アローラ地方の各地にヌシールを貼ったのは!?


――ちなみに、ヌシールを集める遊びを入れ込むために工夫したことは?
杉中ヌシールは、島めぐりの習慣の中のひとつとして追加した収集要素です。島めぐりをする冒険者たちのために各島のキャプテンたちが思い思いに貼っているという設定なのですが、じつはポータウンについては、スカル団がそれをジャマして、剥がしたものを貼り直しているという演出を加えています。
――あちこちに貼ってあるヌシールを剥がすだけでなく、ある意味で律儀に貼り直してくれるのがスカル団っぽいですよね(笑)。
杉中ええ。だからポータウンのヌシールはけっこうヤケクソ気味に貼ってある。同じ場所に3つ貼ってあったりしますが、あれはスカル団なりのパンクなんですよ(笑)。
――あのシールの位置にはそんな細かい裏設定が(笑)。でも、各キャプテンが何を思ってその場所に貼ったのかを想像すると、ヌシール集めがより楽しくなりますね。

刷新されたキャプテンの試練に秘められた意外な事実

――キャプテンと言えば、試練の内容やそれに関わるストーリー展開も、新しいものが加わりました。
杉中試練はアローラ地方にしかない文化なので、よりアローラ地方を好きになってもらえるように作りました。中でも大きく変化したのは、マーマネの試練ですね。
――マーマネの試練は、遊びの要素がより強くなりましたよね。あの着想はどこから?
杉中発端は、自分がやりたかったという想いからきています。学生時代から乾電池がすごく大好きで、集めたりしていて……。
――えっ、乾電池を!?
杉中特性や形状が好きなんです。人それぞれ、いろいろな趣味があると思いますが、とにかく乾電池が好きで。デンヂムシというピッタリのポケモンがいたので、これはもう、今回の試練に活かすしかないなと(笑)。
岩尾マーマネの試練は、ストーリー的にも中盤の、プレイヤーの皆さんが慣れてきたころなので、ちょっと『ポケモン サン・ムーン』とは別の刺激を入れたいという話をしていたんです。そんな中で杉中が出してきたのが本作でのマーマネの試練でした。開発の要所には、開発担当者の「なんとしても、おもしろくしたい」という想いが前面に出るものですが、あの試練はとくにそのこだわりが大きく出たところですね。
――ほかのキャプテンたちの試練についても、人物の掘り下げが行われていますよね。
杉中大きなところですと、マツリカの試練がそれにあたります。マツリカの試練はストーリー的にキリがいいといいますか、アローラ地方の危機をしのいだ後に本来の旅の目的である島めぐりに戻る起点として、大事なところなのです。そこで島めぐりの集大成を表現しようと思いまして、マツリカの試練では、それぞれのキャプテンを訪れるようにしました。じつはその試練を進める中で、各キャプテンのこれまでとは別の側面が見られるようにしてあります。カキとやまおとこのダイチの関係性など、本作で初めて明かされるものもありますので、ぜひ楽しんでいただければと。