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(舞)私 パイロットやることになりました。
(刈谷)俺は 反対たい。
由良でさえ 難しかったっちゃけんお前が 飛べるわけなか。
昨日 190ワットで10分こげるようになりました。
間に合うわけないやろ。
2か月しかなかとよ。
♪~
♪「公園の落ち葉が舞って」
♪「飛び方を教えてくれている」
♪「親切にどうも」
♪「僕もそんなふうに」
♪「軽やかでいられたら」
♪「横切った猫に」
♪「不安を打ち明けながら」
♪「ああ 君に会いたくなる」
♪「どんな言葉が 願いが景色が」
♪「君を笑顔に幸せにするだろう」
♪「地図なんかないけど歩いて探して」
♪「君に渡せたらいい」
♪~
ああ。(浩太)その格好で 大学行くんか?
うん。 大学までトレーニングすんねん。ほう~。
お父ちゃんは?工場見学や。
人工衛星打ち上げ計画に関わってる会社見せてもらえることになってな。ふ~ん。
チャレンジしてる会社がどないなもんかしっかり目に焼き付けてくるわ。
うん。ほなな。気ぃ付けてな。
行ってらっしゃい。うん。
(鶴田)刈谷は 戻る気がないねんて。
(西浦)設計がおらんて…いきなり大問題やん。
(藤谷)けど 元どおりに直すだけやしおらんかってもなんとかなるんとちゃいます?
(渥美)あかん。 パイロットが代わるから設計も変えなあかん。
(玉本)俺がやる。
(佐伯)玉本先輩 設計できるんですか?
一からは難しいけど 調整やったらできる。
うん。 設計を大きくは変えんと岩倉の体格に合わせた微調整にとどめよ。おう。
どや?
159.0ですね。
ああ 由良と4センチ差か。
肩幅は?測ります。
上に もうちょい空間要るな。足元にもな…。
やっぱり 由良とだいぶ違いますね。
岩倉 トレーニング行っといで。
はい。うん ありがとう。
行ってきます。おう 行ってらっしゃい。
大丈夫や。
俺がなんとかする。うん。
[℡]
あっ。おっ お帰り。ただいま。
どないしたん?
お父ちゃんも 今 帰ってきたとこや。
よいしょ…。 工場見学どうやった?
すごかった。
部品に要求される精度が高いから工場の環境も 全然レベルが違ててな。
ふ~ん…。大学の先生と一緒に研究したり従業員も 新しいもん作ろいうエネルギーが すごいねん。
うちなんか まだまだや。
けど 負けへんで。
一歩ずつ登っていったらいつかは 山の頂上にたどりつける。
そうやんな。一歩ずつ進んだらええんやんな。
そうやで。うん。うん。
よっしゃ! ほな ごはん食べよか。せやな。
あっ あっ…。ん? どないしたん?
足つった…。 いててて…。
大丈夫か お前。いてててて…。
(玉本)これが 新しい設計図や。岩倉の体に合わせてある。
えっ 椅子 ここに来るんですか?
椅子よりペダルの位置変える方が楽なんですけど。
それは お前の都合やろ。は?
ペダルの位置変えられたら俺が 困んねん。
俺の都合じゃないが。 重心の問題や!渥美…。
ほな プロペラの位置変えるか?何でやねん!
胴体班の問題にプロペラ班 巻き込むなや。
(佐伯)はあ? 全体の問題ちゃうんか!やめ! やめ! けんかしてる場合か。
玉本先輩 これが ホンマに最善策なんですか?
もっかい考えてみる。 ちょっと時間くれ。
おお お帰り。お疲れさんです。
(日下部)鶴田先輩 左翼サードリブ 左右逆につけてもうてました。
(西浦)はあ!? お前 何してんねん。
だから 言ったやん。何で俺のせいやねん。
お前 やめろ!
由良 悪かった。 許してくれんね。(由良)やめてください。
事故は 俺のせいたい。
俺が 尾翼を大きくしすぎたけん。(由良)違います。
もっと操縦がうまい人やったら十分対応できたはずです。急に風吹いて 頭ん中 真っ白なって…。操縦かん 強く引き過ぎたんです。
せやから 刈谷先輩のせいやありません。
刈谷先輩。お前は 待ち伏せが趣味なんか?
ちゃいます。由良先輩のお見舞いに来たんです。
それなら 見舞ってき。
先輩 今 なにわバードマン 空気悪くて…。知らん。
事故が自分のせいやと思てはるんですか?
そやから… 怖なったんですか?
確かに 怖くなったとかもな。
人力飛行機っていうのは人間を乗せる飛行機たい。
責任の重か。
けど そんな責任の重い設計をやりたい思たんですよね?
鶴田のせいたい。え?
入学して すぐ授業で あいつと一緒になったとよ。
飛行機の設計がしたかって言った途端なにわバードマンに引っ張っていかれたと。
部室に行ったら吹けば飛ぶような飛行機作っとって。
俺が作りたかとは180トンの旅客機やのに…。
あいつはうまかこと 人ば巻き込みよっからな。
それで3年も…。
いや すぐやめた 1回生の夏に。
それなのに鶴田は俺の下宿まで来て 頼みよると。
俺が 飛ばす飛行機はお前に設計してほしいって。
それが 去年の飛行機たい。
あいつをケガさせるわけにはいかんやろ。
神経遣って 設計して…丸1年かかったとよ。
安全な飛行機作ろうと思ったらそんぐらいかかると。
たった2か月で スワン号を修理しながらパイロットも代えるとか俺は 嫌たい。
分かりました。
原因は?え?
何で空気悪いと。あ…。
スワン号の重心の問題です。
椅子の位置変えたら 重心変わるからプロペラとペダルの新しい位置を巡って…。
椅子を動かす?はい。
設計を変えようとしようとや。 誰が?
おい!(日下部)刈谷先輩!
何すんねん。お前こそ 何しようとや。
何で設計いじりようとや!
素人の設計で大事な仲間乗して 飛ばすつもりとや?
大事な仲間やからやろ!は?
窮屈な飛行機で飛んでほしくないんや。
お前から見たら 素人やろうけど1回生の時から 勉強してたんや。
お前が いつやめるか分からへんからな。
急に設計担当がおらんようなってもなにわバードマンが困らんように時間見つけて 勉強しとったんじゃ!(鶴田)そやで。玉本は ちゃんと考えて設計してくれてる。
お前から見たら 物足りへんかもやけどな。
すまん。
俺の設計でも 岩倉は飛べるはずや。
けど それは理論上のことや。
実際飛んで 確実に記録狙うんやったらお前の設計やないと あかん。
刈谷 戻ってきてくれ。
お前は…何回 俺を連れ戻せば 気が済むとや。
さあな。
1日たい!
1日で 描き直すけん。
スワン号を ど素人のパイロットでも記録作れる飛行機にしちゃる。
ありがとうございます!
ほな 俺 やっとプロペラに戻れんな。
西浦 やろか。はい!
よ~し!
最高の飛行機 作んで!(一同)作んで!
♪~
ただいま 戻りました。(一同)お帰り。
お疲れ。お疲れさんです。
お疲れさん。お疲れさんです。
岩倉 ちょっと…。はい。
これは?目標たい。
記録飛行までに 体重を5キロ落としてほしいっちゃ。
5キロ…。うん。
あとな 190ワットで50分こげる体力ば つけてくれんね。
はい。うん 頼むな。
体重を落とし 体力をつける。
口で言うのは簡単ですが…。
大変やで…。