2022.4.28 29巻の内容に合わせて追記しました
本記事で紹介している展示会は開催終了しています

先日東リベの聖地巡礼のために恵比寿のガーデンプレイスに行ったのですが、その途中で気になる看板を見かけました…?

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「写真発祥地の原風景 幕末明治のはこだて」
東京都写真美術館(TOP MUSEUM)
2022年3月2日(水)~5月8日(日)
休館日や料金など詳細は↓にて



えっ。

コレ、ゴールデンカムイ最終章クライマックスに合わせた企画展じゃない???ってくらい、今見たい展覧会じゃないですか!?ちょうど時間に余裕もあったので、行って参りました。当日券で大人1枚700円。安い!公式サイトを見るとオンラインでの事前の日時指定予約を推奨とのことなので、前もって予定が決まってる方はそちらをご活用くださいね~。

写真撮影OK、SNSやブログ等の掲載は自己の責任に於いてOKとのことなので、撮影させていただいた展示物を載せながら、金カムと絡めてご紹介出来ればと思います。

↓撮影やSNS等の掲載条件についてはコチラをご参照ください
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めちゃくちゃ興味深かったですよ!2021年GWに函館に聖地巡礼に行って、地形とか何がどこにあってってゆうのはかなり覚えていたので、地図1枚、写真1枚がそれぞれ面白くて、写真を撮りながらも食い入るように見てましたw

金カムに使われていた写真がアレも!コレも!…というほどではないんですけど、金カムをお好きな方なら楽しめる要素が結構あるのではと思います。特に函館に聖地巡礼に行かれたことがある方は、是非観に行っていただきたいな~と思います。


・展示物を撮影した写真を掲載しますので、写真の内容や文字など、見にくいものがあるかもしれません。
・これから企画展に行かれる方の楽しみを削がず、且つ行けない方にも金カム関連の情報が伝わるようにと考えて内容を選んでご紹介していくつもり…です。
・最終章を含めた金カムの軽めのネタバレがあります。


良かったらわたしが函館に行った際のレポブログも合わせて読んでいただけると、内容がカブったりしてるので、より伝わるかな…?と思います。

↓五稜郭、ロシア領事館等金カムに関わる聖地のはなし
 




ではでは、実際の展示物をご紹介していきますねー。



函館は歴史的に~とか学術的なことは置いといて、コレ見て!ってゆうのからどんどん出しますねwお勉強的なことは是非会場でフムフムしてください。


①20巻198話の函館遠景(函館湾より)はたぶんコレ
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≪函館市街全景『曾経天覧 函館全景写真集』より≫
明治9年頃撮影

この写真の函館山をメインに左右をカットした辺りを基に描かれているのではと思います。展示会には同じような位置から撮った年代、撮影者の違うパノラマ写真が何枚か展示されているのですが、手前の建物、船の位置等から見てこの写真だと思います。

同じ写真をもっと寄りで撮った写真なんですけど…
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古い写真とはいえ結構細かくてびっくり。写真だから当たり前なのかな?年代がもっと進めばあそこらへんにロシア領事館があるんだけどなぁw(例のロシア領事館は明治39年竣工)

作中(鯉登少年16歳時)では明治35年くらいなので、若干写真の方が古いのかな。ただ明治35年にこの景色は恐らく撮影出来なかったハズなんですよね…というのも。

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文字までは読めないかな?函館-2記事でもご紹介した函館要塞が函館山に作られたのが日清戦争後の明治28年、それ以降函館山は軍事機密として、一般人の立ち入りはもちろん、測量・撮影・模写することも禁じられていたそう。

29巻281話扉のシライシの背景もこんな感じ。
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≪函館山と港≫
明治5年頃

細かく見るとこの写真イコールではないのかなと思うのですが、函館山の感じとか、イメージはほぼ一緒ですよね。

【2022.4.28追記】
と思ったんだけどコミックス29巻に収録されるに当たってこの扉絵がなくなっちゃいましたねシライシは目次ページに移ったけど背景はナシになっちゃったので、本誌が手元にある方はそちらでご確認ください。追記以上。

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現代だとこんな感じかな。ちょっと遠いけど。


②20巻199話、29巻281話の函館遠景(函館山より)はたぶんコレ
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≪函館のパノラマ≫
明治22年頃

この写真の陸地が繋がってる首みたいな部分を中心に左右をカットして使ってると思います。①の函館湾側からのパノラマ同様、函館山側からの写真も何種類かあるのですが、見やすさ、建物、あそこらへんがああなってる感じ(フィーリング)から言って、この写真だと思いますwいやしかし…この写真を模写で描き起こすのすげえよ…!

現代と見比べるとこんな感じ。
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③函館といえば土方さん
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≪旧幕府脱走軍≫
明治期/明治44年(模写プリント)

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「陸軍奉行 大鳥圭介」の隣に「同並(つまり陸軍奉行並) 土方年三」と書いてあります。

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≪箱館奉行所≫
明治元年頃

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≪弁天台場≫
明治2年以降

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≪碧血碑≫
明治8年以降

箱館奉行所、弁天台場は288話の過去回想シーンに出てきますね。弁天台場は多分上の写真をモデルに描かれてる気がします(展示会場には2枚弁天台場の写真があります)。箱館奉行所は過去写真なのか、現在の復元を基になのか分かりかねますが…。

箱館奉行所(五稜郭)や土方さんの史実的聖地に関しては函館-1記事でご紹介しています。
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今ある箱館奉行所は復元


④最終章で大活躍!蒸気機関車しづか号(みたいな何か)
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≪札幌屯田兵村前の鉄道≫
明治4年-13年頃

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≪札幌駅≫
明治4年-13年頃

鉄オタではないのでこの写真の蒸気機関車がしづか号なのかしづか号の兄弟列車なのかはたまたそれ以外なのかよく分からないのですが、しづか号に似てることは間違いない!しづか号は小樽の小樽市総合博物館 本館に展示されています(小樽記事参照)

簡単に調べたところ、しづか号及び兄弟列車(国鉄7100形蒸気機関車)が北海道で運行されたのは明治13年からだそうで、写真の説明と比べて微妙なところではあります…。

しかしながら2枚目の札幌駅の風景は、24巻杉元一行が上エ地圭二に出会った歌志内の鉄道風景にも似ていますし、札幌駅と言えば29巻283話で鶴見中尉が無理やり札幌からの汽車を走らせたシーンにも繋がります(作中の絵と写真は全然違いますが)


⑤回天丸
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≪旧幕府脱走軍艦回天の残骸≫
明治2年/大正11年(模写プリント)

回天丸は箱館戦争時の旧幕府軍(言葉にするのがツラいのですが正しくは旧幕府脱走軍です…)側の軍艦で、新政府軍によって放火され丸焼けになってしまった…というエピソードが金カム288話でも描かれています。ちょうど↑の写真のような丸焦げの残骸になってしまった絵も描かれていますね。2本の煙突の角度や位置関係的にこの写真ではない気がしますが…。

そうゆう微細な違いで見分けられるほどに常から精密な背景を描かれているというのが、ゴールデンカムイの凄いところだなぁと聖地巡礼マン的に思います。そして助かる。

回天丸と言えば過去回想のみならず、作中現代でも出てきましたね!最終章290~293話まで、隠してあった回天丸主砲が~というわたし個人からいうとちょっとこれ以上は説明しづらいエピソードなんですが、そこでも活躍していました。


⑥他にもこんなのあるよ
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金カム民ならみんな知ってるブラキストンさん!
(他にブラキストンさんが住んでた家の写真もあって、ワレ、めっちゃいい家に住んどるやないか!って思いますw)


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≪開拓使札幌本庁舎≫
明治6年-明治12年

あ、アナタは開拓の村にある…

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旧開拓使札幌本庁舎!ですね!明治6年竣工!
実際の建物は焼失していて、開拓の村にあるのは再現建造物だそうです。


あと個人的にお見せしたいのか…
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≪函館八幡宮≫
明治10年頃

碧血碑の近くにある神社さんで、ちょうどココにも寄ってたんです。
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建物はさすがに建て替えてる…かな?
こんな感じで、現代の姿と見比べられるのも面白いですね。

【2022.4.28追記】
29巻加筆にてこんなのも出てきました!
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≪箱館復活聖堂の初代聖堂外観≫
明治17年頃

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≪ハリストス正教会堂ほか≫
撮影年不詳

函館の観光ガイドに必ずと言っていいほど登場するハリストス正教会堂の当時の姿がコチラなのですが、この建物の四角錐とスライム型の2つの特徴的な塔の外観が、29巻281話冒頭の函館の雰囲気を紹介するページ(「多くの教会や外国領事館がある」のモノローグのコマ)に登場しています。

ちなみに隣のコマは函館-2記事でも紹介している「イギリス領事館」ですね。追記以上です!


以上、「幕末明治のはこだて」展に見る、金カム聖地巡礼でした…!
速報的に記事を出したかったので、そんなに細かく調査してないから、見落としてるものとかもあるかもしれないです。金カム展やGWともカブっているので、良かったら皆さんも行ってみてくださいね



執筆時点(2022.4.8)であと3話で連載終了!と言われていて、この先何がどうなって終わるんだろうってドキドキと、ついにここまで来たのか…という感慨深さと、なんかこう、いろいろありますねwもうほんと推しがかっこよくて最高でした…!

わたしが金カムにハマって本誌を追いかけ始めたのが2020年8月の札幌麦酒工場の辺りで、決して早い方ではないんですけど、それでも1年半…本当に影響力のある凄い完成度の作品だし、大好きだし、野田先生のことも大尊敬なので、大好きな気持ちのまま、最後まで見届けられそうで嬉しいです。