イタチブルグレイド強化合宿

これはCR4の〈冒険者〉を対象とした『LHZ』のシナリオである。あなたがGMならば、このシナリオを使うことですぐに『LHZ』を遊ぶことができる。あなたがプレイヤーとしてこのシナリオを遊ぶつもりならば、これを読むのはセッションが終わるまで待ってほしい。このシナリオのガイダンスは以下の通りである。

シナリオガイダンス
プレイヤー人数

4人(または5人対応)

キャラクターランク

4

プレイ時間

6~7時間
消耗表2 大規模戦闘1

GM向け情報

シナリオ背景

ルーソラ地方にあるイタチブルグ村。冒険者による温泉村おこしによって繁盛してるこの村には友好的な〈レイドエネミー〉が住んでいる。このことに着目した〈円卓会議〉は〈レイドエネミー〉との交渉の末に契約に成功。レイド向け訓練所を開設した。
24人からなるフルレイド部隊を訓練するに十分な環境が整えられ、我こそは大規模戦闘に挑まんという冒険者が入所している。

PC番号およびシーンプレイヤーの扱い

このシナリオでは、PC番号を使用せず、またシーンプレイヤーも指定しない。GMは必要であれば任意にシーンプレイヤーを指定してもよい。

このシナリオではプリプレイの前にオープニングシーンが進行する。GMはプリプレイを宣言する前にオープニングシーンを宣言すること。

オープニングフェイズ

GMはメインプレイとオープニングフェイズの開始を宣言し、次のシーンのシーン予告をすること。

インタールード

シーン予告の内容は、次のシーンのシーン定義を目的から順番に読み上げるとよい。プレイヤーからのシーン要望が無ければ、そのまま次のシーンを開始する。
シーン予告とシーン要望の確認は以降のインタールードでも毎回行なうこと。また、このシナリオでは、基本的にすべてのシーンにPC全員が登場する。GMはこれもプレイヤーに伝えよう。

シーン名:レイド訓練所の訓練生達
シーン種別

シネマティックシーン

解説

PC達は自己紹介をしてレイドの解説とレイドエネミーの情報を受け取る。

目的

自己紹介を行い、レイドの解説を受ける。

OP1:レイド訓練所の訓練生達

シーンが始まったら「オーバーチュア」を読み上げ、シーン開始時の様子を描写しよう。以降のシーンも、開始したらまず「オーバーチュア」を読み上げること。
「モンタージュ」には、シーンが変化した描写とそれを読み上げるべきタイミングが記載されている。これは厳密なものではないので、GMはPCたちの反応を見つつ、ロールプレイが一段落したなどの区切りの良い場面で「モンタージュ」による変化の描写を行うとよい。

オーバーチュア

ルーソラ地方はイタチブルグ村。観光客が温泉目当てに賑わうこの村の片隅に建てられた真新しい訓練所の講堂に君達は集められている。大規模戦闘に参加したい者、大規模戦闘に参加していたが鍛え直したい者、事情は様々だが何れにせよ大規模戦闘訓練に参加しようというのは変わりない。壇上には赤毛の武士らしい女性が立っている。彼女が責任者だろうか?
「さあ、皆集まったかな?」
「私の名はビックマム。今回の合宿であんた達のおもりをすることになった。よろしくね」
「さて、何はともあれ自己紹介だ」
「これから一緒にレイドを挑むんだ。顔と名前と性格に得意特技と覚えたほうがいいことはいっぱいある」
「さあ、誰から行こうかね……」
彼女は壇上からレイドチームを見渡した。

このシーンはレイド訓練所に集まったPC達がお互いに自己紹介するシーンだ。誰が最初かはGMで決めていいが迷ったらイニシア順がいいだろう。自己紹介が終われば「よし!次は・・・」と他のメンバーが指名されて次のシーンに移行する。

【モンタージュ:ビッグマム】
「そうだな・・・まずはその~の子から行こうか!」と拳を握って親指を さんに向けます。
「次は~~行こうか!」と拳を握って親指を さんに向けます
「よし!次は・・・」

シーン終了

PC全員の自己紹介が終了したらOP2に移行する。

OP2:たのしいレイド解説

シーンが始まったら「オーバーチュア」を読み上げ、シーン開始時の様子を描写しよう。以降のシーンも、開始したらまず「オーバーチュア」を読み上げること。
「モンタージュ」には、シーンが変化した描写とそれを読み上げるべきタイミングが記載されている。これは厳密なものではないので、GMはPCたちの反応を見つつ、ロールプレイが一段落したなどの区切りの良い場面で「モンタージュ」による変化の描写を行うとよい。

オーバーチュア

自己紹介が終わるとビッグマムは一呼吸おいてからこう問いかける。
「さて、まずは確認だ。レイド経験のあるものは手を上げてくれ。」

このシーンはレイドの概要と〈レイドエネミー〉の解説をするシーンだ。この解説によってPC達のビルド・装備・部隊EXパワーを相談してもらう。なお、戦士系EXパワーを最低1つを持ってない場合即死する可能性が高いことは真っ先にぶっちゃけること。

【モンタージュ:ビッグマム】
挙手された手が少ない場合、「予想よりちょっと少ないね」と言い 多いと「なかなか多いじゃない」とコメントする。
「まあいい」
「これからのスケジュールを説明するよ」
「まずは何はともあれパーティ編成だ」
「今回挑むのはフルレイドだから6×4の4パーティを組んでもらう」
「パーティを組んだらまずはパーティ単位の連携訓練だ」
「4つのパーティに戦術を紐つけて編成するのがレイドの第一歩だからね」
「だいたい慣れたらレイドエネミーに挑んでもらう」
「と言ってもレイドダンジョンに行くわけじゃない」
「この村にはレイドエネミーが住んでてね」
「そいつに挑んでもらうよ」
「最終的にそいつに認めてもらったら合宿は終了だ」
「と、こんな感じのスケジュールさね」
「なんで温泉村にレイドエネミーが住んでるかって?色々あったのさ」
「さて」
「いきなりレイドパーティ組んでと言われても困るだろうから」
「簡単なレイドパーティの編成例を説明するよ」
「メモの準備はいいかい?」
準備ができるとビッグマムは黒板にマグネットを貼りつつ書き込みます。
「それで編成についてだが、まず第一パーティ」

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「これは強大なレイドボスの攻撃を受け止めるメイン盾パーティだ。あんた達が崩壊したらレイドチームは壊滅する。とても重要な役割だ」
「よって盾役は2枚ないしは3枚。回復役も2枚が望ましいだろう。残りは臨機応変に対処できる職を入れるのが基本だ」

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「第二パーティは遊撃役だ。先行偵察に第一パーティが崩れかけた場合のカバーなどなど臨機応変に対処することが求められる。バランス良く配置するといいだろう」

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「第三と第四パーティは武器攻撃と魔法攻撃を担当する。火力によって取り巻きを切り崩し、レイドボスに大打撃を与えるのが役割になるが・・・」

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「だからと言って盾や回復を欠いたらピンチの時にあっという間に溶けちまうよ。最低でもアーキは揃えないとね」
「ま、これは一例さ」
「レイドによって機動性が試されたり魔法攻撃力が試されるものもある」
「臨機応変に編成していくのが一番さ」
「ということで今回お前さん達が戦うエネミーは……」
「〈レッドマフラーベアー〉。レベルは97。ランクはレイド1だ」
「レベルが97とけっこう高いが、まあ話はついてる」
「きちんと手加減してもらうさ」
「んじゃあいつがどんなエネミーなのか説明するよ。いいかい?」

いよいよ〈レイドエネミー〉の解説に入ります。〈レイドエネミー〉はノーマルの5~10倍のHPや強力な特技をもち、大規模戦闘(レイド)拡張ルールを用いた戦闘において運用されることが前提のランクとなっています。ですが通常戦闘の拡張に過ぎません。必要以上に怯えさせないようにしましょう。

「 〈レッドマフラーベアー〉は単体タイプのレイドボスだ。エリアボスなんて鼻で笑う膨大なHPと強力な攻撃手段を持ってる」
「単体攻撃は軽く腕を振り回してくるだけだがヘイトが低いと威力がやたら跳ね上がるし、複数体攻撃の石の乱れ打ちを後衛が食らったら一撃でダウンしちまう」
「定期的に仕掛けてくる大爆走は特に注意してくれ。これに轢かれたら一発で昇天しちまうよ」
「時間経過で攻撃力が上がるみたいだからなるべく早く落としたいとこだけどレイドエネミーだからねえ・・・火力よりにした方がいいかもね」
「そうそう、例によってHPが一定以下になるとあいつは形態変化するよ。ただ地面から出てくる棍棒持つだけなんだが、これが本当に強い」
「振るだけで衝撃波が出るわ石をノックしてくるわで手がつけられない」
「まあ何回か挑むつもりで戦うといいよ。段階的に強くしてくれともいってある」
「とりあえずはこんなところだ」
「何が質問はあるかい?」

プロップに対して聞かれた場合ビッグマムは「茂み、森、そして温泉」と答えます。エネミーについて聞かれたら物理攻撃主体なこと、どちらかというと魔法攻撃に弱いと答えます。あんまり種明かししてもアレですが真摯に答えましょう。
 戦士EX持ってなくて即死は双方にとって面白くない結果をもたらすのできちんとこの段階でぶっちゃけましょう。

シーン終了

全員の質問が終わった段階で
「よし、それじゃ~パーティを組むんだ。よく話し合ってな」とビッグマムが告げてシーンは終了となる。
オープニングフェイズを終了し、プリプレイフェイズに移行すること。

プリプレイフェイズ

プリプレイ開始

変則的だがOP終了後にプリプレイに移行する。
各自のビルド調整、因果力チケット使用の宣言、プリプレイスキルの使用の宣言、部隊EXの選択を行う。
初めてのレイド相談のために時間がかかる場合があるがGMは優しく見守ってほしい。

GMプリプレイ・チェックリスト

○難易度の選択
○買い物の確認
○温泉使用の確認(温泉村なので温泉は許可されます)
○因果力チケットの使用申請(2枚まで)
○プリプレイ特技の使用

セッション難易度

以下の難易度から1つ選択する。また、レイドボスのドロップ補正はハード以降から+1ずつドロップダイスに加算とします。

イージー

PC全員の【因果力】+1

ノーマル

特になし

ハード

GM用【因果力】+PC人数と等しい数 レイドボスドロップに+1補正

ベリーハード

GM用【因果力】+PC人数の2倍 レイドボスドロップに+2補正

ナイトメア

GM用【因果力】+PC人数の3倍 レイドボスドロップに+3補正

ファナティック

GM用【因果力】+PC人数の4倍 レイドボスドロップに+4補正

インフェルノ

GM用【因果力】+PC人数の5倍 レイドボスドロップに+5補正

ヘル

GM用【因果力】+PC人数の6倍 レイドボスドロップに+6補正

CR4ともなるとPCもずいぶんと完成してきている。
加えて今回のレギュレーションは資金無制限orハイコン資金+1つ好きなアイテムである。
装備とビルドを見つつ難易度を決めよう。
レイド初心者ならノーマル~ハード。
それなりにこなれたPL相手ならベリーハード~ナイトメア。
死線を求める修羅共にはインフェルノ~ヘルが妥当だろう。

使用するEXパワー

このシナリオでは大規模戦闘が用意されており、レイド用のEXパワーを用いる。

守護戦士の戦列死守 《ガーディアンのせんれつししゅ》
守護戦士の城塞防御 《ガーディアンのじょうさいぼうぎょ》
武士の連携守備 《サムライのれんけいしゅび》
武士の切り払い 《サムライのきりはらい》
武闘家の身代わり 《モンクのみがわり》
武闘家の引き回し 《モンクのひきまわし》
施療神官の状態治癒 《クレリックのじょうたいちゆ》
施療神官の大祝福 《クレリックのだいしゅくふく》
森呪遣いの治療雨 《ドルイドのちりょうう》
森呪遣いの大回復 《ドルイドのだいかいふく》
神祇官の属性防御 《カンナギのぞくせいぼうぎょ》
神祇官の大障壁 《カンナギのだいしょうへき》
暗殺者の除去 《アサシンのじょきょ》
暗殺者の乱撃 《アサシンのらんげき》
盗剣士の先行斬撃 《スワッシュバックラーのせんこうざんげき》
盗剣士の弱体化 《スワッシュバックラーのじゃくたいか》
吟遊詩人の応援歌 《バードのおうえんか》
吟遊詩人の戦歌 《バードのウォーソング》
妖術師の速攻 《ソーサラーのそっこう》
妖術師の元素呪文 《ソーサラーのげんそじゅもん》
召喚術師の陽動 《サモナーのようどう》
召喚術師の送迎 《サモナーのそうげい》
付与術師の援護呪文 《エンチャンターのえんごじゅもん》
付与術師の停滞管理 《エンチャンターのていたいかんり》

例によってうっかり戦士EXを習得してないPCがいた場合は警告をすること。

シーン終了

各自のビルド調整、因果力チケット使用の宣言、プリプレイスキルの使用の宣言、部隊EXの選択が終了したらシーン終了となる 。

ミドルフェイズ

インタールード

ここからはミドルフェイズとなる。GMはミドルフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
オープニングフェイズが終了したので、各PCには【因果力】1点づつを配布しよう。

シーン名:パーティ訓練の終了
シーン種別

シネマティックシーン

解説

PC達はパーティ訓練を終わらせ、いよいよレイドに挑む。

目的

各種消耗表を振り、レイドに挑む。

【パーティ訓練の終了】

オーバーチュア

君達はパーティを組んで近隣のフィールドやダンジョンで連携を深めた。
最初はぎこちなかったがお互いの特技や動きを理解できるようになったのだ。
しかしレイドはここからが本番だ。
「あんた達もいい感じにこなれてきたね」
「そろそろレイドと行こうじゃないか」
そういって村に帰ってきた君達にビッグマムが声をかけます。

楽しい訓練の結果は……

訓練帰りの君達は結構疲れてる。消耗表の時間だ!
体力消耗表と気力消耗表を一回ずつ振ること。

1D 体力消耗表

1

[疲労:5]を受ける

2

[疲労:8]を受ける

3

[疲労:10]を受ける

4

[疲労:13]を受ける

5

疲労:15]を受ける

6

[疲労:18]を受ける

1D 気力消耗表

1

【因果力】を1点失う

2

【因果力】を1点失う

3

【因果力】を1点失う

4

【因果力】を1点失う

5

【因果力】を2点失う

6

【因果力】を2点失う

シーン終了

PC達が消耗表を振り終えたらシーンは終了する。
いよいよクライマックスフェイズだ。

クライマックスフェイズ

インタールード

ここからクライマックスフェイズとなる。GMは、クライマックスフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
ミドルフェイズが終了したので、各PCには【因果力】1点づつを配布しよう。

オーバーチェア

「でもあんた達、結構ドロドロだね」
「レイド行く前に温泉入っていきな」
パーティ訓練から帰ってきた君達にビッグマムさんが温泉を勧めてくれます。
さっぱりしたらいよいよ大規模戦闘に出発だ!

CL1:【温泉のレイドクマー】

シーン名:温泉のレイドクマー
シーン種別

シネマティックシーン

解説

PC達がビッグマムに連れられてレイドエネミーの棲家に行く。

目的

レイドエネミーに会う。

オーバーチェア

君達は村から離れた峡谷に案内されます。
「さあ、行くよ嬢ちゃん達!」
「どうでもいい野郎共もついてきな!」
ビックマムは元気よく君達を先導します。

モンタージュ

村から離れた峡谷を進んでいくともやもやと湯気が立ち上り、辺り一帯に源泉があるようです。
以外に整備された山道を歩いていくとひときわ大きな温泉が鎮座しておりにその中心に黄色い何かが浮いてます。
「おー、仕事前だってのにのんびりしてるねえ」
「出番だよ!起きな!」
そうビッグマムが声を張り上げると、とても大きな熊がざぶっと顔をあげます。
メギッ、ゴキッっと骨を鳴らしながら温泉からゆっくりと上ってくるその姿は非常に逞しく、筋肉は巨岩を通り越して鋼のようです。
その巨体からは雫がポタポタと滴り落ちてますが一瞬力を入れたかと思うと水分が全て吹き飛んでます。
君達の目の前に立つ頃には準備万端のようです。
「改めて紹介しよう!こいつはレッドマフラーベアー。レベル97。エネミーランクはレイド1」
「いろいろあって意思疎通できてね。レイド訓練に協力してもらってるわけさ」
ビックマムはにこやかに解説します。
そして楽しそうにレッドマフラーベアーの腹筋叩きますがカンカンと硬い音がしてます。
「さあ、いよいよ大規模戦闘だ。見守ってやるから頑張りな!」
そう言って彼女は君達から離れます。
さあ、戦闘開始です。

CL2:【Raid Battle Are you ready?】

シーン名:Raid Battle Are you ready?
シーン種別

ブリーフィングシーン

解説

エネミーとの戦闘に備え、PCたちが準備を整えるシーン。

目的

偵察や事前準備を行い戦いの準備を整える。

GMブリーフィング・チェックリスト

○[食料品]アイテムの消費による[疲労]の回復
○[準備]タグを持つ[障壁・再生・支援]等の付与(行動権を使用せず、ヘイトを戦闘時に持ち越さない)
○ 偵察を行う。

戦闘準備

 さあ、いよいよ大規模戦闘だ。この戦闘は通常の戦闘に比べて手ごたえのあるものになる。[準備]タグの特技やアイテムの使用をうながし、万全の状態で戦闘に挑めるようにしよう。
[偵察]タグを持つ行動に成功したPCがいたなら、以下のカットインを読み上げること。
カットイン

〈赤襟黄熊 (レッドマフラーベアー〉がすっと手をかざすとやにわに地面が盛り上がり棍棒が形成される。手に持って軽く(本人基準)スイングすると音を置き去りにしたショックウェーブが生まれてるらしく重すぎる音と共にビリビリと離れてる君達の方まで衝撃が伝わってくる!これは一筋縄ではいかないぞ!

シーン終了

戦闘の準備が整ったら、シーン終了となる。

インタールード

次はいよいよ戦闘シーンとなる。使用するエンカウントシートやマーカーなどを用意しよう。

シーン名:Raid Battle Ready Go!!
シーン種別

戦闘シーン

解説

エネミーと戦う戦闘シーン。

目的

エネミーを倒す。

CL3:【Raid Battle Ready Go!!】

いよいよレイドエネミーとの戦闘シーンである。『戦闘マップ』を開示すること。

GM戦闘前・チェックリスト

○ 戦闘マップの開示
○ PCのコマを戦闘マップに配置指示
○ エネミーのコマを戦闘マップに配置
○ プロップによる視線・射線の確認
○ PC・NPC間の交流、エネミーの描写
○ 戦闘開始

オーバーチュア

あまりにも大きな温泉を背に〈赤襟黄熊(レッドマフラーベアー〉が棍棒を担いで君達を見据えている。温泉への踏み固められた道の左側には生い茂った森林があり右側を見ると草が伸び放題になっている。
ここが僕らの戦場のようだ。

エネミーの戦術

 [ヘイトトップ]のPCを狙って攻撃する。
 レイドエネミーであるレッドマフラーベアーは強力なエネミー特技を備えている。
 《フルスイング /怒剛裂波 》は〔対象:ヘイト3以下〕の相手に対して二倍のダメージを与える一方で、《ギアを上げる》はクリンナップごとにPC全員に直接ダメージを与えた上にヘイト倍率を上昇させることができる。
 これはPC達に緻密なヘイト操作を強いることになる。またラウンドが進行するたびにヘイト倍率が上昇するために長引く=死の予感を感じさせるであろう。なお、レッドマフラーベアーは[地形]タグの効果を受けない為に温泉の効果を受けることはない。

【カットイン】 〔自身:本気〕状態で〔因果力2〕を消費して《怒剛裂波》を使用した

パンプアップした筋骨隆々とした腕を高々と上げると、腕が、銅が足先まで不気味な振動と異音を放ち始めます。
そのまま腕を振り下ろすと破壊的な衝撃波の嵐が全周に襲いかかる!

エンカウントシート(Raid Battle Ready Go!!)

A B C D E F G H
1 森林 茂み
2
3 温泉
4 クマ
5
6
7
8

配置状況

エネミー1

〈赤襟黄熊〉レッドマフラーベアー E4に配置する。

初期位置。PCたちはこの範囲内に登場する。

戦闘が終了した

 長く、苦しく、激しい戦いの中、PC達の渾身の一撃を何度も受けてようやくレッドマフラーベアーの動きが鈍っていく。
 そしてトドメの一撃が突き刺さり強大な体が崩れ落ち地響きとともに倒れ伏す!
 地響きが収まった後は先ほどまでの戦いが嘘のような静寂が辺りを包む。
 おめでとう! PC達は大規模戦闘を見事制したのだ!

戦闘に勝利したら、シーン終了となる。。ドロップ品のロールを行うこと。レイドボスのドロップ補正はハード以降から+1ずつドロップダイスに加算することを忘れないようにしよう。

エネミードロップ

〈赤襟黄熊〉レッドマフラーベアー
1~2 : 超高級蜂蜜[換金] 110G
3~5 : 砂金 [魔触媒5 ] (40G)×3
6 : 雄々しい角[コア素材](80G) & 超高級蜂蜜[換金] 110G
https://yamanee.info/lhz/db.html?362
7 : 巨人の髭[コア素材](50G)& 砂金 [魔触媒5](40G)×5
https://yamanee.info/lhz/db.html?267
8 : 巨人の髭[コア素材](50G) & 雄々しい角[コア素材](80G)
9 :アーマー・オブ・ブラッディ・オース[非売品]
https://yamanee.info/lhz/db.html?346
10~ :ヴェーザーの笛 《ヴェーザーのふえ》[非売品]
https://yamanee.info/lhz/db.html?268

オーバーチュア

PC達が勝利を噛み締めてるとレッドマフラーベアーはひょっこりと起き上がる。
え、あんなに苦労したのに倒してないって?これは訓練なのだ。
そのまま温泉に行って巨大なタライにお湯をくんで一流しするとざぶざぶ入って宝箱を抱えてレイドチームに差し出します。
討伐報酬のようです。
そして君達一人ひとりにサムズアップして健闘を讃えてくれます。

エンディングフェイズ

インタールード

ここからはエンディングフェイズとなる。GMは、エンディングフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
エンディングは、すべてのフェイズの中でも比較的変更が容易な部分である。エンディングの目的は物語を終わらせ、プレイヤーに満足をしてもらうことだからだ。

シーン名:戦闘が終わったらどうするって?宴会でしょ!
シーン種別

シネマティックシーン

解説

村に戻ってどんちゃん騒ぎの宴会する。

目的

物語を終わらせる。

E1:戦闘が終わったらどうするって?宴会でしょ!

オーバーチュア

PC達が傷を癒やしたり、互いの健闘を称え合ってると、ビッグマムが君達の方に来ました。
「おう、勝ったのかい?おつかれさん」
「どうだった?強かった?楽しかった?」

モンタージュ

君達の返答を聞いて満足気にうなずくと
「まずは帰って温泉に浸かって使って疲れを癒やしな。上がったら宴会にするよ。存分に騒ぎな」
「ああ、無論金の心配はしなくていいよ。円卓持ちのどんちゃん騒ぎだ!」
そういってみんなを引き連れて村に帰ります。

イタチブルグ村は大繁盛してる温泉村です。
たっぷりと温泉に浸って疲れを癒やしましょう。
宴会料理に舌鼓を打つのもよし、ルーソラ地方の地酒を楽しむのもよし、卓球や枕投げに興じるのもいいでしょう。
もちろんレイド戦闘を肴に飲むのもこの上なく美酒を味わえるでしょう。

報酬(PC1人あたり)

円卓会議からの報奨金として下記を得る。
1人頭500G。

シーン終了

PCたちのロールプレイが一段落したら、このシナリオは終了となる。
エンディングフェイズが終わったら、メインプレイを終了し、アフタープレイに移ること。

アフタープレイ

アフタープレイ」にしたがってアフタープレイを行なう。
このシナリオで配布するログチケットは以下のとおり。

◆プレイヤー
キャラクターランクアップ1枚、アザーゲット4枚
◆GM
キャラクターランクアップ1枚、財産ゲット(プレイヤー人数+1)枚、アザーゲット4枚

上記にくわえて、セッションに最後まで参加したプレイヤーとGMには「因果力ゲット」が1枚ずつ配布される。

セッションの終了

すべての処理が終わればセッションは終了となる。これにて今回の冒険は幕を閉じた。次なる冒険のためにいまは一時の休息としよう。お疲れ様でした!

データセクション

エネミーデータ

シナリオに登場するオリジナルのエネミーデータを記載する。ディベロッパーはこのエネミーデータを他のシナリオに使用してもよい。

〈赤襟黄熊〉 レッドマフラーベアー

ランク:4 レイド 自然 識別難易度:10

  • STR 3

  • DEX 2

  • POW 2

  • INT 2

  • 回避 4+2D

  • 抵抗 4+2D

  • 物理防御力 11

  • 魔法防御力 5

  • 最大HP 800

  • ヘイト倍率 ×3

  • 行動力 3

  • 移動力 2

  • 因果力 4

▼特技

《豪傑な熊》_常時_このエネミーは《シフト》を使用できない。このエネミーは[地形]タグの効果を受けない。

《ホームラン予告/腕試し》_セットアップ_自動成功_1体_4Sq_対象に[追撃:15]を与える。〔自身:本気〕この特技は 「対象:2体」になる。

《大爆走》_[移動]_ムーブ_自動成功_本文_ラウンド1回_このエネミーは3Sqまで[即時移動]をしてもよい。「移動時に1回でも同じSqにいたキャラクター(選択)」を対象とする。対象は[部隊:戦]タグを持つEXパワー1つを即座に使用済みにする。できない場合は[戦闘不能]になる。〔因果力1〕移動距離は+2Sqされる。

《フルスイング /怒剛裂波 》_[白兵攻撃]_メジャー_対決(7+2D/回避)_単体_至近_対象に[30+2D]の物理ダメージを与える。 〔対象:ヘイト3以下〕ダメージに+30する。 〔因果力1〕この特技を「対象:広範囲1(選択)」に変更する。 〔自身:本気〕この特技を〔因果力2〕「タイミング:メインプロセス 対象:広範囲2(選択)」に変更することができる。

《鬼速のノック / 痛恨撃》_[射撃攻撃]_メジャー_対決(5+3D/回避)_1体_2Sq_[45+2D]の物理ダメージを与える。 〔ムーブ〕この特技は 「対象:2体」になる。 〔マイナー〕この特技は「射程:3Sq」になる。〔因果力1〕ダメージに+5。〔自身:本気〕この特技のダメージロールに +10 。

《再行動》_本文_ラウンド1回_このエネミーが[行動済]になった時に使用する。このエネミーは即座に[未行動]となり、その後ラウンド終了時まで【行動力】が0となる。

《本気を出す》_[EXパワー]_本文_シナリオ1回_このエネミーの【HP】が350以下になったとき即座に使用する。このエネミーは[本気]タグを得る。その後《ギアを上げる》を使用してもよい。

《ギアを上げる》_クリンナップ_自動成功_広範囲20(選択)_至近_対象に10点の直接ダメージを与える。
[確定効果]このエネミーのBSを2つ解除するか、自身のヘイト倍率を+2してよい。ヘイト倍率の上昇は累積する。

▼ドロップ品
1~2 : 超高級蜂蜜[換金] 110G
3~5 : 砂金 [魔触媒5 ] (40G)×3
6 : 雄々しい角[コア素材](80G) & 超高級蜂蜜[換金] 110G
https://yamanee.info/lhz/db.html?362
7 : 巨人の髭[コア素材](50G)& 砂金 [魔触媒5](40G)×5
https://yamanee.info/lhz/db.html?267
8 : 巨人の髭[コア素材](50G) & 雄々しい角[コア素材](80G)
9 :アーマー・オブ・ブラッディ・オース[非売品]
https://yamanee.info/lhz/db.html?346
10~ :ヴェーザーの笛 《ヴェーザーのふえ》[非売品]
https://yamanee.info/lhz/db.html?268

▼解説
ひょんなことからイタチブルグに住みついたレイドランクの〈熊〉。人間との関係は良好で美味しい食べ物と居心地の良い住処と温泉を提供する見返りとしてレイド訓練に協力している。レベルは90を超えており本来ならばレイド初心者を歯牙にもかけない実力を持ってるが手加減によって胸を貸している。とはいえその打撃力はレイドチームを壊滅することはたやすいだろう。そのおそるべき筋力とタフネスさはレイド初心者を絶望させるのは十分であり時間が経過するごとに攻撃バフが積み上がっていくために短期決戦を要求される。削り倒すか薙ぎ払われるかのデットヒートに競り勝つしか勝利の道はない。なお、イタチブルグにはボロボロの状態で子供を伴って現れており来るまでになにがあったのかは本人は黙して語らない。

レイドエネミー作成指針
 レイドはノーマルの5~10倍のHPや強力な特技をもち、大規模戦闘(レイド)拡張ルールを用いた戦闘において運用されることが前提のランクとなっています。
レイドエネミーは単体で登場するソロレイドと、ノーマルエネミー(と、場合によってはモブエネミー)を引き連れて登場する群れレイドの2種類に大別できます。
ソロレイドはPCの前に(基本的に)単身で現れるボスです。HPはノーマルエネミーの10倍にしましょう。手数が少なく、BSにより封殺され易いので、セットアップかクリンナップで広範囲20にダメージを与えつつBSを解除する特技を持たせるべきでしょう。
CR4以上では複数BS解除や強制移動を含めた、より強力なデザインが必要となります。また、《レイドボスの多段階行動》などの3回行動が可能な特技を取らせてもいいでしょう。
群れレイドは2~4体の部下を伴ってPCの前に現れるレイドエネミーです。HPはノーマルエネミーの5~8倍となっています。これらの部下はあくまで群れボスの能力の一部として出現するためドロップ品を落としません。
群れレイドエネミーは部下を伴って出現するために、部下を援護する能力や、部下と連携する能力、そして部下に命令を与える能力をあたえると戦闘として機能しやすいでしょう。従える部下は【最大HP】に+CR×10するといいでしょう。
レイドはその特性上行動回数がPCたち全体よりも少なくなりがちです。そのため《再行動》に代表される行動回数増加は必須でしょう。また、ボスの特性である【因果力】を所持しているためこれをコストとする特技も必要です。
もっとも簡単なのは「〔因果力1〕この特技を「対象:範囲(選択)」にする」という実行条件をメジャー特技に持ち込むことです。また、[攻撃判定]を【因果力】で増加することが容易なため〔達成値n〕などで威力が上がる攻撃も使いやすいでしょう。
さらに【部隊】タグを持つEXパワーを消費させる強力な特技をもたせるべきです。

プロップデータ

シナリオに登場するオリジナルのプロップデータを記載する。ディベロッパーはこのデータを他のシナリオに使用してもよい。

温泉

プロップ ランク:4 地形 オブジェクト

  • 探知難易度 自動

  • 解析難易度 自動

  • 解除難易度 不可

▼効果・解説
〔滞在〕対象は[因果力1]を得る。同時にヘイトが+3される。
温泉気持ちいい?でも大規模戦闘中なんだよ?ぶち殺すね。

茂み

プロップ ランク:4 地形 天然

  • 探知難易度 自動

  • 解析難易度 自動

  • 解除難易度 不可

▼効果・解説
〔接触〕対象は[軽減(至近以外からの攻撃):5]を得る。この効果は対象がこのプロップから離れるまで持続する。
繁茂した刈り取られていない茂み。

生い茂った森林

プロップ ランク:4 地形 天然

  • 探知難易度 自動

  • 解析難易度 自動

  • 解除難易度 不可

▼効果・解説
〔接触〕対象は、至近以外からの攻撃に対する[防御判定]に+1Dされる。また、対象が行なう至近以外への攻撃の[攻撃判定]に−1Dされる。この効果は対象がこのプロップから離れるまで持続する。
鬱蒼と生い茂った森林。

デベロッパー情報
シナリオ作成

文@文月

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