シンガー・ソングライター藤原さくら(26)が、SixTONES京本大我主演の日本テレビ系連続ドラマ「束の間の一花」(月曜深夜0時59分)で、約6年ぶりにヒロインを演じている。このほど、日刊スポーツの取材に応じ、作品への思いを明かした。

タダノなつ氏の同名漫画が原作。藤原は以前、偶然にも原作を読んでいたという。

「1、2年前に、たまたま面白そうと思って読んだことがあった作品でした。マネジャーから『束の間の一花って知ってる?』と言われた時に、『え、知ってる!』みたいに、ちょっとびっくりしちゃいましたね。原作を読んで、友達と『あれ面白かったよね』ってアツく話したことがあったので、まさか自分にその話が来るとは全く夢にも思わず、すごくうれしい気持ちと、できるかな?っていう気持ちがありました」

作品は、ともに余命宣告を受けている京本演じる哲学講師(萬木昭史)と、藤原演じる生徒(千田原一花)。いつ終わりを迎えるかわからない日々を過ごす二人の“束の間”の恋の物語。

「台本を読んでも感じるんですけど、見ている人全員に当てはまる題材だと思います。『恋愛漫画なんでしょ?』とか、『余命がある人たちの話なんでしょ?』というのではなく、あなたの話でもあるというか。少女漫画で恋愛のキュンキュンするお話というよりかは、すごい哲学的で、すっごい考えさせられる話なんですよね」

ヒロインを演じるのは、ドラマデビュー作となった16年の福山雅治主演のフジテレビ系連続ドラマ「ラヴソング」以来、約6年ぶりだ。

「絶世の美女みたいな役だったら、ちょっと無理ですってなるんですけど(笑い)。それよりかは、すごい不思議な女の子で、すごく肝が据わっていると感じました。ただすごく普通の子っていう印象も感じたりして、気負い過ぎず演じるのがいいのかなって思いました」

京本とは初共演だという。

「お会いしたこともなかったので、どんな方なのかわからなくて。ちょっとクールなイメージが勝手にあったんですけど、全然そんなこともなく、もちろんクールなところもあると思うんですけど、すごく楽しくおしゃべりしてくれる、いい方ですね」

演じる一花は、高校2年で余命2年の宣告を受ける。その宣告期間を越え、大学生に。そこで「生きる希望」となる萬木先生と出会い、距離を縮めていく。

「一花ちゃんは、今まであんまり出会ったことのないキャラクターなんですよね。多分普通の人だったら、余命2年を宣告されたらもっと落ち込んで、じゃあどう過ごそうってなった時に、大学に行こうってならないと思うんですよね。だから1人の女の子として、人間としてかっこいいなって思う瞬間がすごくあります。役作りがすごく難しかったんですけど、漫画ライクな感じというより、『こういう子、いるよな』っていうところを、目指して演じています」

あまり気負いすぎず、日常にいそうな女性を演じることを心がけている。ただのラブストーリーではない。視聴者には何を伝えたいのか。

「大切な人と今過ごせてる時間がどれだけ幸せなことなんだろうとか、自分が余命宣告を受けた時に『じゃあどうするんだろう』って、自分に落とし込んで考えた時に、ハッとする作品だと思います。だから人ごとじゃないというか、みんないつかは死ぬわけですし…もちろんキュンとしたりもしてほしいですけど、『いい話だったなー』で終わらず、改めて自分に置き換えて、考えるきっかけになればいいなと思います」

【佐藤勝亮】

◆藤原(ふじわら)さくら 1995年(平7)12月30日、福岡県生まれ。10歳でギターを始め、その後福岡のカフェやレストランでライブ活動を開始。15年3月メジャーデビュー。16年フジテレビ系月9連ドラ「ラヴソング」で女優デビュー。今年5月から弾き語りツアーを開催中で、11月9日にはシングルEP「まばたき」を発売する。