ケジメのダンジョン鍋

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このシナリオはCR3のPC用にデザインされている。プレイヤー人数は3~5人対応、推奨は4人となる。プレイ時間は3~4時間ほどであり、この種のシナリオとしては中小規模のボリュームを持っている。

オンラインでのセッションの場合は、さらに時間がかかるため、通して遊ぶ場合はイベントごとに一区切りし2~3回に分割して遊ぶ事を検討しよう。

ミッションや戦闘のマップなどはこちらのURLにまとめられています。
http://kimipuro.sakura.ne.jp/LHTRPGs0301_DarkNabe.zip

このシナリオは、2016年夏のコミックマーケット90より頒布している『アキバの街のGM出張版2016夏』に封入されている8本の内の1つです。
興味がありましたらこちらに委託されていますので、ご参照ください。

GM向け情報

シナリオ背景

〈大災害〉から半年以上が経過した11月の下旬頃。
PCたち一行は、アキバの北西、馬で数日の距離にあるナロウマウント王国の南端、エルフの村『ウィジャ』とドワーフの村『ケイヴ』という二つの村を訪れる。
二つの村は長い対立関係にあったが、全ての元凶はこの地を征服しようとする悪の死霊魔術師にあった。
この黒幕を撃破し陰謀を解決したPCたちは、今後の村々の友好を結ぶべく奔走することになる。

この騒動で新しく村長に選ばれたエルフのプリズムと、同じく新村長のドワーフのアクセルの二人の協力の下、この地方の伝統に従って一定の条件下での食材集めに、洞窟で見つけた獲物を狩って友好の鍋パーティを行えばシナリオクリアとなる。

PC番号およびシーンプレイヤーの扱い

このシナリオでは、PC番号を使用せず、またシーンプレイヤーも指定しない。GMは必要であれば任意にシーンプレイヤーを指定してもよい。

プリプレイ

ここからはプリプレイの情報を記載する。プレイヤーたちにハンドアウトを渡したら下記の「今回予告」を読み上げよう。その後は手順に従ってキャラクターを作成し、難易度を選択しよう。

今回予告

長く冷戦状態だったエルフの村とドワーフの村が雪解けの機会を迎えた。
だが村々には、未だ妨げとなる因習があるのだった。
何もかもランダムにブチ込んだ鍋パーティが始まる!

ログ・ホライズンTRPG
『ケジメのダンジョン鍋』

魂の翼持つ〈冒険者〉たちよ、地平線の彼方に古き伝統を守れ!

――闇鍋こわい。

レギュレーション

このシナリオは以下の環境で遊ぶことを想定して作成されている。GMの決定した難易度によって【因果力】が増減するため忘れず反映すること。

使用ルール

  • 『ログ・ホライズンTRPGルールブック』

  • 『ログ・ホライズンTRPG拡張ルールブック』

GMが許可するのであれば「ログホラ・ウェンズデイ」や「セルデシア・ガゼット」の追加データを使用してもよい。

推奨キャラクター

このシナリオはCR3のキャラクター3人から5人を対象に遊ぶことを想定している。すでにいくつかの冒険を経験したプレイヤーがCRを上昇させた環境を念頭に置いているが、新たに「ハイコンストラクション」でキャラクターを作成してもよいだろう。4種類の「アーキ職業」のキャラクターが全て揃うようにすることを強く推奨する。プレイヤーの人数が少ないときは、「戦士職」と「回復職」のキャラクターを優先すること。

おすすめサブ職業

このシナリオには、食材を選ぶミッションが存在する。このミッションに置いてボーナスを得られるサブ職業は以下の通りだ。プリプレイの際に参考にしてほしい。

〈戦司祭〉〈祈り手〉〈占い師〉〈星詠み〉〈怪盗〉〈賭博師〉〈武侠〉〈無法者〉

状況の解説

PCの立場

PCたちは全員、アキバの北西、馬で数日の距離にあるナロウマウント王国の南端、エルフの村『ウィジャ』とドワーフの村『ケイヴ』に来ている。
11月下旬の今、長く冷戦状態にあった二つの村は冒険者たちの活躍によって元凶は取り除かれ、PCたちは巡回警備と仲介役としてこの村々に滞在している。友好の兆しと復興が始まったばかりだ。

ユニオンの結成

このシナリオではPCたちは先の問題を解決するべく一緒に冒険をしてきた仲間である。PCが希望するならば、「ユニオンの取得(ルールブックP76)」および「セッション中のパーソナルファクター取得(ルールブックP286)」に従ってこれらを取得してもよい。

使用するEXパワー

このシナリオではPCには専用EXパワーは存在しない。

セッション難易度

以下の難易度から1つ選択する。そのとき『ログ・ホライズンTRPG』未経験者がプレイヤーに含まれているのであれば「難易度:イージー」を選ぶこと。

イージー

PC全員の【因果力】+1

ノーマル

特になし

ハード

GM用【因果力】+PC人数と等しい数

オープニングフェイズ

GMはメインプレイとオープニングフェイズの開始を宣言し、次のシーンのシーン予告をすること。

インタールード

シーン予告の内容は、次のシーンのシーン定義を目的から順番に読み上げるとよい。プレイヤーからのシーン要望が無ければ、そのまま次のシーンを開始する。
シーン予告とシーン要望の確認は以降のインタールードでも毎回行なうこと。また、このシナリオでは、基本的にすべてのシーンにPC全員が登場する。GMはこれもプレイヤーに伝えよう。
GMは下記、地域情報のコラムも一読すること。

ナロウマウント王国

アキバの北西、馬で数日の距離にあるナロウマウントには、ヤマト東部最大のエルフ王国が存在する。
丘陵地帯に生い茂った森や、清浄な湖として著名なスフィアレイクなど、風光明媚な自然に半ば埋もれるように都市が築かれており、典型的なエルフの居留地と言えるだろう。
また〈大災害〉を経て〈冒険者〉の料理技術が流入し、この地に根付く〈エルフ〉の伝統料理と融合して新たな名物料理も生まれている。
リアルの埼玉県狭山市にあたる。

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シーン1「これまでのあらすじ!(ばばーん)」

シーン種別

シネマティックシーン

解説

PCたちが二つの村にまたがる陰謀を解決した、と言う回想シーン。

目的

これまでの状況を把握する。

シーンが始まったら「オーバーチュア」を読み上げ、シーン開始時の様子を描写しよう。以降のシーンも、開始したらまず「オーバーチュア」を読み上げること。
「モンタージュ」には、シーンが変化した描写とそれを読み上げるべきタイミングが記載されている。これは厳密なものではないので、GMはPCたちの反応を見つつ、ロールプレイが一段落したなどの区切りの良い場面で「モンタージュ」による変化の描写を行うとよい。以降のシーンでも同様にプレイをすればよいだろう。
このシーンはPCたちが幾たびの冒険の末に、この地を征服しようとする悪の死霊魔術師を滅ぼし、陰謀を解決した、と言う『回想』シーンだ。

オーバーチュア

※あくまでもこのシナリオはパロディです(笑)

ナレーション
「エルフの村ウィジャと、ドワーフの村ケイヴ。百年に及ぶこの二つの村の相争いは全て、悪の死霊魔術師『ブラックカーテン』の陰謀であったのだ!」

悪の死霊魔術師(以後、ブラックカーテン)
(PCたちを高いところから見下ろしつつ)
「グワハハハハハ、良くぞ我が企みを見破ったな冒険者ども!」

ナレーション
「いままでどれだけの怒りと悲しみがあっただろう、しかし、冒険者たちの活躍によって元凶は迷宮の最深部に追い詰められたのであった!」

ブラックカーテン
「貴様たちは我をこの場所に追い詰めたつもりであろう。だが、ココが貴様ら終焉の地と知るがいい!」

ナレーション
「がんばれ(戦士職)! 負けるな(回復職)!!」
「(武器攻撃職)の刃が疾る! (魔法攻撃職)の詠唱が奔る!!」

PCたちは何やら迷宮の最深部でいかにも悪の黒幕っぽい黒フードの魔術師を追い詰めている。
激しい剣戟と魔法詠唱の末に、お約束の噛ませっぽいセリフ(笑)を吐きながら敵を撃破した!

モンタージュ:ありがとうそしてありがとう

※あ本当にあくまでもこのシナリオはパロディです(笑)

ブラックカーテン
「グワァァァァ! 冒険者どめ、よもや我を倒すほどの力を持つとは!?」
「だが覚えておくが良い、人々が驕り続ける限り、やがて第2第3の我が現れるであろう!!」
「ウボァー!!」

ナレーション
「正義の刃はブラックカーテンを捕らえ、悪は滅びた!!」
「ありがとう冒険者たち、本当にありがとう! かくて二つの村々には永遠の平和が訪れたのであった――」

(回想シーン終わり(笑)

飄々としたドワーフの男性(以後、アクセルさん)
「――って、世の中そんな上手く行かないよね。オジサン困っちゃう」
凛々しいエルフの女性(以後、プリズムさん)
「そうだね、助けてくれた冒険者のみなさんには申し訳ないけど、後始末まで付き合って欲しいな」

GMはあくまでも冒頭のつかみとして、いかにも熱血特撮ヒーロー的ベタな最終回演出でPCたちにロールプレイさせて欲しい。
そして、大きなクエストの後片付けとしてのシナリオであることを示唆し、後のNPCたちが信頼できる人物であると誘導するべきである。

シーン終了

PCたちが回想を終えたところで、シーン終了となる。

インタールード

次のシーンは対立状態にあった二つの村々の村長たちから、事件の後始末としての依頼を請けるシーンである。

シーン2「そんな簡単には世の中上手く行かないよね」

シーン種別

シネマティックシーン

解説

二人の村長から相談されるシーン。

目的

依頼を請ける。

このシーンはエルフたちの『ウィジャ村』の村長プリズムと、ドワーフたちの『ケイヴ村』の村長アクセルからの、二つの村々の友好に関する依頼と相談のシーンだ。

オーバーチェア

悪の黒幕は討伐され『ウィジャ村』と『ケイヴ村』に平和が訪れた。アキバの街より後続部隊が派遣され、面倒な残敵掃討や書類事務は円卓会議の事務方に引き受けてもらっている。
(さぞかしシロエ(原作の主人公)の胃が痛くなっただろう)
二つの村はもはや対立する必要も無く、今後の未来を見据えて相互に友好と通商事業を行う――そのはずだったのだが。

PCたちはウィジャ村でのんびりと戦いの傷を癒そうと惰眠をむさぼったり復興を手伝ったりしている。
ひととおりロールプレイが終わったところで、二人の村長から呼び出される。
GMは「二人の村長」を一読すること。
プリズムとアクセルはこのような背景でPCたちの助力を求めている。彼らとPCたちを会話させよう。

二人の村長

ここではエルフの『ウィジャ村』の村長プリズムと、ドワーフの『ケイヴ村』の村長アクセルとの依頼と相談のシーンに関するアドバイスをまとめる。二人はシナリオの中心的なNPCなので事前に把握しておくと良い。

二人の村長の背景

彼らは共に事件を解決したPCたちと強い信頼関係を得て、互いの村を発展させたいと思っている。しかし、新米村長の彼らでは、いままでの軋轢と頭の固い古老たちの手前、革新的な行動が取れないでいた。

“アキバかぶれの”プリズム

NPC 大地人 女性 エルフ 武闘家 占い師 武人 ヴィジャ村 新米村長 腐女子

▼解説
この度の騒動で村長になった(押し付けられた)人物。
元々この村の生まれではあるが、騒動の前は長くアキバに居たため冒険者たちに強い理解がある。
エルフ女性にしては長身でベリーショートにした髪型に、モデル風の中性的な美女。若い娘たちに黄色い声を掛けられそうな凛々しい風貌に見えるが、骸骨の騎士を一騎打ちで撃破した豪傑。
アキバの同人誌作家〈古書店ひよこ堂〉の比翼子(ルールブックP355)のファン。ぶっちゃけBL沼の住人。
なお、今回(かなり)年下エルフの旦那さんをゲットしたとのこと。
▼セリフ
「ふっ、重ね重ね問題は起きるものだな」
「私が愛するのはBLという名の浪漫……じゅる」
「一意専心色即是空――ワイバーンキィック!」

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“軽重を問われる”アクセル

NPC 大地人 男性 ドワーフ 吟遊詩人 料理人 芸術家 ケイヴ村 新米村長 ヘビメタ

▼解説
この度の騒動で村長になった(押し付けられた)人物。
元々この村の生まれではあるが、騒動の前は長くアキバに居たため冒険者たちに強い理解がある。
ドワーフにしては長身・無精ヒゲのイケメンオジサマ。喰えない飄々とした頼りなさ気な風貌だが、ゾンビの群れのただ中をカイティング(掻き回し戦術)で立ち向かった勇士。アキバの冒険者ヘヴィメタルバンド〈サイクロプス〉のボーカル、アバル閣下(ルールブックP354)のファン。なお、今回先祖が隠した財宝を見つけて小金持ちになったとのこと。
▼セリフ
「また厄介ごと押し付けられちゃったよぉ……」
「オジサンはギターだけ弾いて暮らして生きたい」
「決める時は決めるぜ、オジサンだってなぁ!」

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二人の村長とのPCの関係

オープニングシーンで出会ったあと、PCに対して「『凸凹村長コンビ』にコネクションを取るか?」を尋ねること。希望者がいる場合アザーチケット1枚で「『凸凹村長コンビ』に対するXXX」というコネクションを取得できる。プリズムとアクセルの個別でも構わない。
XXXは感情だ。「親愛感」「好奇心」「呆れ」「友情」あたりが適当だろう。

二人の村長の反応

キャラクターの持ってるタグによって村長たちの反応を変えるのも面白い。代表例をいくつかあげてみよう。

[ドワーフ]のPCに:アクセル「よぉ、ご同輩! え、軽いって? これからのドワーフはこうだよ」

[吟遊詩人]のPCに:アクセル「オジサン、アキバで ギターとヘビメタにハマちゃってね」

[料理人] のPCに:アクセル「トマト料理が得意 かな、肉でも魚でもあうよねぇ」

[オジサン]のPCに:アクセル「男は渋くなってから が本番だぜ?」

[ヘビメタ]のPCに:アクセル「〈サイクロプス〉の アバル閣下カッコイイよねぇ! でもみんなうるさい って言うんだよ(ショボン)」

[エルフ]のPCに:プリズム「エルフだからといって 閉鎖的な考え方は如何なものかと思うのだ」

[武闘家]のPCに:プリズム「得意技はワイバーンキックとシャドウレスキックだよ」

[占い師]のPCに:プリズム「ペンデュラムと占い盤を使った厄避け程度なんだがね、良く相談されるよ」

[既婚者]のPCに:プリズム「――婚き遅れなんかじゃないやい。もう誰にも嫌味は言わせないぞ」

[腐女子]のPCに:プリズム「時に聞くが〈古書店 ひよこ堂〉の新刊は――いや、なんでもない」

モンタージュ:新村長は大変なんですよ。

アクセル「あ、ども。みなさんお疲れさん」
プリズム「みなさんにはこの度の事では本当に感謝している」
アクセル「お陰でオジサンたち新しい村長役を押し付けられちゃったよ」
プリズム「長老たちが若いのを扱き使おうという魂胆が見え透いて困るな(苦笑)」

アクセル「それで、今後の村々の事なんだけれどね。そう上手く行かないと思うのよ、オジサンとしては」
プリズム「まぁ、これからの生活にお互い支障がないように、友好と言うか、取っ掛かりを見つけようと思ったのだ」
アクセル「ほら、いくら元凶を撃破したところでいままでの遺恨はそのままでしょ?」
プリズム「事件が解決したとて、残った遺恨は毒の様に蝕み続ける……」

アクセル「それでな、オジサン考えたわけよ。いままでの経緯で対立が続いていたんだったらさ」
プリズム「もっと古い風習持ち出してひっくり返してしまえば良いのではないかな、と」
アクセル「それで、なんだけど。この地方にはある一定の規定で集めた食材で一緒に鍋を食べるという調停の作法があってね」
プリズム「我々ウィジャ村と、先方のケイヴ村では若干のその条件に違いがあるが、大筋は一緒だ」

アクセル「それには外部の調停者、つまりみなさんの協力が必要だけど、お願い出来ないかなぁ、ってね」
プリズム「『一定の規定』の詳細に違いはあれど、『外部の調停者』という下りは二つの村で全く一緒なんだ」

プリズム「私たち『ウィジャ村』の規定は、村人たちが持ち寄った食材を『祖霊の方陣』という占いで決める事」
アクセル「オジサンたち『ケイヴ村』の規定は、近くにある聖地『豊穣の洞窟』で狩った獲物を必ず食べる事」
プリズム「報酬は100G。また、かなりの量を作るので、余った鍋の中身と使わなかった具材や物資は差し上げよう」

(PCたちが依頼を了承したら)
アクセル「同じ鍋を食べた後でグダグダ言うなってことだね。調理はオジサンがやるから心配しなくていいよ。これでもアキバのリングイネで料理人してたんだぜ」
プリズム「それでは、食材集めの説明に入るとしよう……」

想定される質問と答え(Q&A)

祖霊の方陣って?

プリズム「村を見守る祖霊に感謝し未来を占う儀式だ。ぶっちゃけてしまえば『こっくりさん』だよ」

豊穣の洞窟って?

アクセル「村の近くにある洞窟だね、イノシシとかフクロウ熊とか出るよ。稀にヘンなのが沸くけど」

リングイネって?

アキバの街で〈大地人〉が経営する玄人好みの居酒屋兼食堂。美味いトマト煮を出す。ゲームの文化的設定の影響なのか、〈大地人〉による飲食店はその殆どが素朴な西洋風料理店。

シーン終了

PCたちが二人の村長の依頼を了承したら、シーン終了となる。オープニングフェイズを終了し、ミドルフェイズに移行すること。

ミドルフェイズ

ミドルフェイズにおいてPCたちはいよいよ事件の細部に関わっていく。

インタールード

ここからはミドルフェイズとなる。GMはミドルフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。オープニングフェイズが終了したので、各PCには【因果力】1点づつを配布しよう。

シーン3「好きな物持って来ればいいって聞いた」

シーン種別

シネマティックシーン

解説

プリズムから『祖霊の方陣』について説明されるシーン。

目的

ミッションの解説を受ける。

次のシーンで使用する『祖霊の方陣』の説明シーンだ。
「ミッションシート:祖霊の方陣」を開示すること。

オーバーチュア

集会場と思しきウィジャ村の広い屋内で儀式の準備が行われている。
壁面には村人たちが興味深そうに眺めていた。床一面には7×7に区切られた巨大な長方形の方陣が描かれ、その内部には村人たちが持ち寄ったらしい様々な食材が、中央には樽状の小型ゴーレムが配置されている。
方陣の脇にある広い机には一抱えほどの同じく7×7に区切られた金属板とその上に振り子が設置されている。どうやら、振り子の動きとトーテムポールは連動して動くようだ。
つまり、振り子が動いてミニゴーレムが食材を回収して行く仕組みなのだろう。しかし、集まっている食材の内容がカオスだ……。

モンタージュ:どいつもこいつも

プリズム「良く来てくれたな。まぁ、楽にして欲しい」
プリズム「察してくれたと思うが、我々の祖霊、すなわち死して尚我々を見守ってくださる祖先たち。彼らがキミたちの身体を通じて振り子を動かし、その結果を見て対応する場所の食材をまとめて鍋にするという簡単な儀式さ。身体に支障とかも出る事は無い。とは言え、その結果は絶対だ。どんな物が出ても、どのような組み合わせでもありがたく食べる事」

村人たち「美味しいのがいいなぁ」
村人たち「ボクお肉たべたーい」
村人たち「あ、ピーマンは外してお願い頼むぷりーづ」
村人たち「わしゃぁ、激辛が好きじゃぁ」
村人たち「カレーならば全てをカレーにしてくれる教」
村人たち「三日月同盟のおねえちゃんにマヨネーズもらったの」
村人たち「ブルーチーズはピザにすると美味しい。これってトリビアになりませんか?」

プリズム「やかましいわー! どいつもこいつも好き勝手にワガママ言いおって……(ギロリ」
村人たち「「「「「「はい、美味しく頂きます」」」」」」

ミッション『エルフ村の食材こっくりさん』

エルフたちの信じる《祖霊の方陣》に従い、鍋の中に入れる食材を選ぶミッションである。
まず最初に、ミッションシート《祖霊の方陣》のスタート位置に占いマーカーを置く。
次に、8つある空欄にPCたちが相談の下、任意の食材を任意の位置に書き込む。
その後、『2ラウンド』(4人パーティなら8回行動)を下記のシナリオ動作を行う。
『待機』は可能だが、シナリオ動作をパスは出来ない。
一度入ったマス(スタート位置も含む)に再度入った場合、『ランダム移動表』の場所に移動し、移動先のマスの食材を得る。このミッションで入手した食材を記録し、鍋の具材とする。

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シナリオ動作(2種類)

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シナリオ動作

  • タイミング メインプロセス

  • 判定 基本(知覚or解析/8)

マーカーを『縦か横に、1マス』移動し、移動先のマスの食材を得る。
〔達成値11〕マーカーを『縦か横に、直線2マス』移動し、移動先のマスの食材を得る。
〔クリティカル〕マーカーを『緑のマスの任意の位置』に移動し、移動先のマスの食材を得る(緑のマス=PCが決めた食材)
〔判定失敗〕マーカーを下記『ランダム移動表』の場所に移動し、移動先のマスの食材を得る。
〔自身のサブ職:戦司祭,祈り手,占い師,星詠み〕この行動の判定に+2する。

ばれなきゃいかさまじゃねえんだぜ

シナリオ動作

  • タイミング メインプロセス

  • 判定 基本(運動or操作/10)

マーカーを『斜めに、1マス』移動し、移動先のマスの食材を得る。
〔達成値13〕マーカーを『斜めに、直線2マス』移動し、移動先のマスの食材を得る。
〔クリティカル〕マーカーを『任意』の位置に移動し、移動先のマスの食材を得る。
〔判定失敗〕マーカーを下記『ランダム移動表』の場所に移動し、移動先のマスの食材を得る。
〔自身のサブ職:怪盗,賭博師,武侠,無法者〕この行動の判定に+2する。

ランダム移動表(D66)

ダイス 横軸 縦軸

A行

1列

B行

2列

C行

3列

E行

5列

F行

6列

G行

7列

※D行と4列は無い

想定される質問と答え(Q&A)

なにこれ。

プリズム「これは占いだ。イイネ?(ガン見)」

このミッションの勝利条件は?

いわゆる勝利条件はありません。強いて言うなら自動に勝利します。データ的にはフレーバーだけです。でも、ヘンな鍋になると、さぞかしみんなガッカリすると思うよ(ぇーw

8つある空欄って?

B2・B4・B6・D2・D6・F2・F4・F6の『緑色のマス』8ヶ所。例えばPC4人なら1人2ヶ所書けば良いんじゃないかな。

このマスの配置はどういう基準?

スタート地点の周囲8マス(黄色いマス)が調味料。四隅が高級食材。その隣のマスがアカン枠だ。他の部分が食材。基本的に野菜しかないので、果物とか穀類とか、加工食品を置くと良いんじゃないかな。

GMはオリジナルのミッションシートを作成しても構いません。その際は上記基準を参考にして下さい。
端っこは壁?

はい、進めません。例えば、B1にいるときに2マス移動でも、左2つ移動でG1にループとかダメです。

以前入ったマスにまた入ったら?

1回入ったマス(スタート地点も含む)に入っちゃうと、強制ランダム移動。

ランダムで以前入ったマスにまた入って、さらにランダムでまた他の以前入ったマスに入ったら?

まだ入ってないマスに入るまで、何回でもランダム移動。

なんでこんな食材入れたんだよ!

エルフの幼女「ふぇぇ、村長さんが『貴女が好きなもの入れなさい』って言ったから……」

シーン終了

PCたちが占いの説明を受け、準備を終えたところでシーン終了となる。

インタールード

次のシーンは食材集めのミッションとなる。GMはミッションの開始をプレイヤーに宣言しよう。

シーン4「エルフ村の食材こっくりさん」

シーン種別

アブストラクトシーン(ミッション)

解説

PCたちが『祖霊の方陣』を使用するシーン。

目的

ミッションの結果を記録する。

『祖霊の方陣』を使用するアブストラクション(抽象)シーンだ。「ミッションシート:祖霊の方陣」を参照すること。

オーバーチェア

プリズム「力を抜いて、方陣に手を乗せてくれ。それでは占いの儀式を始めよう――」

『祖霊の方陣』は比較的小型のミッションだ。
このミッションには勝利条件も敗北条件も存在せず、ミッションの結果は後の展開に影響を与えない。
GMはこのミッションについて、ロールプレイ重視で和気藹々と遊んでもらうことを心がけるべきだろう。

モンタージュ:その結果は

(まとまった結果に落ち着いた場合)
プリズム「まぁ、普通の鍋といった感じか」
村人たち「「「「「「祖霊に感謝を」」」」」」

(どう見てもカオスな結果だった場合)
プリズム「これはひどい」
村人たち「「「「「「これは闇鍋ではないのか」」」」」」

シーン終了

PCたちが『豊穣の洞窟』に向かえばシーン終了となる。ミドルフェイズの終了にともない、PC全員に【因果力】を1点づつ配布すること。

クライマックスフェイズ

いよいよクライマックスフェイズである。ここでプレイに休憩を挟むと良いだろう。

インタールード

ここからクライマックスフェイズとなる。GMは、クライマックスフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
 ここからは『豊穣の洞窟』おもむき、獲物を狩る展開となる。次のシーンはブリーフィングだ。

シーン5「一応確認するけどおまえらも食べるのよ?」

シーン種別

ブリーフィングシーン

解説

エネミーとの戦闘に備え、PCたちが準備を整えるシーン。

目的

戦闘の準備を整える。

次の戦闘シーンは、手ごたえのある戦闘になる。[準備]タグの特技やアイテムの使用をうながし、万全の状態で戦闘に挑めるようにしよう。

オーバーチェア

明かりの無い洞窟。中には獣の臭いと唸り声が時折聴こえて来る。
ひょっとしてこの中には『食べられる』モンスターと『食べられない』モンスターがいるのではないだろうか。
そう、例えば、スライムとか――
聴こえないか? べちょり、べちょりと言う触手とか、粘着性の――

野生の獲物たちは暗闇の中に慣れているかも知れないが、冒険者たちはそうとは限らない。明かりを灯すアイテムか特技が無ければ苦戦は必須だろう。用意があるなら必ず使うべきだ。
アクセルから狩猟の儀式の説明を受けながら戦闘準備を行ったことにすると雰囲気が出るだろう。

モンタージュ:食材狩りの時間だァ!

アクセル「ここが『豊穣の洞窟』だよ。この聖地で、
『最初に倒した4体の獲物』を使うってのが条件なんだ」
アクセル「普段なら〈フクロウ熊〉や〈冠恐鳥〉が出るよ」
アクセル「それで肉鍋としゃれ込もうじゃないか。準備は良いかい、暗闇対策はちゃんとあるかな?」

[偵察]タグを持つ行動に成功したPCがいたなら、以下のカットインを読み上げること。

カットイン:[偵察]成功

暗闇に目を凝らすとモンスターの影が確認できた。
奥から3メートル以上はあろうかと言う毛皮の巨体が立ち上がって来た!

どんな獲物がいるの?

〈フクロウ熊〉って?

深い森に生息する、フクロウの頭部を持つ熊の魔獣。毛皮は防寒性に優れ、肉は美味である。比較的高価な値で取引される。鍋に最適。

〈冠恐鳥〉って?

体高2mを超える二足歩行の巨大な肉食性鳥型モンスター。引き締まった腿肉、巨大で滋養に富んだ卵、香辛料として好まれるクチバシや爪など、〈大災害〉後は食材としても人気が出てきているようだ。

なんかいまスライムって言わなかった!?

不定形をした緑色のゲル状人工生命体。防具を溶かす体液や自在に変化する触腕で獲物を弱らせ、取り込もうとする。主に湿度の高いダンジョンに棲息し、音もなく天井や壁を這いまわる。
 ゲル状のため淀んだ水たまり等との区別ができず、薄暗いダンジョンでは発見および対策が困難。さらに体液が防具の性能を劣化させる特性もある。

そういうことじゃなくて!

なんだって!? 聞こえないなぁ!!

シーン終了

PCとGMの戦闘準備が完了したなら、シーンを終了する。

インタールード

次は『豊穣の洞窟』にて獲物たちとの戦闘シーンとなる。使用する戦闘マップなど、戦闘に必要なものを用意しよう。次のシーンは洞窟内である暗闇のプロップが適応される。処理を間違えないよう注意しよう。

シーン6「ドワーフ村の食材だんじょん」

シーン種別

戦闘シーン

解説

獲物となるエネミーと戦う戦闘シーン。

目的

4体のエネミーを倒す。倒したその時点で強制終了となる。

『豊穣の洞窟』にて獲物たちとの戦闘シーンである。
戦闘マップ『豊穣の洞窟』を開示すること。

オーバーチュアを読み上げ、洞窟の暗さ、不気味さを演出しつつ、PCの戦いへのモチベーションを高めよう。アクセルからの台詞を適宜まぜてやってもいいだろう。

オーバーチュア

〈冒険者〉たちは洞窟の入り口を見つける。手前にはまだ外の光が差し込み薄暗い程度だが、奥の方には自然の光が届くことはなく暗闇に包まれている。そこにはきっと獲物たち待ち構えているのだろう。不安を感じながら一歩踏み込んだ。暗闇に目隠しされた状態での一筋縄ではいかない戦いが待っていた。

GMへのアドバイス

【暗闇】によって視界を著しく制限された上に横幅を制限されたマップである。
CR3ともなるとキャラクターたちもプロップや消耗表など、様々な障害への対応手段を備えている頃だろう。
また、脅威が様々な形で立ちはかだるようになって、新しい体験ができてこそのCR上昇でもある。成長した対応能力を十分に発揮させてみよう。

バトル『ドワーフ村の食材だんじょん』

ドワーフたちの聖地《豊穣の洞窟》に侵入し、食材を狩る戦闘である。ただし、狩った獲物(撃破したエネミー)はエンディングで、全て食さなければならない。

4体目撃破時に強制終了。
(範囲攻撃等で同時に5体目以上撃破した場合、それら超過分も食材の対象となる)

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プロップ一覧

暗闇

プロップ 空間 天然

  • 探知難易度 自動

  • 解析難易度 自動

  • 解除難易度 不可

〔接触〕対象は、他の全てのキャラクターから見て[隠密]状態であるとして扱う。また、対象から見て、他の全てのキャラクターは[隠密]状態であるとして扱う。この効果はこのプロップから離れるまで持続する。

洞窟の壁

プロップ 空間 天然

  • 探知難易度 自動

  • 解析難易度 自動

  • 解除難易度 不可

侵入不可であり、両側の射線を遮る。

薄暗がり

プロップ 空間 天然

  • 探知難易度 自動

  • 解析難易度 自動

  • 解除難易度 不可

このプロップは【暗闇】類似として扱う。
〔接触〕対象は、至近以外からの攻撃に対する[防御判定]に+2される。この効果はこのプロップから離れるまで持続する。

洞窟の地面

プロップ 空間 天然

  • 探知難易度 自動

  • 解析難易度 自動

  • 解除難易度 不可

何の効果も無い地形。

エネミー一覧(識別前)

フクロウ熊 《オウルベア》

ランク:2 幻獣 暗視

  • 行動力

緑不定形 《グリーンスライム》

ランク:3 モブ 人造 暗視

  • 行動力

走り松茸 《マツタコニド》

ランク:3 自然 植物

  • 行動力

彷徨う鎧 《リビングアーマー》

ランク:3 人造 暗視

  • 行動力

冠恐鳥 《ディアトリマ》

ランク:1 ボス 自然

  • 行動力

筍イノシシ 《バンブーシュート・ボア》

ランク:1 自然

  • 行動力

人食い草 《トリフィド》

ランク:1 モブ 自然 植物

  • 行動力

人食い果実・苺 《ベリフィド・ストロベリー》

ランク:1 モブ 自然 植物

  • 行動力

エネミー一覧(識別後)

フクロウ熊 《オウルベア》

ランク:2 幻獣 暗視 識別難易度:7[識別済]

  • ヘイト倍率 ×1

  • 行動力

  •  物理防御 < 魔法防御

▼特技
《熊刀爪》_[白兵攻撃]_メジャー_対決(5+2D/回避)_単体_至近_対象に[16+2D]の物理ダメージを与える。〔マイナー〕対象に[硬直]を与える。この[硬直]は通常の方法では解除されず、対象とこのエネミーが別々のSpに離れた時のみ解除される。

《森の梟雄》_ダメージ直前_単体_2Sp_ラウンド1回_ このエネミーは[ダメージ適応ステップ]でこのエネミー以外の対象が受けるダメージをかわりに受ける。 対象はダメージを受けることはない。また、この効果で身代わりとなって受けるHPダメージを-5する。

緑不定形 《グリーンスライム》

ランク:3 モブ 人造 識別難易度:5[識別済]

  • ヘイト倍率 ×2

  • 行動力

  •  物理防御 > 魔法防御

▼特技
《定かならざる姿》_常時_このエネミーは[冷気]ダメージを受けた時、さらに[重篤][放心]をうける。このエネミーの行なう[通常移動]は常に[即時移動]になる。

《腐食の滴》_[白兵攻撃]_メジャー_対決(13[固定]/回避)_単体_至近_対象に[35+2D]の物理ダメージを与える。〔判定成功〕対象の【物理防御力】を-4する。この効果はBSとして扱う。〔マイナー〕対象に[硬直]をあたえる。

《不気味な水溜り》_[移動]_ムーブ_シーン1回_このエネミーは[隠密]状態になり、それを維持したまま2Sqまで[即時移動]をしてもよい。〔マイナー〕移動距離は+1Sqされる。

走り松茸 《マツタコニド》

ランク:3 自然 植物 識別難易度:8[識別済]

  • ヘイト倍率 ×2

  • 行動力

  •  物理防御 < 魔法防御

▼特技
《草木の心》_常時_このエネミーは常に[弱点(火炎):5]を持つ。また、[惑乱]にならない。

《元気の出るキノコ》_セットアップ_単体_4Sq_シーン1回_対象は「制限:シーンn回」の特技をひとつ選び、その使用回数を1回復してもよい。この特技はエネミーを対象にできない。

《かぐわしい胞子》_[魔法攻撃]_メジャー_対決(3+3D/抵抗)_範囲(選択)_4Sq_対象に[29+2D]の魔法ダメージを与える。〔達成値:16〕対象に[惑乱]を与える。

彷徨う鎧 《リビングアーマー》

ランク:3 人造 暗視 識別難易度:5[識別済]

  • ヘイト倍率 ×1

  • 行動力

  •  物理防御 > 魔法防御

▼特技
《なりすまし注意!》_常時_このエネミーはシーン登場時に[隠密]状態で登場する。また、[邪毒]ダメージを受けた時、さらに[萎縮]をうける。

《佇む騎士鎧》_セットアップ_広範囲20(選択)_至近_対象は[軽減:5]を得る。この[軽減]は、このエネミーが[死亡]か[戦闘不能]になると解除される。

《鎧絡み》_[白兵攻撃]_メジャー_対決(5+2D/回避)_単体_至近_対象に[20+2D]の物理ダメージを与える。〔マイナー〕対象に[硬直]を与える。この[硬直]は通常の方法では解除されず、対象とこのエネミーが別のSqに離れた時のみ解除される。

冠恐鳥 《ディアトリマ》

ランク:1 ボス 自然 識別難易度:7[識別済]

  • ヘイト倍率 ×4

  • 行動力

  •  物理防御 > 魔法防御

▼特技
《恐鳥の威厳》_常時_このエネミーはシーン登場時に「CR1の[自然][幻獣]タグを持つ通常エネミー」2体を任意の位置に配置できる。配置する通常エネミー1体は「CR1の[自然][幻獣]タグを持つ[モブ]エネミー」2体に置き換えても良い。この効果で配置されたエネミーからはドロップ品を入手できない。

《再行動》_本文_ラウンド1回_このエネミーが[行動済]になった時に使用する。このエネミーは即座に[未行動]となり、その後ラウンド終了時まで【行動力】が0となる。

《飛鳥の跳躍》_[移動]_ムーブ_シーン1回_このエネミーは[飛行]状態となり、[【移動力】+1]Sqまで[即時移動]をしてもよい。移動終了後に[飛行]状態は解除される。〔マイナー〕移動距離は+1Sqされる。

《怪鳥の蹴撃》_[白兵攻撃]_メジャー_対決(3+3D/回避)_単体_至近_[25+2D]の物理ダメージを与える。〔自身:軽減〕ダメージに+7する。〔マイナー&確定効果〕この特技は「射程:2Sq」になる。このエネミーはこのメインプロセス終了時に対象と同じSqに[瞬間転移]する。〔因果力1〕この攻撃を「対象:範囲(選択)」に変更する。

《恐鳥の狂撃》_ダメージロール_シーン1回_このエネミーの[白兵攻撃]のダメージロールに+10点する。〔因果力1〕再利用可能。

筍イノシシ 《バンブーシュート・ボア》

ランク:1 自然 識別難易度:8[識別済]

  • ヘイト倍率 ×1

  • 行動力

  •  物理防御 > 魔法防御

▼特技
《スタンピード》_[移動]_ムーブ_シーン1回_このエネミーは2Sqまで[即時移動]をしてもよい。このメインプロセスで《猛突撃》を使用する場合、対象を「移動時に1回でも同じSqにいたキャラクター(選択)」に変更する。〔マイナー〕移動距離は+2Sqされる。

《猛突撃》_[白兵攻撃]_メジャー_対決(4+2D/回避)_単体_至近_[12+2D]の物理ダメージを与える。〔マイナー〕このメインプロセス終了時まで、このエネミーのヘイト倍率を×2として扱う。

《タケノコ導弾》_ダメージ適用直後_自動成功_単体_2Sq_自分以外の味方が攻撃を受けた直後に使用する。その攻撃を行ったキャラクターを対象として5点の直接ダメージを与える。

人食い草 《トリフィド》

ランク:1 モブ 自然 植物 識別難易度:8[識別済]

  • ヘイト倍率 ×2

  • 行動力

  •  物理防御 > 魔法防御

▼特技
《草木の心》_常時_このエネミーは常に[弱点(火炎):5]を持つ。また、[惑乱]にならない。

《蔓の鞭》_[白兵攻撃]_メジャー_対決(12[固定]/回避)_単体_2Sq_対象に[25+2D]の物理ダメージを与える。〔マイナー〕対象に[硬直]を与える。

《這いずる根》_[移動]_ムーブ_このエネミーは2Sqまで[即時移動]をしてもよい。

人食い果実・苺 《ベリフィド・ストロベリー》

ランク:1 モブ 自然 植物 識別難易度:8[識別済]

  • ヘイト倍率 ×2

  • 行動力

  •  物理防御 > 魔法防御

▼特技
《草木の心》_常時_このエネミーは常に[弱点(火炎):5]を持つ。また、[惑乱]にならない。

《甘い爆弾》_[白兵攻撃]_メジャー_対決(12[固定]/回避)_単体_2Sq_[20+2D]の物理ダメージを与える。〔マイナー〕対象からみて「対象:範囲(選択)/射程:至近」を二次対象として[追撃:5]を与える。

《這いずる根》_[移動]_ムーブ_このエネミーは2Sqまで[即時移動]をしてもよい。

配置位置

初期配置
D8

PC配置

E8

PC配置

D2

〈フクロウ熊〉×1登場

G7

〈緑不定形〉×1登場

増援:1ラウンド終了時
D2

〈走り松茸〉×1登場

G7

〈彷徨う鎧〉×1登場

増援:2ラウンド終了時
G2

〈冠恐鳥〉×1登場

B2

〈筍イノシシ〉×1登場

D2

〈人食い草〉×1登場

E2

〈人食い果実苺〉×1登場

人数による調整

PCが3人の場合は特にエネミー数の変更はない。
PCが5人の場合はB5、G7に〈緑不定形〉を1体づつ追加すること。

難易度によるEXパワー

高難易度により潤沢なGM用【因果力】がある場合、以下のEXパワーを用いることを検討しよう。

エネミーHP強化

EXパワー GM 調整

コストとして5点以下の【因果力】を消費する(最低1点)。このシナリオに登場する[レイド][ボス][モブ]タグを持たないエネミー1体の【最大HP】を+[エネミーの【STR】×3×(コストとして消費した【因果力】)]する。

ボスエネミーHP強化

EXパワー GM 調整

コストとして【因果力】3点を消費する。このシナリオに登場する[ボス]タグを持つエネミー1体の【最大HP】を+[エネミーの【STR】×30]する。

エネミーヘイト倍率強化

EXパワー GM 調整

コストとして【因果力】2点を消費する。このシナリオに登場するエネミー1体の「ヘイト倍率」を+2する。

戦闘中のマスタリング

獲物たちとの戦闘ではその能力をフルに駆使し、増援による波状攻撃でPCを追い詰めるとよい。
本来であれば、モブである〈緑不定形(グリーンスライム)〉や、妨害能力の高い〈彷徨う鎧(リビングアーマー)〉は優先して撃破すべき対象である。しかし、撃破したら食べなくてはならない。
このジレンマがこの戦闘の醍醐味と言える。GMは戦況の流れで戦線の維持が無理そうなら、いっそ撃破してみたらと示唆しても良い。

戦闘の終了

4体のエネミーが倒された時点で強制的に戦闘終了となる。クライマックスフェイズは終了し、エンディングフェイズに移行する。

モンタージュ:戦闘終了!

ぐぎゃー。獲物たちは断末魔の咆哮と共に倒れ、アクセルの手によって見る間に様々な食材となっていった。君たちの勝利だ!

アクセル「こりゃ大量だねぇ! オジサン頑張るよ! 若干見なかったことにしたい食材もあるけど!!」

エンディングフェイズ

次のシーンからはエンディングフェイズとなる。
GMはエンディングフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。

インタールード

エンディングは、すべてのフェイズの中でも比較的変更が容易な部分である。エンディングの目的は物語を終わらせ、プレイヤーに満足をしてもらうことだからだ。
今回のシナリオで言えば戦闘後に『ケイヴ村』へ移動して、プリズムとアクセルが感謝を述べて、双方の村人たちと鍋料理を食し、報酬を渡すというシーンが予定されているが、別にこだわる必要はない。プレイヤーの希望を聞いて柔軟にあわせよう。

シーン7「スタッフのみなさんで美味しく頂きました」

シーン種別

シネマティックシーン

解説

ケイヴ村に移動して、村人たちから歓待されるシーン。

目的

物語を終わらせる。

ケイヴ村に帰還したPCたちは、来ていたプリズムとアクセルと共に食材の受け渡しと友好の鍋の調理に入る。
なんか食材によってはグロテスクな……?

オーバーチュア

Q:この風習はある意味罰ゲームなんじゃないの!?
プリズム「それがな。実はいままで全く問題が無かったんだ。この風習は」
アクセル「調べてみたところ、もっと危険なモンスターを食べるハメになった事もあったらしいね」
プリズム「赤帽子とか、窒息苔の群生とか、クロックワーク種の時すらあったらしい」
アクセル「……気が付かないかな。いまと昔で大きく違う部分があるだろう」
プリズム「そう、君たち〈冒険者〉が《大災害》と呼ぶあの事件があって『味のある食事』が出来たからだよ」
アクセル「オジサン思うんだけど、味のある食事の弊害なんだろうねぇ。解毒さえすれば何とかなるんだから」

プリズム「いままで、味が無かったから、どれも同じで気にならなかったらしい」
アクセル「再生かけながら食べたらしいよ。おそろしいねぇ」

(スライムやリビングアーマーを撃破した場合)
アクセル「お、オジサンがんばるよ……流石にスライムとかリビングアーマーは料理したことないなぁ(震え)」
アクセル「トリフィドからは良質の油が取れるんだよね」
アクセル「鎧をべきょっと割って、触手を切って、皮を剥いて、塩と石灰で灰汁抜きして……お酒で臭みを消して……(必死)」

コラム:トリフィドの元ネタ

ジョン・ウィンダム著のSF小説「トリフィドの日(The Day of the Triffids)」(「トリフィド時代」とも)に登場する空想の植物であり、作中において主人公たちの脅威となる存在である。
肉食植物の一種であり、頭部(茎が伸びて頭部に当たる器官になったもの)に毒の刺毛を持ち、これを鞭の様に用いて狩りを行い、仕留めた獲物の腐肉を器用に掬って食べることと、通常の植物の様に光合成などによって栄養を賄うとされる。また、植物でありながら3本の丈夫な根を用いての歩行も可能であり、餌を求めて歩きまわる習性がある。
トリフィド自体が巨体であり、刺毛の毒も人を死に至らしめる程に強力であるため、危険な植物であるが、トリフィドからは良質な植物油が採れたり、その搾りかすにも栄養が多く含まれるなどの利点があったため、作中では多くのトリフィドが工場などで飼育されているが、刺毛を切除しないほうがより、良質な油を生産するといったことからそれらの工場では刺毛付のまま、鎖と首輪に繋がれたトリフィドが飼育されていた。
(wikipediaより)

モンタージュ: 美味しくできましたー?

調理は滞りなく終わる。食材に限らず、美味しそうな鍋には見える(一応は)

アクセル「という訳で、美味しく出来ましたー(たぶん)」
プリズム「さ、食べるとしよう。まずは調停者が最初に一通り食べることになっている」
アクセル「まぁ、オジサンの手並みを拝見ってね」
プリズム「見た目は美味しいそうだな、見た目『は』」
アクセル「オジサン、努力はしたよぉ!」

エルフとドワーフの双方の村人たちが君たちを凝視している。その表情は不安とか好奇心とか様々なものだ。

さぁ、食べてみようか――

シーン8「これがウワサのダンジョン鍋」

君たちはおそるおそるアクセルが調理したダンジョン鍋を口にした。どのような味がするだろうか。GMとPCは手に入れた食材に応じて様々なロールプレイを行っても良い。

オーバーチェア

……味は、普通。すーごーくー、ふつう。逆に困る。
アクセル「オジサン頑張ったでしょぉ!?」
プリズム「うむ、オチが無くていささか残念だ」

君たちが極めて普通に食事していると、エルフとドワーフの双方の村人たちがご相伴に預かろうとやって来た。
彼らも同じ鍋の飯を大人しく食べている様子を見れば、今後すんなり仲良くとは行かないかも知れないが、少なくとも余計な軋轢は無いだろう――。

――と。この瞬間までは誰もが思っていた。

モンタージュ:『赤い雄牛』ってレベルじゃねーぞ!

……ぼふっ。
突如、身体が燃える様に熱くなった。まるで度数の高いアルコールや栄養ドリンクを大量に飲んだ様に。
周囲の村人たちを見ると、とりあえず走り出す者、適当な体操や素振りをし出す者。誰もが落ち着かないように運動をし始めている。

アクセル「や、スパイスが効き過ぎちゃったかな? 臭み消しに『色々』ハーブとか入れてみたんだけど」
プリズム「ヘタな栄養薬か精力剤になっとるではないかー! はっ。と言う事は、若い男同士が汗を流して組んずほぐれずとか薄い本が厚くなる展開だな! うふふふふふふふふふf――!」

おじーさんおばーさんは山へフルマラソンに。
こどもたちは川へチャンバラレイドに。
若者たちはいつの間にか行方不明になった(察し)

ぐだぐだな流れのまま、冒険者たちはカオスと化した状況の収拾に巻き込まれる――

後の時代。彼の地を襲ったゴブリンの軍勢に対し、エルフの村とドワーフの村が仲良く連携してゴブリンジェネラルをチョロく気軽に蹴散らした奇蹟の地として末永く平和(笑)に暮らしていったのは――また、別のお話。

かくて『ダンジョン鍋』は伝説となった――

シーン終了

PCたちが満足したら、このシナリオは終了となる。
双方の村からの謝礼として1人あたり下記の『報酬』を手に入れる。エンディングフェイズが終わったら、メインプレイを終了し、アフタープレイに移ること。

報酬(PC1人あたり)

双方の村からの謝礼として下記を得る。
『100G』 + ダンジョン鍋1つ(下記、厄除け陣笠鍋と相当とする)
加えてエネミードロップ品のロールを行うこと。

エネミードロップ

〈フクロウ熊〉
 1~2:極彩色の羽毛[換金] (20G)
 3~4:クマの左手 [換金] (35G)
 5~6:狂熊の毛皮[コア素材](40G)

〈緑不定形〉
 固定:濁った粘液[換金](20G)

〈走り松茸〉
 1~3:かぐわしい胞子[魔触媒4](30G)
 4~6:菌糸細工[換金](40G)
 固定:マツタコニドの傘[食材]

〈彷徨う鎧〉
 1~3:擬霊核[魔触媒3](25G)
 4~5:精緻な柄飾り[換金](40G)
 6:血塗られた刃[コア素材](50G)

〈冠恐鳥〉
 1~4:恐鳥爪[魔触媒1](15G)×5
 5~6:恐鳥の卵[換金](130G)
 固定:鉄の陣笠[コア素材](30G)

〈筍イノシシ〉
 1~3:柔らか筍[換金](15G)
 4~5:牡丹肉[換金](20G)
 6:畑猪牙[魔触媒2](20G)×3

〈人食い草〉
 固定:しなやかな蔓[換金](10G)

〈人食い果実苺〉
 固定:つやつやイチゴ(お好みサンドイッチ相当:P218)

ダンジョン鍋

アイテム 食料 消耗品 準備 非売品 M5 ランク1

  • タイミング レストタイム

  • 判定 判定なし

  • 対象 6体

  • 射程 至近

  • 価格 170G

対象の[疲労]の強度を-10し、さらに[軽減(邪毒、精神):10]をあたえる。

アフタープレイ

アフタープレイ」にしたがってアフタープレイを行なう。
このシナリオで配布するログチケットは以下のとおり。

◆プレイヤー
キャラクターランクアップ1枚、アザーゲット2枚、因果力ゲット1枚
◆GM
キャラクターランクアップ1枚、財産ゲット(プレイヤー人数+1)枚、アザーゲット4枚、因果力ゲット1枚

この配布はその日のプレイを振り返って互いの健闘をたたえるためのものである。ぜひ全員の好プレイを思い出して、チケットを配布しよう。

セッションの終了

すべての処理が終わればセッションは終了となる。
これにて二つの村の友好のケジメのダンジョン鍋をめぐる冒険は幕を閉じた。次なる冒険のためにいまは一時の休息としよう。お疲れ様でした!

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GMハンドアウト

この部分には、シナリオを遊ぶのに必要なゲームマスター向けの情報が記されている。

レギュレーション

【CR3】規定所持金(600G)以内であればプレフィックス可。リコンハイコンOK

使用ルール

『ログ・ホライズンTRPGルールブック』を使用する。
GMが許可するのであれば「ログホラ・ウェンズデイ」や「セルデシア・ガゼット」の追加データを使用してもよい。

シナリオ紹介

簡易ミッション1つと、戦闘1回を行うロールプレイ重視のコメディシナリオ。

▼シナリオ背景
『このシナリオでは、ミッションに勝利条件と敗北条件が存在しない』
〈大災害〉から半年以上が経過した11月の下旬頃。
PCたち一行は、アキバの北西、馬で数日の距離にあるナロウマウント王国の南端、エルフの村『ウィジャ』とドワーフの村『ケイヴ』という二つの村を訪れる。
二つの村は長い対立関係にあったが、全ての元凶はこの地を征服しようとする悪の死霊魔術師にあった。
この黒幕を撃破し陰謀を解決したPCたちは、今後の村々の友好を結ぶべく奔走することになる。
先の騒動で新しく村長に選ばれたエルフのプリズムと、同じく新村長のドワーフのアクセルの二人の協力の下、この地方の伝統に従って一定の条件下での食材集めに、洞窟で見つけた獲物を狩って友好の鍋パーティを行えばシナリオクリアとなる。

▼シナリオ制作要綱
ログ・ホライズンの世界観にて、マンガ『ダンジョン飯』へのリスペクトを念頭に『簡単なミッション』と『戦闘判断が問われる』コメディシナリオとして、『コミカルでとっつき易い』原作特有の食事ネタとあわせて作成されています。
物語的には、『味のある食事』のシロエたちとは違った視点、《大災害》前後の変化を大地人たちから見たお話となっています。
タイトルである『ケジメのダンジョン鍋』とは、エルフとドワーフたちのケジメであり、冒険者が選んだ食材に対するケジメでもあります。
ミッションは、致命性が無く同じPLでも『何回も遊べる様なアナログゲーム要素』を目的としています。
クライマックス戦闘は、エネミー同士の特殊能力のシナジー、特に波状攻撃を行うエネミーの連携を重点に置き、暗闇対策・射線視線阻害・対モブ攻撃を勘案した、PCが『どの敵を優先して倒すべきか判断が問われる』マップを構成しました。

シナリオ作成方針

  • TRPG初心者向け

  • ログ・ホライズン初心者向け

  • CR3キャラ、4~5人用

  • 3~5時間のミッション重視のシナリオ

  • モンスター食材を題材にしたパロディシナリオ・パーティゲーム風ミッション

スタッフリスト

シナリオ作成・ディベロップメント

Hastur

キャライラスト

やまね・ashcape・baton・Hastur / (フリー素材)いらすとや

マップチップ

(フリー素材)ぴぽや・MACK / looseleaf

背景

(フリー素材)誰そ彼亭・きまぐれアフター・ぐったりにゃんこ

素材・レイアウトデザイン

銀雨・もし・Hastur

データチェッカー

葉崎京夜

テストプレイヤー

とんち太郎、再購入、マキリ猫、kyo62

スペシャルサンクス

玖珂真・風杜神奈・I=DressNagoyaGroup・伊達龍之介・てぃあご

(他、各方面のみなさまに感謝を)

データセクション

エネミーデータ

シナリオに登場するオリジナルのエネミーデータを記載する。ディベロッパーはこのエネミーデータを他のシナリオに使用してもよい。

フクロウ熊 《オウルベア》

ランク:2 幻獣 暗視 識別難易度:7

  • STR

  • DEX

  • POW

  • INT

  • 回避 1+3D

  • 抵抗 2+3D

  • 物理防御力

  • 魔法防御力

  • 最大HP 60

  • ヘイト倍率 ×1

  • 行動力

  • 移動力

▼特技
《熊刀爪》_[白兵攻撃]_メジャー_対決(5+2D/回避)_単体_至近_対象に[16+2D]の物理ダメージを与える。〔マイナー〕対象に[硬直]を与える。この[硬直]は通常の方法では解除されず、対象とこのエネミーが別々のSpに離れた時のみ解除される。

《森の梟雄》_ダメージ直前_単体_2Sp_ラウンド1回_ このエネミーは[ダメージ適応ステップ]でこのエネミー以外の対象が受けるダメージをかわりに受ける。 対象はダメージを受けることはない。また、この効果で身代わりとなって受けるHPダメージを-5する。

▼ドロップ品
1~2:極彩色の羽毛[換金] (20G)
3~4:クマの左手 [換金] (35G)
5~6:狂熊の毛皮[コア素材](40G)

▼解説
深い森に生息する、フクロウの頭部を持つ熊の魔獣。毛皮は防寒性に優れ、比較的高価な値で取引される。
生態は3メートル以上の巨体であり、木の洞や小さな自然洞窟に身を隠せないことから、
《大災害》後はねぐらとしてダンジョンに棲みつく事も少なくない。
また、幼体のうちから亜人間種族に育てられ、人間を襲うために使役されることもある。

緑不定形 《グリーンスライム》

ランク:3 モブ 人造 識別難易度:5

  • STR

  • DEX

  • POW

  • INT

  • 回避 9[固定]

  • 抵抗 7[固定]

  • 物理防御力 10

  • 魔法防御力

  • 最大HP 26

  • ヘイト倍率 ×2

  • 行動力

  • 移動力

▼特技
《定かならざる姿》_常時_このエネミーは[冷気]ダメージを受けた時、さらに[重篤][放心]をうける。このエネミーの行なう[通常移動]は常に[即時移動]になる。

《腐食の滴》_[白兵攻撃]_メジャー_対決(13[固定]/回避)_単体_至近_対象に[35+2D]の物理ダメージを与える。〔判定成功〕対象の【物理防御力】を-4する。この効果はBSとして扱う。〔マイナー〕対象に[硬直]をあたえる。

《不気味な水溜り》_[移動]_ムーブ_シーン1回_このエネミーは[隠密]状態になり、それを維持したまま2Sqまで[即時移動]をしてもよい。〔マイナー〕移動距離は+1Sqされる。

▼ドロップ品
固定:濁った粘液[換金](20G)

▼解説
不定形をした緑色のゲル状人工生命体。防具を溶かす体液や自在に変化する触腕で獲物を弱らせ、取り込もうとする。
主に湿度の高いダンジョンに棲息し、音もなく天井や壁を這いまわる。
〈大災害〉後は、女性〈冒険者〉が戦いたくない怪物ランキングの常連として名を馳せている。
ゲル状のモンスターなため、淀んだ水たまり等との区別ができず、薄暗いダンジョンでは発見および対策が困難という厄介な特徴がある。さらに体液が防具の性能を劣化させる特性もあるため、前衛職からは特に嫌われている。一方で適切な弱点を突ける魔法攻撃職にはさほどではないと思われている。

走り松茸 《マツタコニド》

ランク:3 自然 植物 識別難易度:8

  • STR

  • DEX

  • POW

  • INT

  • 回避 1+2D

  • 抵抗 2+2D

  • 物理防御力

  • 魔法防御力 10

  • 最大HP 40

  • ヘイト倍率 ×2

  • 行動力

  • 移動力

▼特技
《草木の心》_常時_このエネミーは常に[弱点(火炎):5]を持つ。また、[惑乱]にならない。

《元気の出るキノコ》_セットアップ_単体_4Sq_シーン1回_対象は「制限:シーンn回」の特技をひとつ選び、その使用回数を1回復してもよい。この特技はエネミーを対象にできない。

《かぐわしい胞子》_[魔法攻撃]_メジャー_対決(3+3D/抵抗)_範囲(選択)_4Sq_対象に[29+2D]の魔法ダメージを与える。〔達成値:16〕対象に[惑乱]を与える。

▼ドロップ品
1~3:かぐわしい胞子[魔触媒4](30G)
4~6:菌糸細工[換金](40G)
固定:マツタコニドの傘[食材]

▼解説
独特の香りを漂わせるマイコニドの亜種。
その香りを何倍にも濃縮したかぐわしい胞子で攻撃してくるほか、疲れた仲間に自分を食べさせて活力を湧きあがらせる。
警戒心が強く、普段は地面の下などに隠れているため見つけづらい。秋になると動きが活発になる。

彷徨う鎧 《リビングアーマー》

ランク:3 人造 暗視 識別難易度:5

  • STR

  • DEX

  • POW

  • INT

  • 回避 2+2D

  • 抵抗 1+2D

  • 物理防御力 14

  • 魔法防御力

  • 最大HP 73

  • ヘイト倍率 ×1

  • 行動力

  • 移動力

▼特技
《なりすまし注意!》_常時_このエネミーはシーン登場時に[隠密]状態で登場する。また、[邪毒]ダメージを受けた時、さらに[萎縮]をうける。

《佇む騎士鎧》_セットアップ_広範囲20(選択)_至近_対象は[軽減:5]を得る。この[軽減]は、このエネミーが[死亡]か[戦闘不能]になると解除される。

《鎧絡み》_[白兵攻撃]_メジャー_対決(5+2D/回避)_単体_至近_対象に[20+2D]の物理ダメージを与える。〔マイナー〕対象に[硬直]を与える。この[硬直]は通常の方法では解除されず、対象とこのエネミーが別のSqに離れた時のみ解除される。

▼ドロップ品
1~3:擬霊核[魔触媒3](25G)
4~5:精緻な柄飾り[換金](40G)
6:血塗られた刃[コア素材](50G)

▼解説
金属で作られている騎士鎧の姿をしたミミック種のモンスター。戦場跡や遺跡などに打ち捨てられて、あるいは飾られており、
ただの鎧だと思って近づいた者に不意打ちで攻撃を仕掛ける。正体を現すと胸甲がぱっくりと横に裂け、鋭い牙と無数の触手を
剥き出しにして襲い掛かってくる。太く長い触手に捕らえられたら抜け出すのは困難だろう。
〈大災害〉以降、長時間かけての探索に行った先で、状態の良い鎧を見かけたからと回収に向かって不意打ちされる冒険者は増加傾向にある。

冠恐鳥 《ディアトリマ》

ランク:1 ボス 自然 識別難易度:7

  • STR

  • DEX

  • POW

  • INT

  • 回避 2+2D

  • 抵抗 1+2D

  • 物理防御力

  • 魔法防御力

  • 最大HP 72

  • ヘイト倍率 ×4

  • 行動力

  • 移動力

  • 因果力

▼特技
《恐鳥の威厳》_常時_このエネミーはシーン登場時に「CR1の[自然][幻獣]タグを持つ通常エネミー」2体を任意の位置に配置できる。配置する通常エネミー1体は「CR1の[自然][幻獣]タグを持つ[モブ]エネミー」2体に置き換えても良い。この効果で配置されたエネミーからはドロップ品を入手できない。

《再行動》_本文_ラウンド1回_このエネミーが[行動済]になった時に使用する。このエネミーは即座に[未行動]となり、その後ラウンド終了時まで【行動力】が0となる。

《飛鳥の跳躍》_[移動]_ムーブ_シーン1回_このエネミーは[飛行]状態となり、[【移動力】+1]Sqまで[即時移動]をしてもよい。移動終了後に[飛行]状態は解除される。〔マイナー〕移動距離は+1Sqされる。

《怪鳥の蹴撃》_[白兵攻撃]_メジャー_対決(3+3D/回避)_単体_至近_[25+2D]の物理ダメージを与える。〔自身:軽減〕ダメージに+7する。〔マイナー&確定効果〕この特技は「射程:2Sq」になる。このエネミーはこのメインプロセス終了時に対象と同じSqに[瞬間転移]する。〔因果力1〕この攻撃を「対象:範囲(選択)」に変更する。

《恐鳥の狂撃》_ダメージロール_シーン1回_このエネミーの[白兵攻撃]のダメージロールに+10点する。〔因果力1〕再利用可能。

▼ドロップ品
1~4:恐鳥爪[魔触媒1](15G)×5
5~6:恐鳥の卵[換金](130G)
固定:鉄の陣笠[コア素材](30G)

▼解説
体高2mを超える二足歩行の巨大な肉食性鳥型モンスター。巨大な頭部には鉤状の嘴を備え、太く力強い両足には鋭い蹴爪が生えている。翼は小さく退化しており、最大で500kgにも及ぶ体重もあって飛行することはできない。しかしその脚力は 驚異的で、ジャンプ力も高く、全力疾走すればその速度は時速60kmを超えるという。
〈冠恐鳥〉は、その脚力に活かして獲物を追い詰める戦法をとる。物陰や茂みから突如現れ、獲物に一気に飛び掛ってその足で強烈な蹴りを食らわせるのだ。特に茂みなど身を守れる場所から飛び出してくるときの蹴りの威力は、たとえ〈冒険者〉であっても侮ることができない威力になるだろう。また、相手が強敵と思ったときは威嚇の声を上げ、近隣のモンスターを従え、群れを成して襲い掛かってくる。
非常に気性が荒く人に慣れることは少ないが、一部の高レベル〈調教師〉が飼いならし、乗用にしている例もあるようだ。
飛行こそできないものの、その速度と、森や岩山を自在に駆け回る高い踏破力が魅力という話だ。
引き締まった腿肉、巨大で滋養に富んだ卵、辛味が強く香辛料として好まれるクチバシや爪など、〈大災害〉後は食材としても人気が出てきているようだ。

筍イノシシ 《バンブーシュート・ボア》

ランク:1 自然 識別難易度:8

  • STR

  • DEX

  • POW

  • INT

  • 回避 1+2D

  • 抵抗 1+2D

  • 物理防御力

  • 魔法防御力

  • 最大HP 53

  • ヘイト倍率 ×1

  • 行動力

  • 移動力

▼特技
《スタンピード》_[移動]_ムーブ_シーン1回_このエネミーは2Sqまで[即時移動]をしてもよい。このメインプロセスで《猛突撃》を使用する場合、対象を「移動時に1回でも同じSqにいたキャラクター(選択)」に変更する。〔マイナー〕移動距離は+2Sqされる。

《猛突撃》_[白兵攻撃]_メジャー_対決(4+2D/回避)_単体_至近_[12+2D]の物理ダメージを与える。〔マイナー〕このメインプロセス終了時まで、このエネミーのヘイト倍率を×2として扱う。

《タケノコ導弾》_ダメージ適用直後_自動成功_単体_2Sq_自分以外の味方が攻撃を受けた直後に使用する。その攻撃を行ったキャラクターを対象として5点の直接ダメージを与える。

▼ドロップ品
1~3:柔らか筍[換金](15G)
4~5:牡丹肉[換金](20G)
6:畑猪牙[魔触媒2](20G)×3

▼解説
背中に竹薮を生やしたイノシシ型モンスター〈イノシシもどき〉の一種で、群れの中でもまだ若い個体。
背中の竹がまだ育ちきっておらず、無数の筍を生やしている。この筍は柔らかく、イノシシ肉と合わせて炊き上げると絶品と
いわれる。筍イノシシは群れの仲間が危機に陥ると、背中の筍を切り離してミサイルのように飛ばして助ける性質がある。

人食い草 《トリフィド》

ランク:1 モブ 自然 植物 識別難易度:8

  • STR

  • DEX

  • POW

  • INT

  • 回避 8[固定]

  • 抵抗 7[固定]

  • 物理防御力

  • 魔法防御力

  • 最大HP 19

  • ヘイト倍率 ×2

  • 行動力

  • 移動力

▼特技
《草木の心》_常時_このエネミーは常に[弱点(火炎):5]を持つ。また、[惑乱]にならない。

《蔓の鞭》_[白兵攻撃]_メジャー_対決(12[固定]/回避)_単体_2Sq_対象に[25+2D]の物理ダメージを与える。〔マイナー〕対象に[硬直]を与える。

《這いずる根》_[移動]_ムーブ_このエネミーは2Sqまで[即時移動]をしてもよい。

▼ドロップ品
固定:しなやかな蔓[換金](10G)

▼解説
脚のように変化した根で自ら歩行し、動物を捕食する植物。
赤や緑の鮮やかな8枚の花弁の中央には4つに割れるアーモンド形の口がついており、内部には鋭い牙が並んでいる。
鞭のようにしなる蔓を生やしており、それを使って獲物を縛り付ける。
どこにでも出没するが、獲物の多い森の中などを好む傾向にある。

人食い果実・苺 《ベリフィド・ストロベリー》

ランク:1 モブ 自然 植物 識別難易度:8

  • STR

  • DEX

  • POW

  • INT

  • 回避 8[固定]

  • 抵抗 7[固定]

  • 物理防御力

  • 魔法防御力

  • 最大HP 19

  • ヘイト倍率 ×2

  • 行動力

  • 移動力

▼特技
《草木の心》_常時_このエネミーは常に[弱点(火炎):5]を持つ。また、[惑乱]にならない。

《甘い爆弾》_[白兵攻撃]_メジャー_対決(12[固定]/回避)_単体_2Sq_[20+2D]の物理ダメージを与える。〔マイナー〕対象からみて「対象:範囲(選択)/射程:至近」を二次対象として[追撃:5]を与える。

《這いずる根》_[移動]_ムーブ_このエネミーは2Sqまで[即時移動]をしてもよい。

▼ドロップ品
固定:つやつやイチゴ(お好みサンドイッチ相当:P218)

▼解説
真っ赤なイチゴを実らせた〈人食い草〉の亜種。
果実は甘く食用にもなるが、衝撃を与えると爆発する性質があるため取り扱いには注意が必要だ。

プロップデータ

シナリオに登場するオリジナルのプロップデータを記載する。ディベロッパーはこのデータを他のシナリオに使用してもよい。

暗闇

プロップ 空間 天然

  • 探知難易度 自動

  • 解析難易度 自動

  • 解除難易度 不可

〔接触〕対象は、他の全てのキャラクターから見て[隠密]状態であるとして扱う。また、対象から見て、他の全てのキャラクターは[隠密]状態であるとして扱う。この効果はこのプロップから離れるまで持続する。

洞窟の壁

プロップ 空間 天然

  • 探知難易度 自動

  • 解析難易度 自動

  • 解除難易度 不可

侵入不可であり、両側の射線を遮る。

薄暗がり

プロップ 空間 天然

  • 探知難易度 自動

  • 解析難易度 自動

  • 解除難易度 不可

このプロップは【暗闇】類似として扱う。
〔接触〕対象は、至近以外からの攻撃に対する[防御判定]に+2される。この効果はこのプロップから離れるまで持続する。

洞窟の地面

プロップ 空間 天然

  • 探知難易度 自動

  • 解析難易度 自動

  • 解除難易度 不可

何の効果も無い地形。

デベロッパー情報
シナリオ作成

Hastur/ログホラしょくしゅ

作成協力

やまもとやまね

powerd by LhzDev