試験概要

宅建試験の問題構成は?各科目の配点と目標点も解説!

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試験の問題には、様々な出題形式があります。

「択一式」と呼ばれるマークシート式の問題もあれば、「記述式」「論述式」「論文式」と呼ばれる解答を実際に書かせる問題もあります。

出題形式が異なると、合格に向けてすべき勉強の内容も大きく変わることとなります。

そのため、勉強を開始するにあたってまずすべきなのは、どのような出題形式の問題が出題される試験なのかを、正確に把握することです。

では、宅建試験では、どのような出題形式の問題が出題されるのでしょうか。

また、出題形式にうまく対応した勉強とは、どういったものでしょうか。

今回は、宅建試験の出題形式と出題形式に対応した勉強方法について見ていくこととしましょう。

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宅建試験の問題構成

そもそも宅建試験(宅地建物取引士資格試験)は、宅地建物取引士(宅建士)になるために受験する試験であり、不動産取引に携わる宅建士としてふさわしい素養を兼ね備えているかを試す試験です。

したがって、宅建試験は「不動産取引に関する法令や関連知識について問う試験」であると言い表すことができます。

まずは、宅建試験に関する漠然とした・なんとなくのイメージを掴むことからスタートしましょう(このイメージが、後々科目ごとの勉強のやり方に強く関わってきます)。

宅建試験の出題形式(試験形式)

初めに、宅建試験の出題形式(試験形式)など形式的な面から確認していくこととしましょう。

宅建試験の問題は、

すべて「4肢択一式」問題です。

「記述式」形式の問題は出題されません。

「4肢択一式」とは、4つの選択肢のなかから「正しいもの」や「誤っているもの」等問題で指定された条件に合致する選択肢を選びだす問題形式で、いわゆるマークシート式の問題のことです。

「4つの選択肢のなかから正解肢を選べればいいんだな!」ということです。

また、宅建試験の問題数は、全部で50問あります(「5問免除者」の方については、45問になります)。

次に宅建試験の試験時間ですが、2時間(13時から15時までの2時間)です(ただし、いわゆる「5問免除者」の方については、1時間50分(13時10分から15時までの1時間50分)です。

以上のことから、宅建試験は「合計50問の問題を、2時間の試験時間のなかで、合格点になるまで正解すればよい」試験だということになりますね。

科目ごとの出題数

話が変わって、次は宅建試験の少し変わったところをご紹介しましょう。

実は、宅建試験では、科目ごとに出題される問題数が異なります。

具体的には次のとおりです。

科目出題数問題番号
権利関係14問問1から問14まで
法令上の制限8問問15から問22まで
税その他3問問23から問25まで
宅建業法20問問26から問45まで
免除科目5問問46から問50まで

ザっと見てみると、「権利関係」「宅建業法」という2科目の出題数が多いことが分かります。

なので、「この2科目を何とかすれば……」と思ってしまいそうですが、実はそう単純な話でもないのが、宅建試験の対策が難しいところです。

各科目の勉強方法などの解説は別記事で取り扱っておりますので、詳しい内容は、そちらに譲りたいと思います。

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宅建試験の科目

さて、先ほど「各科目の出題数」をご紹介しました。

なので、折角ですから、ここで「宅建試験の科目」について簡単にご紹介していきます。

①権利関係

権利関係は、「なじみやすいけど、量が多い。深入り厳禁。」

権利関係では、主に「民法」という法律を中心に勉強していきます。

「民法」は、例えば不動産を購入することになった場合(売買契約)や、アパートやマンションを借りることになった場合(賃貸借契約)に関し、様々なルールを定めた法律です。

この例えでもお分かりいただける通り、「権利関係」で登場する話というのは、私たちの生活に非常に密接した・とても馴染みのある話ばかりです。

そのため、「権利関係」の勉強を始めた頃は、「こういう風になっているのかー、へぇ~」というように、皆さんの興味を引く話が多く登場することと思います。

一見すると、馴染みやすく勉強するのが楽しい科目なのですが……問題はその量です。

とにかく「権利関係」は勉強する量が多いため、問題が解けるようになるまで時間がかかります。

「入る(入学する)のは“易しい”けど、出る(卒業する)のは“難しい”」というイメージですね。

宅建試験の合格のためには、「権利関係」とどれだけうまく付き合えるかがポイントになります。

関連コラム:宅建試験の「権利関係」の出題傾向と勉強法

②法令上の制限

法令上の制限は、「外国語みたい!でも、やると単純。」

「法令上の制限」では、購入した不動産(土地や建物のことです)に対して様々な制限(規制)を課す法令を勉強します。

例えば、「建築基準法」という法律には、建物を建築するにあたっての様々なルールが定められています。

「高さは~」とか「敷地はこれくらいしか使っちゃダメ~」とか、そんな話です。

そういった様々な制限(規制)を課す法律なもんですから、とにかく専門用語がたくさん登場します。

そういった用語は、私たちが日常生活を送るうえで、まず聞くことがないようなものばかり。

「建蔽率」なんて聞いたことありますか?(私は最初、何と読むのか分かりませんでしたよ…)

専門用語が多く登場する「法令上の制限」は、慣れるまでが大変な科目です。

慌てず新しく登場する用語の一つ一つを大切に覚えつつ、少しずつ前へ進むことを心がけましょう。

そういった苦労の向こう側にたどり着くと、実は「法令上の制限」って出題が単純。

重要な項目を繰り返し出題するという特徴があるので、過去問題を使った問題演習は割とあっさり終わってしまうはずです。

「権利関係」と比べて評価するならば、「入る(入学する)のは“難しい・大変だ”れど、出る(卒業する)のは“易しい”」というイメージですね。

関連コラム:宅建試験の「法令上の制限」の出題傾向と勉強法

③税その他

「税その他」は、税制を学びます。

例えば、不動産を購入した場合、新たに不動産を取得したとして、不動産取得税という税金を納める必要があります。

また毎年1月1日(元日)の時点で不動産を所有する人は、毎年固定資産税という税金を納める必要があります。

このように、聞くのも嫌になる税金の話を宅建試験では勉強しなければなりません。

なんてったって、宅建試験は「不動産取引に関する法令や関連知識について問う試験」ですから、不動産を購入するにあたって必要になる費用の理解も求められますよね。

とはいえ、例えば税理士さんのような高度な税制に関する理解が求められるものではなく、いわゆる税制の入門的な内容を勉強するくらいです。

最初は不慣れな用語が多く苦労するかもしれませんが、慣れてしまえば、あとはポイントを絞ってササッと片づけちゃいましょう。

関連コラム:宅建試験の「税その他」の出題傾向と勉強法

④宅建業法

宅建業法は、「落とせない、だから辛い」

正式には「宅地建物取引業法」という名称です。

「宅建業法」は、不動産取引に関する業務を規制する法律です。

何といっても不動産取引はお客様にとって一生に一度のビックイベントですから、取引の安全性の確保は重要中の重要事項です。

一生に一度のビックイベントを無事に終わらせるための様々な規制が、宅建業法には定められており、それを勉強するのが「宅建業法」という科目です。

「宅建業法」は、ルール自体はそれほど多くありません。

そのため、他の科目に比べて、割とあっさりと終わってしまうでしょう。

しかし、宅建試験の合格を目指すうえでは、「宅建業法」は得点源としなければなりません。

「宅建業法」で点数を稼げなければ合格はないと思ってください、それほど重要な科目です。

これはすなわち、どんな問題が出てきても間違うことができないことを意味します。

ミスが許されないのです。

ミスが許されない科目というのは、勉強そのものよりも、ミスを避けるための努力のほうが本当に大変です(例えば、問題文の読み間違えは絶対に合ってはなりません)。

プレッシャーも尋常ではありません。

「宅建業法」では、科目自体の勉強もさることながら、どんな問題が出題されても動じないという精神的タフさも求められます。

関連コラム:宅建試験の「宅建業法」の出題傾向と勉強法

⑤免除科目

「免除科目」では、建物や土地の構造に関する知識や、近時の統計など不動産取引に関する知識を試す問題が出題されます。

内容自体は、過去に出題された内容をマスターすればそれで十分です。

ここまでたどり着いた受験生の方であれば、この科目も難なくクリアすることができるでしょう。

ちなみに、不動産取引に従事する一定の条件を満たす方は、「登録講習」という講習を受講することでこの科目の解答が免除されます。

試験が始まる前の時点で「+5点」の状態になるわけで、利用できる方はぜひ利用してください。

関連コラム:宅建試験の5点免除は有利になる?条件となる講習や申し込み方法も解説

宅建試験で各科目の目標点は?

これまでの話を踏まえると、各科目の目標点・目標正解数は次のとおりです(なお、1問につき1点です)。

科目出題数目標点・目標正解数
権利関係14問7~8問正解
法令上の制限8問5~6問正解
税その他3問2問正解
宅建業法20問17~18問正解
免除科目5問4~5問正解

まず注目していただきたいのが、「宅建業法」です。

20問中どれほど難しくなったとしても17問以上正解することが求められます。

最低ラインが80%正解ですから、「宅建業法」は本当にケアレスミスが恐ろしい科目です。

ここは何がなんでも守り抜いていただきたい。

これに対して、「権利関係」は出題数の割に「目標点・目標正解数」が抑え目になっています。

これは、「権利関係」はとにかく量が多いので、ここで高得点を目指すというのは効率が悪いからという理由と、これ以上の正解数を目指すとなると勉強量をさらに増やす必要があるからという理由です。

まとめ

以上、宅建の問題構成と各科目の配点でした。科目ごとに配点が大きく異なっているのが、宅建試験の特徴といえそうです。

このコラムをまとめると、

・宅建は全50問の試験で4肢択一のマークシート

・宅建は不動産取引のエキスパートとして不動産関連の法律や知識を問う試験で、権利関係、法令上の制限、税・その他、宅建業法、5点免除問題の5科目

・宅建業法に大きな比重が置かれており、民法もかなりの割合を占める

・35点前後を目指し、特に宅建業法を得点源にすべき

ということになります。

この出題科目、配点、目標点を見て、どの科目を集中すればよいか分かったのではないでしょうか?宅建合格に向け、勉強を始めていきましょう!

関連コラム:宅建に独学で合格するのに必要な勉強時間は?時期に応じた時間配分も解説

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この記事の著者 林 裕太講師

2007年に行政書士試験に合格し、大手資格予備校で長年行政書士試験の受験指導を行う。

初学者向けの入門講座から、受験経験者を対象とした上級講座まで幅広く講座を担当。

本試験の出題傾向を緻密に分析した上で、初学者・受験経験者問わず、少しでもわかりやすく、点をとりやすくなるような講義とテキスト作りに心血を注ぐ。

また、様々な資格試験に精通する「資格マニア」でもある。

アガルートアカデミーでは、行政書士試験だけでなく、公務員試験(法律系科目,社会科学等)、

宅地建物取引士試験、司法試験(一般教養科目対策)、ビジネス実務法務検定®試験の指導も行う。

林 裕太講師の紹介はこちら

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