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子どものIT利用を安全にするには? “家庭内情シス”で管理の難しさを体験しよう

ITmedia エンタープライズ / 2022年11月1日 7時15分

 子どもにスマートフォンを与えたり、インターネットを利用させたりすることについては、家庭ごとに事情も指針も異なると思います。最近は、SNSやゲームからトラブルに巻き込まれるケースも多く報道されています。しかし、多くのSNSは年齢制限を課していたり、インストール前に注記が必ず表示されたりしています。iOSやAndroid、または「Nintendo Switch」などのゲーム機も、上記のようなペアレンタルコントロールがしっかりと実装されています。子どものITリテラシ―を問う記事も多いのですが、実は試されているのは「大人のITリテラシー」なのかもしれません。

●家庭内情報システム部を体験せよ!

 筆者は最近、子どもが外で見たものの名前を知りたがるようになったので、花の名前などを「Googleレンズ」で代わりに調べることが増えました。そのうち子どもが自分のスマートフォンで好きなようにチェックできるようになるでしょう。その意味では、調べる手法の幅が広くなるスマートフォンは大変有用です。ITはやりたいことをスピーディーに実行したいときには非常に頼りになります。

 しかし、そのメリットを最大限に享受するには同時に「安全」も考える必要があるでしょう。子どもたちにITを体験させて、やりたいことをスピーディーに実現させてあげるためには、適切な管理が必要不可欠です。これは、高速道路を走る自動車が安全に走行できるように、ガードレールを設置して制限速度を設けることに似ている気がします。

 実はこれと同じようなことは、皆さんが所属する組織でも行われています。便利なクラウドサービスはビジネスを促進させますが、無秩序にこれを利用してしまうと、設定ミスによる思わぬトラブルや情報漏えいにつながる可能性があります。

 昨今では特にクラウド活用に関して「クラウド・センター・オブ・エクセレンス」(CCoE)と呼ばれる組織を構築し、クラウド内の“ガードレール”を作って安全に最高速が出せる環境を整備する企業も増えてきています。同様のことが、子どもを持つ家庭内でも行われているわけです。

 「百聞は一見にしかず」といいますが、体験は“100見”くらいの効果があると思っています。皆さんもぜひ、一度家庭内で“管理”側に回ってみてはいかがでしょうか。管理される側では気が付かなかった、管理の難しさや重要性を体験すれば、その意義もしっかり理解できるはずです。

 我が家の“管理”はまだ1週間もたっていないのですが、それだけでもまず「ポリシー」として何を許可し、何を制限したいかを考えること。また、ある程度「やりながら調整する」という試行錯誤の重要性を身をもって体験しつつあります。「ITmedia エンタープライズ」でも大日本印刷のCCoE事例を紹介していますが、家庭内でも参考にできるポイントがあると思っています。

 ぜひ、皆さんも管理する側に回ってみてください。スマートフォン利用や家庭内ネットワークは良い教材になるはずです。

筆者紹介:宮田健(フリーライター)

@IT記者を経て、現在はセキュリティに関するフリーライターとして活動する。エンタープライズ分野におけるセキュリティを追いかけつつ、普通の人にも興味を持ってもらえるためにはどうしたらいいか、日々模索を続けている。

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