1.南部の地形的特性に沿った軍部隊攻防
作戦戦術を考察する場合、まず地形の特性を分析(軍事的には、「地域見積り」と呼称)し、その上に敵と我を載せて攻防の流れを読んでいく。
なぜ、地形の特性を読むのか。
戦場の地形が、敵と我の作戦戦術に大きな影響を与えるからだ。
特に、攻撃側や防御側にとって、それぞれの作戦を容易なのか困難にするのかを分析し、知らなければならない。
具体的には、攻撃側にとっては道路やそれ以外の地盤は固くて機動が容易なのか、障害が多くて機動ができないのかが知りたい。
防御側にとっては、防御がしやすい地形なのか、守りやすい丘陵などがあるか、敵の攻撃を阻止する地隙や河川があるかを知りたい。
そして、それらの大きさによる阻止のしやすさなどを分析するのだ。
この南部の地形をみると、大きく3つに区分される。
①両軍が対峙している接触線からドニエプル川まで
②ドニエプル川から半島の付け根まで
③海に囲まれた半島の地域だ。
へルソンから半島までの地形区分