ウルトラマンや仮面ライダーなど、特撮番組190作品もの現場を撮り続けた、レジェンドカメラマンがいる。その名は大島康嗣。カメラマン人生55年の集大成である弩級の写真集『HERO 大島康嗣の仕事』刊行に寄せて、大島氏が明かした特撮現場撮影の舞台裏を、担当編集者が紹介する。すべての特撮ファンにおくる、仰天と感動の<衝撃エピソード>をお楽しみいただきたい。
特撮スチルカメラマンに人生を賭ける!
『テレビマガジン』などの幼児誌のヒーロー記事や、大人向けの特撮ムックのページを飾るヒーローたちの雄姿。
ある時は高所でバトルをくりひろげ、またある時は激しい爆発の前でポーズを決め、さらにある時は怪獣を持ち上げる、そんなヒーローたちの活躍に、子どもたちや子どもの心を持った大人たちは胸の高鳴りを抑えきれません。
テレビや映画の中のヒーローたちは、もちろん動き、声を出し、くわえて音楽や爆発音などのさまざまな要素を駆使して、視聴者のハートを震わせてくれます。
それに対して誌面のヒーローたちは、写真と文字だけを武器として、感動を伝えなければなりません。
そのために撮影の現場でどのようにすれば、心を揺さぶる迫力があり、しっかりと状況を伝え、内面に隠された心情をうつしだす写真を撮ることができるか、そのことに人生を賭けた男がいます。