今回は、アメリカのコロラド州生まれという変わり種のブレンデッドウイスキー、ティンカップを飲みます。

金鉱労働者の嗜みに肖ったボトル

_DSC5032_01ティンカップとはブリキ製のカップという意味ですが、同時にロッキー山脈の西側にある街の名前でもあります。

そこではかつて金が見つかり、ゴールドラッシュがあったそうです。
その際にやってきた労働者たちが、仕事の終わりにブリキのカップにウイスキーを注いで飲んでいたことから、ティンカップと呼ばれるようになったそうです。

そんな伝承に肖って誕生したのが、ティンカップというウイスキーです。

原酒としては、メインとなっているのがインディアナ州で蒸溜されたライ麦の割合が多めのバーボンをベースに、コロラド州で蒸溜されたモルトウイスキーを少量ブレンドして後熟を行い、ボトリングの際の加水にはロッキー山脈からの水を使っているようです。

ボトルのデザインも凝っていて、一番外側のキャップは名前の由来にもなったブリキのカップがつけられていて、それを取ることでコルク栓が現れます。
このカップはショットグラス代わりにも使えるようになっています。

テイスティング

グラスからの香り、液色

グラスからは、バーボンらしいエステリーな香りが広がり、ナシやバニラの香りも感じられます。

ストレート

メロンとバニラ、接着剤の香りが一気に訪れます。
味わいは、アルコールからの辛みは少なめで、苦みが先に広がった後、甘さがじわじわやってきます。

ロック

メロン、接着剤、リンゴ、パイン、バニラ、ブドウと、様々な香りが次々に感じられます。
味わいは、軽い酸味の後にほろ苦さがあり、後から甘味が広がります。

ハイボール

接着剤の香りが先にやってきて、メロン、リンゴ、バニラの香りが続きます。
味わいは、苦みが強く、甘さはほとんどありません。

バーボンにモルトウイスキーのアクセント

全体的にはバーボンらしさが強めに感じられますが、奥からモルト原酒からのリンゴ、ブドウの香りが加わってひと味違う印象を与えます。

このボトルでは加水することで苦みが強く出るようで、ハイボールでサッパリと頂くことが出来ない印象です。むしろストレートやロックの方がおいしいでしょう。

アルコール度数は42度で、750mLが4000円、375mLが2500円になっています。
それなりの熟成感はあるものの、コストパフォーマンスはそれほど優れている印象はないです。

<個人的評価>

  • 香り B: メロン、接着剤、バニラ、リンゴ、パインが香る。特にロックで香りが広がる。
  • 味わい C: ストレート、ロックでは甘味が目立つが、加水する毎に苦みが増す。
  • 総評 C: モルト原酒による変化が感じられるボトル。