辺野古新基地建設に対する抗議行動をやゆしているインターネット掲示板「2ちゃんねる」開設者のひろゆき(西村博之)氏が7日、自らのユーチューブ配信で沖縄の人について「方言があったりするので(中略)文法的に主語2個入っちゃったりとか、きれいな日本語にならない人が多い」と発言した。しまくとぅばを研究する琉球大学教育学部の中本謙教授は、「しまくとぅばが影響して主語が二つ入るというのは理解し難い」と首をかしげる。

名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前を訪れたひろゆき氏

 中本教授によると、しまくとぅばも共通語と文法構造が近く、例えば本島中南部の多くの地域では「花が咲く」は「ハナヌ サチュン」となり、語順も共通語と同じ。ひろゆき氏の発言については「何をもって『主語が二つ』と言っているのか、具体例がないと理解が難しい」と話した。

 ひろゆき氏が「きれいな日本語」と表現したことについては、「例えばNHKアナウンサーが話すような共通語のことを指しているのであれば、ただ『規範文法にのっとった共通語』というだけだ。言語に優劣はない」と指摘。

 「地域ごとの方言やイントネーションが存在するのは当たり前のことで、沖縄に限ったことではない」と苦言を呈した。さらに「しまくとぅばは、方言札政策など抑圧の歴史がある。差別を扇動するような言動が正しい理解や継承の妨げにならないか、懸念している」と話した。

(社会部・矢野悠希)