象とした『LHZ』のシナリオである
。あなたがGMならば、このシナリオを使うことですぐに『LHZ』を遊ぶことができる。
あなたがプレイヤーとしてこのシナリオを遊ぶつもりならば、これを読むのはセッションが終わるまで待ってほしい。
このシナリオのガイダンスは以下の通りである。
【ミッション1回、戦闘1回】
オンラインでのセッションの場合は、通して遊ぶと時間がかかる場合もあるため、イベントごとにひと区切りし、2から3回に分割して遊ぶ事を検討しよう。
GM向け情報
シナリオ背景
アキバの街が《円卓会議》の指導により、いくらかの落ち着きを見せたころ、
PCたちは〈アキバ冒険斡旋所〉で仕事を探しており、
地方領主の所有する幽霊屋敷の探索の依頼を引き受ける。
屋敷には解体の計画が上がっており、幽霊退治の必要がある。
しかし、依頼人は出来るのならば、穏やかに霊たちを見送ることを望んでいる。
屋敷に出る霊は彼の先祖であり、無下には出来ないと思っているからだ。
屋敷の幽霊たちと交流しながら彼らの思い残しを晴らし、
悪霊と化している屋敷の主人を倒すとシナリオが終了となる。
PC番号およびシーンプレイヤーの扱い
このシナリオでは、PC番号を使用せず、またシーンプレイヤーも指定しない。GMは必要であれば任意にシーンプレイヤーを指定してもよい。
プリプレイ
レギュレーション
このシナリオは以下の環境で遊ぶことを想定して作成されている。GMの決定した難易度によって【因果力】が増減するため忘れず反映すること。
使用ルール
-
『ログ・ホライズンTRPGルールブック』
-
『ログ・ホライズンTRPG拡張ルールブック』
GMが許可するのであれば「ログホラ・ウェンズデイ」や「セルデシア・ガゼット」の追加データを使用してもよい。
推奨キャラクター
このシナリオはCR8のキャラクター4人を対象に遊ぶことを想定している。すでにいくつかの冒険を経験したプレイヤーがCRを上昇させた環境を念頭に置いているが、新たに「ハイコンストラクション」でキャラクターを作成してもよいだろう。4種類の「アーキ職業」のキャラクターが全て揃うようにすることを強く推奨する。プレイヤーの人数が少ないときは、「戦士職」と「回復職」のキャラクターを優先すること。
おすすめサブ職業
【シナリオにミッションがある場合などには以下を編集して使用する】
このシナリオにはミッションが存在する。このミッションにおいてボーナスを得られるサブ職業は以下の通りだ。
状況の解説
PCの立場
PCたちは全員、アキバの街を本拠地とした冒険者である。
このシナリオは〈アキバ冒険斡旋所〉が大地人から請け負った依頼を、
君たちが引き受け、依頼人と交渉する所から始まる。
依頼内容は、地方領主である依頼人が、
所有している廃家で夜中に先祖の霊が現れるので、
穏便に立ち退いてもらいたい、という事。
PCが希望するならば、コネクション、ユニオンを取得してもよい。
使用するEXパワー
このシナリオではPCには専用EXパワーは存在しない。
GMはGM用汎用EXパワーを使用してもよい。
セッション難易度
以下の難易度から1つ選択する。そのとき『ログ・ホライズンTRPG』未経験者がプレイヤーに含まれているのであれば「難易度:イージー」を選ぶこと。
オープニングフェイズ
GMはメインプレイとオープニングフェイズの開始を宣言し、次のシーンのシーン予告をすること。
インタールード
シーン予告の内容は、次のシーンのシーン定義を目的から順番に読み上げるとよい。プレイヤーからのシーン要望が無ければ、そのまま次のシーンを開始する。
シーン予告とシーン要望の確認は以降のインタールードでも毎回行なうこと。また、このシナリオでは、基本的にすべてのシーンにPC全員が登場する。GMはこれもプレイヤーに伝えよう。
OP1:【幽霊屋敷のうわさ】
シーンが始まったら「オーバーチュア」を読み上げ、シーン開始時の様子を描写しよう。以降のシーンも、開始したらまず「オーバーチュア」を読み上げること。
「モンタージュ」には、シーンが変化した描写とそれを読み上げるべきタイミングが記載されている。これは厳密なものではないので、GMはPCたちの反応を見つつ、ロールプレイが一段落したなどの区切りの良い場面で「モンタージュ」による変化の描写を行うとよい。
君たちは今、〈アキバ冒険斡旋所〉の一室で依頼人と向き合っている。
向かいの椅子に座っている、依頼人の男性は身なりが良く、
アキバ近郊の地方を治める貴族であると言い、フェルタンと名乗った。
〈大地人〉の貴族が君たち〈冒険者〉に仕事を依頼することは少なくないが、
貴族本人が〈アキバの街〉に赴き、直接顔を合わせることは珍しい事かもしれない。
【OP1-1】
・セリフ:フェルタン
「では、皆さんが依頼の話を聞いてくださるのですね?」
●モンタージュ:PCたちが依頼内容について興味を示す。
・セリフ:フェルタン
「ありがたい話です。是非、引き受けてくださる方たちと、お話したい事があるのです。」
そう言って彼は自身の領地の、簡略された地図を広げて、一点を指す。
そこには、今は廃屋となっている屋敷があり、取り壊しの予定となっているが、
幽霊が出ることが分かって、計画が止まっている、とフェルタンは話す。
・セリフ:フェルタン
「その屋敷は、数百年前、私の祖先が娘たちを戦役から逃れるために、
街離れに建てられたものだと伝えられています。」
「・・・・・・しかし、戦火から逃れることは出来なかった、とも。」
「私は今世の領主として、屋敷の取り壊しは必要であると判断しました。」
「そのために、屋敷に棲まう幽霊を祓わなければなりません。」
そこで、一度フェルタンは息をフーッと吐いた。
・セリフ:フェルタン
「私一個人の頼みとして、皆さんに話したかった事が、それなのです。」
「数百年も留まるだけの怨恨を残した霊です。危難は避けられないでしょう。」
「しかし、出来ることならば、祖先の霊を無下に扱いたくはない。悼んでやりたい。」
「〈冒険者〉の皆さんならば、幽霊を討伐することは難くはないでしょう。」
「より難儀をかける事を承知の上で、皆さんにお願いしたいのです。」
「彼らの魂の、安らかな救済を。」
シーン終了
フェルタンの依頼を引き受けたら、シーンを終了する。
オープニングフェイズの終了にともない、PC全員に【因果力】を1点ずつ配布すること。
ミドルフェイズ
インタールード
ここからはミドルフェイズとなる。GMはミドルフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
MD1:【幽霊令嬢の探し物】
君たちは件のフェルタンが所有する幽霊屋敷へとやってきた。
時刻は、敢えて霊の現れる夜半時。
フェイタンの依頼のために霊と会話する必要があるためだ。
ひっそりと佇む幽霊屋敷は、すでに数百年を経て屋敷は朽ちかけており、
崩れかかった壁には蔦が纏い、屋敷は囲う森に呑み込まれつつある。
軋む扉をゆっくりと開けて、君たちは幽霊屋敷へと踏み入れた。
【MD1-1】
君たちが古寂びたロビーに入ると、どこかから幼い少女の声が聞こえる。
・セリフ:幽霊の少女
「・・・・・・誰かいるの・・・・・・?」
吹き抜けの2階から、寝間着姿の少女が顔を出す。
二階から宙を滑る様にして君たちの前に降りた彼女は、
その体は半透明で、足の先は輪郭がぼやけている。
セリフ:幽霊の少女
「わたし、エルミニクって言うの。エルって呼んでもいいのよ。」
「わたし、探し物をしてるの。手伝ってくれる?ぬいぐるみを探してるの。」
「あっ、この子じゃないの。この子も大切だけれど・・・・・・。」
「わたしが探してる子は、特別なの。あの子は・・・・・・」
「と、とにかく、大事な子なの!探して!」
「わたし、あの子とお別れしてないんだもの。」
「だから、わたし、まだ向こうにはいけないの。」
シーン終了
彼女の探し物を手伝うことを了承すると、シーン終了となる。
MD2:幽霊屋敷へようこそ
●ミッション:大切なあの子を探して
エルの探しているぬいぐるみを見つるために幽霊屋敷を探索するシーン。
同時に探索しながら、屋敷の住民たちの未練から解き放ってあげよう。
エルの話によると、屋敷にはエルの他に使用人の何人かと、姉の霊がいるが、
自分を含めて彼らは、かつての生活や心残りについての記憶は確かだが、
霊になってからの事は忘れやすく、探し物には向いてないらしい。
シーン終了
ミッションの処理が終了すると、シーンは終了する。
インタールード
次のシーンはエルミニクにぬいぐるみを返し、屋敷の主人である長女が現れて、君たちを最上階へと誘う。
長女とは戦闘になるため、その準備を行うシーンになる。
ミドルフェイズの終了にともない、
PC是認に【因果力】を1点ずつ配布すること。
クライマックスフェイズ
インタールード
ここからクライマックスフェイズとなる。GMは、クライマックスフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
CL1:【幽霊令嬢のキスのお相手は】
エルミニクがぬいぐるみを受け取ると、嬉しそうに抱きしめる。
「ありがとう。この子はわたしが初めてキスをした子だから、お別れがしたかったの。」
そういって、エルミニクはぬいぐるみに優しくキスをした。
まるで屋敷の中の空気が潰されたかのような強烈な圧力を感じ、
屋敷のすべての扉と窓が、バタンバタンと大きな音を立てて閉じられる。
セリフ:???
「ダンスが、とてもお上手なのですね。」
「卓上の勝負事にも、お強くて。」
「使用人たちにもお優しく。」
「たくさん召し上がる方、私とても好ましく思いますのよ。」
「それに、素晴らしい戦いの腕でしたわ。」
「あの日、私から命を奪った魔物からは、誰も守ってくれなかった。皆様なら、きっと・・・。」
「さあ、私の所まで、いらしてくださいませ。」
・セリフ:エルミニク
「ベルナデットお姉さまだわ。」
「お姉さまは、幽霊になってからずっと一人で泣いていて・・・。」
「少しずつ、恐ろしい力を持つ幽霊に変わってしまったの。」
「お願い、お姉さまをこれ以上悲しまないようにしてあげて。」
「わたしとこの子を会わせてくれたように。」
●戦闘準備
次の戦闘シーンにに向けて、【準備】タグの特技やアイテムの使用をして、
万全の状態で戦闘に入れるように備えよう。
シーン終了
戦闘の準備が整ったら、シーンは終了する。
インタールード
次はいよいよ戦闘シーンとなる。使用するエンカウントシートやマーカーなどを用意しよう。
CL2:【幽霊令嬢に口づけを】
屋敷の階段を登り切り、最上階の屋上で浮遊する令嬢が君たちを待ち構えていた。
「こちらにいらして?一緒に踊りましょう。カーヤにしてくれたように。」
「そして、愛して。強く抱きしめて。二度と離さないで。」
「私を守り、愛し、最期まで添い遂げてくださる方が、私には必要なの。」
「さあ、私を愛してくださいませ!」
悪霊令嬢は君たちへと冷たい手を向け、抱擁を求める。
その胸に、誘死の芳香を漂わせながら。
【CL2-1】
・エネミーの配置
〈幽霊屋敷の霊 長女ベルナデット〉はD-2に配置する。
〈幽霊屋敷の霊 長女ベルナデット〉の《幽霊令嬢のための即興曲》によって登場する、
〈無人の管弦楽団〉はC-3、D-5、F-4、E-3に配置する。
GM用汎用EXパワーを使用し、エネミーの数を増やす場合、
プロップ【管弦楽曲結界】の範囲内に配置することを推奨する。
・エネミーの戦術
〈幽霊屋敷の霊 長女ベルナデット〉は[ヘイトトップ]のPCが【硬直】状態の場合、
《そして私に口づけを》を積極的に使用し、そうでない場合、
《そのまま強く抱きしめて》で【硬直】を付与することを狙う。
〈無人の管弦楽団〉は、[ヘイトトップ]のPCを【管弦楽曲結界】の範囲に入れる様に、
《夢路に誘う》を使用し、《呪いの舞踏曲》でダメージを与える。
エンカウントシート(幽霊屋敷の屋上)
| A | B | C | D | E | F | G | H | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ||||||||
| 2 | ||||||||
| 3 | ||||||||
| 4 | ||||||||
| 5 | ||||||||
| 6 | ||||||||
| 7 | ||||||||
| 8 | 初 | 初 |
シーン終了
戦闘に勝利したら、シーン終了となる。倒したエネミーのドロップ品を入手するのを忘れないようにしよう。
また、冒険者たちは、「財宝表」のいずれかの欄(PC人数×1)回ぶんの財宝を見つける。財宝表ロールを行うこと。魔法素材、換金アイテムのどちらで振るかはプレイヤーが自由に選択してよい。
エンディングフェイズ
インタールード
ここからはエンディングフェイズとなる。GMは、エンディングフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
エンディングは、すべてのフェイズの中でも比較的変更が容易な部分である。エンディングの目的は物語を終わらせ、プレイヤーに満足をしてもらうことだからだ。
E1:【幽霊令嬢にさよならを】
激闘の末、長女ベルナデットが精魂尽き果て、膝をつく頃には、
東の空がゆっくりと白み、長い夜が明けようとしていた。
朝焼けのバラ色に染まる屋上に、屋敷の住人たちの霊がいつの間にか集まっていた。
幽霊令嬢の姉妹は、崩れ落ちていた楽器を拾い上げると、拙い、優しい旋律を奏でる。
【E1-1】
・セリフ:エルミニク
「踊って?ベルナデットお姉さま。昔、お姉さまのピアノで皆が踊った時みたいに。」
・セリフ:レオノール
「姉様のように美しい音は出せませんが、わたくし達は、姉様と共にありますわ。」
膝まづくベルナデットの手を、屋敷の住人たちが手を取り、踊り出す。
まずはカーヤが優しく手を引いて。
次にバルダリオが軽やかにステップを踏んで。
アンドーラはその体格でベルナデッドを支えながら。
一分の乱れの無い礼の他、テオドールのダンスの腕前はそこそこといった具合で。
ユージムの不慣れなダンスの後を、ジョビィが跳ねまわりながら追いかける。
次第に、ベルナデットの悲哀に満ちた相貌が少しずつ綻ぶのを、
セオドリクはじっと見つめていた。
次第に、ベルナデットの悲哀に満ちた相貌が、少しずつ綻んでいった。
昇りゆく太陽の下で、彼らの霊体は淡く溶けだすように薄れていく。
円座の中心で、代わり代わり続くのベルナデットの踊りが、一度途切れて。
ベルナデットの手が、誰のものでもなくなった。
最後に、彼女の手を取るのは。
君たちか、それとも。
●モンタージュ:PCがベルナデットの手を取る
夜と昼の狭間で、君とベルナテッドは手を取り合って踊った。
二人だけの時間。ベルナテッドの透き通った瞳に君が映る。
今この瞬間は、朝日に蕩けて行く彼女の姿が、君の瞳には確かに映っている。
幽霊令嬢は、彼女の一生涯最も麗しく微笑んで、君にキスをした。
夢から覚める様に、もとよりそこに誰もいなかったように。
かすかな甘いにおいだけ残して、幽霊屋敷は、幽霊屋敷ではなくなっていた。
●モンタージュ:セオドリクがベルナデットの手を取る
セオドリクは跪き、ゆっくりとベルナデットの手を取り、彼女の手の甲にキスを寄せる。
その手を強く引いて、ベルナデットはセオドリクの胸に飛び込んで、
幽霊令嬢は、お仕着せ姿の幽霊騎士にキスをした。
夢から覚める様に、もとよりそこに誰もいなかったように。
かすかな甘いにおいだけ残して、幽霊屋敷は、幽霊屋敷ではなくなっていた。
シーン終了
PCたちのロールプレイが一段落したら、このシナリオは終了となる。
シナリオの報酬として一人当たり720Gを配布し、
以下の8つの換金アイテムを入手してもよい。(すべて換金するならば640G)
クマのぬいぐるみ[換金](150G)
精緻なゲーム盤[換金](80G)
大きなエプロン[換金](50G)
擦り切れた料理帖[換金](130G)
ホワイトプリム[換金](30G)
地方の歴史書[換金](110G)
陶器の水盤[換金](60G)
使い込まれた斧[換金](30G)
また、パーティ全員は「財産表:魔法素材」に「GJカウンター」分出目を足して振ってもよい。
エンディングフェイズが終わったら、メインプレイを終了し、アフタープレイに移ること。
アフタープレイ
「アフタープレイ」にしたがってアフタープレイを行なう。
このシナリオで配布するログチケットは以下のとおり。
上記にくわえて、セッションに最後まで参加したプレイヤーとGMには「因果力ゲット」が1枚ずつ配布される。さらに、活躍したPCのプレイヤーには「因果力ゲット」を追加で1枚配布しよう。
この「因果力ゲット」配布は優れたプレイヤーを見つけ出すための措置ではない。その日のプレイを振り返って互いの健闘をたたえるためのものである。ぜひ全員の好プレイを思い出して、チケットを配布しよう。
セッションの終了
すべての処理が終わればセッションは終了となる。これにて今回の冒険は幕を閉じた。次なる冒険のためにいまは一時の休息としよう。お疲れ様でした!
データセクション
エネミーデータ
シナリオに登場するオリジナルのエネミーデータを記載する。ディベロッパーはこのエネミーデータを他のシナリオに使用してもよい。
プロップデータ
シナリオに登場するオリジナルのプロップデータを記載する。ディベロッパーはこのエネミーデータを他のシナリオに使用してもよい。
プロップデータ
シナリオに登場するNPCのデータを記載する。