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とはいっても、新電力は後日、不足した電力分の費用を精算金(ペナルティー)として電力会社に支払わねばならない。年始に発生したインバランス料金のペナルティーは3月以降に支払い期日が到来することから、新電力各社は購入した電力の高騰にインバランス料金が重なり「3月危機説」が取り沙汰されていた。
新電力56社は1月18日、連名で経産相に要望書を提出。価格が高騰した期間のインバランス料金で電力会社が得た利益の還元とインバランス単価の見直しを求めた。3月以降、経産省は新電力への支援策として、最大9カ月のインバランス料金の電力会社への分割支払いと、政府系金融機関に対して影響を受けた事業者への柔軟な対応を求めた。
3月5日、新しいペナルティーの単価が発表された。1月の平均単価は1キロワット時当たり77円65銭。通常時に比べて10倍を超える高額請求となった。分割での支払いや政府系金融機関からの融資という救済措置で「3月危機」を乗り切れるはずだったが、エフパワーは高額ペナルティーが判明した時点で自力再生を断念した。救済措置に申し込みをせず、会社更生法の適用を申請した。
今後、先送りされたインバランス料金の支払期日が次々とやってくるため、新電力から撤退する企業が出てくるとの悲観的な予想が広がっている。電力大手と提携している新電力の一部は「提携先から安値で電力供給を受け、その電力をJEPXに転売して大儲けした」(業界筋)そうだ。こうした異常な状態が現出したことは、新電力だけでなくエネルギー業界全体にとって決して好ましいことではない。
2016年の電力小売り全面自由化以降、異業種から参入した新電力の事業者は700社を超えた。20年11月時点の新電力の販売電力量は全体の約18%を占めるまでに成長した。
「売電事業は安定した収益を確保できるという計算で参入したが、今回の事態で未曽有の逆ザヤを経験し、リスクが高いことを思い知らされた新電力もある」(関係者)
卸市場の価格高騰はいったんは収まったが、液化天然ガスの入手が困難になれば、再び同じようなことが起きる。新電力に見切りをつけ撤退するところが続けば、電力自由化にブレーキがかかる。
電力小売り自由化から5年。新電力は岐路に立たされている。
(文=編集部)
















