イタチブルグレイド強化合宿
これはCR4の〈冒険者〉を対象とした『LHZ』のシナリオである。あなたがGMならば、このシナリオを使うことですぐに『LHZ』を遊ぶことができる。あなたがプレイヤーとしてこのシナリオを遊ぶつもりならば、これを読むのはセッションが終わるまで待ってほしい。このシナリオのガイダンスは以下の通りである。
GM向け情報
シナリオ背景
ルーソラ地方にあるイタチブルグ村。冒険者による温泉村おこしによって繁盛してるこの村には友好的な〈レイドエネミー〉が住んでいる。このことに着目した〈円卓会議〉は〈レイドエネミー〉との交渉の末に契約に成功。レイド向け訓練所を開設した。 24人からなるフルレイド部隊を訓練するに十分な環境が整えられ、我こそは大規模戦闘に挑まんという冒険者が入所している。
PC番号およびシーンプレイヤーの扱い
このシナリオでは、PC番号を使用せず、またシーンプレイヤーも指定しない。GMは必要であれば任意にシーンプレイヤーを指定してもよい。
このシナリオではプリプレイの前にオープニングシーンが進行する。GMはプリプレイを宣言する前にオープニングシーンを宣言すること。
オープニングフェイズ
GMはメインプレイとオープニングフェイズの開始を宣言し、次のシーンのシーン予告をすること。
インタールード
シーン予告の内容は、次のシーンのシーン定義を目的から順番に読み上げるとよい。プレイヤーからのシーン要望が無ければ、そのまま次のシーンを開始する。
シーン予告とシーン要望の確認は以降のインタールードでも毎回行なうこと。また、このシナリオでは、基本的にすべてのシーンにPC全員が登場する。GMはこれもプレイヤーに伝えよう。
OP1:レイド訓練所の訓練生達
シーンが始まったら「オーバーチュア」を読み上げ、シーン開始時の様子を描写しよう。以降のシーンも、開始したらまず「オーバーチュア」を読み上げること。
「モンタージュ」には、シーンが変化した描写とそれを読み上げるべきタイミングが記載されている。これは厳密なものではないので、GMはPCたちの反応を見つつ、ロールプレイが一段落したなどの区切りの良い場面で「モンタージュ」による変化の描写を行うとよい。
このシーンはレイド訓練所に集まったPC達がお互いに自己紹介するシーンだ。誰が最初かはGMで決めていいが迷ったらイニシア順がいいだろう。自己紹介が終われば「よし!次は・・・」と他のメンバーが指名されて次のシーンに移行する。
【モンタージュ:ビッグマム】
「そうだな・・・まずはその~の子から行こうか!」と拳を握って親指を さんに向けます。
「次は~~行こうか!」と拳を握って親指を さんに向けます
「よし!次は・・・」
シーン終了
PC全員の自己紹介が終了したらOP2に移行する。
OP2:たのしいレイド解説
シーンが始まったら「オーバーチュア」を読み上げ、シーン開始時の様子を描写しよう。以降のシーンも、開始したらまず「オーバーチュア」を読み上げること。
「モンタージュ」には、シーンが変化した描写とそれを読み上げるべきタイミングが記載されている。これは厳密なものではないので、GMはPCたちの反応を見つつ、ロールプレイが一段落したなどの区切りの良い場面で「モンタージュ」による変化の描写を行うとよい。
このシーンはレイドの概要と〈レイドエネミー〉の解説をするシーンだ。この解説によってPC達のビルド・装備・部隊EXパワーを相談してもらう。なお、戦士系EXパワーを最低1つを持ってない場合即死する可能性が高いことは真っ先にぶっちゃけること。
【モンタージュ:ビッグマム】
挙手された手が少ない場合、「予想よりちょっと少ないね」と言い 多いと「なかなか多いじゃない」とコメントする。
「まあいい」
「これからのスケジュールを説明するよ」
「まずは何はともあれパーティ編成だ」
「今回挑むのはフルレイドだから6×4の4パーティを組んでもらう」
「パーティを組んだらまずはパーティ単位の連携訓練だ」
「4つのパーティに戦術を紐つけて編成するのがレイドの第一歩だからね」
「だいたい慣れたらレイドエネミーに挑んでもらう」
「と言ってもレイドダンジョンに行くわけじゃない」
「この村にはレイドエネミーが住んでてね」
「そいつに挑んでもらうよ」
「最終的にそいつに認めてもらったら合宿は終了だ」
「と、こんな感じのスケジュールさね」
「なんで温泉村にレイドエネミーが住んでるかって?色々あったのさ」
「さて」
「いきなりレイドパーティ組んでと言われても困るだろうから」
「簡単なレイドパーティの編成例を説明するよ」
「メモの準備はいいかい?」
準備ができるとビッグマムは黒板にマグネットを貼りつつ書き込みます。
「それで編成についてだが、まず第一パーティ」
「これは強大なレイドボスの攻撃を受け止めるメイン盾パーティだ。あんた達が崩壊したらレイドチームは壊滅する。とても重要な役割だ」
「よって盾役は2枚ないしは3枚。回復役も2枚が望ましいだろう。残りは臨機応変に対処できる職を入れるのが基本だ」
「第二パーティは遊撃役だ。先行偵察に第一パーティが崩れかけた場合のカバーなどなど臨機応変に対処することが求められる。バランス良く配置するといいだろう」
「第三と第四パーティは武器攻撃と魔法攻撃を担当する。火力によって取り巻きを切り崩し、レイドボスに大打撃を与えるのが役割になるが・・・」
「だからと言って盾や回復を欠いたらピンチの時にあっという間に溶けちまうよ。最低でもアーキは揃えないとね」
「ま、これは一例さ」
「レイドによって機動性が試されたり魔法攻撃力が試されるものもある」
「臨機応変に編成していくのが一番さ」
「ということで今回お前さん達が戦うエネミーは……」
「〈レッドマフラーベアー〉。レベルは97。ランクはレイド1だ」
「レベルが97とけっこう高いが、まあ話はついてる」
「きちんと手加減してもらうさ」
「んじゃあいつがどんなエネミーなのか説明するよ。いいかい?」
いよいよ〈レイドエネミー〉の解説に入ります。〈レイドエネミー〉はノーマルの5~10倍のHPや強力な特技をもち、大規模戦闘(レイド)拡張ルールを用いた戦闘において運用されることが前提のランクとなっています。ですが通常戦闘の拡張に過ぎません。必要以上に怯えさせないようにしましょう。
「 〈レッドマフラーベアー〉は単体タイプのレイドボスだ。エリアボスなんて鼻で笑う膨大なHPと強力な攻撃手段を持ってる」
「単体攻撃は軽く腕を振り回してくるだけだがヘイトが低いと威力がやたら跳ね上がるし、複数体攻撃の石の乱れ打ちを後衛が食らったら一撃でダウンしちまう」
「定期的に仕掛けてくる大爆走は特に注意してくれ。これに轢かれたら一発で昇天しちまうよ」
「時間経過で攻撃力が上がるみたいだからなるべく早く落としたいとこだけどレイドエネミーだからねえ・・・火力よりにした方がいいかもね」
「そうそう、例によってHPが一定以下になるとあいつは形態変化するよ。ただ地面から出てくる棍棒持つだけなんだが、これが本当に強い」
「振るだけで衝撃波が出るわ石をノックしてくるわで手がつけられない」
「まあ何回か挑むつもりで戦うといいよ。段階的に強くしてくれともいってある」
「とりあえずはこんなところだ」
「何が質問はあるかい?」
プロップに対して聞かれた場合ビッグマムは「茂み、森、そして温泉」と答えます。エネミーについて聞かれたら物理攻撃主体なこと、どちらかというと魔法攻撃に弱いと答えます。あんまり種明かししてもアレですが真摯に答えましょう。 戦士EX持ってなくて即死は双方にとって面白くない結果をもたらすのできちんとこの段階でぶっちゃけましょう。
シーン終了
全員の質問が終わった段階で
「よし、それじゃ~パーティを組むんだ。よく話し合ってな」とビッグマムが告げてシーンは終了となる。
オープニングフェイズを終了し、プリプレイフェイズに移行すること。
プリプレイフェイズ
プリプレイ開始
変則的だがOP終了後にプリプレイに移行する。
各自のビルド調整、因果力チケット使用の宣言、プリプレイスキルの使用の宣言、部隊EXの選択を行う。
初めてのレイド相談のために時間がかかる場合があるがGMは優しく見守ってほしい。
GMプリプレイ・チェックリスト
セッション難易度
以下の難易度から1つ選択する。また、レイドボスのドロップ補正はハード以降から+1ずつドロップダイスに加算とします。
CR4ともなるとPCもずいぶんと完成してきている。
加えて今回のレギュレーションは資金無制限orハイコン資金+1つ好きなアイテムである。
装備とビルドを見つつ難易度を決めよう。
レイド初心者ならノーマル~ハード。
それなりにこなれたPL相手ならベリーハード~ナイトメア。
死線を求める修羅共にはインフェルノ~ヘルが妥当だろう。
使用するEXパワー
このシナリオでは大規模戦闘が用意されており、レイド用のEXパワーを用いる。
例によってうっかり戦士EXを習得してないPCがいた場合は警告をすること。
シーン終了
各自のビルド調整、因果力チケット使用の宣言、プリプレイスキルの使用の宣言、部隊EXの選択が終了したらシーン終了となる 。
ミドルフェイズ
インタールード
ここからはミドルフェイズとなる。GMはミドルフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
オープニングフェイズが終了したので、各PCには【因果力】1点づつを配布しよう。
【パーティ訓練の終了】
楽しい訓練の結果は……
訓練帰りの君達は結構疲れてる。消耗表の時間だ!
体力消耗表と気力消耗表を一回ずつ振ること。
1D | 体力消耗表 |
---|---|
1 |
[疲労:5]を受ける |
2 |
[疲労:8]を受ける |
3 |
[疲労:10]を受ける |
4 |
[疲労:13]を受ける |
5 |
疲労:15]を受ける |
6 |
[疲労:18]を受ける |
1D | 気力消耗表 |
---|---|
1 |
【因果力】を1点失う |
2 |
【因果力】を1点失う |
3 |
【因果力】を1点失う |
4 |
【因果力】を1点失う |
5 |
【因果力】を2点失う |
6 |
【因果力】を2点失う |
シーン終了
PC達が消耗表を振り終えたらシーンは終了する。
いよいよクライマックスフェイズだ。
クライマックスフェイズ
インタールード
ここからクライマックスフェイズとなる。GMは、クライマックスフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
ミドルフェイズが終了したので、各PCには【因果力】1点づつを配布しよう。
CL1:【温泉のレイドクマー】
CL2:【Raid Battle Are you ready?】
GMブリーフィング・チェックリスト
○[食料品]アイテムの消費による[疲労]の回復
○[準備]タグを持つ[障壁・再生・支援]等の付与(行動権を使用せず、ヘイトを戦闘時に持ち越さない)
○ 偵察を行う。
戦闘準備
さあ、いよいよ大規模戦闘だ。この戦闘は通常の戦闘に比べて手ごたえのあるものになる。[準備]タグの特技やアイテムの使用をうながし、万全の状態で戦闘に挑めるようにしよう。 [偵察]タグを持つ行動に成功したPCがいたなら、以下のカットインを読み上げること。
シーン終了
戦闘の準備が整ったら、シーン終了となる。
インタールード
次はいよいよ戦闘シーンとなる。使用するエンカウントシートやマーカーなどを用意しよう。
CL3:【Raid Battle Ready Go!!】
いよいよレイドエネミーとの戦闘シーンである。『戦闘マップ』を開示すること。
GM戦闘前・チェックリスト
○ 戦闘マップの開示
○ PCのコマを戦闘マップに配置指示
○ エネミーのコマを戦闘マップに配置
○ プロップによる視線・射線の確認
○ PC・NPC間の交流、エネミーの描写
○ 戦闘開始
エネミーの戦術
[ヘイトトップ]のPCを狙って攻撃する。
レイドエネミーであるレッドマフラーベアーは強力なエネミー特技を備えている。
《フルスイング /怒剛裂波 》は〔対象:ヘイト3以下〕の相手に対して二倍のダメージを与える一方で、《ギアを上げる》はクリンナップごとにPC全員に直接ダメージを与えた上にヘイト倍率を上昇させることができる。
これはPC達に緻密なヘイト操作を強いることになる。またラウンドが進行するたびにヘイト倍率が上昇するために長引く=死の予感を感じさせるであろう。なお、レッドマフラーベアーは[地形]タグの効果を受けない為に温泉の効果を受けることはない。
エンカウントシート(Raid Battle Ready Go!!)
A | B | C | D | E | F | G | H | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 森林 | 茂み | ||||||
2 | ||||||||
3 | 温泉 | |||||||
4 | クマ | |||||||
5 | ||||||||
6 | ||||||||
7 | ||||||||
8 | 初 | 初 |
配置状況
戦闘に勝利したら、シーン終了となる。。ドロップ品のロールを行うこと。レイドボスのドロップ補正はハード以降から+1ずつドロップダイスに加算することを忘れないようにしよう。
エネミードロップ
〈赤襟黄熊〉レッドマフラーベアー
1~2 : 超高級蜂蜜[換金] 110G
3~5 : 砂金 [魔触媒5 ] (40G)×3
6 : 雄々しい角[コア素材](80G) & 超高級蜂蜜[換金] 110G
https://yamanee.info/lhz/db.html?362
7 : 巨人の髭[コア素材](50G)& 砂金 [魔触媒5](40G)×5
https://yamanee.info/lhz/db.html?267
8 : 巨人の髭[コア素材](50G) & 雄々しい角[コア素材](80G)
9 :アーマー・オブ・ブラッディ・オース[非売品]
https://yamanee.info/lhz/db.html?346
10~ :ヴェーザーの笛 《ヴェーザーのふえ》[非売品]
https://yamanee.info/lhz/db.html?268
エンディングフェイズ
インタールード
ここからはエンディングフェイズとなる。GMは、エンディングフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
エンディングは、すべてのフェイズの中でも比較的変更が容易な部分である。エンディングの目的は物語を終わらせ、プレイヤーに満足をしてもらうことだからだ。
E1:戦闘が終わったらどうするって?宴会でしょ!
イタチブルグ村は大繁盛してる温泉村です。
たっぷりと温泉に浸って疲れを癒やしましょう。
宴会料理に舌鼓を打つのもよし、ルーソラ地方の地酒を楽しむのもよし、卓球や枕投げに興じるのもいいでしょう。
もちろんレイド戦闘を肴に飲むのもこの上なく美酒を味わえるでしょう。
報酬(PC1人あたり)
円卓会議からの報奨金として下記を得る。
1人頭500G。
シーン終了
PCたちのロールプレイが一段落したら、このシナリオは終了となる。
エンディングフェイズが終わったら、メインプレイを終了し、アフタープレイに移ること。
アフタープレイ
「アフタープレイ」にしたがってアフタープレイを行なう。
このシナリオで配布するログチケットは以下のとおり。
上記にくわえて、セッションに最後まで参加したプレイヤーとGMには「因果力ゲット」が1枚ずつ配布される。
セッションの終了
すべての処理が終わればセッションは終了となる。これにて今回の冒険は幕を閉じた。次なる冒険のためにいまは一時の休息としよう。お疲れ様でした!
データセクション
エネミーデータ
シナリオに登場するオリジナルのエネミーデータを記載する。ディベロッパーはこのエネミーデータを他のシナリオに使用してもよい。
プロップデータ
シナリオに登場するオリジナルのプロップデータを記載する。ディベロッパーはこのデータを他のシナリオに使用してもよい。