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全世界株式ファンドで長期の資産形成を、日米の個人金融資産の格差を生んだ投資の「常識」の違いとは?
2022/10/28 10:06
米国では、ごく一般的な勤労者が30年、40年という長期で株式ファンドを活用した積立投資により退職時に豊かな老後を過ごせるほどの資産を作っている。その米国で長期資金の運用先としてキャピタル・グループのファンドは、多くの投資家に選ばれている。それが証拠に米国のアクティブ・ファンド残高ランキングにおいて上位を独占するほどだ。キャピタル・インターナショナルのマネージングディレクター 投信営業部長の依田俊也氏(写真)は、「投資信託は売買の対象ではなく、長期に時間をかけて保有する金融商品」と指摘し、日本国内にも米国のような長期投資が根付くよう努めていきたいと語った。
◆投資の成功体験が極端に少ない、日本の個人投資家
「皆様は、今までの人生の中で、投資信託だけで豊かな人生を送っている方に出会ったことがありますか?」「投資信託のおかげで、子供たちを大学まで進学させることができた」、「投資信託のおかげで毎年のように海外旅行をしている」など、このような成功体験を持つ人が極端に少ないのが、わが国日本の現状です。一方、米国では本当に多くの方が投資信託で豊かな生活を送っています。
1991年の個人金融資産は日本が1017兆円、米国は2218兆円。30年後の2021年には、日本は2023兆円、米国は1京3613兆円となり、この30年間で日本の個人金融資産は2倍に、米国は約6倍になりました。
日米で大きな差がついた理由の1つは、投資信託市場の拡大の差にあったと考えます。1991年の日本の投資信託市場は41兆円、米国は174兆円でした。それが、2021年には日本が164兆円、米国は3105兆円になりました。30年間で日本の投資信託は約4倍に拡大しましたが、米国はこれを大きく上回り約18倍にまで拡大しています。日本では多くの方が、「投資信託は安く買って、高く売る金融商品だ」と考えています。つまり、タイミングで売買するものだと思っているのです。米国では投資信託は売り買いするものではなく、多くの方が長期で保有する金融商品だと考えています。
日本と米国の20代の若者が、企業型の確定拠出年金で何に投資しているかをみると、日本は株式の保有比率が約35%であるのに対し、米国は8割を超えています。確定拠出年金は毎月決まった金額を拠出して積立てますが、20代は老後を迎えるまで40年以上の十分な期間があります。そのような理想的な資産形成の手法で株式という成長資産を有効に取り入れていないことは、本当に残念なことだと思います。株式ファンドで多くの米国人の生活を豊かにしてきたキャピタル・グループとしては、成長資産である株式を資産運用の要として組み入れていただくことを強くお勧めしたいと考えます。
◆創業90年超の独立系資産運用会社「キャピタル・グループ」
キャピタル・グループは1931年、米国のロサンゼルスで創業された独立系資産運用会社です。創業者のジョナサン・ベル・ラブレスは「投資のプロフェッショナルが運用する投資信託で個人投資家に豊かな生活を送ってほしい」との思いで創業しました。創業90年を迎えた昨年末、グループ全体の資産残高は300兆円を超えましたが、その9割の271兆円は米国籍ファンドであり、米国籍のアクティブ・ファンドにおいては最大の運用会社となっています
271兆円のうち7割は、個人退職勘定(IRA)や確定拠出年金(401k)といった個人の長期の資産形成を目的とした資金です。受益者の方々の資金性格が長期であるために、キャピタル・グループの投資哲学も「長期」が基本になっています。創業以来、新ファンドを極力作らないことにこだわってきました。また、インデックス・ファンドを手掛けないということも特徴の1つです。米国籍アクティブ・ファンドの純資産残高トップ20のうち、13本がキャピタル・グループのファンドが占めています。
◆全世界株式ファンドで安心の長期投資
投資対象を特定の国や地域に絞らずに、全世界に広く分散投資する「全世界株式ファンド」が長期投資により適していると考えています。世界のGDPと全世界株式インデックスは過去20年間、基本的に右肩上がりになっています。全世界株式インデックスは、この20年間で約4.5倍になり、長期的には世界のGDPの拡大とともに、上昇しています。
今後の世界のGDPは、2001年の約34兆ドルから2026年には約127兆ドルまで拡大する見通しです。経済が成長するには人口の増加は欠かせない要因です。2021年の世界の総人口は約79億人ですが、2051年には約98億人になることが予想されています。
また、世界はより豊かになっていきます。2025年の世界人口約82億人を4つの所得水準に分けてみてみます。たとえば、「低所得層」(約6億人)の移動手段は徒歩です。「低中所得層」(約31憶人)では自転車で移動します。「高中所得層」(約32憶人)はバイク、「高所得層」(約12億人)は自家用車で移動するというイメージです。現在、世界の人口の大半が「低中所得層」と「高中所得層」です。これが、2040年には、総人口が10憶人増えて約92億人になり、その中で「高中所得層」が9億人増加し、「高所得層」が7億人増加します。このように世界全体の人口増加と所得水準の向上を背景に世界経済は、今後も持続的な成長をしていく可能性が高いと考えられます。
私たちの旗艦ファンドである「キャピタル世界株式ファンド」は、米国のアクティブ・ファンドの残高ランキングで5位の「ニューパースペクティブ・ファンド」と同様の運用戦略です。当運用戦略の運用がスタートした1973年に全世界株式インデックスに100万円投資したと仮定すると、2021年末には2754万円になりました。これはコストゼロで計算しています。一方、当運用戦略に同じ期間投資した場合、購入時手数料3%と信託報酬等のコスト(年率1.72%)を差し引いても、2021年末には9453万円となっています。また、毎月1万円ずつ40年間積立てた場合、全世界株式インデックスはコストゼロでも2989万円であったのに対し、当運用戦略はコスト控除後で5288万円となっています。このように優れたアクティブ・ファンドは、コストを控除してもインデックスを上回る成績を残すことができます。
ただ、アクティブ・ファンドは、多くの場合、一人の天才的なスターファンドマネジャーに依存していることが多いのです。これは、アクティブ・ファンドの最大の強みであり、同時に最大の弱みでもあります。天才も生身の人間ですから、いつかは必ず引退してしまうのです。キャピタルは、人間ならだれでも年を取るという避けられない課題を解決する仕組みを作っています。キャピタルの運用するすべてのファンドは原則としてチームで運用しています。チーム制で世代を超えた長期にわたる運用を実現してきました。
米国では、キャピタルのファンドに長期投資をして豊かな人生を実現したという方が数多くいらっしゃいます。例えば、27歳から毎月25ドルの積立投資を始め、その後、昇給等があると積立額を増やし、64歳の時には資産残高が65万ドルまでになったという方がいます。これは「タイミングを図って投資を行う」とは真逆のスタイルを実践してきた結果です。大事なことは時間です。ぜひ、全世界株式ファンドへの長期投資で豊かな生活を得ることにチャレンジしていただきたいと思います。